鮭の焼き方・フライパン編！アルミホイルで皮まで美味しく焼き上げるには？

鮭は一年中楽しめる人気の食材のひとつです。ですが焼くときに皮や身が焦げてしまったり、皮なんて美味しくもないから食べない、と思ったりしていませんか？実はちょっとした焼き方の工夫ひとつで焦げないように仕上げたり、皮まで美味しく食べられるようになるのです。手軽に使えるフライパンで、皮まで美味しく仕上がるだけでなく、片付けまで簡単になる鮭の焼き方を紹介します。

まずはフライパンで鮭を焼くときの、基本的な焼き方から紹介します。鮭をフライパンで焼くときのメリットは、なんといってもグリルで焼くよりも後片付けが簡単で、片付けた後でも臭いが気にならないことです。ですがグリルを使って焼くとき同様、火加減や焼き時間をどのくらいにしたらいいのか、基本的なことをわかっていないとついつい焼きすぎて焦げたり、生焼けになって困ってしまうことも多いのが焼き鮭の欠点です。

甘塩鮭よりも生鮭に向いた焼き方です。まずは乳酸菌飲料に浸して下ごしらえをします。乳酸菌飲料に浸すことによって乳酸菌の働きにより、鮭の身のたんぱく質が柔らかくなり、ふっくら焼き上げることができるようになります。乳酸菌飲料なら何でも大丈夫ですが、加熱済みの鮭や冷凍して細胞が壊れている鮭の場合、糖分が染み込んでしまうことがあります。心配なときは水で溶いたプレーンヨーグルトでも代用できます。

鮭を乳酸菌飲料に20分浸したら取り出して、表面の水分をキッチンペーパーなどで軽くふき取ります。鮭の皮をパリッと焼き上げるために、皮に酢を塗っていきます。酢にもたんぱく質を柔らかくする作用があるだけでなく、水分を蒸発しやすくするため皮の食感に大きな差が出ます。皮に酢を塗って2分経ったら、キッチンペーパーで軽くふき取っておきます。

最後に鮭を焼く前の下処理として、もっとも大切な作業を行います。下味の塩を振った後、10分間置いておきます。大事なのはこの『10分置く』という点です。10分待つことで鮭の臭いの混ざった水分が浮き出て、これをふき取ることで仕上がりが生臭くなることを防ぐことができます。下味付けだけでなく臭み取りもできる、鮭の焼き上がりを美味しくするための大切なポイントです。

下処理の終わった鮭を、いよいよフライパンで焼いていきます。フライパンには油を引かず、皮を下にして焼き始めます。フライパンには蓋をすることによって、焼き方としてはいわゆる蒸し焼きにしていきます。火加減はまずは強火で1分間皮を焼くと同時に、身の表面を焼き固めて鮭の旨味を閉じ込めます。蓋をしてあることでフライパンの中で熱が循環して、上の部分も熱せられて表面が白く固まります。

火を弱火に落として、身の中にもしっかり熱を通していきます。3分間じっくり焼いたら、蓋を開けて鮭の身をひっくり返します。もう一度蓋をしたら強火にして、1分間加熱して身にも焼き色を付けます。いつもと下処理を変えるだけでも、生臭さがなくなり皮もパリッとした、焼き上がりがまったく違う焼き鮭にすることができる、簡単でおすすめの焼き方です。

次はクッキングシートを使った焼き方を紹介しましょう。テフロン加工されたフライパンを使うときでもクッキングシートを敷いて焼いたほうが、焦げ付きだけでなく身崩れを心配せずに済むので、鮭の焼き方に慣れるまではクッキングシートを使って焼くほうがおすすめです。

フライパンでの鮭の焼き方は、フライパンにまずはクッキングシートを敷きます。クッキングシートの上に油を引く必要はありません。そのまま『盛り付けたときに上に来る面を下にして』、中火で焼いていきます。焼いているうちに鮭から油が出てくるので、様子を見ながら3分～4分ほど焼いていきます。このとき火は中火で焼きましょう。弱火だとせっかくの鮭の旨味が流れ出して味が落ち、強火だと表面だけ焦げて生焼けになります。

鮭をひっくり返したら、鮭全体に料理酒小さじ1杯分を満遍なく振り掛けます。アルコールには身の保水量を高める効果があるため、フライパンではなくグリルで焼くときにも応用できます。霧吹きを使うと簡単に全体に振り掛けることができるので、アルコールが飛ばないように小さい霧吹きを用意しておくと便利です。アルコールには殺菌効果もあるので、お弁当に入れるときにも重宝します。

