糖質制限のデメリットとメリットは？体調にいい正しいやり方を解説！

糖質制限をしたことはありますか？糖質制限は手軽にできるダイエット法として人気ですが、自己流でなんとなく行っている方もいるのではないでしょうか？様々なダイエット法と同様に、糖質制限にもメリットとデメリットがあり、自己流で安易な糖質制限を行うと、体調不良になり危険を伴うこともあります。また、髪の毛によいなど意外なメリットもあります。糖質制限の気になるメリットとデメリットについて詳しく紹介します。

糖質制限とは糖質を制限するダイエット法ですが、糖質とは何でしょうか？糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたものです。たんぱく質・脂質とともに三大栄養素の1つで、エネルギー源として重要な役割を持ちます。糖質は主に骨格形成や貯蔵・代謝などに使われる生命に必要不可欠な栄養素です。

糖質制限をしたことがある方は「ご飯などの糖質を抜くとやせる」ということは聞いたことがあるのではないでしょうか？ですが、「糖質制限をするとなぜやせるのか？」というメカニズムについては知らない方も多いかもしれません。糖質制限をするとやせる仕組みはどのようになっているのでしょうか？

糖質は体内で脳のエネルギー源であるブドウ糖になります。エネルギーとして使われない余ったブドウ糖は、血糖値を下げるために分泌されたインスリンによって、中性脂肪に変えられ脂肪として蓄えられます。インスリンはすでにある脂肪の代謝を抑えますので、基礎代謝が低下しやせにくい体を作ります。つまり、インスリンが体重増加の元凶ということになります。

インスリンが大量に分泌されないようにすれば脂肪は蓄積されません。インスリンを大量に分泌させるのは糖質ですので、ダイエットするには糖質を摂り過ぎなければよいということになります。これが糖質制限の仕組みになります。

また、糖質制限をすると、不足したエネルギー源を補うために、体内に蓄積された脂肪をエネルギー源にたんぱく質からブドウ糖が作られます。これを「糖新生」といいます。糖質を制限すると糖新生が行われるため、その分脂肪が使われることになり、体重減少につながります。これが糖質制限ダイエットです。

糖質が多く含まれている食品にはどのようなものがあるのでしょうか？糖質が多く含まれる食品は糖類や穀物・芋類などになります。穀物は、ご飯やパン・麵類・とうもろこし・シリアルなども含まれます。糖類は、砂糖やはちみつなどの甘味料やそれらを使ったお菓子・ジュース類の他に、果物にも含まれています。また、調味料や加工食品などにも糖類が含まれている食品があります。

糖質制限には様々なダイエット法と同じようにメリットとデメリットがあります。糖質制限にはどのようなメリットがあるのでしょうか？糖質制限は多くの方に人気があるだけあって、様々なメリットがあります。肉好きの方にうれしいメリットや髪の毛によいなど意外な糖質制限のメリットについて詳しく紹介します。

糖質制限のメリットとして面倒なカロリー計算が必要ないということがあります。糖質制限は糖質を多く含む食品を制限するだけですので、カロリーはあまり気にしなくてもよいことが多くの人に取り入れやすい理由の1つでもあります。

糖質制限のメリットとして、揚げ物や肉を我慢しなくてもよいということがあります。カロリー計算ダイエットなら揚げ物や肉はダイエットの敵と思われがちですが、糖質制限では食べても大丈夫です。むしろ、糖質制限をすると脳の活動に必要なエネルギーがたんぱく質から作られるので、肉や魚などは積極的に摂らないといけません。

唐揚げやトンカツ・焼肉などがダイエット中でも食べられるというのはうれしい限りでしょう。肉好きの方にとっては、最大のメリットと言っても過言ではないのではないでしょうか？

糖質制限のメリットとして、減量に即効性があるということが挙げられます。糖質制限すると不足したブドウ糖を補うために、体内の脂肪を燃焼させてたんぱく質からブドウ糖を作るので、ダイエット効果が早く現れやすいのです。結果が早く出るとやる気につながりますので、うれしいメリットと言えるでしょう。

糖質制限は髪の毛の抜け毛予防にもなると言われています。糖質制限と髪の毛は関係ないように思われますが、適度な糖質制限は髪の毛によい効果があるそうです。糖質制限をすると、血液中の血糖値を下げることができ血液がサラサラになります。血液がサラサラになると血行がよくなります。頭皮の血行は髪の毛の成長に影響します。頭皮の血行がよくなると髪の毛に栄養がいきわたり抜け毛予防にもなると考えられます。

