2018年08月03日公開
2024年07月28日更新
衣類乾燥機の電気代は1回でいくら?日立やパナソニックで比較!
雨や曇りが続くと「自宅に衣類乾燥機があればなぁ」と思う方も多いのではないでしょうか?なかなか天気が晴れないとき、衣類乾燥機は大活躍します。わざわざ外に干す必要もありませんし、洗濯物の仕上げに衣類乾燥機に入れておけば、湿気が取れて衣類がきれいに乾きます。そんな便利な衣類乾燥機ですが、やはり気になるのは電気代です。衣類乾燥機を1回使うごとに、どれくらいの電気代が必要になるのでしょうか?今回はそんな衣類乾燥機の電気代について、日立やパナソニックなどのメーカーで比較してみました。
目次
衣類乾燥機があると便利!
自宅に衣類乾燥機があれば、天気を気にして洗濯する必要がありませんし、わざわざコインランドリーに出向く必要がないため、大変便利です。衛生面においても、生乾きの不快なにおいを防げるメリットがあります。また、外に干すとシーツなど洗濯物のスペースの確保や、女性だと洗濯物を外に干すのをためらわれてしまうなどの問題や、外を舞う埃や花粉なども防げます。
便利な衣類乾燥機ですが、問題はその電気代です。維持費にどれくらいの電気代が必要なのか気になって、なかなか購入に踏み出せないという方も多いでしょう。今回は、どんな衣類乾燥機の種類があるのか、電気代と一緒に見ていきたいと思います。
衣類乾燥機と洗濯乾燥機や除湿機の違いは?
衣類乾燥機といっても、違いがよく分からないような家電が売られています。どんな違いがあるのでしょうか?
衣類乾燥機とは?
今回のテーマである衣類乾燥機は、衣類を乾燥させることをメインに作られています。中には回転するドラムがあります。中に衣類を入れ、扉を閉めて、ドラム内部を温めて熱を逃がさないことで、効率よく衣類を乾かすことができます。種類についてはまた後述しますが、温風を衣類に送る作りになっています。衣類に高温の温風を送るため、衣類を傷めてしまうデメリットがあります。
洗濯乾燥機とは?
洗濯機でよく見かけるようになった、洗濯乾燥機。洗濯機と乾燥機が一体になっている家電です。基本的に洗濯機がメインであり、衣類を乾燥させることをメインには作られていません。メリットとして、わざわざ乾燥機に洗濯物を移し替える必要がないため、洗濯から乾燥まで、1回も外に出すことなく完了できます。衣類乾燥機を置くスペースを確保する必要もありません。
デメリットとして、洗濯機も乾燥も全て同じ家電ですることになるので、時間効率が悪くなります。ドラム式、縦式など、洗濯機の形に合わせて選べます。
除湿機とは?
部屋の空気に漂う湿気を、液化して回収してくれる家電です。梅雨のジメジメしがちな室内でも、カラッと乾いた空気にしてくれます。湿気を取ることがメインですが、除湿機も洗濯物を効率よく乾かすために、よく用いられる家電です。室内干しで心配しがちなカビや結露を防いでくれます。
デメリットは乾燥力が弱いことです。衣類乾燥機や洗濯乾燥機と比べると、あくまで除湿がメインです。メリットは、衣類に熱風を直接送るわけではないので、衣類が傷んだり縮んだりする心配がないことです。
衣類乾燥除湿機とは?
さらに除湿機を進化させて、衣類を効率よく乾かせるようにした家電です。エアコンの除湿機能に洗濯物を乾かす機能を加えたようなもの、と考えるといいでしょう。洗濯物に送風して、乾燥させるので、衣類が傷む心配がありません。
衣類乾燥機の種類と選び方
さて、それぞれの家電の違いが分かったところで、衣類乾燥機はどんな種類があるのでしょうか?衣類乾燥機には、大きく分けて「電気式」と「ガス式」があります。それぞれ選び方も一緒に紹介していきましょう。
電気式の衣類乾燥機
衣類を乾かすための熱源に電気を使っています。後述するガス式と比べると、設置も簡単ですし、お値段もリーズナブルです。ただし、ガス式と比べて衣類の乾くスピードは劣ります。アパートなどの狭い住居であっても、衣類乾燥機専用のスタンドを設置すれば、洗濯機の上に置くことができます。電気式の衣類乾燥機はさらに大きく分けて「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」と二つに分かれます。
ヒーター式の水冷除湿式は、衣類乾燥機の主流の乾燥方式です。ヒーターで熱風を発生させて、衣類を乾燥させます。後述するヒートポンプ式と比べると、内部が約80度以下と高温のため、衣類が傷みやすく、乾燥中にドアの開け閉めができないデメリットがあります。ドライヤーで乾かしているものだと考えるといいでしょう。さらに、ヒートポンプ式と比べると、電気代が高くなります。
