2018年08月25日公開
2024年07月30日更新
脂肪肝で食べてはいけないものは?減らす食事と原因を詳しく解説!
脂肪肝とは肝臓に脂肪が溜まっている状態を言います。脂肪肝が酷い状態になると肝硬変や肝臓がん、NASH(ナッシュ)といった重い病になるリスクが高まります。では、なぜ脂肪肝になってしまうのでしょうか?脂肪肝になってしまう理由には、私たちの食生活が大いに関係してきます。そこで今回は、「脂肪肝で食べてはいけないものは?減らす食事と原因を詳しく解説!」と題しまして、脂肪肝になる原因や脂肪肝で食べてはいけないもの、減らすべき食材と食事方法などについて詳しくお伝えしていきたいと思います。
脂肪肝で食べてはいけないものがある?
脂肪肝は肝臓に脂肪が溜まっている状態のことを言います。ただ、一口に脂肪肝と言っても、脂肪肝になる原因や要因は様々です。脂肪肝の原因の一つには食事があります。例えば、体脂肪が増えて肥満の状態の方は、脂肪肝になっている場合があります。また、見た目はスリムなのに脂肪肝になっている方もいます。脂肪肝は酷くなると、肝硬変や肝臓がん、NASH(ナッシュ)といった重い病になるリスクが高まるので注意が必要なのです。
肝臓は胃や腸など違って痛みを感じない臓器です。胃腸は異変があった場合、腹痛や吐き気などといった症状があるので、何が原因なのか分からない場合は病院で直ぐに診てもらうことができます。しかし、肝臓の疾患は初期の段階では自覚症状が殆どないため、原因どころか何もわからないまま過ごしてしまうことが多いのです。脂肪肝に関しても同様で、私たちは、肝臓に脂肪が溜まっていることになかなか気付くことはできません。
ただ、先ほど少し触れた食事が原因による脂肪肝は、普段口にしている食事からある程度判断することはできます。また、体重の増加に伴う体脂肪や内臓脂肪の変化は家庭用の測定器でそれなりに判断することはできます。ところが、脂肪肝は、見た目がスリム場合や遺伝的による場合もあるので厄介な面があります。そこで今回は、脂肪肝になる原因や脂肪肝で食べてはいけないもの、減らすべき食材と食事方法などについてお伝えしていきます。
脂肪肝になる原因について
脂肪肝は肝臓に脂肪が溜まっている状態のことです。日本では、成人の4人に1人が脂肪肝だと言われています。脂肪肝はつい最近までそれほど重く認識されていませんでした。しかし、脂肪肝は放置していると、肝硬変や肝臓がん、NASH(ナッシュ)といった重い病にかかり易く、生活習慣病のリスクを高めることが分ってきました。また、肥満でもなく、お酒を飲まない女性でも脂肪肝は急増しています。では、なぜ脂肪肝になるのでしょうか?
脂肪肝とは?
脂肪肝の原因には次のようなものが挙げられます。一般的に多い脂肪肝の原因は、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、肥満などです。脂肪肝は中性脂肪が肝臓に溜まる病気です。食事から摂った脂質は小腸で吸収し、肝臓で脂肪酸に分解され中性脂肪に変化します。また、糖質はブドウ糖に変えられた後、小腸で吸収し、肝臓で中性脂肪に変化します。要は使い切れなかった脂肪酸やブドウ糖が肝臓に蓄積されたて脂肪肝になるのです。
また、お酒の飲み過ぎも脂肪肝の原因となります。お酒の飲み過ぎは、肝臓でアルコールが分解する際、中性脂肪に合成され易くなるからです。その他には、糖質過多などによる肥満も脂肪酸の原因となります。人は肥満になると、肝臓での脂肪酸の燃焼が悪くなり、中性脂肪が溜まり易くなります。あとは無理なダイエットによる低栄養性脂肪肝、お酒は飲まないが食べ過ぎる場合に引き起こされる非アルコール性脂肪性肝疾患などがあります。
健康診断で肝臓のALT数値が高くなっていたら要注意
脂肪肝は健康診断などの血液検査の結果を見ると判断し易いです。検査結果の表では肝臓に関わる数値を見ることができます。肝臓の数値はAST(GOT)・ALT(GPT)で表されていて、ALTの数値が高ければ脂肪肝を疑いましょう。ALTの基準は40前後で設定されていますが、男性の場合はALTの数値が30、女性の場合はALTの数値が20を超えていたら軽い脂肪肝になっていることが考えられます。また、この数値以下なら肝臓は健康だということです。
脂肪肝はお伝えしている通り、食生活や生活習慣が主な原因となっています。食生活には食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、肥満などが脂肪肝の原因ですが、肥満の場合は、高い確率で肝臓に脂肪が蓄積されています。また、肥満でない場合でもカロリーが高い食事をしている場合は、脂肪肝の可能性があるので要注意です。あと、運動不足や食生活が乱れている場合も脂肪肝の可能性があるので、血液検査を受けた際はALTの確認をしましょう。
脂肪肝は遺伝する可能性もある
脂肪肝になる要因の一つに遺伝が関わっている場合があり、脂肪肝の30~40%は何らかの遺伝的な影響があると言われています。これはハッキリと言えることではありませんが、両親のどちらかが脂肪肝の場合は、自身の食生活や生活習慣に注意した方が良いかもしれません。もし、健康的な食生活と生活習慣を維持しているのにも関わらず、血液検査でALTの数値が高かった場合は、専門医に診てもらうことを強くおすすめします。
脂肪肝が悪化して起こるNASHとは?
