トラジャコーヒーとはどんなコーヒー？特徴や飲み方など解説！

皆さん,トラジャコーヒーを知っていましたか？トアルコトラジャという名称は何となく聞いたことがありますが、実際どのようなコーヒーをトラジャコーヒーと呼ぶのか詳しくはわかりません。しかしトラジャコーヒーは幻と呼ばれているほど、希少価値の高いコーヒーなのです。幻のトラジャコーヒーとはどの様な特徴や味がするのでしょうか？それではトラジャコーヒーとはいったいどんなコーヒーなのか詳しく紹介します。

トラジャコーヒーとは、インドネシアのスラウェシ島にある標高1000～1200mの山岳地帯、トラジャ地方で栽培されているアラビカ種のコーヒー豆です。アラビカ種豆とはコーヒー豆の三大原種とも呼ばれているアラビカ、ロブスタ、リベリカをそう呼び、そのうちで日本に流通されているのはアラビカ種とロブスタ種の2種類になります。ロブスタは主にインスタントコーヒーやコーヒー飲料にアラビカはドリップ用として飲まれています。

このアラビカ種の豆は標高1000～2000mの高地での栽培になるため大変な労力をかけて育てられています。また発芽から収穫までにおよそ5～6年かかり、会社としての収益になるまでは30年ほどの長い歳月が必要と言われています。それほどまでに苦労して育てたトラジャコーヒーとはとても味わい深いコーヒーなのです。

トラジャコーヒーの歴史は遡ること世界第二次世界大戦の時代になります。当日インドネシアはオランダの植民地でした。そのためオランダの王室御用達になるほどの高い評価を受けていましたが、終戦後インドネシアが独立すると、トラジャコーヒーは衰退してしまいます。しかし日本のキーコーヒーの援助により1970代新たに復活していきます。

トアルコトラジャという名前を聞いたことがありませんか？このトアルコトラジャはトラジャコーヒーを復活させたキーコーヒーの登録商標なのです。トラジャ(TORAJA)とアラビカ(ARABICA)、コーヒー(COFFEE)の頭文字からトアルコトラジャと名付けられたそうです。キーコーヒーの多くの人の苦労により、幻のコーヒートアルコトラジャコーヒーは復活したのです。

当時、トアルコトラジャが先駆者として８割のシェアを誇っていましたが、トラジャコーヒーの知名度が上がるにつれアメリカやヨーロッパ、シンガポールなどの新規参入者も増え、買い付けが増えてくるとキーコーヒーのシェアはどんでん減ってしまいました。この様にトラジャコーヒーとはキーコーヒーの努力も虚しく、幻のコーヒーになってしまったのです。

赤道直下に位置するインドネシアは1万以上もの島が集まった国です。一年を通して20度以上の気温があり温暖な気候でとても住みやすい国でもあります。また多くの民族が暮らしているため宗教や風習など、とても個性豊かな国でもありまです。そしてインドネシアはコーヒーの産地でもあり多くの国に輸出しています。スマトラ島やジャワ島、ギニア島、トラジャコーヒーの産地スラウェシ島なでで多くのコーヒーが栽培されています。

インドネシアは気候や雨量、栽培に欠かせない土質に水はけなど全てにおいて適した土地なのです。そしてトラジャコーヒーの栽培地であるスラウェシ島のタナ・トラジャは熱帯地方で標高が高いためとても住みやすい気候なのです。気候が良いため他にも米、カカオ、バニラビーンズ、パッションフルーツなどの農作物も豊富です。そんなスラウェシ島はコーヒーの栽培にはとても理想的な土地なのです。

インドネシアの中で4番目に大きいスラウェシ島でトラジャコーヒーは栽培されています。標高の高いタナ・トラジ地帯で作られているためトラジャコーヒーと名付けられました。。17世紀頃のインドネシアはオランダの植民地で、オランダ人の飲料や輸入品としてスラウェシ島でコーヒーの栽培が始まります。

20世紀になると第二次世界大戦が始まりコーヒーの栽培どころではなくなりました。その後インドネシアは独立し、オランダ人はインドネシアから撤退していきます。盛んだったコーヒー農園も荒れ果て、トラジャコーヒーは徐々に市場から姿を消してしまい「幻のコーヒー」と言われているのです。

