2018年12月20日公開
2024年08月25日更新
クローブの特徴や使い方を紹介!効果・効能が相性も解説
クローブというハーブを知っているでしょうか?クローブは味や香りに特徴があり、スパイスとして料理にも使用される香辛料です。聞きなじみのない方もいるかもしれませんが、実はクローブには健康にもうれしい効果、効能があるといわれています。ここでは、クローブの使い方や相性のよい食材、レシピなども詳しく紹介しています。ぜひ、クローブを使って本格的な料理作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
クローブは刺激的な風味が特徴のスパイス&ハーブ
クローブとは?
クローブは、フトモモ科のチョウジノキという植物から作られるハーブです。日本では丁子(ちょうじ)や丁香(ちょうこう)とも呼ばれており、チョウジノキの開花直前のつぼみを乾燥させて作られています。クローブは、さまざまな効果、効能があるハーブといわれており、料理に使われることも多いようです。
クローブはスパイスの一種
インドや中国では古くから殺菌や消毒剤に使われていたクローブですが、スパイスとして料理に利用されることも多くあります。15世紀半ばから17世紀半ばの大航海時代には、こしょうやナツメグなどのスパイスとともにクローブがスパイス貿易の中心になっていたともいわれています。このことからも、クローブはハーブとしてだけでなくスパイスとしても長期間に渡り愛されてきた香辛料だといえるでしょう。
クローブの香りや味は?
では、クローブの味や香りにはどんな特徴があるのでしょうか?クローブは、バニラのような甘くて濃厚な香りとしびれるような刺激的な風味を持ち合わせたスパイス、ハーブです。実は、世界三大美女といわれた楊貴妃も、このクローブの効能に魅せられた1人だったようです。美容にこだわりのあった楊貴妃ですが、香りにも人1倍気をつかっていたといわれており、クローブを口に含んで消臭効果などに利用していたとされています。
クローブの効果効能は?
味、香りともに非常にインパクトのあるクローブですが、体にもうれしい効果、効能があるようです。クローブには強い鎮痛効果と抗菌効果があるといわれます。それにはクローブの主成分となるオイゲノールが関係しているようです。この成分は、麻酔薬や鎮痛剤などの医薬品としても用いられています。歯科医院でも利用されており、クローブの香りをかぐと歯医者を思い出すことがあるのは、この成分によるものだと考えられます。
また、クローブに含まれるオイゲノールには動脈硬化を防ぐ効能や、血糖値を下げる効果も期待されているようです。胃腸の消化を促したり体を温める効能もあるとされることから、日本では元々漢方薬として重宝されてきました。さらに、クローブには嘔吐や下痢、老化を防止してくれる効果、効能もあるともいわれています。
クローブの使い方
クローブをハーブティーにする方法
クローブの効果、効能を活かすため、料理のほかハーブティーにして取り入れるのもおすすめです。クローブは、生活にあまりなじみのないスパイスですが、スーパーなどでもホールタイプのクローブやパウダー状にしたクローブが販売されています。ハーブティーにはホールタイプのクローブを使うのがおすすめです。使い方は、クローブ6個を軽くつぶし、95~98℃のお湯を220cc注ぐだけです。
たったこれだけでもクローブの香りや味がしっかりついたハーブティーを作ることができます。気になる味ですが、ピリッとスパイシーでクローブならではの香りがあり、わずかに苦みも感じられます。クローブを砕いて使うとより一層、味や香りが強くなるようです。クローブは、いろんなハーブと相性が良いのでミント、ラベンダー、カルダモンなどのスパイスと一緒にブレンドした使い方をしてもよいでしょう。
クローブは肉料理の臭み消しにも効果的
クローブの代表的な料理の使い方に、肉の臭み消しがあります。クローブの香りを利用したおすすめの使い方で、クローブのホールを肉に直接クギのように刺して料理します。また、ポトフなどの煮込み料理に利用する際は、玉ねぎや人参にクローブを刺して鍋に入れるという使い方もされます。
また、パウダー状のクローブは、肉との相性の良さを活かしてハンバーグやミートボールに練り込んだ使い方も頻繁に行われます。ただし、クローブは非常に香りが強いため、くれぐれも使いすぎには注意しましょう。
クローブと相性の良い食材は?