髪の毛はたんぱく質でできていますので、たんぱく質や亜鉛・ビタミン・ミネラルを食事に取り入れることが大切です。卵や大豆などが髪の毛によい食品と言われています。たんぱく質の摂取を制限しない糖質制限は、カロリー計算ダイエットよりも髪の毛によいということになります。ですが、過度な糖質制限を行うとエネルギーを確保するためにたんぱく質を分解しますので、髪の毛に十分な栄養がいきわたらず抜け毛の原因になります。

また、糖質制限をストレスに感じるようになると髪の毛にも悪い影響を与えます。ストレスで血管が収縮して血流が悪くなり髪の毛に栄養がいきわたらなくなると抜け毛につながることもあります。ちょうどいい糖質制限は髪の毛にいいですが、過度な糖質制限は髪の毛に悪い影響を与えるデメリットがあることを覚えておいてください。体重は減っても髪の毛が抜けてはショックですし、健康的な状態とは言えません。

糖質制限には様々なメリットがありますが、同時にデメリットもあります。デメリットとして体調不良になり危険な状態になる可能性もありますので、糖質制限は体調を見ながら行ってください。糖質制限のデメリットについて詳しく紹介します。

糖質制限のデメリットとして、倦怠感やめまいなどの体調不良が挙げられます。これは間違った糖質制限を行った場合起きることです。糖質制限では、糖質を制限するために主食を抜けばよいと安易に考えて、食事全体の摂取カロリーまで減らしてしまう方がいます。糖質が不足するとたんぱく質から脳に必要なエネルギーが作られるので、当然主食を減らした分たんぱく質と脂質は多く摂取しなければなりません。

脂肪が分解されるとケトン体ができ尿中に排出されますが、これは体調不良で食事ができないときにも増える物質です。ケトン体が大量に出るということは脱水や栄養障害が起きている状態です。ひどくなると昏睡や意識障害などの危険な状態になる可能性もあります。間違った糖質制限での体調不良が続くと危険な状態になる可能性もありますので、正しいやり方で行いましょう。

糖質制限ダイエットでは比較的体重が早く減り始めますので、はまってしまうと次第に体重を減らすことが目的となってしまい、体調不良になっても食生活を変えることができなかったり、より過酷な糖質制限を行ってしまったりする危険性があります。健康のためなどに始めた糖質制限で、体調不良がひどくなり倒れて救急搬送されるなどの危険な状態になっては本末転倒です。努力家で何にでも夢中になりやすい方は特に注意が必要です。

糖質制限のデメリットとして、肉の食べ過ぎで動脈硬化を進行させる可能性があります。主食を抜いた分たんぱく質を摂らなければということで肉を食べ過ぎてしまうと、動脈硬化を進行させることになり大変危険です。肉は我慢しなくていいと言っても限度があります。たんぱく質は肉だけではなく、魚・卵・大豆製品・乳製品にも含まれますので、いろいろな食品から摂るようにしましょう。

糖質制限のデメリットの1つとして、急激に糖質制限を行うと起きる体調の変化で便秘や下痢を引き起こす可能性があります。糖質を制限すると炭水化物の摂取を控えることになります。炭水化物には食物繊維が多く含まれますので、糖質制限をすると便秘になりやすくなります。また、今まで摂っていた炭水化物を控えてたんぱく質や野菜ばかりの食生活になると、腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増えて下痢になりやすくなります。

糖質制限の食生活に慣れると腸内環境も変化してきて体調は徐々によくなります。対策としては、善玉菌を増やすために食物繊維や発酵食品を積極的に摂ることです。野菜や味噌・漬け物・チーズ・ヨーグルトなどを積極的に摂るようにしましょう。便秘や下痢も長く続くと深刻な状態になる危険がありますので、改善しない場合は病院に行ったり糖質制限を緩めたりして、体調を見ながら糖質制限を行いましょう。

