モロヘイヤの栽培・育て方は?種まきから収穫まで詳しく解説!

モロヘイヤという野菜を知っていますか?少し粘り気があり、大変栄養価が高いと十数年前から日本でも一般的に出回るようになったモロヘイヤですが、実は栽培や育て方がとても簡単なので、家庭菜園初心者でも簡単に栽培することが出来るのです。モロヘイヤの種まきってどのように蒔いたらいいの?や、肥料は?土は?いつごろ種まきをしたらいいの?と解らないことだらけでしょう。また育て方でのちょっとしたコツや保存方法など、種まきから収穫までモロヘイヤの育て方について解説をします。

モロヘイヤの栽培・育て方は?種まきから収穫まで詳しく解説!のイメージ

目次

  1. 1モロヘイヤについて
  2. 2モロヘイヤの栽培は簡単
  3. 3モロヘイヤの栄養価
  4. 4モロヘイヤを栽培しよう
  5. 5モロヘイヤの栽培・育て方
  6. 6モロヘイヤの栽培・育て方:種まき
  7. 7モロヘイヤの栽培・育て方:日当たり・置き場所
  8. 8モロヘイヤの栽培・育て方:温度
  9. 9モロヘイヤの栽培・育て方:土
  10. 10モロヘイヤの栽培・育て方:水やり・肥料
  11. 11モロヘイヤの栽培・育て方:病害虫
  12. 12モロヘイヤの栽培・育て方:摘芯
  13. 13モロヘイヤの栽培・育て方:収穫
  14. 14モロヘイヤの保存方法
  15. 15モロヘイヤを食べよう!:下ごしらえの仕方
  16. 16モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤとアサリの茶わん蒸し
  17. 17モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤのナムル
  18. 18モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤの冷ややっこ
  19. 19モロヘイヤを食べよう!:海老とモロヘイヤのかき揚げ
  20. 20モロヘイヤを栽培して健康な身体を維持しよう!

モロヘイヤについて

モロヘイヤとは、アオイ科の一年草で、別名ナガミツナソ・ジュート・ダイワンツナソなどと呼ばれています。原産地はエジプトと言われており、クレオパトラも良く食べていたようです。日本で一般的に食べられるようになったのは、ほんの十数年前と歴史が浅く、健康に良いとして取り上げられたことから、家庭菜園でも広く栽培されるようになりました。

古代エジプトの伝説によると、難病を患った王様がモロヘイヤのスープを飲むと治ったそうです。それ以来、アラビア語で王様の野菜という意味のムルキーヤと呼ばれるようになったのが、モロヘイヤの語源だそうです。それほど優れた栄養素がモロヘイヤにあるのです。今回はモロヘイヤについて紹介していきます。

モロヘイヤの栽培は簡単

アジアからアフリカ北部にかけての熱帯地域で多く栽培されているモロヘイヤは、高温と乾燥に強い為、砂漠地帯でも栽培ができる夏の貴重な葉物野菜です。病害虫にも強く丈夫な野菜です。また、信頼できる種苗会社の種から購入した種で、正しい育て方をすれば来年用の種の採取も可能です。毎年モロヘイヤを栽培して、元気に夏を乗り切りましょう。

モロヘイヤの種や花は毒がある

モロヘイヤは秋に黄色い花を付けます。しかし、種にはストロファンチジンという有毒な物質が含まれていますので、間違って食べてしまわないように厳重に保管をしなければいけません。近年はスーパーフードーがブームで、穀物や植物の種も良く食べられるようになりましたから、誤食のないよう袋にしっかりと食べると危険など、記載をして保管しましょう。

モロヘイヤの種を食べてしまった際の症状としては、起立不能・下痢・嘔吐・食欲不振・めまいなどが起こります。場合によっては死亡する危険性もあるので、お子さんの手の届かない場所に保管する必要があります。また、購入してきたモロヘイヤの種も取り扱いに気をつけましょう。