鮭に料理酒を振り掛けたら、フライパンに蓋をして5分ほど蒸し焼きにします。蒸し焼きにした後に蓋を開け蒸気を飛ばし、盛り付ける面の水分も飛ばしてから器に盛り付けます。鮭を焼くときに注意したいことは、焼き色を気にして何度も裏返すと、身崩れの原因になるのでやめましょう。また、焼く鮭の厚さに合わせて焼き時間は調節してください。この焼き方の説明で使った鮭は、厚さが2.5cmで重さは90gほどの鮭です。

生のままの鮭でも冷凍の鮭でも、フライパンでふっくら焼ける焼き方もあります。フライパンを火にかけて油を薄く引いたら、鮭を並べていきます。焼き色が少し付いてきたところで鮭1切れに付き水25ccを入れて、蓋をしたら中火にして2分～3分蒸し焼きにします。鮭を裏返して反対側も同じように焼きます。鮭を返すときに水がなかったら、水を再度足してから蒸し焼きにします。残った水は強火で飛ばし、焦げ目を付けても良いです。

他では冷凍のままの鮭の切り身を、温める前のフライパンに乗せたら、キャベツやきのこなどの野菜と水・酒を回し入れたら、塩・胡椒で鮭に下味を付けてフライパンに蓋をして、弱火で蒸し焼きにします。鮭の色が変わってきたら野菜を取り出して、再びそのまま蒸し焼きにした後、最後にごま油を回しかけて焼き上げる方法もあります。生でも冷凍でも、鮭を焼くときには水や酒で蒸し焼きにすると、ふっくら美味しく焼きあがります。

最近魚の焼き方で注目を集めるようになったのは、フライパンにアルミホイルを敷いてその上で魚を焼く方法です。元々アルミホイルに魚を始めとして、調味料や具材を入れて焼くホイル焼きという料理がありますが、鮭をただ焼くのにもアルミホイルは便利なアイテムです。フライパンでの焼き物専用ホイル「フライパン用ホイル」の登場もあり、鮭を始め焼き魚はグリルよりもフライパンで焼くものに変わってきています。

アルミホイルで鮭を焼くのには、複数のメリットがあります。まずは焼き方が簡単で、身崩れもしにくい点です。魚を焼くときにはどうしてもフライパンに皮や身が張り付きやすく、裏返すときに皮がはがれたり実が崩れたりして、見栄えが悪くなってしまうのが悩みのひとつでした。ですがアルミホイルを使った焼き方は、皮や身が張り付きにくいため身崩れも防げます。たとえ付いてしまっても、ただホイルを捨てるだけで済みます。

さらにアルミホイルを使った焼き方は、油を敷かなくても料理することができます。そのため始めからフライパンを油で汚すこともありません。さらに蒸し焼きにすることで、簡単にカロリーダウンすることもできます。アルミホイルを上手にフライパンに敷けば、うっかり破りさえしなければフライパンそのものをほとんど汚さず、油の使用量も減らせて一石二鳥と言える焼き方です。

鮭を焼くのならフライパンにアルミホイルを敷く焼き方が良い、ということが広がってからは、低カロリーなだけでなく野菜も一緒に食べられるレシピや、鮭の皮まで美味しく食べられるレシピなど、数多くのレシピが紹介されるようになりました。その多くのレシピのポイントは、フライパンでふっくら蒸し焼きにすることです。基本的な焼き鮭から家庭でもできる本格レシピまで紹介します。

鮭を焼くときにアルミホイルを使っても、まったく焦げ付かないわけではありません。そのためフライパンにアルミホイルを敷く前に、アルミホイルを軽くクシャクシャにして凹凸をつけておくようにしましょう。さらに水や料理酒を使って蒸し焼きにすることで、アルミホイルにより付きにくくなります。アルミホイルでも付くことがある、この欠点をなくしたのが前述の「フライパン用ホイル」です。

フライパン用ホイルは、テフロン加工がはがれてしまって処分するしかないかな？と悩んでいるようなフライパンでも、身はふっくらで皮まで美味しい焼き鮭を作れます。買い換える前に魚焼き用のフライパンとして利用してみてはいかがでしょうか？焼き方はクッキングシートをアルミホイルに変えるだけですが、思い付きでホイル焼きに変更できるなど、使いやすさの上でもおすすめです。

