食洗機の台の選び方は?ステンレス・メタルラックを使ったDIYも!
食洗機があれば、他の用事をしている間に自動で食器を洗ってくれ、家事の時短に繋がります。しかし、キッチンの仕様によっては、もともと食洗機が付いていない場合があります。そんな時、食洗機を置く場所の確保が難しいと思われがちですが、実は台があれば簡単で後付けすることができます。また、食洗機を置く台は、特別な技術がなくてもDIY(Do It Yourself)することができます。今回は食洗機を置く台の選び方や、DIYの方法について紹介します。
食洗機の台があれば置き場に困らない
大家族で毎食たくさんの食器を使う家庭や、仕事や他の用事が忙しく、食器洗いにじゅうぶんな時間を割けない家庭などで重宝する家電が食洗機です。しかし、いざ食洗機が欲しいと思ってキッチンを見回した時、どこに置けばいいかわからないという声もよく耳にします。
近年、狭いキッチンにも置くことができるコンパクトサイズの食洗機も販売されていますが、今までよりキッチンが使いにくくなるのではないかと、購入に一歩踏み出せない人もいるかもしれません。
しかし、食洗機は台を使うことによって置き場に困らなくなります。また、台を使うことによってデッドスペースを有効活用することができます。食洗機を置くための台は、購入することもできますが、キッチンの大きさに合わせてDIYすることも可能です。
食洗機について
食洗機とは?
食洗機はその名の通り、食器を洗ってくれる家電ですが、家庭用の食洗機は乾燥までも自動で行うタイプが主流となっています。温水に溶かした食洗機用の洗剤を、高圧で食器に吹き付けて汚れを落とします。温水といっても、普段私たちが使用するよりずっと高温の70から85℃のお湯を高圧にして使うため、汚れが効率良く落ち、殺菌効果もあるといわれています。
食洗機は1860年のアメリカで誕生しました。当時はまだハンドルを手動で回すタイプでしたが、その後改良が重ねられ、1909年にエジソンが創業者であるゼネラル・エリクトリック社が電動式食洗機の販売を始めました。日本では、1960年代に入ってから業務用の食洗機が1990年代後半に入ってから家庭用の食洗機がそれぞれ普及し始めました。
食洗機のメリット
食洗機に限らず、全てのものにメリットとでメリットがあります。食洗機を使う大きなメリットは、食器の洗浄と乾燥を全自動で行なってくれることによる家事の時短です。食器洗いを食洗機に任せるだけで、その間に洗濯な掃除など他の家事ができたり、読書やテレビ鑑賞など自分の趣味に時間を割けたりできます。
また、食洗機を使うことによって、食器用洗剤による手荒れを防ぐことができます。家事と手荒れについての調査によると女性の約95%が手荒れをしている、約54%が荒れた手は人前に出しにくいと感じています。そして、最も手が荒れる家事のトップが食器洗いという結果になりました。
手荒れを防ぐためにゴム手袋をするという方法もありますが、それだと本当に汚れが落ちたか確認できません。いざ食器棚に食器を片付けようとした時に洗い残された油汚れが手にあたり落ち込んだ経験をしたことがある方もいるかもしれません。しかし、食洗機を使えば高温高圧の洗浄液によって洗い残しなく食器を洗ってくれます。
食洗機のデメリット
一方、食洗機のデメリットは、食洗機に入れられない食器や調理器具があることです。ガラスのうち、強化ガラスは粉々になる恐れがあります。クリスタルガラスやカットガラスは鉛の成分が含まれているため、食洗機で洗うと白く曇る可能性があります。漆や銅、アルミ、銀、竹などが使われている食器は変色の可能性が、鉄製のものは錆びる可能性があります。このように、食洗機で洗えない食器は意外と多いです。
また、食洗機で食器を洗って乾燥するために、電気代がかかるというデメリットもあります。最近は省エネタイプの食洗機が主流となっていますし、手洗いするより少ない水で洗える場合もあります。しかし、手洗いと食洗機どちらが省エネかは、家族構成などでも変わってきます。
食洗機は買って良かった家電の上位
当初は食洗機なんていらないと思っていても、後々やっぱり欲しくなることもあります。ある調査によると、食器洗いをストレスに感じる人は約36%もいるという結果がでました。つまり、3人に1人が食器洗いをストレスに感じていることになります。1回あたりの食器洗いに費やす時間は15分ほどですが、この小さなストレスの積み重ねがやがて大きな負担となることもあります。
実際、食洗機は購入して役に立っている家電1位にもなっており、日々のストレス軽減に役立っているといえます。近年は優れた節水効果が認められ、食洗機の購入に補助金を出す自治体もあります。今後ますます買ってよかった家電として普及していくと考えられています。
食洗機の使い方
食洗機はポイントさえおさえれば誰でも簡単に使えます。まず、食洗機に入れる食器の残菜や焦げなどを取ります。あまりにも汚れた食器を入れると、その汚れが他の食器に再付着する可能性もあります。
大まかに汚れを落とせたら、カゴに順にセットしていきます。食洗機はカゴの下の中央部分にノズルがあり、そこからお湯を噴射して食器を洗います。噴射するお湯にしっかり当てるため、食器は汚れている面を内側にし、斜め下向きにおきます。真下に向けてしまうとお湯が当たりにくくなります。また食器は重ならないように順序良くおきます。
お箸やスプーンなどは専用カゴの中に入れます。ただし、あまりにも小さいスプーンなどは噴射の勢いで飛んでしまい故障の原因にもなるので、入れないようにしましょう。ボウルや鍋など大きいものは、食器を並べたあとに上から被せるように入れます。
食洗機に使用する洗剤は必ず専用のものを使わなければいけません。一般的な手洗い用の洗剤では、泡が立ちすぎてしまい、水漏れなどの原因になります。また頑固な汚れ取りに有効な重曹は、成分が固まってしまい故障の原因となります。
正しく食器をセットし、正しい洗剤をセットすれば後はボタンを押すだけで完了です。食洗機の種類にもよりますが、コースは通常コースの他にも、頑固な汚れを落としたい時に使うコースや節電コース、短縮コース、少量コースなど様々あります。洗いたい食器に合わせて使い分けます。
食洗機には台があると便利
食洗機の台とは?