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モロヘイヤの栄養価

モロヘイヤにはβ‐カロテンなど栄養素が沢山含まれている

モロヘイヤに含まれる栄養素には、ビタミンA・B・C・E・Kや、葉酸、パントテン酸、ビオチン、カルシウム、カリウム、食物繊維などと多くの栄養素が含まれています。中でもβ‐カロテンは、ほうれん草の2倍以上含まれており、全野菜の中でも上位の含有量です。

このモロヘイヤに多く含まれるβ‐カロテンには、強力な抗酸化作用があるります。体内に発生した活性酸素で過剰となったものを除去する作用があります。また、活性酸素の増加を抑制することで、老化防止をして動脈硬化など生活習慣病の予防する効能もあります。それから抗酸化作用には癌を予防する効果があり、遺伝子の損傷を防ぐためにこの効果が得られるようです。

β‐カロテンはビタミンAの働きもする

更にβ‐カロテンは、必要に応じて体内でビタミンAとしての働きをする、ビタミンAの前駆体であるプロビタミンAと呼ばれています。これは、小腸で吸収され必要な量だけビタミンAに変わり、その他の栄養素(特にビタミンB群・ビタミンD、E)の作用を促進する効果を発揮します。そして、必要のないβ‐カロテンは、体内で蓄積されています。

そしてβ‐カロテンの作用は他にもあり、目が光を感じ取るのに必要であるロドプシンという、網膜の主成分となり、夜盲症の改善と予防、視力低下の予防をしてくれます。また、免疫力のアップにより粘膜が強くなるので、皮膚や粘膜から細菌の感染や感染症の予防に効果があります。

葉酸とビタミンCの相乗効果

沢山あるモロヘイヤの成分の中で、次に注目したいのが葉酸とビタミンCです。ビタミンCは、水溶性のビタミンであり、身体の錆びつきを防いでくれます。また酸化の原因となる活性酸素とビタミンCが結びつき、細胞を酸化させないように守ってくれます。更に、コラーゲンの合成、免疫力アップなどの効能も知られています。

ビタミンC単体でも優れた効能を持っているのですが、あまり知られていないビタミンCの作用として、葉酸の働きを補助する効果も持っています。葉酸とは妊娠を期待する女性だけでなく、あらゆる年齢の人に嬉しい働きを持っている成分ですが、細胞分裂を促す働きがあり、この働きをビタミンCが効率的にしてくれるのです。

何故かと言うと、葉酸はビタミンCにより活性型に変換され、より多くの作用を発揮するのです。細胞分裂が活発になると、肌や髪、皮膚の新陳代謝もよくなり若々しさを保つことができるのです。さらに、モロヘイヤは貧血症状を改善したり、動脈硬化を予防したりと多くの健康効果や美容効果があります。

パントテン酸の効果

モロヘイヤに含まれる栄養素のパントテン酸とは、ビタミンの一種ですが、酵母の成長を促す物質として発見されました。その後パントテン酸の欠乏によって、皮膚炎や成長の阻害が起こることが明らかになりました。このパントテン酸の名は、いたるところに存在する酸という意味で、様々な食品に含まれています。

パントテン酸は、エネルギーを生む時に重要な役割を果たしていたり、クエン酸回路や脂肪酸のβ酸化など、脂質や糖質の代謝に関わる代謝系でも重要な役割を果たしており、体内のあらゆる酵素反応に影響している成分です。更に、ホルモンや抗体を増やしたり、善玉コレステロールを増やす作用にも影響があります。

ビオチンの効果

ビオチンもビタミンの一種で水溶性の成分です。哺乳類である人間はこのビオチンを合成することができませんので、食物などから摂取する必要があるビタミンなのです。ビオチンの別名はビタミンB7やビタミンHと呼ばれています。ビオチンの主な働きは、エネルギー産生を補助することで、活発に活動する為には欠かせないビタミンと言えるでしょう。

また、ビオチンは皮膚炎を抑える作用もあり、アトピー性皮膚炎にも効果があると期待されています。これは、体内に異物が侵入した際に、ヒスタミンなどが放出されることで、アトピー性皮膚炎が起こりますが、ビオチンがヒスタミンの材料であるヒスチジンを排出する作用を持っているからです。