市場から姿を消してから40年後の1970年代に、荒れ果てた農園を日本のキーコーヒーの手により、「トアルコトラジャコーヒー」として復活させます。キーコーヒーは農園復興のため、インフラ整備に加工工場なども建設、また個人経営の農園からも豆を買取り販売することで、現地の人の生活まで豊かにしていきます。このような経緯によりトラジャコーヒーとは改めて幻のコーヒーとして復活したのです。

コーヒーは栽培するのが非常に難しい植物で高度な技術を要します。またコーヒーはいくつかの環境が整っていないと成長していきません。コーヒーを育てるためには4つの条件が必要になります。１つ目は雨量です。年間の降水量は1800～2500mmとさほど多いわけではないですが、成長期には雨季が多く、収穫期には乾季の状態とかなり難しい環境が必要なのです。

２つ目は日当たりです。コーヒーは日光を好む植物ですが、強い日差しには弱いため栽培する際は隣に大きな木を植え直射日光を遮る工夫をします。３つ目は温度と湿度です。年間を通して20度という避暑地のような気温が必要です。そして最後は土です。水はけがよく且つ酸性の土の方がコーヒーは良く育ちます。このように厳しい条件に合う土地でないと美味しいコーヒーにはなりません。トラジャコーヒーとは貴重なコーヒーなのです。

1973年にキーコーヒーの手によりコーヒー農園の再開発が始まります。農園までの道さえ獣道だった当時、全て手作業により開拓をしていきます。コーヒー農園はコーヒーの木だけではなく色々な木々と一緒に育ちます。なぜなら、直射日光や風除け、害虫からコーヒーを守るためだそうです。そこにもキーコーヒーの企業努力があったからこそ今のトラジャコーヒーがあるのです。

コーヒーは種をまきおよそ1～2ヶ月で発芽します。20～30cmになったところで植え替えをし、およそ3年で成木に成長していきます。その後コーヒーの木はジャスミンの様な小さな花を咲かせ、緑色の実が成りやがて赤色に変色していきます。トラジャコーヒーとは多くの人の手で丁寧に手摘みにより収穫されます。

収穫の最盛期には1日に700人以上ものが手摘みで作業し、ベテランにもなると60kg以上も収穫するそうです。生豆は滑りをとってから乾燥させます。自然乾燥と機械の両方で乾かせますが、一粒一粒に違いが出ない様に人の手により徹底的に管理します。乾燥後は脱穀をし一定の大きさに分けていきます。トアルコトラジャの規定は6.8mm～7.5mmの大きさとこだわりがあり、不良な豆を取り除く作業まで全て手作業で行っています。

選別作業も1日に100人以上の人が行う時期もあります。そして、合格した豆はカップテストへ進みます。カップテストとは、甘み、酸味、苦み、香りの判定をし、これらのテストに合格した豆のみが輸出されていきます。細かい人の手作業により厳選されたトアルコトラジャのコーヒーになるのです。

コーヒーの木からコーヒーの実が成り、この生の実を生豆と呼びます。このコーヒーの実から果肉と内果肉を取り除くと生豆が2つ入っています。また生豆は黄緑色をしており焙煎することで茶色いコーヒー豆になります。生豆は収穫された年度ごとに名称が変わっていきます。一番新しい豆がニュークロップ、続いてカレントクロップ、パーストクロップ、オールドクロップ、オールドビーンズの順になります。

生豆は新しいほど黄緑色をしており。時間が経つにつれて黄褐色へと変わっていきます。また時間と共に豆の水分量も減り、焙煎する際にこの水分量にばらつきがないほど美味しいコーヒーになると言われています。トラジャコーヒーの豆は、見た目が一般的な豆より一回り大きいサイズが特徴です。大きな豆からは想像ができないくらいコクと旨味が凝縮しているコーヒーなのです。

トラジャコーヒーとは香りが強いことでも有名です。自宅で豆を挽くと部屋中にコーヒーの良い香りぎ立ち込めます。更にコーヒーを入れると香りも倍増しコーヒー好きにはたまりません。コーヒーの中でもマンデリンは香りが強いと言われていますが、マンデリンにも勝るほどの強い香りが特徴です。正にトラジャコーヒーの良さの１つでもある香りを是非楽しんでみてください。

様々な難関をくぐり抜けてできたコーヒーは、爽やかな酸味に追いかけるようにくる苦みが特徴です。淹れたては香りが立ち込めることでも有名なトラジャコーヒーは後味もコクが口の中で広がります。このパンチのあるコーヒーは一度飲んだら忘れられないのも特徴です。オランダ王室御用達の貴重なコーヒーの上品な香りと後を引くコクを是非試してみてください。