肉以外にもクローブと相性の良い食材はいくつかあります。クローブの甘い香りを利用し、焼きりんごなどフルーツに合わせる使い方も相性が良いとされています。またパウダー状のクローブは、クッキーやパン、フルーツケーキに加えても相性の良さを実感できるでしょう。洋菓子と相性の良いバニラエッセンスと一緒にクローブをプラスすると、香ばしいよい香りがするのでおすすめです。
西洋ではクローブを芳香剤として利用も
クローブは西洋でも古くから親しまれてきたスパイス、ハーブです。ペストやコレラが大流行していた時代のヨーロッパでは、クローブが空気を浄化してくれると考えられ、身を守るためにクローブを利用していたという話もあるようです。16世紀ごろからはフルーツポマンダーというポプリが作られるようになり、丸ごとのりんごや柑橘類にクローブを刺して乾燥させたものを芳香剤として魔よけやお守りに使っていたともされています。
クローブをアロマとして使う場合相性の良い香りは?
クローブは、その良い香りを活かしアロマとしての使い方をされることもあります。クローブと相性の良いオイルとブレンドして使うことも多く、柑橘系、スパイス系、ハーブ系などが特に相性が良いとされています。また、オリエンタル系であればイランイランと相性が良く、期待する効能によってもブレンドするオイルが異なってきます。
クローブを使ったおすすめ料理レシピ厳選
いつもと一味違う「豚の角煮クローブ風味」
肉料理とよく合うクローブですが、甘辛い醤油味に合わせても美味しくいただけます。いつもと違うクローブ料理を作りたい方におすすめなのが、クローブの香りをつけた豚の角煮です。甘いクローブの風味が程よく、豚の角煮をワンランクアップさせてくれるでしょう。一緒に青菜やゆで卵を添えると、彩りもきれいになるのでおすすめです。クローブは控えめに使うのが美味しく仕上げるポイントです。2~3人のレシピは下記の通りです。
- 豚バラかたまり肉500g
- 水2カップ
- 酒1/2カップ
- 三温糖大さじ3
- クローブ(ホール)3個
- チンゲン菜1株
- ゆで卵2個
- 醤油大さじ3
- 豚バラ肉を2cm幅にカットします。ゆで卵は殻をむき、チンゲン菜は茎と葉に切り分け、茎を縦に4~6割にしておきます。
- フライパンを油をひかずに強めの中火で熱し、脂身を下にして豚肉を焼きつけます。3~4分たったら裏返し、全体に焼き色がつくまで加熱します。余分な脂をキッチンペーパーで拭き取ったら、肉がかぶるくらいの水(分量外)を加えます。煮立ったところで火を消し、ザルにあげて水気を切っておきましょう。
- 鍋に水、酒、三温糖、を入れて中火にかけます。煮立ったら2の豚肉を入れ、弱火にして30分ほど煮込みます。醤油を加えてさらに20~30分豚肉がやわらかくなるまで煮ましょう。
- 鍋にゆで卵を入れて2分ほどしたあとチンゲン菜を加え、しんなりしたら豚の角煮クローブ風味の完成です。
本場の味を自宅で作る「本格チャイティー」
チャイは、クローブなどスパイスを加えたインドの庶民的な飲み物です。クローブのみを使ったハーブティーは少しクセが強いため、クローブの強い香りが苦手な方はチャイにするのがおすすめです。砂糖や牛乳をプラスするとクローブの香りがやわらぎ、非常に飲みやすくなります。チャイの基本のスパイスは、クローブ、シナモン、カルダモンです。スパイスをそろえて美味しい本格的なチャイ作りを楽しみましょう。4杯分のレシピは下記の通りです。
- クローブ(ホール)4個
- カルダモン(ホール)4個
- シナモン(スティック)1本
- 紅茶(アッサムもしくはセイロン)ティースプーン4~5杯
- 水400ml
- 牛乳400ml
- 砂糖適量
- シナモンを手で4つに折り、カルダモンはさやから黒い種を取り出してすり鉢でつぶします(さやはあとで使うのため、捨てないでください)。
- 鍋に1(カルダモンはさやごと)と水を入れて強火にかけます。沸いたら中火にし、湯が茶色になるまでしっかり煮出します。
- 煮出せたら火を止め、茶葉を加えます。さらに牛乳、砂糖も加えて火にかけます。中火で沸騰直前まで温めたら、クローブを使ったチャイの出来上がりです。カップに注ぐときに茶こしを使ってこしましょう。
クローブなどのスパイスがきいた「本格ビーフカレー」