また皮膚や粘膜、髪の毛などの材料であるたんぱく質を作る上で材料となるアミノ酸があります。このアミノ酸の代謝にはカルボキシラーゼという成分が必要です。ビオチンは、このカルボキシラーゼの補酵素として作用しているので、健康な肌や髪の毛を維持するのにもビオチンが深く関わっているのです。

モロヘイヤを栽培しよう

6月~9月に多く出回る、今が旬のモロヘイヤには風邪の予防、心筋梗塞や脳梗塞・動脈硬化などの予防、高血圧の予防、がん予防などの健康効果や、抗酸化作用によってアンチエイジング効果と女性に嬉しい効果があることが解りました。また不溶性食物繊維により腸の蠕動運動を促進したり、骨粗鬆症の予防、消火器の保護をしたりと沢山の効果があるモロヘイヤです。

これだけの効果があり、栽培も簡単なのであれば育て方を学んで、是非家庭菜園でモロヘイヤの栽培をして健康的な身体づくりに役立ててみましょう。モロヘイヤの栽培に適した土や肥料、種まきの時期、収穫の時期などモロヘイヤの育て方を詳しく紹介したいと思います。

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モロヘイヤの栽培・育て方

育て方カレンダー

モロヘイヤの種まきの時期は、4月から5月です。そして6月から10月と5か月間もの長い期間収穫することができます。いくつかプランターを用意して時期をずらして種まきをすると、長い期間、モロヘイヤの収穫ができ、高い栄養価を食べ続けることができます。スムージーなどにしてフルーツと一緒に摂取しても効果的でしょう。

モロヘイヤの栽培・育て方:種まき

モロヘイヤの種まきの説明をする前に、注意しておいて欲しいのは、種は信頼できる種苗会社から購入することです。一粒の種は非常に小さいものですが、その植物の遺伝子情報がギュッと詰まっており、きちんとした情報によって理解した育て方をすることで、種の特性を充分に発揮させてあげる必要があります。

種にも勿論、寿命というものがありますので、採取した年月日まで記載されている誠実な会社もあります。また、専門の信頼のおける会社であれば、お客の手に種が渡るまで、しっかりと防湿や温度など最適な条件で保管されています。種も生きています。大切なちいさな粒の命を上手に素晴らしい生育をさせてあげましょう。

さて本題の種まきの方法ですが、発芽の適温が25℃~30℃ですので、暖かくなってきた4月下旬ころから5月の中旬にかけて、すじまきで種まきをしましょう。種をまく前日に種を水に浸けて一晩置くと、発芽率も良くなります。種まき用の土もしくは赤玉土を育苗ポットやセルトレイに入れて、5~6粒ずつ種まきする方法でもかまいません。

すじまきとは、畑やプランターなどの土を湿らせて、支柱などで溝を作ります。その溝に種を重ならないように一列にまいていき、溝の両側から指で土をはさむように、そっとなぞって土を被せていきます。土をかぶせ終わったら、軽く上から抑えて土を種に密着させて、たっぷりと水をあげましょう。これで、すじまきでの種まきの完了です。

すじまきで種まきをする時は、細かい種やさほど大きく成長しない野菜などに適しており、途中間引きしながら育てる野菜は、このすじまきで種まきをします。植え替えが必要な植物で、上手く植え替えをする自信がない人や、絶対に植え替えで枯らしたくない人などは、育苗ポットやセルトレイに撒いておくと、植え替え時にスムーズに作業が行えます。

またポット苗やセルトレイで種まきをする利点には、発芽温度や育成の際の温度管理が必要な植物であったり、発芽や育苗が難しい植物などは、植物に適した場所に移動しやすいため、管理がしやすいことでしょう。苗ポットやセルトレイに種を種まきする際には、ポットにすりきり一杯の土を入れて、指で第一関節のところまでの穴を開けます。

穴に種を2~3粒ずつ種まきをして土をかぶせ、上から軽く押さえます。たっぷりとポットの下から水がこぼれるくらいに水やりをしましょう。これで、ポット苗やセルトレイの種まきは完了です。

