カルピスバターとはどんな味?業務用・特選との違いや販売店も調査!
カルピスバターって知っていますか?スーパーでも近年見かけるようになりましたが、カルピスが入っているバターではありません。普通のバターに比べかなり高価のようです。しかしその美味しさには定評があり、1度カルピスバターを使うともう他のバターは使えないというほどだとか。そんなカルピスバターはどんな味なのか、そのラインナップ、それぞれの違い、どこに行ったら帰るのかなどを調べてみました。
目次
カルピスバターとは?
カルピスバターとは乳酸菌飲料のカルピスをつくる工程で、生乳から乳脂肪を分離する時にできる脂肪分(クリーム分)から製造されるバターです。
カルピスバターの歴史
1942(昭和17)年に業務用として発売され、その当初より一流フランス料理店や洋菓子店のトップシェフから大好評でした。カルピスバターがないと店の味は出せないと言われるほどで、秘伝の味とされてきました。カルピスバターは生産量が決まっており、希少だったためそのほとんどは一流の店に納品され、そのため口外されない幻のバターといわれてきました。
その後、1981年に業務用だけでなく、一般のご家庭用にカルピス特選バターが販売店に置かれるようになりました。これは一般用にもカルピスバターを販売してほしいという強いリクエストがあったからです。そのおかげで現在も販売店でカルピスバターを入手することができます。
カルピスバターの作り方
カルピスバターの作り方は、生乳を遠心分離機で乳脂肪分と脱脂乳に分離します。脱脂乳は主として乳酸菌飲料のカルピスになります。残った乳脂肪分を冷却し、低温のまま寝かせ熟成させます。それを厳密な温度管理の下、攪拌します。ここで乳脂肪分が集められ、カルピスバターの原型の乳脂肪分の粒が出来上がります。
バターミルクと言われる撹拌時にできる、脱脂乳に近い成分の透明の液体で乳脂肪分の粒を洗うことで、豊かなミルク風味のカルピスバターに仕上がります。これを丹念に練り合わせます。この作業を念入りに行うことで、滑らかで組織の密なカルピスバターが出来上がります。有塩バターの場合は、ここで食塩を加え練り上げます。
これを成型、包装し、その後、厳しい基準により製品検査を行います。この検査に合格したものだけがカルピス特選バターとして販売店に出荷されます。
カルピスバターの味
カルピスバターは希少性が高く、カルピス約30本作る際にできる脂肪分でやっと450グラムのカルピスバターしかできません。そのため幻のバターと言われており通常のバターの約2倍の値段です。しかしその分、味わいが違い、脂肪分が多く、深いコクと透きとおる口どけと上質でクリーミーな味わいがあると言われています。よってカルピス特選バターは、バターの味が決め手となる料理・メニューに使用すると効果的です。
また、カルピスバターの味は本場フランスのバターに一番近いと言われ、濃厚なのに後味がスッキリしているのが特徴です。
一般販売店用のカルピスバターの種類
特選バター有塩
1981年に発売された一般向けのカルピスバターです。450グラムと使いやすい100グラムの2種類あります。乳脂肪分は80.2%以上と高くなっています。値段は450グラムが1457円、100グラムが450円になります。要冷蔵品で賞味期限は240日になります。
特選バター食塩不使用
これも一般向けのカルピスバターで、無塩のものです。パンやお菓子などに使用するタイプになります。こちらは有塩のものと違い、450グラムのみです。値段は1507円になります。
業務用カルピスバターの種類
バター有塩
一般向けのものと中身は同じ業務用カルピスバターです。パッケージのみ業務用と明記されていて違います。冷凍されているので、賞味期限が720日と長くなっています。業務用のカルピスバターで有塩のものはこの商品しかありません。これが一箱に30個入っています。
バター食塩不使用
これも一般向けのものと中身は同じカルピスバターですが、パッケージが業務用、保存状態は冷凍と違います。こちらも一箱に30個入っています。
シートバター食塩不使用
製菓、製パン用として使いやすいシート型のカルピスバターです。業務用らしく、1キロと大量になります。これが一箱に10個入っています。
流し込みバター食塩不使用