このレシピでは生鮭を使います。まずは生鮭の下処理から行います。鮭に塩を振って10分置いて、出てきた水分をふき取り臭いを取ります。先に塩を振ってあるので少なめの塩と料理酒をまぶし、再度10分ほど置いて味を染みこませるとともに、料理酒の効果で鮭がふっくら仕上がるようにします。野菜は薬味としても定番の長ネギや、鮭から出た味を吸い上げてより美味しくなるきのこ類、彩りとしてピーマンなど好みで使います。

長ネギは斜め切りにし、きのこは小房に分けます。ピーマンなどでみどりの色彩を足したり、にんじんで鮭とは違った赤色を足しても見た目にも良くなります。鮭1枚に付き、すり白ゴマを大さじ1・醤油を大さじ1/2・味醂を大さじ1/4・七味唐辛子を少々をボウルに入れて合わせ、そこに切った野菜を混ぜ合わせておきます。

アルミホイルを30cm角に切って、鮭の水気を再度ふき取りアルミホイルの中央に乗せたら、調味料ごと合わせておいた野菜とピザ用チーズを20g乗せて、アルミホイルの向こう側と手前側を中央に寄せて、アルミホイルが切れないように気をつけながら、端と端を合わせて2,3回折りたたんだら、両端も中身が出ないよう上側に折りたたんで、しっかりと包みます。

フライパンにアルミホイルで包んだ鮭を入れて蓋をします。そのまま弱めの中火にかけて15分ほど、鮭に火が通るまで蒸し焼きにします。鮭と一緒に入れた調味料と野菜から出た水分で、アルミホイルの中で鮭が自動的に蒸し焼きになります。具材の水分が蒸気に変わってアルミホイルが膨らんできますが、そのまま火が通るまで開けないようにします。お皿に移すときにはアルミホイルが熱いので、やけどに注意してください。

スーパーでよく売っている、100円前後の塩鮭でも作れるレシピです。鮭1切れの他に、アスパラガス2本・小さめのジャガイモ1個・えのき1/2個・塩コショウ適量・バター10gを用意します。生鮭の場合は塩を先に軽く振って10分置いて、臭い取りをしましょう。アスパラガスは鮭の長さにあわせておきましょう。ジャガイモは薄めに切るか、レンジで加熱して火通りを良くします。

アルミホイルにアスパラガス・えのき・火通しを良くしたジャガイモを敷き、その上に鮭を乗せます。塩加減は鮭に合わせて調節し、コショウを振ってバターを乗せます。アルミホイルの端を折りたたんで中身を包み込んだら、フライパンに1cmほどの深さの水を入れて、アルミホイルで入れた鮭を入れて蓋をし、中火で10分間蒸し焼きにします。好みに合わせて醤油やポン酢をかけても美味しくいただけます。

こちらは4人分のレシピになります。小さめの切り身の鮭を4枚・きのこはお好みの量・玉ねぎ半分・長ネギ半分・味噌40g・バターかマーガリンを10g使います。玉ネギと長ネギをスライスしたら、きのこは房のものは小房にほどき、しいたけのように塊のものは薄くスライスします。バターはレンジで溶かしたら、そこに味噌を入れて混ぜ合わせます。

アルミホイルの上に、玉ねぎ・鮭・長ネギ・きのこの順で、崩れても気にせずに重ねていきます。適当に重ねたところで上に味噌を乗せて、その味噌の上に崩れ落ちていた野菜を重ねて乗せなおします。味噌が接着剤の代わりをしてくれるだけでなく、アルミホイルに包んだときに味噌がアルミホイルに付くのを防ぐ効果もあります。

アルミホイルをしっかり閉じたら、フライパンに水を敷いて蒸し焼きにします。焼き時間は中火で20分～30分ほど蒸し焼きにします。アルミホイルを開けてみて生っぽいときは、またそのままアルミホイルを閉じて再加熱できます。焼き時間は少々長めになりますが、味噌の風味が鮭とよく合う美味しい焼き方です。

アルミホイルを使った鮭の焼き方は、油をまったく足さなくても良いという長所があります。料理の味付けにも油を使わない、ヘルシーなホイル焼きはいかがでしょうか？2人前で鮭2切れ・玉ねぎ1/4個・まいたけやえのきなどお好みのきのこ適量・レモンかお好みの柑橘系スライス2枚・塩コショウ適量を用意します。柑橘系スライスは飾り切りをすると、アルミホイルを開けたときに華やかさを演出できます。

玉ねぎをスライスしたらアルミホイルの上に敷きます。その玉ねぎの上に鮭を乗せたら、好みのきのこを好きなだけ乗せて塩コショウで下味を付けます。一番上に柑橘類のスライスを乗せたら、アルミホイルでしっかり包みます。フライパンに水300ccを入れたら鮭のホイル包みを入れて、水が沸いて沸騰状態になったら蓋をして、弱火で15分ほど蒸し焼きにします。