モロヘイヤの発芽から植え替えまで

種まきをしたら発芽するまでは、土の表面を乾かないように新聞紙などで覆い、暖かい場所に置きましょう。4月や5月にはまだ少し冷える日がありますので、出来れば室内で管理する方が上手く発芽してくれるでしょう。発芽し双葉が出てきたら元気のいいものだけ残して、生育の悪い芽は間引きましょう。

本葉が4枚くらいになってきたら、一本ずつ育苗ポットに植え替えます。根も茎も全て細くて繊細なので、傷つけないよう慎重に行いましょう。ここの工程で自信がない人は、前述した育苗ポットやセルトレイに種を蒔く方法を選びましょう。そして、本葉が6枚くらいになってきたら、いよいよプランターや鉢、畑に植え替えます。

苗の植え替え

この植え替えは、5月~6月ごろに行いますが気温が25℃以下に低くなる日があると、花が咲いて葉の味が落ちてしまいます。鉢植えやプランターに植える場合は、暖かい場所で25℃をキープしましょう。60センチほどのプランターであれば2株、8号以上の鉢ならば1株を目安に植え替えをしてください。

地植えにする場合は、水はけが良く日当たりのよい場所で、植え替えをする2週間くらい前に、苦土石灰を土と混ぜて酸性を中性に中和させておきます。それから一週間前くらいには野菜用の肥料や油かすなどを混ぜておき、株同士の間隔が30~50センチになるように、穴を掘っておきます。育苗ポットから出す際には、土を崩さないように浅めに植え付けます。

株の根本に土をそっと寄せて、軽く押さえて株を安定させます。たっぷりの水をあげたら植え付けは完了です。定着するまでは様子を見ながら、水を与えましょう。

支柱立て

モロヘイヤはつる性ですので、成長してくると倒れやすい植物ですので、支柱を立てて固定してあげるのをおすすめします。一株に一本ずつ支柱をしっかりと土に差し込みましょう。支柱を立てることで、倒れにくくするだけでなく、株と株の距離を保つことができ風通しを保てるので、病害虫の発生を防ぐ効果もあります。

また、風害の影響も少なく、モロヘイヤを直立させられるので葉に万遍なく日が当たりやすくなります。さらに、収穫も楽に行えるようになります。

モロヘイヤの栽培・育て方:日当たり・置き場所

モロヘイヤは大変日当たりの良いところを好みますが、夏の直射日光はあまりよくありません。夏に直射日光が当たる場所で栽培していると、萎えてしまいますので、反日蔭のところが丁度いいでしょう。置き場所で適しているのは、日当たりのいい風通しがいい場所を選びましょう。野菜は外で育てるイメージが強いですが、室内での栽培も可能です。

日当たりのいい窓際で栽培して、毎日細めに収穫したいなら室内でも問題はありませんが、モロヘイヤはつる性植物なので、少し収穫ができない日が続くと思った以上に成長して邪魔になるかもせれません。自分のペースに合った場所で育てましょう。

モロヘイヤの栽培・育て方:温度

モロヘイヤの発育に適した温度は、22℃以上です。高温を好むため発育の初期の夏前まではゆっくりとした成長スピードですが、夏を迎え高温が続くと、凄い勢いで成長します。逆に気温が上がらない地域では生育が鈍くなります。15℃くらいで成長が鈍くなり、10℃になると完全に成長が止まってしまいます。25℃~30℃がモロヘイヤに最適の温度と言えるでしょう。

モロヘイヤの栽培・育て方:土

モロヘイヤは、日当たりが良く水はけのよい土ならば、特に土質を選ばないですし、連作障害がないので、連作も可能です。しかし、酸性の土を嫌う傾向があるので、必ず石灰類を蒔いて酸度を調整しておきましょう。プランターなどでは、市販の野菜専用の土を使って肥料を混ぜてあげれば、充分育ちます。

モロヘイヤは一株でもかなり大きく成長しますので、プランターなら2株までで充分ですので、種を買うよりも苗を買ったほうが良いかもしれません。

モロヘイヤの栽培・育て方:水やり・肥料

モロヘイヤは乾燥に強い植物ですので、水やりをうっかり忘れてしまってもすぐに枯れるということはありませんが、乾燥状態が続くと茎や葉が固くなり、美味しくありません。夏は土の表面が乾いたらたっぷり水をあがるようにしましょう。特にプランターや鉢植えでの栽培では、乾燥しやすいのでこまめにチェックして、土が乾いたら水やりをしましょう。

