希少糖の効果や含有シロップの危険性は？レアーシュガーを徹底解説！

皆さんは、希少糖という言葉を聞いたことがありますか？健康や美容に気を使う方の中には、すでに生活に取り入れている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、希少糖が一体どのようなものなのかまで知っている方は多くないのではないでしょうか。ここではそんな方のために、希少糖とはどのようなものなのか、砂糖などとは何が違うのかということから、希少糖に期待できる健康効果について、どこよりも詳しく説明します。

また、希少糖には体に危険はないのか、特に長期に摂取した場合の危険性はあるのかについても説明します。さらに、希少糖を使ったおすすめの甘味料やシロップなどの商品も紹介します。この機に希少糖を試してみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

希少糖の説明をする前に、まずそもそも糖質とは何かについて知っておきましょう。最近よく耳にする糖質ですが、どういうものか改めて聞かれるとわからない方もいらっしゃるかもしれません。でも糖質がピンとこなくても、炭水化物なら分かるという方も多いのではないでしょうか。はじめに確認するポイントとして、糖質と炭水化物は、同じものをさします。炭水化物とは糖でできた化合物です。

糖質（炭水化物）を細かく見てみると、炭素（C）と水素（H）と酸素（O）の3種類の元素が合わさってできていることがわかります。炭素や水素、酸素の数が違ったり、数は同じだけれど立体構造になったとき形が違ったりして、糖にはいろいろな種類があります。

例えば身近な例でいえば、料理に使う砂糖は、スクロース（ショ糖）と呼ばれる糖でできています。スクロースはさらに小さい糖の種類であるグルコース（ブドウ糖）とフルクトース（果糖）がくっついてできています。

このように糖といっても様々な種類があり、それぞれ体に入った時にどのように分解されていくかも違ってきます。特にグルコース（ブドウ糖）は生物の体にとって必要不可欠な栄養素で、グルコースを材料にして、生命の維持に必要なエネルギーが作られています。補足ですが、栄養学の分野での炭水化物は、糖質にさらに食物繊維を合わせたものをさします。

最近は糖質制限ダイエットなども有名になり、糖と言えば摂りすぎると太る、虫歯になる、糖尿病になるなどマイナスなイメージが先行しますが、糖は体にとって必要不可欠な栄養素です。炭水化物（糖質）、たんぱく質、脂肪は生物にとって欠かせない栄養素として、三大栄養素と呼ばれています。特に、先ほど紹介したように、グルコースに代表される糖はエネルギーの直接の材料になります。

同じく材料になるものとして脂肪もありますが、糖は脂肪より素早く分解され、エネルギーに変えることができます。また、脳では血液中に含まれるグルコースのみを栄養として使うことができます。受験勉強や頭を使う作業のお供として、ブドウ糖タブレットなどを利用している方もいるのではないでしょうか。それでは、グルコースがどのように体の中でエネルギーに変えられるかについて、詳しく見てみましょう。

私たちが毎日食べる主食の米やパンなどには、糖の一種であるデンプンが多く含まれています。デンプンは植物の光合成によって作られた栄養素です。私たちの体内に入ったデンプンは分解され、D-グルコースになります。細胞内に入ったD-グルコースはさらに解糖系という経路で分解され、ATP（アデノシン三リン酸）という物質になります。

ちょっとマニアックになりますが、このATPがADPという物質に分解されたときに放出されるエネルギーを使って、私たちは生命活動をしています。太陽からの光エネルギーが、何度も化学反応を起こしながら、私たちが生きるエネルギーになっているのです。このときに栄養素として主に使っているのがD-グルコースです。グルコース（ブドウ糖）は糖の大半を占め、自然界に存在する糖のほとんどはD-グルコースです。

自然界に存在する糖のほとんどがD-グルコースということは、裏を返せば、それだけ生命は長い進化の中でD-グルコースを栄養源として使ってきたとも言えます。しかし地球上にはD-グルコース以外の糖も存在します。例えば、果物に多く含まれるフルクトース（果糖）などがあげられますが、これよりももっと微量にしか存在しない糖があります。それが今回ご紹介する希少糖、レアーシュガーです。

希少糖は実は一種類ではなく、50種類以上あります。よく知られた希少糖のひとつに、キシリトールがあります。虫歯の予防に効果があるとして、ガムや歯磨き粉などに含まれていることで有名です。また、低カロリーの甘味料として販売されているエリスリトールも希少糖のひとつです。しかし希少糖は、グルコースなどと違って研究が進んでおらず、生物にとっては不必要とさえ考えられてきました。