美味しいコーヒーは飲み方にも是非こだわってほしいところです。コーヒーの特徴を生かし美味しくする方法のひとつです。トラジャコーヒーの豆は丁寧に手摘みされ私達の手元に届きます。生豆の状態ではコーヒーとして飲むことは出来ず焙煎をします。焙煎とは生豆を煎って加熱することです。この焙煎がコーヒーの味を左右するほど大事な作業なのです。生豆の味を引き出せるのも焙煎ひとつで大きく変わってしまうぼどです。

焙煎は8段階で1、ライトロースト2、シナモンロースト3、ミディアムロースト4、ハイロースト5、シティロースト6、フルシティロースト7、フレンチロースト8、イタリアンローストとなります。浅煎りほど酸味があり深煎りになるほど苦みやコクが増します。また焙煎してから24～48時間が一番美味しいとされ、コーヒーの香りは時間とともに酸化してしまいます。早めに飲むことがベストな飲み方でもあります。

トラジャコーヒーとはコーヒーらしい苦みとコクが特徴です。トラジャコーヒーを一番美味しく飲む飲み方は中煎りから深煎りがベストとされています。トラジャコーヒーの特徴であるコクを楽しむには8段階の中ではシティローストが酸味が少なく且つコクが際立つ煎り方です。好みですが、浅煎りにすると爽やかな酸味か出て、より深煎りにすることでコクが深まります。飲み方にこだわることでより美味しいコーヒーになります。

コーヒーの飲み方で入れる時に使う水にも味に違いがでます。また水も美味しいコーヒーを飲むために大事な方法の１つでもあります。水には軟水と硬水の2種類があります。日本の水道水や天然水は軟水に当たります。またヨーロッパなどの水は硬水が多く、日本人には苦手という方も多いのでないでしょうか？

水分に含まれるミネラルにより味や香りが変化し、コーヒーの味を左右します。水道水を使用する場合はカルキなどを除去する浄水器などを使用したり、また直接水道水を使用する時は、水道管に溜まった水を出しきるため水を流し続けるなどするとより美味しく味わえます。ちょっとした飲み方のポイントで美味しいコーヒーが淹れられます。

お湯もコーヒーを美味しくする飲み方として大切です。美味しいコーヒーを入れるにはお湯はその都度沸かしてください。沸騰した直後のお湯にはコーヒーの旨味を抽出してくれます。長時間保温したお湯や何度も沸かし直したお湯はさけてください。また飲み方のポイントとして、90度のお湯がコーヒーを一番美味しくしてくれます。

トラジャコーヒーとはコクと苦みが特徴のコーヒーです。そんな幻のコーヒーをより美味しくする飲み方は入れる方法にあります。またコーヒーの入れ方は様々な方法があります。しかし入れ方によって何が変わるのでしょうか？コーヒーは選ぶ豆と入れ方で絶妙な味の変化があります。この変化を知るとコーヒーの虜になってしまうぼど奥深くもあります。

コーヒーの入れ方で「ドリップ式」があります。ペーパーフィルターやネルのフィルターで濾して抽出する方法です。「サイフォン式」はコーヒー専門店などで見かける方法です。下のフラスコ部分にお湯を入れ沸騰すると蒸気と圧力によりコーヒーの粉が入った上部のパーツに上がりコーヒーを作ります。

「プレス式」は紅茶を飲む時にも使う方法です。コーヒーとお湯を入れ数分待ち抽出が終わったら豆の部分をプレすると、上澄み部分にコーヒーが出来上がります。フィルターなど一切使わないこの方法はコーヒー豆のコクが最も出る方法と言われています。プレスする時間は3～5分程度です。時間が経つにつれコクも増していきます。自分好みの時間を計ってみてください。

高圧で一気に抽出する「エスプレッソマシン」や沸騰したお湯が蒸気圧により押し出され、コーヒーの粉を通過することでできる「マキネッタ」、お水てじっくり抽出する「ウォータードリップ」、アウトドアなどで利用される「パーコレーター」など数えきれないほど沢山の方法があります。色々な飲み方を試してお好みの味を見つけてみるのもまた楽しみのひとつです。