モロヘイヤの肥料は、植え付けの時に土に混ぜ込んでおきましょう。そのあとの追い肥に関しては、植え付けから20日以上経過してから与えるようにして下さい。固形の化学肥料を土の上に置いておくか、液体肥料を薄めてあたえます。モロヘイヤは肥料が足りないと茎や葉が硬くなってしまいますので、肥料は与え続けて下さい。月に2回くらいが丁度いいでしょう。

簡単な有機肥料の作り方

折角自分で育てるのなら、安心して食べられる有機肥料で育てたいと思われる人は、簡単に作れる有機肥料での育て方に挑戦してみて下さい。きっと味も美味しいので、スーパーのモロヘイヤが食べられなくなるかもしれません。

ぼかし肥料という米ぬかなどを混ぜて発酵させたオリジナルの肥料で、全ての野菜に使える肥料です。メリットは虫が湧きにくく、肥料の吸収も良いことです。通常の有機肥料は菌が肥料を食べて、菌の排泄物を栄養として植物が吸収するために、撒いてから吸収するまでに時間がかかります。

しかし、ぼかし肥料は発酵させるので、吸収しやすい状態となっており、すぐに植物が肥料を吸収してくれます。材料も安くて発酵させるだけですので、非常におすすめの肥料です。では、有機肥料(ぼかし肥料)の作り方を説明します。材料は、鶏フン・米ぬか・有機石灰・草木灰・納豆・ヨーグルト・水です。

それぞれの割合は、鶏フン3割、米ぬか5割、有機石灰1割、草木灰1割です。米ぬかを使うことで、納豆菌と乳酸菌の増殖が劇的に進みます。鶏フンは肥料成分が多く即効性がありますが、臭いがどうしても気になる人は、骨粉と油かすで代用してもかまいません。

じょうろに、納豆の内側に付いているフィルムのネバネバを溶かします。そこにヨーグルト大さじ半分くらいを入れて混ぜます。米ぬかなど全ての材料を混ぜ合わせたところに、先ほどのじょうろの水を少しずつ入れながら混ぜ合わせます。手で握って崩れるくらいの硬さが目安です。それを袋に入れて密封します。しっかりと封をしましょう。

そのまま冷暗所で一週間以上寝かせて、甘酸っぱい臭いがしてきたら出来上がりです。発酵させている時は、ネズミなどの入らない場所に保管しましょう。モロヘイヤに使う量は、一株につき一握りを月に2回くらいですので、大量に作らないようにしましょう。もし、長期保存したければ、天日乾燥をさせて下さい。できるだけ早めに使うようにしてください。

モロヘイヤの栽培・育て方:病害虫

モロヘイヤにアブラムシが付いている時は、肥料を与えすぎているからでしょう。追肥を止めて木酢液をまき、様子を見ましょう。またウリハムシがついている時は土が悪い状態になっており、モロヘイヤも弱っています。この場合、回復は難しいかもしれませんが、根を傷つけないように、堆肥をしたり木酢液を蒔いて様子を見ましょう。

その他に、モロヘイヤに付く害虫にはネギアザミウマや、マメコガネ、カンザワハダニ、ハスモンヨトウ、オンブバッタなどがいます。しかし、これらの病害虫がつくことはあまりありません。黒星病という黒紫色の小さな斑点が多数生じる病気があります。雨が続くと発病しやすいので、雨除けをするといいでしょう。また、病葉などは切り取りましょう。

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モロヘイヤの栽培・育て方:摘芯

ある程度までモロヘイヤが育ってきたら、摘芯をすることでわき芽を増やします。そうすることで、横へ成長し枝が増えるので収穫できる部分も増えます。摘芯をせずそのまま栽培していると、どんどんと上に成長して2mくらいになってしまいます。そんな高い場所の収穫は困難ですし、秋に咲く花も少なくなってしまいます。