けれど近年研究が進んで、希少糖は様々なメリットがあることがわかってきました。さらに高価な希少糖を量産する技術が確立されたことで、より研究が進むようになり、希少糖を使った商品も市販されるようになりました。その名の通り量が圧倒的に少なかった希少糖を、現在では気軽に手に入れ、その恩恵を受けることができるようになったのです。

現在その健康効果で注目を浴びている希少糖に、D-プシコースがあります。D-プシコースは現在最も研究が進んでいる希少糖と言えるでしょう。先ほど糖には、炭素と水素と酸素の数は同じだけど立体にした時に形が違う糖があるとご紹介しましたが、D-プシコースがまさにこれで、実は元素同士がくっついている場所が違うだけで、構成元素はブドウ糖や果糖と全く同じです。

現在D-プシコースは、安価で入手しやすい果糖やデンプンをもとに、工場や研究所で作られています。希少なレアーシュガーが、私たちにとって身近なデンプンからできているとは驚きです。

希少糖のD-プシコースは、現在甘味料として商品化されています。D-プシコースの甘さは砂糖の7割ほどと言われており、すっきりとした爽やかな甘さが特徴です。また、これは希少糖全般に言えることですが、甘さがあるのにカロリーがほとんどありません。これは希少糖が、ブドウ糖のように分解されてエネルギーを生み出すことができない糖だからです。希少糖はカロリーを気にせず使える甘味料として人気があります。

先ほども説明したように、自然界に存在する糖のほとんどはD-グルコースで、比較的地球上に多く存在する糖は果糖などを含めて7種類しかありません。これ以外の希少糖は全部合わせても、糖全体の1パーセントにも満たないと言われています。希少であるがゆえに高価で研究も進みませんでしたが、量産化の技術が確立されてから、希少糖は以前よりはずっと身近な糖になりました。今後ますます研究が盛んになることが、期待されます。

1991年、香川大学の何森（いずもり）教授が、土壌の中から果糖をD-プシコースに変換させる酵素を持つ微生物を発見しました。これをきっかけに希少なD-プシコースをはじめとする、さまざまな単糖を効率的に生産することが可能になりました。現在でも香川大学は希少糖研究の中枢を担っています。ここではこれらの希少糖に期待できる効果について、詳しく紹介します。

まずはじめに、希少糖のD-プシコースに期待できる効果について紹介します。D-プシコースは何森教授の研究成果により果糖から作ることができるようになってから、最も研究が進んでいる希少糖です。2014年の学会で、プシコースはアルロースと名称変更する指針が示され、世界的にはアルロースと呼ばれますが、この記事では従来のプシコースと呼びます。

D-プシコースに期待される効果は主に3つあります。食後血糖値の上昇を抑制、内臓脂肪の蓄積を抑制、動脈硬化の抑制です。肥満や糖尿病など、メタボリックシンドロームの方への予防効果が期待されています。様々な合併症を起こす危険な疾患である2型糖尿病は、生活習慣病とも呼ばれ、生活改善によって危険度を下げることができます。

D-プシコースの次に研究が進んでいるのが、D-アロースです。D-プシコースの別名のアルロースと似ていますが、別の希少糖です。D-アロースはD-プシコースやグルコースと構成元素は同じですが、やはり構造が異なる糖です。D-アロースも様々な医学的な効果が報告されており、その期待できる効果はD-プシコース以上です。

活性酸素の抑制、血圧の上昇抑制、臓器虚血障害保護作用、破骨細胞の分化抑制、がん細胞の増殖抑制の効果がすでに報告されています。これらの報告から、脳梗塞、心筋梗塞、高血圧などへの効果が期待されています。それにしてもがん細胞の増殖を抑制する効果があるとは、希少糖の持つ可能性には驚かされます。これらの研究はまだまだ発展途中なので、これからも私たちの助けになる医学的効果が見つかることが期待されています。

希少糖は虫歯になりにくいという効果もあります。そもそも虫歯は、口の中の細菌がスクロース（ショ糖）を材料として酸を作り出し、これが歯のエナメル質や象牙質を溶かしてしまうことで起こります。細菌は希少糖を分解することができず、その結果酸を作り出すことができないので、虫歯になりにくいのです。