溶かして流し込み用として使う流し込みカルピスバターです。これも業務用で製菓やパン作りに使用するタイプになります。20キロの大容量のみのラインナップです。
発酵バター食塩不使用
厳選した乳酸菌を添加した発酵バターです。ヨーグルトのような爽やかな酸味があり、焼き菓子に使うとさらに美味しくなります。容量は450グラムで一箱に30個入っています。
低水分バター食塩不使用
普通のバターよりも水分の少ないタイプで、特にパイ作りに向いているとされるカルピスバターです。のびと艶がよく、焦がしバター、溶かしバターに最適です。容量が450グラムと500グラムの2種類があります。両方とも一箱に30個入っています。
カルピスバターを売っている販売店
カルピスバターはどこでも売っている、というものではないようです。首都圏であればカルディーコーヒーファームや成城石井などの販売店で売っているようです。関西ならばIKARIスーパーで売っているようですが、確実に買えるのは、ネット販売店のAmazonと楽天です。他の販売店だと行ってみないとカルピスバターが売っているかどうかわかりませんが、ネット販売店であれば送料はかかりますが、確実に買えます。
カルピスバターを使ったレシピ:コク旨バタークリームのチョコカップケーキ
他のバターとは違い、カルピス特選バターだからこそ作ることができる、色が白くて、コクがあるのに軽やかなロどけ、後味爽やかなバタークリームです。バタークリームとチョコカップケーキのバランスが素晴らしいメニューです。
ボウルに無塩のカルピス特選バターと刻んだチョコレートを入れ、湯せんして溶かします。別のボウルに卵を割り入れて混ぜ、グラニュー糖を加え、泡立て器で白っぽくなるまでよく混ぜます。溶けたチョコとカルピスバターによく混ぜた卵とグラニュー糖を入れて混ぜ、そこへ薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れ、泡立て器でさっくりと粉気がなくなるまで混ぜ合わせます。
マフィン型に均等に流し入れ、170℃に予熱したオーブンで約20分焼きます。竹串を刺して生地がついてこなければ焼き上がりです。
室温でやわらかくしたカルピスバターに、粉砂糖、バニラビーンズ(なければバニラエッセンス)を加え、泡立て器でなめらかになるまで混ぜ合わせます。丸い口金のついた絞り袋にクリームを入れ、カップケーキの上に絞りデコレーションします。(バタークリームをスプーンでのせてもよいでしょう)ハートやカラースプレー、チョコレートなど飾りをのせてデコレーションしたら出来上がりです。
カルピスバターを使ったレシピ:バター香る生塩キャラメル
バットにオーブンペーパーを敷いておきます。小鍋に有塩のカルピス特選バター、牛乳、グラニュー糖、ハチミツを入れ、中火にかけ混ぜ合わせ、とろっとするまで煮ます。そこへ生クリームを少しずつ加えます。途中で弱火にして、木べらで混ぜながらさらに煮詰めます。キャラメルが木べらから落ちるか落ちないかくらいまで煮ます。この時、鍋底などから焦げやすくなりますので、気をつけながら混ぜてください。
先ほどのバットにこれを流し平らにして、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし固めます。それを包丁でカットし、1個ずつキャラメルペーパー(オーブンペーパーをカットしたものでも)に包めば出来上がりです。バターの風味の感じられるキャラメルになります。仕上がりが柔らかい方が好きなら、少し常温に出しておくとやわらかくなります。
カルピスバターを使ったレシピ:サクサクバターたっぷりスノーボール
サクサクとした上品なミルク風味のスノーボールです。口の中に広がるカルピスバターの風味が他のバターとの違いを感じさせてくれます。
ボウルに室温でやわらかくした有塩のカルピス特選バターと粉砂糖、バニラビーンズ(なければバニラエッセンス)を入れ、泡立て器でよく混ぜます。ふるった薄力粉、アーモンドパウダーを入れ、ゴムベラで粉気がなくなるまで切るように混ぜ合わせ、ひとまとめにします。1つ10g(直径3cm)ずつ手に取り、丸め、オーブンペーパーを敷いた天板にのせます。
予熱160℃のオーブンで20分くらい焼きます。焼けたらのせて冷まし、粉砂糖を茶こしに入れ、上からふりかければ出来上がりです。