50cmくらいに伸びたら中心の芽を摘んで、わき芽を増やしてあげましょう。また、わき芽が増えすぎると風通しが悪くなり、湿気もこもります。梅雨や夏が来る前に風通しが良くなるよう、適度に枝を落としましょう。また、摘心をすることで、株全体を小さくまとめる効果もあります。背が高く、茎が弱いと風邪に吹かれた時に倒れたりするので、倒壊の予防になります。

モロヘイヤの栽培・育て方:収穫

モロヘイヤの収穫時期は、種を蒔いた時期や地域によって多少違ってきますが、おおよそ7月中旬から下旬ごろから収穫できます。そして、霜が降りる前まで収穫できます。家庭菜園でモロヘイヤの栽培をするメリットの一つに、常に柔らかい部分を新鮮な状態で食べられることです。葉が育ってきたら長く置かず、柔らかいうちに食べてしまいましょう。

では、収穫のタイミングの見分け方はどうなのでしょう?モロヘイヤの草丈が50センチくらいまで成長したら収穫が可能となります。摘芯も兼ねて若葉の先端10センチから20センチくらいの部分で、手でポキッと折れるところで摘み取りましょう。手で簡単に折れる部分は柔らかくて美味しい証拠です。

手でポキッと折れて収穫することができて、尚且つ葉や茎が綺麗な緑色で艶が出ていれば、モロヘイヤが美味しくなってきたサインです。収穫する際には4枚前後の葉が付いている枝先を、枝ごと摘み取ります。そうすることで、あらゆる方向に伸びたモロヘイヤの摘芯を同時にすることが出来るので、コンパクトで充実した株となります。

また、その日に食べられないとしても、伸びてきたモロヘイヤは細めに収穫してあげましょう。伸び放題になると風遠しも悪く、モロヘイヤの味も落ちてしまいます。

10月になって花芽ができはじめると、栄養分の殆どが花に持っていかれますので、新芽も成長が止まります。茎や葉は硬くなり味も落ちてくるので、その年の収穫が終わったと思ってください。また、前述した通りモロヘイヤの花や種には、強心作用のあるストロフチジンという強い毒が含まれていますので、絶対に食べないで下さい。

モロヘイヤの保存方法

モロヘイヤは、栽培する際には温度変化や乾燥にも強いのですが、一旦収穫してしまうと大変傷みやすい野菜ですので、常温で2日、冷蔵でも3日くらいしか日持ちがしません。収穫したモロヘイヤの保存に最適な温度は5℃~10℃であり、常温ではすぐに葉が傷み、栄養価も落ちてしまいます。真夏であればもっと早く傷んでしまうことでしょう。

家庭菜園で栽培しているのなら、出来るだけ調理する直前に収穫して新鮮なモロヘイヤを味わいましょう。しかし、夏の成長が激しい時期だと食べるのが追い付かなくなってくることでしょう。そういう時には2~3日であれば水で湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋で密閉してから冷蔵庫で保存しましょう。その時、葉の部分は水分が付かないようにしましょう。

常温も冷蔵も保存期間があまり長くないモロヘイヤは、冷凍保存をすることで長期保存が可能となります。まず、お湯に少し塩を入れてからモロヘイヤを湯がきます。ザルにあげて水を切り、しっかりと冷めてからフリーザーバッグに平になるように入れて、出来るだけ真空状態にして、冷凍庫へ入れます。

一回に使用する量に小分けして冷凍しておくと、無駄にせずに済みます。また、加熱せずに冷凍する場合は、茎と葉を別にして良く洗って水けを切ってから冷凍します。調理する際には解凍せずに、そのまま加熱して下さい。

モロヘイヤを食べよう!:下ごしらえの仕方

モロヘイヤの茹で方

茎から葉を取り外したモロヘイヤを、塩を少し入れたたっぷりのお湯で茹でます。数秒で鮮やかな色に変わりますので、すぐザルにあげ素早く熱を冷まします。電子レンジを使用する場合には、耐熱容器でふんわりとラップをかけて、1分ほど加熱したらすぐに水にさらして、熱を冷まします。短時間の加熱ですぐに火が通るので、目を離さずに茹でましょう。