食洗機の台とは、その名の通り、食洗機を置くための台です。キッチンで使う調理家電は意外とたくさんあります。また、日本のキッチンは海外に比べると狭いです。日本メーカーが出している食洗機は、日本のキッチン事情に合わせてコンパクトサイズが主流となってきていますが、それでも奥行きや幅が少し足りないという問題が発生します。
そんな時に活躍するのが、食洗機の台なのです。食洗機の台は食洗機メーカーが出しているステンレス製の純正品の他にも、お手頃価格の類似品もあります。また、DIYが好きな人はメタルラックや木で手作りすることもできます。
食洗機の置き場のない家で台があれば置ける!
毎日の食器洗いが大変で食洗機を導入したいと思ってキッチンを見渡したけれども、どこに置けばいいかわからないと感じたことがある人もいるかもしれません。できればシンクに近いところがいいけれど、調理台に置くと調理スペースが狭くなってしまいます。また、調理台に置くとコンロと隣接することになり火事などの不安もあります。
食洗機の台を使えば台の下のスペースも使うことができ、無駄を減らせます。またカウンターキッチンの場合は、カウンター部分に台を設置することで、食洗機を置けるスペースを確保することができます。カウンターの上に置けば、食洗機が目線の位置にくるので使い勝手もよくなります。
食洗機のおすすめの設置場所
食洗機の設置場所は、とにかくシンクから近いところです。いくらじゅうぶんなスペースがあったとしても、シンクから遠いと家事動線が悪くなります。おすすめの場所は、シンクとコンロの間の調理台部分です。シンクからもコンロからも近く、どちらからでも食洗機の中に入れられて便利です。また、調理台で作業した際に出た洗い物も目の前の食洗機に入れられます。
カウンターキッチンの上も使いやすい設置場所の1つです。食器を入れるカゴが目の前に来るので、食器の出し入れがしやすいです。またカウンターに置けば調理スペースを狭めることなく食洗機を導入することができます。
シンクの横にフリースペースがあれば、そこに適当な高さの台をDIYして食洗機を設置するという手もあります。台の下部分は収納スペースとして利用したり、ゴミ箱を置くスペースにしたりなど様々な用途があります。
食洗機の台の選び方:置きたい場所を決める
食洗機の台を置くために、まず置きたい場所を決めます。自分が普段どのように料理をし、食器洗いをしているか想像してみてください。右利きなのか左利きなのかによっても、シンクのどちら側に置くのが便利なのかが変わってきます。
もし、どこに置きたいか決められない場合は、食洗機を置くかもしれない場所に箱などを置いて、その場所を使わないように料理や食器洗いをしてみましょう。そうすると、どこに食洗機を置くのが一番便利なのかがわかってきます。せっかく時短のために導入する食洗機なので、食洗機を置いたことによって家事動線が悪くなるようなところへ置いてしまわないよう、設置場所はしっかり考える必要があります。
食洗機の台の選び方:置く場所の広さを確認
置きたい場所が決まったら、置く場所の広さを確認します。食洗機の取扱説明書を見れば、食洗機の大きさや壁から離さなければいけないスペースなどが書かれています。食洗機は高温の洗浄液を使うため、排気口から蒸気が出ます。壁に近付けすぎると熱がこもったり、結露ができたりする原因になります。必ず取扱説明書通りのスペースの確保が必要です。
また、食洗機の扉を開けた時に手前にどのくらいのスペースが必要なのかも考えておかなければいけません。蛇口や他の立て付け部分に扉が引っかかって開かないなどのトラブルがないようにこちらも事前に確認が必要です。
食洗機の台の選び方:コンセントや給水排水が可能か確認
食洗機は電気と水を使います。そのため、食洗機を置く場所の周りにコンセントがあるかや、給水ホース、排水ホースの長さが足りるかも確認する必要があります。まず、コンセントですが食洗機は延長コードを使わず、直接コンセントに差し込むことが推奨されています。その理由は食洗機の消費電力が大きいからです。
食洗機のためだけに延長コードを使うのであれば問題はあまりありませんが、キッチンには電気を使う調理器具が複数あります。複数を延長コードにつなげて使うと、延長コードの発火などにつながります。どうしてもコンセントが近くになく延長コードを使う場合は、1口でPSEやJISの規格マークが付いた延長コードの使用をおすすめします。
給水ホースや排水ホースは一般的に食洗機の背面の一番下の部分から出ています。給水ホースは長さが足りれば特に問題はありませんが、排水ホースは立ち上がりを20cm以内にしなければいけないという制約があります。排水ホースの仕様上、高低差が20cm以上あると食洗機内の水がうまく排水できなくなっています。