アルミホイルを軽く開けてみて生っぽかったら、そのまままた閉じなおして再加熱します。水の量が少なくなっていたら、足してから再加熱します。他の魚料理でも言えることですが、食中毒予防のためにもくれぐれも火が通ったかどうかは、きちんと確認するようにしましょう。

鮭は現在さまざまな品種が出回っているため、カロリーの幅は大きいのが現状です。一番カロリーが低いシロサケは生100gあたり133kcalですが、トラウトサーモンやアトランティックサーモンなどの養殖鮭は生100gあたり224kcalです。一見高そうに見えますが、同じ魚でもサバは247kcal、ブリは267kcalと鮭は魚の中でもカロリーが低いことがわかります。

では牛や豚、鳥はどうなのか？というと、牛の平均的な赤身が生100gあたり193kcal、豚の平均的な赤身が生100gあたり128kcal、鳥がもも皮なしの生100gあたり138kcalと言われています。そうです。単純にカロリーだけで見ると、鮭を初めとした魚のほうがカロリーは高いのです。ではなぜ魚が低カロリーといわれるかといわれると、その脂質の量と質の差が大きいのです。

鮭の脂質の量は100gあたり4.1g～16.1gです。それに対し牛は赤身でも10g超、一番少ない皮なし鳥ムネで1.9gです。さらに鮭に含まれる脂質の多くは不飽和脂肪酸で、DHAやEPAを多く含みます。また水中で生活している鮭の脂質は、常温では溶けやすく体に付きにくい性質を持っています。また鮭の身に含まれる赤い色素であるアスタキサンチンは、高い抗酸化力と悪玉コレステロールを排除する働きがあることが確認されています。

このような点からも鮭を初めとした魚の油は、サプリメントとしてわざわざ摂取を推奨されるくらいに、健康効果の高い食品として認識されているのです。またカロリー以上にコレステロールを下げる食品であると同時に、体に必要な必須アミノ酸の含有量の目安であるアミノ酸スコアも、鮭は最高値の100を示す食品の一つです。ダイエットでリバウンドを防ぐには、筋肉量を維持して基礎代謝を下げないことも大切なポイントです。

鮭はダイエットの大敵であるコレステロールを減らし、老化を防ぐ抗酸化作用の高いアスタキサンチンを多く含み、DHA・EPAといった不飽和脂肪酸も多くて、筋肉の維持や基礎代謝を助ける必須アミノ酸を多く含む、ダイエットにぴったりの食材ということになります。さらに鮭に多く含まれるビタミンDは、体内のカルシウム量を調整し、骨粗しょう症予防にも効果があるなど、老化予防にも非常に効果的な食品です。

鮭の皮には豊富なコラーゲンが含まれています。フィッシュコラーゲンという言葉、どこかで聞いたことがありませんか？サプリメントや化粧品にも良く使われているのと同じ成分が、鮭の皮にはたっぷりと含まれているのです。さらに鮭の脂肪が一番多く蓄えられている場所は、実は皮のすぐ下の部分です。いわゆる皮下脂肪と呼ばれるものです。鮭の脂肪にはDHAやEPAなど、多くの不飽和脂肪酸が含まれているのは説明したとおりです。

他にも鮭の皮には、骨を丈夫にするだけでなく、近年精神を落ち着ける作用があるとしても注目を集めるカルシウムや、新陳代謝や基礎代謝を上げる効果を持つビタミンB2も含まれています。鮭の皮は栄養の塊です。特に肌荒れに悩んでいる人は、積極的に取りたい部位です。鮭の皮は吸収率の良いコラーゲンだけでなく、DHAやEPAやカルシウムなどを豊富に含む、残すのはあまりにももったいない天然のサプリメントなのです。

先に説明したようにアルミホイルを使った焼き方は、わざわざ油を引かずとも鮭自身の油だけで十分な調理方法ばかりです。アルミホイルを使ったフライパンでの鮭の焼き方は、扱いやすく手入れも簡単なフライパンで、アルミホイルで余分な油も使わずに済み、皮まで美味しく食べられるようになる、まさに理想の鮭の焼き方と言えます。

鮭は身にはもちろん皮にまでたくさんの栄養を含み、アンチエイジングフードとして注目される身近なスーパーフードのひとつです。アルミホイルを使ってフライパンで上手に焼き上げ、皮まで美味しい焼き鮭を心行くまで堪能してください。