ヒーター式の水冷除湿式だと、衣類を乾燥させるときに発生する水蒸気を、水で冷やすことで、水に戻して排水します。水も使うことになるので、水道代を使います。仕組みがほぼ同じ排気式もあります。排気式だと、衣類から取り出した水分を水に戻さずに、排気は水蒸気をそのまま外に出すために、置いている部屋の気温と湿度が高くなります。
ヒートポンプ式の衣類乾燥機の場合、空気中の熱を利用することで、除湿状態になります。中が約60度以下と低めなので、ヒーター式と比べると、衣類が傷みにくいメリットがあります。外に中の湿った空気を出す、という仕組みです。ヒーター式と比べると内部が高温にならないので、乾燥中のドアの開け閉めも大丈夫ですし、ヒーター式の水冷除湿式のように水も使いません。効率よく衣類を乾燥させるので、省エネにもなります。
ガス式の衣類乾燥機
コインランドリーなどでよく使われているタイプです。基本的な構造は電気式と同じですが、異なるのはヒーターの熱源にガスを使っていることです。本体価格や、ランニングコストは電気式と比べて高くなり、ガス管などの取り付け工事が必要です。また、高熱になるため衣類が傷みやすくなってしまうデメリットもあります。ただし、電気式と比べて衣類が早く乾くメリットがあります。
例えば、リンナイの業務用ガス式衣類乾燥機の「乾太くん」の場合、洗濯物5kgを乾かそうとすると、電気式衣類乾燥機だと約169分かかったのに対し、ガス式衣類乾燥機だと約52分かかったというデータがあります。時間を約1/3に短縮できることが分かります。一戸建て住宅や家族が多い家庭、家事にかかる時間をさらに短縮したい方に向いている衣類乾燥機でしょう。
電気代を算出する方法
さて、そんな便利な衣類乾燥機ですが、電気代などのランニングコストが気になるところです。そもそも電気代とはどうやって算出するのでしょうか?
電気代は、「消費電力(kW=W÷1,000)×使用時間(時間)×1kWhあたりの電力契約料(円/kWh)=1回の電気代」の計算式で求めることができます。電気契約料、もしくは電気料金単価は、「全国家庭電気製品公正取引協議会」で目安単価として27円と定められています。電力会社によって異なるので、正確な金額を知りたい場合は電力会社に問い合わせるといいでしょう。
計算式に当てはめると、例えば、消費電力500Wの電子レンジを3分間使ったとすると、約0.675円の電気代が発生することになります。
日立の衣類乾燥機の1回の電気代は?
衣類乾燥機=電気代が高い?
さて、衣類乾燥機の電気代は、ヒーター式だとドライヤーでずっと衣類にかけているような状態のため、電気代がかかりそうなイメージがあります。とはいっても、現在では、衣類乾燥機には電気代を抑えるための省エネ機能もありますし、効率よく衣類を乾燥させるヒートポンプ式もあるため、賢く電気代を節約することも可能です。
まずは、日立の衣類乾燥機の電気代について紹介していきましょう。おなじみの日立ですが、大手通販サイトの売れ筋ランキングでも、日立の衣類乾燥機が上位を占めています。実際に、1回使うごとにどれくらいの電気代がかかってしまうのでしょうか?
日立の衣類乾燥機「DE-N60WV」の1回分の電気代は?
今回比較した日立の「DE-N60WV」は、大手通販サイトで上位にランクインしている衣類乾燥機です。こちらは、洗濯乾燥機ではなく単体の衣類乾燥機です。ヒーター式と風乾燥コースとありますが、ヒーター式のデメリットである、高温で衣類を傷めてしまうといった心配でも、風乾燥コースでデリケートに乾燥させることができます。
室温と設定(強や弱にすること)によって消費電力が変わりますが、今回は室温20度の「強」で算出しましょう。室温20度の「強」で消費電力1,200Wになります。ちなみに、「弱」で720Wになります。
大体3kg分(靴下5足、ブリーフ4枚、長袖肌着4枚、ブラウス3枚、パジャマ2組、ワイシャツ2枚)を乾燥させるのに必要な、目安の120分で算出すると、1回分約64.8円かかることが分かります。もし仮に、一か月分丸々使うとすると、一か月の電気代で約1,971円、年間で約23,652円となります。
日立のタテ型洗濯乾燥機「BW-DV120C」の1回分の電気代は?
もう一つ、日立の衣類乾燥機から、洗濯乾燥機の電気代を算出してみましょう。こちらはタテ型洗濯乾燥機で、ヒーター式の乾燥機となります。
室温の設定などがありませんでしたので、公開されている数字で確認すると、消費電力は1,180Wです。2時間使って電力契約料27円とすると、電気代は1回につき63.7円、一か月約1,938.2円、年間で約23,257.8円となります。時間設定で30分、60分、90分コース設定できるようですが、乾燥自動運転を選んだ場合、最長6時間かかることもあるようです。
パナソニックの衣類乾燥機の1回の電気代は?