カルピスバターを使ったレシピ:もっちりさわやかパン
カルピスバターならではのもっちりしっとりの爽やかパンが出来上がります。カルピスバターとカルピスがマッチしています。
ボールに強力粉、ドライイースト、上白糖、塩を入れ混ぜ、人肌に温めたカルピスと牛乳を加え、手早く混ぜます。生地がひとまとまりになったら、手のひらのつけ根で生地をこすりつけるようにこねます。べたついていた生地がだんだんまとまってきたら、無塩のカルピス特選バターを加え、同様にこねます。表面がなめらかになったら、生地を両手で上から下へ丸め込むようにし、とじ口を下にして炊飯器に入れます。
炊飯器のふたをして保温10分、そのままスイッチを切って15分ほどおきます。生地が2倍位の大きさになったら炊飯器から取り出します。生地を4等分に切り、丸めてとじ口を下にしてラップをかぶせ10分休ませます。この生地をやさしく丸め直し、オーブンプレートにのせ、生地が乾かないよう表面に霧をふきかけ、ラップをして温かい場所で30分発酵させます。ラップを取り、180℃に温めたオーブンで15分ほど焼けば出来上がりです。
カルピスバターを使ったレシピ:新じゃが芋のカルピス&バター和え
おかずにもおやつにもおつまみにもなる、大活躍のメニューです。新じゃがの甘さにカルピスの酸味とカルピスバラーの風味がほっくりと美味しい一品です。
新じゃが芋はよく洗い、皮付きのまま4等分に切り、水にさらしてから水気をきります。鍋にじゃがいもを入れ、たっぷりの水を加えて柔らかくなるまで茹でます。茹で上がったらザルに上げ水気をきります。フライパンに有塩のカルピス特選バターと塩、カルピスを入れ沸騰させます。これをボールに入れ、じゃがいもと和えます。器に盛りつけ、万能ねぎを散らせば出来上がりです。
カルピスバターを使ったレシピ:スプリング・スパゲティ
春野菜たっぷりのスパゲティーです。カルピス特選バターの美味しさが際立ち、他のバターとの違いを感じます。カルピスバターが春野菜の魅力をより一層ひきだしてくれます。
スパゲティを固めに茹でます。にんにくはみじん切り、ベーコンは短冊切り、たけのこの水煮は薄切り、アスパラガスは下茹でして斜め切り、菜の花も下茹でして2等分に切りに、キャベツは一口大切りにしておきます。フライパンに有塩のカルピス特選バターとにんにく、赤唐辛子、ベーコンを炒め、香りが立ってきたら全ての野菜を入れて炒めます。
野菜がしんなりしてきたらスパゲティをフライパンに加え、味の素、醤油、塩・胡椒で味を整えお皿に盛れば出来上がりです。
まとめ:カルピスバターはどんな味?
カルピスバターはカルピスを作る際にできる乳脂肪分をバターにしたもので、カルピス30本作るのに450グラム分のカルピスバターしか作ることができません。そのため希少価値が高く、1981年までは業務用のみしか販売されていませんでした。その販売分も一流フレンチ料理店や一部の洋菓子店で買い占められていたので、幻のバターと言われていました。
発売当初より、シェフの間では大絶賛のカルピスバターですが、それは他のバターとは味わいが違い、脂肪分が多く、深いコクがあるにも関わらず、後味がスッキリしています。これは本来なら相いれないと思われていましたが、それをカルピスバターは可能にしています。カルピスバターを使用すると味に深みが出て一層美味しくなるようです。これなくしては店の味が出ないと言われるほどです。
特にフランス料理や洋菓子はバターの使用度合いも大きいので、味を左右するのかもしれません。現在は業務用だけでなく、一般用にも売られているカルピスバターですが、販売店の数は少なく、一部の店舗にしか置いていません。入手したい場合はAmazonや楽天などのネット販売店で購入してください。家庭でも同様で、カルピスバターを料理に入れれば、味が本格的になるのは間違いありません。
そんなカルピスバターですから、ぜひ一度試してみたいものです。値段は450グラムで1500円くらい。少し高いと思いますが、大概のバターはこれとは違い、200グラムほどで400円前後で売られていますので、その倍量以上になります。値段も約倍ですが、試す価値はありそうです。一度に使えない場合はきっちりラップし、冷凍保存してください。ぜひ、カルピスバターの美味しさを試してみてください。