ブレンドとストレートとはどういう意味なのでしょうか？ストレートとは1種類のコーヒーのみを美味しくで味わう方法です。ブレンドとは様々な産地のコーヒーを混ぜて作られたコーヒーのことです。よくホテルやスーパーなどで○○オリジナルブレンドなどで販売していることも多いです。

トラジャコーヒーとはコクと苦みに評判が高いので、是非ストレートでガツンとくる香りを味わってみてください。ひそかにコーヒーファンの中ではアイスコーヒーにして飲む方も多い様です。すっきりとした酸味にアイスコーヒーならではのコクがトラジャコーヒーに合ってとても美味しいです。

トラジャコーヒーとはコクあるコーヒーなので濃厚なミルクとの相性も抜群です。しかしコーヒー好きからすると邪道という声も聞かれます。しかし一度試すとはまってしまう方も多い様です。通常のミルク以外にフォームミルクやスチームミルクなども良く合います。
 

カフェラテやカプチーノなどを注文すると上に乗っているふわふわしたミルクのことをフォームミルクと言います。最近ではエスプレッソマシンなどにも付いている機能です。またスチームミルクとはミルクを温めたものを言い、属に言うホットミルクのことてす。自宅でフォームミルクを作る場合は、ミルクを70度に温めミルクフローサーで1～1分30秒ほとかくはんすると出来上がります。

インドネシアでは日本と違い独特なコーヒーの飲み方があります。これは屋台のカフェなどでよく飲まれている方法です。コーヒーカップに細かく挽いたコーヒーを入れます。インドネシアでは砂糖も入れているようです。そしてその上から直接お湯を注ぎ、コーヒーの粉が沈むのを待ってから、上澄みにコンデンスミルクを入れて飲むのが通常の飲み方のようです。これをインドネシアではバリコピと言います。

コーヒーは焙煎し豆を挽いてから酸化が始まります。出来るだけコーヒーの風味を損なわず美味しく飲みたいものです。そこで正しい保存すれば少しでも長く美味しいコーヒーを飲むことができます。コーヒーは焙煎してから5日目頃が、ガスの放出も落ち着き味もしっかり出るため一番の飲み頃と言えます。

生鮮類や野菜などは取れたてが新鮮で美味しいとされていますが、コーヒーは違います。コーヒー豆には目に見えない小さな穴が空いていて二酸化炭素などのガスが詰まっています。この穴には香りの成分も含まれています。焙煎直後にお湯を入れると 香り成分を溶かしながら出したいところに一気に溢れ出てきてしまうため、一番良い状態でコーヒーを淹れることができません。

ガスは焙煎してから２～3日後にガスがほどよく放出するので、香りが際立つ一番美味しいコーヒーを飲むことができます。5日までの美味しい状態であれば密封缶で常温保存がベストです。2週間程度保存する場合いは密閉袋に入れ冷蔵庫で保存してください。

大量に勝ってしまい1ヶ月ほど保存したい場合は、アルミの袋に入れ完全に空気を抜いてから密封後冷蔵庫で保存すると良いでしょう。コーヒーは香りを楽しむ飲み物です。できれば2週間程度で飲みきることをおすすめしましす。万が一飲みきれず余ってしまった場合は小分けにして保存するようにしてください。また飲み方を考え少量ずつ購入することをおすすめします。

トアルコトラジャコーヒーの40周年イベントが行われた際に、トアルコトラジャカフェが併設されました。イベントでは25,000人が訪れています。このカフェでは芳醇な香りが存分に楽しめるよう、専用のカップ&ソーサーで提供されました。またコーヒーが苦手な方にも美味しいと言わせるトアルコトラジャコーヒーの魅力ではないでしょうか？シンプルでいて上品なカップは、キーコーヒーのサイトでも販売しています。

全国のデパートやショッピングモールなどにキーコーヒーの専門店が数多くあります。そこでじっくりトアルコトラジャのコーヒーを味わうこともできます。またコーヒー豆などの販売もしているので、気に入ったコーヒーも購入できます。プロが淹れるトラジャコーヒーを味わってみてください。

いかがでしたか？トラジャコーヒーの魅力が沢山ありました。そして長い歴史で多くの人が苦労をし復活した幻のコーヒーでもあります。またトラジャコーヒーとはコク深く味わい豊かなくなコーヒーでした。入れ方や飲み方ひとつで変化する味にも驚きます。是非特徴の香り高いトラジャコーヒーを味わってみてください。