また一般的なホースの長さは1m、長くても2mほどですが、設置場所がそれより遠くなってしまう場合は、洗濯機のホースで延長することが可能です。
食洗機の台の定番の種類
食洗機の台はステンレス製のものが定番となっています。ステンレスとは、クロムやニッケルといった金属を含む合金です。一般的に金属は環境中の物質と反応して腐食し、錆ができますが、ステンレスは腐食に強く長期間利用しても錆にくいという性質を持っています。 また、ステンレスは耐熱性が高く、熱による劣化が起こりにくいです。
さらに高温環境では酸素が素材表面と酸化反応を起こし、素材の劣化が起こります。ステンレスはこの酸化反応にも強い性質を持っています。食洗機は高温の洗浄水を使うため、周囲に熱を持ちます。また、様々な食材や調味料、洗剤などで溢れています。そのため、劣化しにくいステンレス製の台は食洗機の台として適しているのです。
食洗機の台はDIYできる?
DIYとはDo It Yourselfの頭文字で、「自身でやる」という意味です。専門業者でない人が何かを作ったり修理したりすることをさします。近年DIYで家をリノベーションしたり、自分の暮らしにあった家具や小物を作ったりする人が増えています。食洗機の台も簡単にDIYすることができます。今回はステンレス、メタルラック、木を使った食洗機の台のDIY方法について紹介します。
ステンレスを使用したDIY
まず、ステンレスを使った食洗機の台のDIY方法です。ステンレスの板は様々な会社から販売されていますが、必ず耐重量を確認しなければいけません。ファミリータイプの食洗機の重量は約20kgほどです。その重さに耐えられるしっかりとしたステンレス板を選びます。 ネット通販などでもステンレスの板や足が売っています。脚は高さ調節ができるものをおすすめします。
パーツが揃えば組み立ては簡単です。ドライバーでネジをしめていきます。ネジが固くて大変な場合は電動ドライバーを使う手もあります。持っていない場合はホームセンターでレンタルさせてくれるところもあります。カウンターの一部に台を乗せて食洗機を置く場合は、薄い布などを挟むとカウンターに傷がつきません。
メタルラックを利用したDIY
ステンレスを使ってDIYするより安価に作れるのが、メタルラックを使った台です。メタルラックはスチール棚とも言われ、書籍や物品などを置く棚としてよく利用されています。ネット通販やホームセンターで売っているメタルラックは完成品のものやパーツ単位のものと様々です。
キッチンにフリースペースがあれば、メタルラックで棚を作れば、上段は食洗機用の台として下段は収納スペースとして利用できます。もしフリースペースがなく調理台の上に食洗機を置く場合は、短い脚を使えばちょうど良い高さの台を作れます。
一般的にメタルラックの天板は一枚板になっておらず隙間があります。この隙間に食洗機の足が入り込んでしまうと水平が保たれません。メタル製のシートをメタルラックの天板に敷けばその心配はありません。メタルラックで台を作った場合、脚が滑りやすいという欠点があります。調理台と脚の間に滑り止めを挟むことをおすすめします。
木材を利用したDIY
キッチンがウッド調の場合、ステンレスやメタルではなく木製の台の方が周囲と調和がとれていいかもしれません。木材の切り出しはホームセンターでやってくれます。せっかくのDIYなので自分で切り出したいという人は、レンタルスペースでできる場合もあります。切り出し作業を失敗すると、食洗機を水平に置くことができなくなるので慎重に行わなければなりません。
あとは工具を使ってパーツを組み立てていきます。ステンレスやメタルラックより自分で行う作業が多いので、よりDIYを楽しめるかもしれません。ただし、木は湿気や火に弱いという性質があります。特に火は火事のもとになります。設置場所にはじゅうぶん気をつける必要があります。
食洗機の台をDIYして快適に暮らそう
いかがでしたか?食洗機を使えば家事の時短につながり、浮いた時間を自分の趣味や休息の時間にあてられるようになります。また、昔は食洗機を使うと電気代や水道代がかかると思われていましたが、最近では省エネタイプの食洗機が登場し、手洗いするよりコストダウンできるかもしれません。
便利だとわかっていても食洗機を置く場所がなく導入できていなかった、という家庭でも台を置けば食洗機を置くことができます。その台も純正品や市販のものを使うだけでなく、簡単にDIYすることもできます。自宅のキッチンの大きさや、インテリアに合わせて、ステンレスやメタルラック、木で台を使って快適に暮らしましょう。