モロヘイヤの刻み方

スープに使ったり、細かく刻んで料理に使う際には、まな板を濡らしておくとモロヘイヤのヌメリがつきにくくなります。また、包丁で軽く叩くようにして刻みますが、細かくするほどヌメリが出るので、好みのヌメリ気を調整しながら刻みましょう。

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モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤとアサリの茶わん蒸し

モロヘイヤ50gは茹でて粗めに刻んでからミキサーもしくはハンドブレンダーでペースト状にします。卵1個とだし汁160ccと薄口醤油小さじ1を混ぜて、ペースト状のモロヘイヤとよく混ぜ合わせます。茶わん蒸し用の器に流し入れて、予め沸騰させておいた蒸し器に入れ、5分ほど蒸し、表面が固まったところでアサリのむき身20gを綺麗に並べ、更に8分蒸したら完成です。

モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤのナムル

暑い夏に食べやすくて食欲のわくナムルをモロヘイヤで作ってみましょう。ボウルにおろしニンニク2分の1片と塩少々、すりごま小さじ1、ゴマ油少々を入れて混ぜ合わせておきます。塩を少し入れたお湯でモロヘイヤをさっと湯がいて水に晒します。モロヘイヤが冷めたら、水気を絞り食べやすい長さに切ります。混ぜておいた調味料と和えたら出来上がりです。

モロヘイヤを食べよう!:モロヘイヤの冷ややっこ

暑い夏は、出来るだけ火を使わない調理をしたいのと、食べるのも冷たいものが食べたくなる時期ですから、冷たくてつるんと喉を通る冷ややっこが良く食卓にあがることでしょう。いつもの薬味や醤油ではだんだんと飽きてきます。そこで、栄養満点のモロヘイヤと冷ややっこを一緒に食べて、夏バテしないようにしましょう。

豆腐半丁は水切りをしてから、小さめのスプーンで丸くすくって器に盛ります。モロヘイヤ80gは、塩を少し入れたお湯でさっと茹でて包丁で細かく叩いておきます。みりん大さじ1.5は煮切って、醤油大さじ1、黒酢大さじ1と混ぜ合わせます。刻んだモロヘイヤと調味料を混ぜてから、豆腐の上に乗せすりごまを乗せたら完成です。

モロヘイヤを食べよう!:海老とモロヘイヤのかき揚げ

おひたしもあっさりして食べやすいけれど、ご飯のおかずとしては少々物足りないという人には、ビールのおつまみにもぴったりのモロヘイヤの揚げ物のレシピを紹介します。モロヘイヤを家庭菜園で作っておけば、海老と長ネギを買ってくるだけで、ご馳走が出来ます。衣を付けて油で揚げると、何でもご馳走に早変わりするのは本当に不思議です。

海老200gは背ワタを取り食べやすい大きさに切ります。モロヘイヤは1センチ幅に切り、長ネギは薄めの小口切りにします。ボウルに切った材料全てを入れて、塩少々、小麦粉3分の2カップを振り入れ、小麦粉が材料全体に絡まるように混ぜます。そこに冷水4分の1カップを入れて混ぜ、具材がまとまるくらいの硬さにします。

170℃に熱しておいた油に、木べらをひたして油を付けます。具材を木べらに乗せて平になるように箸で整えてから、油に滑らすようにいれます。カラッと揚がるまで加熱し、しっかりと油を切ってから塩をふりかけ、器にもれば完成です。お好みでレモンを添えて下さい。

モロヘイヤを栽培して健康な身体を維持しよう!

モロヘイヤの育て方について、種まきから収穫まで詳しく解説してきましたが、思っていたより簡単だったのではないでしょうか?ベランダやちょっとしたスペースがあれば、プランターや鉢植えでも育てられる栄養価の高いモロヘイヤを栽培して、毎日の食事に取り入れてみませんか?

一株植えておくと次から次へと育ってくれるモロヘイヤがあると、夏の葉物野菜が少ない時でも大変重宝します。また、おひたしから炒め物、揚げ物、蒸し物などアイデア次第で様々なレシピのあるモロヘイヤを、飽きずに食べてすばらしい健康効果とアンチエイジング効果を実感して見ましょう。

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