糖質制限のデメリットとして、極端な糖質制限で糖質を減らしてたんぱく質を増やす食事を続けていると心筋梗塞や脳卒中の危険を高めるという調査結果があります。肉などの食べ過ぎで血液がドロドロになり血管が詰まってしまうことなどが主な原因ですが、元々血圧が高い方や動脈硬化の疑いがある方は注意が必要です。前触れもなく突然起きることの多い病気ですので注意することは難しいですが、発症すると死の危険があります。

頭痛やめまいなど何らかの体調の変化があったら病院に行きましょう。高血圧や動脈硬化以外でも、糖尿病で血糖値を下げる薬を飲んでいる方が糖質制限をすると血糖値が下がり過ぎて危険な状態になる可能性もあります。元々何らかの持病がある方は医師の指導の下で糖質制限を行ってください。水分補給・塩分控えめな食事・リラックスできる趣味を持つことなどが脳卒中の予防になると言われています。

様々なメリットとデメリットとのある糖質制限ですが、正しいやり方で行わないと危険だということが理解できたのではないでしょうか？では、糖質制限の正しいやり方とはどのようなものでしょうか？糖質制限にはいくつかの方法があります。それぞれのやり方について詳しく紹介します。

「プチ糖質制限」とは、夕食のみ主食を抜く緩やかな糖質制限です。少しだけダイエットしたい方や、まずは緩やかに始めたいという糖質制限初心者にもおすすめです。夜は活動時間が短いため食べたものが脂肪になりやすいということからも、1食だけでも夜の主食を抜くということは効果的です。初めての方にも1食だけなら挑戦しやすく無理なく続けられるのではないでしょうか？

晩ご飯の主食を抜く場合は、おかずがいろいろないと満足しにくいのでメインのおかず以外に2品ほど欲しいところです。唐揚げやトンカツなどの衣の糖質は少量ですので気にしなくても大丈夫です。刺身や冷奴・刺身こんにゃく・ところてんなど調理しなくていいものは時間がないときに便利です。おすすめは野菜もたんぱく質も取れる鍋です。〆の雑炊や麵類などは我慢しましょう。

晩酌をする方はアルコールの糖質にも注意してください。ビールなら糖質オフのものがよいでしょう。糖質制限中におすすめなのは、蒸留酒です。焼酎やウイスキー・ウォッカ・ジン・ブランデー・ラム酒などの蒸留酒は、糖質がほとんど含まれていません。ですが、糖質制限中は血中アルコール濃度が高くなりやすく普段より早く酔いやすいので、アルコール度数が高い蒸留酒を飲むときは注意が必要です。

「スタンダード糖質制限」とは、朝食と夕食のみ主食を抜く糖質制限です。仕事をしている方は、ランチは好きなものを食べられるので続けやすい方法です。朝食の主食を抜くと、時間がない中で準備するのが大変かもしれません。前日の残りの汁物や常備菜などを上手く活用して楽に準備できる工夫をするとよいでしょう。

「スーパー糖質制限」とは、3食とも主食を抜く糖質制限です。特に糖尿病の方やメタボの方・糖質制限に慣れてきた方などによいでしょう。お昼はお弁当を作れる方はよいですが、コンビニなどにもご飯がついていないお惣菜は売られていますので活用するとよいでしょう。極端な糖質制限は危険を伴いますので、糖質は完全に0にするのではなく、1食あたり10～20g、1日30～60gを目標にするとよいでしょう。

糖質制限はご飯が好きな方にはストレスも溜まりますので、あまりストイックになり過ぎないことが大切です。「友達と食事に行くときや飲み会では好きなものを食べてもOKにする」とか、「週1回はビールを飲んでもOK」、「たまにはランチで好きなものを食べてもOK」など自分なりのルールを決めて、無理のない範囲で行いましょう。体調を見ながら行い、持病がある方は医師の指導に従いましょう。

「ロカボ」とは極端な糖質制限ではなく、適正糖質を摂ることを推奨する食事法です。ロカボが提唱するのは1食で摂取する糖質を20～40gにするというものです。ちなみにおにぎり2個と野菜ジュースで糖質は100gくらいになります。ご飯1杯150gの糖質が55.2gですので、ロカボではご飯は半膳ほどなら食べても大丈夫ということになります。甘いものが好きな方なら主食は食べずに食後にデザートを食べることも可能です。