脂肪肝は軽症の場合は食生活と生活習慣を見直すことで改善されますが、脂肪肝はそのまま放置して進行するとNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を引き起こし、肝臓に悪影響を与えてしまいます。では、NASHとはどのような病気なのでしょうか?NASHとは、肝臓が炎症を起こし、繊維化が進む肝炎のことです。脂肪肝は進行すると肝臓の細胞が膨張し、それがさらに進行すると肝臓の細胞が破壊されマクロファージ・クッパー細胞が現れます。
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マクロファージ・クッパー細胞が活発に働きだすと、炎症と破壊がさらに進行し、破壊された細胞の隙間を埋めるため肝臓は繊維化していきます。繊維化した肝臓は硬くなり機能は低下します。このことにより、肝硬変や肝臓がんなどの重い病にかかる可能性が高くなります。NASHは血液検査のALTの数値で判断でき、数値が80を超えていたら詳細な検査を受ける必要があり、食生活と生活習慣の改善、薬による治療が求められます。
脂肪肝を改善するには食事と運動にある
脂肪肝の改善方法は、先ず食事から見直していきましょう。食習慣はクセのようなものなので、少し工夫することで改善されていきます。例えば、炭水化物(糖質)と脂質に偏っている場合は、糖質を減らし、タンパク質やミネラル、食物繊維などをバランスよく摂取するようにします。また、肥満の場合は、無理なダイエットは避けましょう。基礎代謝を下回る極端なカロリー制限は逆に脂肪肝を進行させる可能性があるので止めましょう。
あと、脂肪肝の改善方法に運動があります。運動と言っても激しい運動をする必要はありません。無理をしても長続きはしないので、先ずは歩くことから始めましょう。ちょっとした買い物や通勤に歩くことを加えるだけです。できれば週の内3日は30分、2日は60分歩くようにしましょう。そうすることで、少しずつ本来の体に戻していくことができます。また、歩くことはジムに通うよりも簡単で経済面に於いてもメリットがあります。
脂肪肝で食べてはいけないものを紹介
ここまでは「脂肪肝の原因」についてお伝えしてきましたが、ここからは「脂肪肝で食べてはいけないもの」を紹介していきます。脂肪肝で食べてはいけないものは、脂質が多いもの、糖質が多いもの、アルコール、薬の常用、の4つが挙げられます。では、これら4つの食べてはいけないものについて詳しく見ていくことにしましょう。そして、最後に脂肪肝にいい食べ物もお伝えしますので、この記事を読んで気になった方は参考にして下さいね。
直接の原因となる「脂質が多いもの」
脂肪肝で食べてはいけないもの。先ず最初は直接の原因となる脂質が多いものです。脂質はタンパク質、炭水化物(糖質)の3つで三大栄養素と呼ばれていて、私たちが生きていくために必要な栄養素ですが、摂り過ぎると肝臓に蓄積され、脂肪肝の原因に繋がっていきます。脂質には動物性と植物性の2種類があり、肝臓に蓄積されやすいのは動物性脂質です。よって、肉類は脂身の多いものは減らすことが重要になってきます。
また、動物性脂質には脂身以外にバターやクリームがあります。これらも中性脂肪として肝臓に蓄積されやすいので摂取する量には充分注意し減らす必要があります。バターを調理などで使用する場合は、オリーブオイルがおすすめです。あと、調理用の油にはサラダオイルがありますが、サラダオイルには過酸化脂質やトランス脂肪酸が多く含まれていて、これらも脂肪肝の原因になるので、バターと同様、調理にはオリーブオイルを使いましょう。
中性脂肪に変化する「糖質が多いもの」
続いての脂肪肝で食べてはいけないものは中性脂肪に変化する糖質が多いものです。糖質(炭水化物-食物繊維)は、脂質と同様に三大栄養素の一つで、私たちが生きていくために必要な栄養素ですが、糖質も摂り過ぎは良くありません。糖質は中性脂肪に変化し易いので、摂り過ぎは脂肪肝の原因に繋がります。糖質は炭水化物に多く含まれていて、身近なものでは、白米、パン、パスタなどです。また小麦粉や砂糖も糖質の塊のようなものです。
糖質は炭水化物から食物繊維を抜いたものなので、味付け調味料として活用する砂糖の摂取過多は避ける必要があります。砂糖が味付けに多く使用しているものには、ジュースやお菓子、アイスクリームなどがありますが、これらは糖質が多量に含まれています。寝る前にこれらを摂取する習慣のある方は脂肪肝になり易いので注意が必要です。私たち現代人は糖質に依存しているといわれているので、糖質の過剰摂取は避け、減らすようにしましょう。