希少糖のもたらす医学的な効果は上記の通りですが、もっと身近なところとして、ダイエットにも効果があります。グルコースからエネルギーを作り出す体の反応については説明しましたが、希少糖はグルコースとは構造が違うため、このエネルギーを作り出す化学反応に使われません。そのため、希少糖はカロリーがないのです。しかし甘みはしっかり感じることができますので、ダイエット中だけれど甘いものが欲しいときにおすすめです。

D-プシコースには糖尿病の予防効果があると紹介しましたが、どのような仕組みで血糖値の上昇を抑制しているのか、これについて詳しく説明します。はじめに説明したように、私たちは食べ物の中に含まれるデンプンを分解して糖を作り出し、これをエネルギー源にしています。食べ物を食べると血液中のグルコース（ブドウ糖）の濃度が上がり、血糖値が上がります。

これは正常な体の仕組みですが、現代の食生活ではグルコースやスクロース（果糖）の摂りすぎになりやすく、その結果高血糖になり、糖尿病予備軍になることがあります。糖尿病にならないためには、適切な血糖値を維持することが重要なのです。D-プシコースは主に2つの作用によって、血糖値の上昇を抑えています。これについて詳しく説明します。

まず一つ目が、デンプンが糖に分解するのを抑える作用です。食べ物から取り込んだデンプンは、口から胃に運ばれ、その道中で細かく分解されていきます。そして最終的に糖の形になって小腸で体に吸収されます。小腸で吸収できるのは、小さな糖である単糖だけなので、単糖まで分解が進んでいない状態では吸収されません。D-プシコースはデンプンが糖に分解されるのを抑制するので、体に吸収されにくくなります。

また、たとえグルコース（ブドウ糖）が小腸に到達してもその吸収を抑える働きがあります。その仕組みはこのようなものです。最初に紹介したように、D-プシコースはグルコースと構成成分が一緒で、立体にした時の形が少し異なる同じ糖です。そのため小腸でグルコースを捕まえる部分に、D-プシコースが入ることがあります。グルコースより先にD-プシコースが入り込むと、あとから来たグルコースが入ることができません。

これにより小腸からグルコースが吸収されることを防ぐのです。小腸から吸収されないので、血中のグルコース量も増えません。この働きを利用して食事の際に一緒にD-プシコースを摂ることで、血中の糖の上昇が穏やかになると考えられています。急激な血糖値の上昇は糖尿病予備軍につながりますので、血糖値が気になる方には食事の際に希少糖を試してみることをおすすめします。

様々な医学的効果が証明され、ダイエットや虫歯の予防にもなる希少糖はいいことづくめですが、何か危険はないのでしょうか。特に自然界に微量にしか存在しない希少糖を積極的に体に取り入れて、何か健康に危険はないのか、気になる方もいるかもしれません。ここではそんな方のために、希少糖や希少糖を含んだシロップなどの危険性や、注意点について紹介します。

実は希少糖によると考えられる危険な報告は、今のところありません。希少糖が人体に及ぼす副作用はなく、長期で摂取しても危険はないと考えられています。医薬品には副作用がつきものですが、そんな副作用がないため、希少糖は体に優しい医薬品の開発へ期待されています。

D-プシコースを長期で摂取しても健康に危険がないかは、ラットを用いた研究が行われています。その結果、少量のD-プシコースを長期に摂り続けても、安全性に問題がないことがわかっています。

危険のない希少糖ですが、唯一の弱点と言えるのが、熱に弱いということではないでしょうか。スクロース（ショ糖）をD-プシコースに置き換えて行った、D-プシコースの血糖値の上昇を抑制する効果を試す実験では、加熱しない料理でD-プシコースを摂取した方がよりその効果が得られることが報告されています。

希少糖の医学的効果を得たいときには、クッキーやケーキなどの焼き菓子に入れるより、飲料に混ぜるなどした方が効果があるようです。食事の際にD-プシコースを混ぜた飲料を飲みながら食べると、血糖値の上昇が抑えられたという研究結果もあります。

危険というわけではありませんが、希少糖で気を付ける点として、現在市販されている希少糖や希少糖シロップには、希少糖以外の糖が含まれているという点に注意が必要です。希少糖配合をうたっている糖やシロップには、希少糖を100パーセント使用していない商品が多数あります。このような商品には希少糖のほかにブドウ糖などが含まれていることがあり、知らず知らずのうちに多くのブドウ糖を摂取していることがあります。