ビールの350mlあたりの糖質は10gほどですので、他を抑えればビール1杯飲んでも大丈夫です。毎日の食事の中で、適正糖質の範囲内で自分の好きなものを食べることができるロカボは、比較的取り入れやすいのではないでしょうか？無理なく美味しいものを食べながらダイエットしたい方にもおすすめです。

糖質制限を効果的に行うには、食べる順番が大切です。食事をすると血糖値が上昇しますが、血糖値の急激な上昇は肥満の原因になります。血糖値の急激な上昇を避けるためには糖質は食事の最後に摂ることが大切です。野菜→たんぱく質→糖質の順番に食べると血糖値の上昇が緩やかになります。また、食事をよく噛んでゆっくりと食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぎ血糖値の上昇を緩やかにします。

血糖値の上昇を満腹中枢が感知するまでに15分ほどかかるとされています。早食いの人は満腹を感じる前に食べ過ぎてしまい、食べ過ぎることで血糖値がどんどん上がっていきます。最低でも15分以上かけて食事をするようにしましょう。食べる順番や時間をかけて食べることは、糖尿病などのリスクも低下させます。

炭水化物は食物繊維を多く含むため、糖質制限をすると食物繊維が不足しがちになります。食物繊維は食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールやナトリウムや有害物質を吸着させて排出します。便秘や肥満・高血圧・糖尿病・動脈硬化・大腸がんなど様々な病気のリスクを減らしてくれる大切な栄養素です。日本人は元々食物繊維が不足しがちですので、緑黄色野菜やきのこ・海藻類などを積極的に摂るようにしましょう。

糖質制限中には積極的に摂っておきたい脂質ですが、脂質の中でも体によくて太りにくい脂質があります。積極的に摂っておきたいのはオメガ3やオメガ9などの脂肪酸です。オメガ3系脂肪酸の代表的なものはα-リノレイン酸です。α-リノレン酸は人の体内で作ることができない必須脂肪酸の1つです。体内に入った後EPAやDHAになります。えごま油や亜麻仁油・青魚に含まれています。

オメガ9系脂肪酸の代表的なものにオレイン酸があります。オレイン酸は体内でも合成されますが、主にオリーブオイルや落花生油などに含まれています。血中の悪玉コレステロール濃度を下げる役割があります。オメガ9系脂肪酸は、普段使っている油をオリーブオイルに変えるだけで取り入れられますのでおすすめです。

カップラーメンの麺の代わりに春雨を使った「春雨ヌードル」のような商品が販売されています。春雨は一見ヘルシーそうでダイエットによさそうなイメージがありませんか？実は春雨はダイエット向きではありません。春雨は水で戻す前の乾燥した状態で同じ100gで比較すると、中華麵よりもカロリーも糖質も高い食品です。中華麵が281kcal糖質28gなのに対して、春雨は342kcal糖質83gもあります。

これはインスタント麺やノンフライ乾麺などと比較しても高い数値です。春雨の原材料はじゃがいものデンプンですので炭水化物になります。春雨ヌードルはカロリーが低いようですが、内容量が少なくそれだけではお腹一杯になりません。糖質制限には向かない食材と言えます。また、豆類も炭水化物が多く糖質の高い食材になります。体によい食材ですが摂り過ぎには注意しましょう。

糖質制限中に見落としがちなのは、調味料やドレッシングに含まれる糖質です。糖質量の高い調味料は砂糖やケチャップ・ソース・みりん・ポン酢などです。また、カロリーの低いノンオイルドレッシングも糖質量が高いものがありますので、選ぶときは糖質にも注目して選びましょう。最近は糖質オフの調味料も販売されていますので、それらを選ぶのもよいでしょう。

糖質量が低い調味料は、濃口しょうゆ・穀物酢・マヨネーズ・ラー油・カレー粉などになります。また、レモン汁も糖質が少ないので調味料代わりにおすすめです。酢の中でも米酢は糖質が高めになり、同じ酢でも原材料によって糖質量は違いますのでチェックしてから選ぶとよいでしょう。

糖質制限のメリットとデメリット・正しいやり方について紹介しましたがいかがでしたか？糖質制限は手軽にできるダイエット法ですが、自己流で安易に行ってしまうと体調不良になり危険も伴いますので正しいやり方で行ってください。また、妊娠中や持病がある方は危険も大きくなりますので、無理をせず医師の指導の下で体調を見ながら行いましょう。