クローブをはじめとするさまざまなスパイスを使用した本格的なカレーです。作るのが難しそうに感じるかもしれませんが、クローブなどスパイスさえ事前に準備しておけば意外と簡単に作れます。クローブやカルダモンのスパイシーな香りが食欲をそそる1品です。辛いものが苦手な方は、チリパウダーの半量をパプリカパウダーに変えるとよいでしょう。クローブなどが複雑に絡み合った本格的なカレー作りにぜひ挑戦してみてください。
- 牛肉(カレー用)500g
- 玉ねぎ(みじん切り)2個分
- にんにくのすりおろし1片分
- しょうがのすりおろし小さじ2
- トマト(ざく切り)2個
- プレーンヨーグルト100g
- 水500ml
- 固形コンソメ1個
- サラダ油大さじ2
- 無塩バター20g
- 塩(肉用)小さじ1/2
- こしょう(肉用)小さじ1/2
- カルダモン(ホール)7個
- クローブ(ホール)5個
- クミンシード小さじ2
- シナモン(スティック)1本
- ターメリック(パウダー)小さじ1
- コリアンダー(パウダー)小さじ2
- ガラムマサラ小さじ1
- チリパウダー小さじ1
- こしょう(カレー用)小さじ1/2
- フライパンに油とホールスパイスを全て入れてから弱火にかけます。焦がさないよう気をつけながら、香りが立つまで炒めます。
- 1に玉ねぎを加え、中火にして炒めます。玉ねぎが茶色くなるまで炒めたら、にんにく、しょうがを加えてさらに炒めます。トマトを加えて水分がなくなるまで加熱したら、粉末スパイスを全て入れて、香りがたつまでしっかり炒めます。
- 牛肉に塩、こしょうを加えて揉み込みます。2のフライパンに牛肉を加え、火が通るまで絡めながら炒めます。ヨーグルトを入れて炒めたら、水を加えて煮込んでいきます。
- 1時間ほど弱火で煮込み、水分が2割程度になってとろみがついたらバターを加えて火を消します。ご飯と一緒に皿に盛りつけたら、クローブを使った本格カレーの完成です。
クローブの香りが相性抜群「シュトーレンパウンドケーキ」
シュトーレンはドイツの伝統的な菓子パンで、クリスマスの時期に食べられます。ここでは、簡単に作れるようアレンジしたパウンドケーキのレシピを紹介します。クローブとシナモンを使って作るシュトーレンは、香り豊かでドライフルーツなどがアクセントになったデザートに仕上がっています。クローブの甘い芳香が漂うパウンドケーキは日を増すごとに味がなじんで美味しくなっていくでしょう。パウンド型1台分のレシピは下記の通りです。
- 無塩バター100g
- 砂糖70g
- 卵2個
- A薄力粉100g
- Aアーモンドプードル10g
- Aベーキングパウダー小さじ1/4
- Bシナモン(パウダー)小さじ1/2
- Bクローブ(パウダー)小さじ1/4
- レーズン50g
- ドライクランベリー50g
- オレンジピール50g
- ラム酒適量
- ナッツ(くるみなど)50g
- オイルコーティングがされたドライフルーツの場合、熱湯をかけて水切りしておきます。ボウルにレーズン、クランベリー、オレンジピールを入れ、ラム酒をふりかけ1晩以上漬け込みます。
- パウンド型に型紙を敷くか、バターを塗って粉をはたきます。卵は溶きほぐし、Aはふるいにかけます。ナッツは刻んでおきましょう。
- ボウルに柔らかくしたバター、砂糖を加えゴムベラでよくなじませ、ハンドミキサーで空気を含ませながら混ぜ合わせます。白くふんわりしたら溶き卵を10回ほどにわけながら入れ、その都度よく混ぜます。Aを入れ、ゴムベラでツヤが出るまで混ぜましょう。
- 別のボウルにBを混ぜ合わせ、3の生地を100gほど加えてゴムベラで混ぜてなじませます。
- 3のボウルに1のフルーツ、ナッツを加えて混ぜます。4の生地をまばらに加え、3~4回さっとヘラで混ぜ合わせたらパウンド型に入れます。テーブルに3回ほど落とし、空気抜きをします。
- 予熱しておいたオーブンで50分ほど焼いていきます。焼きはじめ15分ほどで1度取り出し、ナイフで中心に切れ目を入れると綺麗な仕上がりになります。焼き上がったらパウンドに濡れ布巾をかけて冷ませば、クローブ入りシュトーレンの完成です。乾燥しないようラップなどをかけて常温で保存しましょう。
クローブの特徴や使い方を学んで早速試してみよう!
あまりなじみのないクローブですが、健康面からも積極的に摂取したいハーブだといえます。クローブを料理や紅茶に使うと、料理そのものの味も本格的な仕様になります。クローブの香りが強いと感じる場合は、量を減らしたりつぶさず使用することで調節が可能です。甘くて刺激的な香りを活かし、チャイや肉料理に使うのもおすすめです。ぜひ、家庭でもクローブを使って料理作りを楽しんでみてはいかがでしょうか?