肝機能を低下させる「アルコール」
続いての脂肪肝で食べてはいけないものは肝機能を低下させるアルコールです。アルコールが肝臓に良くないことは以前から言われていることですが、アルコールの過剰摂取は肝臓に大きく負担を掛けてしまいます。口から摂取されたアルコールは胃腸で吸収され、その殆どの処理は肝臓で行われています。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸へと分解されます。この処理を肝臓は繰り返し行っています。
しかし、アルコールを過剰摂取した場合は、肝臓での分解が追い付かず、肝機能は低下し、アルコールは中性脂肪に合成され易くなります。また、アルコールを過剰摂取すると、アルコールに含まれる糖質が脂肪肝の原因に繋がることになります。アルコールの過剰摂取は肝臓に負担を掛けるだけなので、普段からお酒を飲まれている方は量を減らすことをおすすめします。脂肪肝の方は、アルコールの摂取は止めた方が良いでしょう。
肝臓に負担をかける「薬の常用」
続いての脂肪肝で食べてはいけないものは肝臓に負担をかける薬の常用です。口から摂取した食べ物の代謝と分解は肝臓で行われます。これは薬でも同じことが言えます。ただ、薬の多くは肝機能に影響を及ぼし、場合によっては肝臓そのものを傷つけてしまうこともあります。これが常用になってしまうと肝臓は休む暇もなく疲れてしまい、肝機能が低下し、脂肪肝へ繋がり易くなります。
肝臓疾患の治療方法としては、薬物を減らす食事療法が多く取り入れている理由は、少しでも肝臓に負担をかけないためでもあります。肝臓は痛みを訴えない臓器です。どんなに過酷な状況でも黙って代謝と分解を繰り返しています。あと、サプリメントに関しても同様に注意が必要です。例えば、鉄分の過剰摂取は肝臓を傷付けます。肝臓はとてもデリケートな臓器なので、出来るだけ負担がかからないようにすることが大切だと言えます。
脂肪肝にいい食べ物はどんなものがある?
「脂肪肝で食べてはいけないもの」を4つ紹介しましたが、ここからは「脂肪肝にいい食べ物」を紹介していきます。先ず最初は牡蠣です。海のミルクと呼ばれる牡蠣には肝臓に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸、グリコーゲンが豊富に含まれていて、中でも亜鉛は傷ついた肝臓に重要な役割を果たします。また、肝臓の働きを強くするタウリンは、中性脂肪を減らす役割や解毒作用による悪酔いと二日酔いを防止する効果があります。
続いての脂肪肝にいい食べ物はシジミです。病中病後の栄養補給や二日酔いに効果があるシジミ汁。シジミには体に必要な栄養素が多く含まれています。勿論、肝臓にもその効果は期待できます。シジミには強い解毒作用のあるタウリンとオルニチンが豊富に含まれています。特にタウリンは牡蠣と同様に中性脂肪を減らす効果もあります。ただ、シジミには肝臓疾患に何らかの悪影響をもたらす鉄分が含まれているので、過剰摂取に注意が必要です。
続いての脂肪肝にいい食べ物は田七人参(でんしちにんじん)です。田七人参は古くから肝臓に効く漢方として用いられてきました。その効果には中性脂肪とコレステロールを減らす作用が実証されています。その他の効果には、肝機能が正常になるようにサポートするサポニンの効果、解毒作用や肝細胞の保護作用を持つアルギニンの効果があります。田七人参はあらゆる肝臓の疾患や予防に効果が期待できる食品だと言えます。
続いての脂肪肝にいい食べ物は納豆です。納豆(大豆食品を含め)には中性脂肪とコレステロールを減らす効果がありますが、肝臓に対してはさらに強力なサポートをしてくれます。肝臓は1月で再生される臓器で、その材料となるタンパク質やビタミン、ミネラルを多く必要とします。納豆にはそれらの栄養素が豊富に含まれていて「肝臓再生のための食品」と言えるほど、肝機能を高めてくれる非常に優れた食品です。是非お試し下さい。
続いての脂肪肝にいい食べ物はかぼちゃです。緑黄色野菜のかぼちゃには肝臓の働きを助けるビタミンA(カロチン)が含まれていています。ビタミンAは不足するとがんになるとも言われています。また、かぼちゃにはビタミンEやビタミンCも豊富に含まれていて、肝臓病予防や動脈硬化、ガンの抑制に効果が期待できます。肝臓病になるとビタミンAが不足しがちになるので、日々積極的にかぼちゃで補うことを強くおすすめします。
脂肪肝にいい減らす食事方法とは?
