ぶりの旬の時期はいつなのか調査!寒ブリは冬で養殖は夏が旬?
ぶりって旬の時期はいつなんだろう?と思ったことありませんか?冬には寒ぶりとして知られ、食べられることも多いですが、養殖で育てたぶりを冬の季節以外でも美味しく食べられる旬の季節があります。今回は「ぶりの旬の時期はいつなのか調査!寒ぶりは冬で養殖は夏が旬?」と題しまして、紹介していきます。ぶりの旬を知ることで美味しく食べられ、料理にもいろいろ活用していきましょう。
ぶりってどんな魚?
ぶりは、スズキ目アジ科の海水魚の一種です。成魚は全長100cm、体重8kgぐらいの大きさで、背は暗青色、腹は銀白色で、その境には体側に黄色の縦帯があり、前後に細長い体になっています。北西の太平洋に生息していて、回遊性の大型肉食魚でもあります。魚の中では代表的な出世魚でもあり、体のサイズにとって名前が変わってきます。
ぶりは出世魚
ぶりとは成長によって名前が変わります。また、関東と関西とでは呼び名が変わってきます。関東では、15cmぐらいまでの物をワカシと呼び、40cm前後の物をイナダ、60cm前後の物をワラサ、80cm以上の成魚をぶりと言います。関西では、15cmぐらいまで物をワカナと呼び、40cm前後の物をツバス、60cm前後の物をハマチ、それより大きめの物をメジロ、そして成魚をぶりと言います。
出世魚は味の違いもあり、若いころのワカナ辺りの頃は脂分はほとんど感じられません。どちらかというと、この段階で刺身にすると、プリプリとした食感になります。成長しながら身体に脂がついてくることで、煮物や焼き物に適した、脂ののったぶりへとなります。ぶりの若いころは火を通す料理よりも刺身などで食べる料理に向いているのかもしれません。成長したぶりと若いころのぶりを食べ比べるのも良いかもしれません。
寒ぶりとの違い
違いは収穫できる季節と養殖ぶりか天然ぶりなのかになります。季節の違いから言うと名前の通り、寒の時期に収穫できるぶりのことを寒ぶりと言い、だいたい毎年12月から2月までの冬の時期に漁獲された物になります。冬場漁獲される寒ぶりは水温が下がるため、ぎゅっと身がしまり、脂がのっていて美味しいです。夏場に漁獲されるぶりは脂が少なく、寄生虫が潜んでいる可能性があり生でのお召し上がりは避けた方がよいでしょう。
天然の寒ぶりはハリがありさらっとした脂が特徴です。脂を冬に蓄えるためそれ以外の季節では少しやせ気味で、その時によって味も変わってきます。養殖ぶりは程よい脂ののりで甘みも感じいつでも安定した味で味わうことができ、見た目は白身が強いです。こうした特徴を捉えることで、見わけもつけ、味の違いなども楽しめます。
ぶりの旬な時期を調査
1年の季節のうちで何度かスーパーや市場などで見かけるぶりの旬はいつなのでしょうか?天然のぶりと養殖のぶりの2種類の旬を詳しく紹介していきます。
ぶりの旬は夏?冬?
天然ぶりの旬の季節は12月から1月の冬と言われています。名前からもわかる通り鰤(ぶり)の漢字には師走の『師』という文字が入っています。出世魚のぶりは、稚魚の時に群れで北海道まで北上していきます。北海道にはぶりの餌が豊富にあり、その餌を食べて大きく育ちます。そして、秋の頃、産卵のために日本海を南下してきます。その途中で引き上げられるのが寒ぶりになります。大きい物では10kgを超えるものもあります。
また、スーパーの鮮魚コーナーでは夏にも良くぶりを見かけることがあります。昔は天然もののぶりしか食べられなかったので旬は冬だけでしたが、最近では養殖の技術が進歩し、養殖のぶりの旬が夏と言われるようにもなりました。夏にも適度な脂ののった、熟成した味わいの黒潮ぶりと言うものがあります。
ぶりは夏の養殖で盛んに!