健康のために希少糖を摂っているつもりで、実はブドウ糖を摂取していることもあるのです。このような失敗を防ぐために、希少糖や希少糖シロップなどの商品を購入する際は、どのような希少糖がどのくらい配合されているかを、きちんと確認することが必要です。次に、おすすめの希少糖を使った商品を紹介します。

健康や美容に効果のある、希少糖や希少糖を使ったシロップを紹介します。これらの商品は、薬局や大型スーパー、ネットなどで購入が可能です。特にネット販売では、様々な種類の希少糖を使った商品を手軽に購入することができますので、試してみたい方にはおすすめです。

エリスリトールは希少糖のひとつで、カロリーゼロの甘味料としてご存知の方も多いのではないでしょうか。エリスリトールは、グルコースを原料に酵母が発酵することで作られる希少糖です。こちらのエリスリトールはトウモロコシを原材料に作られており、100パーセント希少糖分でできています。また、こちらの「ロハスタイルエリスリトール」は添加物も入っておらず、より健康に気を付けたい方におすすめの商品です。

エリスリトールもプシコースと同じように、希少糖ならではのメリットがたくさんあります。まず、エリスリトールはエネルギー値がゼロキロカロリーです。これは厚生省のエネルギー評価法により認められています。また、虫歯の原因となる細菌はエリスリトールを分解することができないので、歯を溶かす酸が作られません。そのため、虫歯やプラークの予防にもなります。

エリスリトールは血中の糖濃度を上げないので、摂取しても血糖値が上昇することもありません。したがって糖尿病やその予備軍の方にも安心して使うことのできる甘味料と言えます。また、エリスリトールなどの糖アルコールは、多量に摂取すると一時的にお腹を壊しやすいことで知られていますが、エリスリトールは糖アルコールの中でも下痢を起こしにくいということがわかっています。

こちらの商品のエリスリトールは、甘さが砂糖の75パーセントほどあります。普段の料理に使う砂糖と置き換えるだけで手軽に糖尿病や虫歯予防、ダイエットに効果が期待できます。さらさらの顆粒状なので、使うときも砂糖と同じ感覚で使うことができます。この商品の容量は1キログラムで、1000円ほどで購入することができます。

次に料理やドリンクに混ぜるときなど、何かと使いやすいシロップタイプの希少糖商品を紹介します。それがこちらの「レアシュガースウィート」です。このシロップには、グルコース（ブドウ糖）とフルクトース（果糖）を主成分に、希少糖のD-プシコースとD-アロースが15パーセント程度含まれたシロップです。

D-プシコースとD-アロースで報告されている様々な健康効果は、前述のとおりです。これらの希少糖を試してみたい方におすすめの商品です。500グラム入りのシロップで、1500円ほどで購入できます。こちらの商品は希少糖100パーセントではなく、グルコースやフルクトースも含まれていますので、これらの糖の摂取に制限が出ている方は、注意が必要です。

レアシュガースウィートはシロップタイプなので、料理などのほかに、冷たい飲み物などにもさっと溶けるのが便利です。アイスコーヒーなどに、ガムシロップの代わりに使ってみてはいかがでしょうか？甘さは砂糖の90パーセントほどなので、ほぼ砂糖と同量で置き換えて使うことができ、料理に使う際も入れる量に悩まずに済みます。

希少糖を使った、顆粒状の甘味料とシロップタイプの甘味料を紹介してきました。最後に希少糖を使ったドリンクを紹介します。普段お料理をされない方も、手軽に希少糖を取り入れることができます。それがこちらの「伊藤園希少糖ソーダ」です。

こちらのソーダには、先ほど紹介したレアシュガースウィートが甘味料として使われています。希少糖の特徴であるすっきりとした甘みが特徴です。一缶につき、希少糖が3.2グラム含まれています。

生命に欠かせない糖についてや、近年研究が進んでいるさまざまな希少糖や希少糖がもたらす健康効果、おすすめの希少糖と含有シロップについて紹介しましたが、いかがでしょうか？希少糖について、より知識が深まったのではないかと思います。また、希少糖の商品には希少糖以外の糖も含まれているものがあり、それを知らずに摂取することの危険性についても言及しました。過剰摂取は控えて、ぜひ健康に希少糖を役立てましょう。