ここまでは「脂肪肝の原因」「脂肪肝で食べてはいけないもの」「脂肪肝にいい食べ物」についてお伝えしてきましたが、ここからは「脂肪肝にいい減らす食事方法」をお伝えしていきます。脂肪肝の原因や食べてはいけないもの、いい食べ物は分かりました。しかし、実際にはどのような食事をしていけば良いのでしょうか?ポイントは「栄養のバランスの取れた食事」「塩分の摂りすぎには注意」「肝臓サプリの併用も考えてみる」の3つです。
栄養のバランスの取れた食事
脂肪肝の食事は栄養のバランスがとても重要です。ただ、一口に栄養のバランスと言っても、何をどのように調整すれば良いのか分かり難いので、栄養素を大きく分けてみましょう。すると、たんぱく質(魚、肉、卵、大豆、大豆製品)、カルシウム(牛乳、乳製品、海藻、小魚類)、ビタミン・ミネラル(野菜全般)、糖質(穀類、イモ類、砂糖)、脂質(油脂類、脂肪の多い食品)といった具合になります。脂肪肝の場合は糖質と脂質を減らします。
そして、タンパク質やミネラル、カルシウム、ビタミンはたくさん摂るようにします。ポイントは食材を多く選ぶことで、目標は1日30品目を目指すようにしましょう。これを毎日続けるのは大変ですが、食材の量は押さえて、できるだけ種類を多く摂ることが大切です。あとは、自分に見合った食事量を算出して、3食に分け、肝臓に負担が掛からないようにゆっくり食べるようにしましょう。
自分に見合った食事量の算出方法は、標準体重(kg)=(身長-100)×0.9となります。これは自分の身長から標準体重を算出すつ計算です。もし、標準体重よりも現在の体重が多い場合は、カロリーの制限をします。次にタンパク質とカロリーの摂取量を目安を確認します。タンパク質は体重1kg当り1.0gなので体重60kgの場合、摂取量は60gとなります。カロリ―は体重1kg当り25~30kcalなので体重60kgの場合、摂取量は1500~1800kcalとなります。
塩分の摂りすぎには注意
塩分を減らすことは肝臓の負担を減らすことになります。塩分の摂り過ぎは体に余分な水分を抱え込むことになります。これが肝臓に負担をかけることに繋がります。しかし、塩分は料理の味付けを左右する調味料なので、塩分だけ極端に減らすと味気ないと思います。そこで、塩分を減らす場合は出汁の味を濃くしたり、お酢などの酸味や香辛料で上手に調整するようにすると、塩分は少しでも美味しく料理をいただくことができます。
肝臓サプリの併用も考えてみる
脂肪肝には食事の改善が最も効果的です。しかし、生活環境などの事情で食事をバランスよく摂取出来ない場合は、サプリメントを活用するようにしましょう。サプリメントとは栄養補助食品のことで薬とは違います。足りない栄養素はサプリメントから摂取しましょう。例えば、肝臓の働きに効くオルニチンは、1日に400~1000mgの摂取が目安となっていますが、これはシジミ1000個分に相当するので、シジミからの摂取は不可能です。
ところが、サプリメントなら簡単に摂取することができます。サプリメントは足りない栄養素を気軽に摂取できる栄養補助食品です。また、必要な時に必要な分だけ摂取できるのもサプリメントのメリットです。肝臓に効くサプリメントは、オルニチンの他に亜鉛などがもあります。ただ、サプリメントの購入を考えられている方は、購入する前に必ず主治医の診察を受け、主治医から勧められてから購入するようにしましょう。
脂肪肝で食べてはいけないものに気を付けよう
「脂肪肝で食べてはいけないものは?減らす食事と原因を詳しく解説!」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?脂肪肝は主に食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、肥満が原因で引き起こされる病気です。脂肪肝で傷ついた肝臓には食事によるケアが重要です。その際は、食べてはいけないものに注意をし、食事をどのように減らすかがポイントになってきます。皆さんの参考になれば嬉しいです。