日立に引き続き、パナソニックの衣類乾燥機の電気代も紹介していきましょう。おなじみのパナソニックも、大手通販サイトの衣類乾燥機のランキングの上位にランクインしています。洗濯機のCMでもおなじみのパナソニックですが、衣類乾燥機の方はどうなのでしょうか?
パナソニックの衣類乾燥機「NH-D503」の1回分の電気代は?
こちらのパナソニックの衣類乾燥機は単体タイプで、ヒーター式の空冷除湿式になります。室温20度でヒーター「強」で消費電力1,240Wに設定、2時間乾燥、電力契約料27円とすると、1回につき電気代は約67円、一か月で約2,036.7円、年間約24,440.4円となります。
パナソニックの衣類乾燥機「NA-VX9800L」の1回分の電気代は?
こちらはヒートポンプ式の洗濯乾燥機になります。確認したところ、こちらは消費電力としての表示がなく、消費電力量で表示されていました。これまで使ってきた消費電力(W)とは、その家電を動かすために必要な電力を示しますが、消費電力量(Wh)とは、実際に使った際の電力の量を表します。
そこで、標準乾燥モードだと、1回あたりの目安98分使うと消費電力量890Wh、省エネ乾燥モードだと、1回あたりの目安165分使うと消費電量620Wh発生します。電力契約料27円で算出すると、標準乾燥モードだと1回につき24円、一か月で約730.9円、年間約8,771円です。省エネ乾燥モードだと1回につき約16.7円、一か月約509.2円、年間約6,110.1円となります。モードが違うだけで2,000円以上の差があります。
1回分の電気代が安いヒートポンプ式の衣類乾燥機
これまで紹介した衣類乾燥機の、1回分の電気代をまとめてみると、日立の衣類乾燥機「DE-N60WV」は約64.8円、タテ型洗濯乾燥機「BW-DV120C」だと約63.7円です。パナソニックの衣類乾燥機「NH-D503」は約67円、「NA-VX9800L」の標準乾燥モードだと約24円、省エネ乾燥モードだと約16.7円となります。やはり、ヒートポンプ式の衣類乾燥機である「NA-VX9800L」が最も安い電気代になることが分かります。
衣類乾燥機の電気代を節約するコツ
ヒーター式の衣類乾燥機だと、年間だけで2万円以上かかってしまう衣類乾燥機。せっかくなら上手に使いたいところです。少しでも電気代を抑えるコツを紹介しましょう。
十分な脱水
衣類の余分な水分を抜いておくと、乾燥時間が少なくなるので、1回にかかる乾燥時間を短縮できます。
糸くずフィルターの掃除
たまった糸くずは、衣類乾燥機の風量の低下を招きます。糸くずフィルターを、衣類乾燥機を1回使うごとに掃除することで、乾燥時間を短縮できます。
生地の素材によって分ける
素材の木綿同士、化繊同士と、仲間分けして衣類乾燥機に入れると、乾燥ムラが少なくなり、衣類を何度も乾燥機に入れる必要がなくなります。
仕上げに衣類乾燥機を使うことも
洗った洗濯物を、はじめから終わりまで衣類乾燥機使うと、確かに完全に乾燥するまでに時間がかかります。そこで、はじめは自然乾燥にしておいて、ある程度衣類が乾いた後に、衣類乾燥機を使う方法も、電気代の節約になります。
乾いたタオルと一緒に衣類乾燥機に入れる
湿った衣類同士で衣類乾燥機に入れると、乾くのに時間がかかってしまいます。そこに乾いたタオルを入れると、水分が分散されて、乾燥しやすくなります。
衣類乾燥機を使うときの注意点は?
衣類の素材に扱いに注意しよう
長く衣類乾燥機を使いたいなら、使用上の注意も知っておくといいでしょう。温風を衣類にかけている状態なので、当然、衣類に負担もかかります。薄手のもの、傷みやすいもの、絡みやすいもの、女性の下着など、洗濯ネットに入れるといいでしょう。また、ファスナーやボタンがついている衣類は、あらかじめ閉じておいてから、裏返して衣類乾燥機に入れるようにしましょう。
大物は上手に入れよう
シーツや毛布など、大物を乾燥させたい場合は、そのまま詰め込むよりも、縦長に二つ折りにし、蛇腹状にして衣類乾燥機に入れると、キレイに収まります。
その他の注意など
洗濯表示マークで衣類乾燥機に入れることができないものは、入れないようにしましょう。また、乾燥が完了したら、そのまま放置せずに早めに取り出しましょう。放置しておくと衣類のシワの原因になります。
衣類乾燥機の電気代も気にしつつ上手に使おう
日立やパナソニックの衣類乾燥機の1回にかかる電気代について紹介しました。衣類乾燥機は毎日使うと高くつきますが、天気が悪い日だけや、仕上げだけに使うようにすると、電気代を抑えられます。また、今回紹介した日立やパナソニックのメーカー以外にも衣類乾燥機を取り扱うメーカーはたくさんありますし、省エネ機能が付いた衣類乾燥機も多くあります。賢く衣類乾燥機を使って、電気代を抑えるようにしてみてください。