一般的の養殖ぶりは、1年目の4月から稚魚として育てはじめ、2年目の10月から12月頃が旬の季節となります。黒潮ぶりは1年目の10月に人口採卵をして、3年目の夏に旬となります。天然稚魚から育てる養殖方法ではなく、黒潮ぶりの方法で半年ほど前倒しにして、採卵から出荷まで一貫して育てた完全養殖の若ぶりを使うことで、旬を先取りして、春から夏に質の高い脂ののったぶりを市場に出すことができます。
寒ぶりの旬は寒い冬
寒ぶりの旬の季節は、名前の通り寒の時期となります。秋の頃から冬にかけて南下して、北日本海の冬の冷たい海の中で身が引き締まったぶりは、産卵前の最も脂がのった状態となります。ぶりは回遊魚であり、北海道付近の冷たい海で脂肪と栄養をたっぷり蓄えて、エネルギーを使いながら泳ぎ続けます。そうして、南下してくることで丁度良い脂と身のしまり具合になります。このおいしさの状態を寒ぶりと言います。
この時期に漁獲されなかったぶりはそのまま南下して採卵のために九州まで向かいます。その間も泳ぎ続けるのでエネルギーをたくさん使ってしまうため、ぶりの脂は少しずつなくなってしまいます。南下途中のぶりが旬であり、美味しくいただくことのできるぶりとなります。寒ぶりの中で1番と言われているのが『ひみの寒ぶり』です。なぜ、1番かと言うにはそこには理由があります。
北日本海で身が引き締まったぶりは、産卵を控え最も脂ののった状態で富山湾に泳いできます。富山湾は地形から言っても天然のいけすと呼ばれるほどの形をしていて、越中式定置網で漁獲され、鮮度の高い状態で水揚げされます。最も美味しい時期のぶりを新鮮な状態で水揚げをするという良い条件が揃い、日本で1番の寒ぶりと呼ばれるのひみの寒ぶりとなります。
ぶりの旬な産地トップ3
贈り物をするには、美味しい産地の物を贈りたいですよね。おすすめの旬の季節と産地を知ることで選びやすくなります。それでは、どこの産地のぶりがおすすめなのでしょうか?ぶりの旬な産地のトップ3を紹介します。
漁獲量も養殖量も多い北海道
北海道から出荷されるぶりの旬の季節は冬になります。以前は、日本海側で出荷量が多かったぶりですが、ここ数年ほどで海水の温度の上昇などの関係で、水温の低い海域の北海道へ回遊するようになったようです。水温の上昇は地球全体で広がっているため、北海道を超えて、オホーツク海まで回遊するぶりもいて、そのぶりが秋になり北海道まで戻ってくるため、脂ののった丁度良いぶりの漁獲をすることができます。
寒ぶりと言ったら石川県
石川県金沢市では冬を旬とした漁獲量が豊富で、ぶりは11月下旬からが旬となり、富山湾に入ってきたぶりを大量に漁獲することができます。金沢で採れるぶりの特徴として、海流で泳ぐ中で上質な筋肉をたくさん身に付けます。富山湾の餌を多く食べ、適度な脂肪分を蓄え、身が引き締まっただけでなく、脂ののった美味しいぶりとなります。また、かにや牡蠣、エビなどの冬を旬とした魚介類も一緒に楽しめるので、おすすめの産地です。
漁獲量No.1の島根県
厳しい冬の季節の日本海で漁獲されたぶりは冷たい海で身が引き締まり、しっかりとした脂ののったぶりで、美味しく栄養も豊富です。島根県では、日卸碕沖や益田沖が有名な漁場となります。主に定置網や釣りなので漁獲され、漁獲量も全国1位となるほどのぶりの水揚げを行っています。大社地区では2月から4月に漁獲のピークを迎えます。一本釣りで漁獲されたぶりを高鮮度処理を行い、大社縁結びぶりとして人気があります。
大社縁結びぶりは、釣りたてを船の上で活〆、血抜き、水氷で低温管理をした高品質なぶりで、一般的なぶりは11月から2月頃にかけて寒の時期に脂がのっていて美味しいといわれていますが、大社沖で獲れるぶりは2月から4月にかけてが盛漁期となり、ぶりの産卵期前ということでこの時期に脂の乗りが最もよくなるといわれています。
ぶりの旬は天然ぶりが冬、養殖ぶりが夏と言われていますが、大社縁結びぶりは、婚礼、卒業、入学、就職などの1年でお祝いごとを感じる季節2月から4月の春が旬となります。縁の結びの神、出雲大社のように大切な人との縁をつなぐご利益のある、縁起物のぶりとして、天然物でもお手ごろな価格で求められるぶりになっています。
ぶりの栄養は豊富?
良質なたんぱく質を摂ることのできる魚。その中でもぶりは脂がのっていて、魚脂も摂取することができ、栄養摂取するのによい食材です。たんぱく質以外にもぶりは豊富な栄養素が含まれています。ぶりの栄養素三大効果は生活習慣病予防、美肌効果、貧血予防になります。詳しく紹介していきます。
ぶりはDHAやEPAが豊富で病気の予防に
ぶりに含まれているDHAやEPAはn-3系多価不飽和脂肪酸に属し、EPAは血栓ができるのを防ぐ働きや、血中コレステロール値を低下させてくれる働きがあるので生活習慣病予防、動脈硬化予防や脳梗塞、心筋梗塞などの予防となります。DHAは悪玉コレステロールを減らし、善玉菌と呼ばれるHDLコレステロールを増やし、中性脂肪を抑え血中脂質バランスの改善で動脈硬化、高血圧予防、脳梗塞などの病気を防ぐ効果が期待できます。
また、子どもの脳の発育や記憶力、学習能力、高齢者の認知症予防などの、脳の働きを活性化する効果がDHAにはあるといわれています。DHAを摂るのには、ぶりのカマ焼きなどの料理がおすすめです。あともう1つ免疫機能を調節する効果があるといわれています。体内の余計な炎症を抑え過剰な炎症反応が原因で起きるアトピーや花粉症などのアレルギーの症状を予防する効果があるといわれています
ぶりはビタミンが豊富で女性も嬉しい
ブリにはビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンEが含まれています。ビタミンB群は糖質や脂質の代謝に不可欠な栄養素になります。ビタミンDはカルシウムの骨へ吸収を助ける働きがあるといわれています。カルシウムは単体だと吸収率があまりよくないので、ビタミンDと組み合わせることで丈夫な骨を作る効果があります。ビタミンB1は水溶性なので蒸し料理であれば栄養の流出も防ぐことができます。
美容効果が期待できる食べ合わせとして、ぶりとねぎを組み合わせて食べましょう。ねぎのアリシンは、ぶりのビタミンB1の吸収率を高めてくれ、疲労回復やストレス緩和などの働きに期待ができる組み合わせ食材になります。もう1つおすすめがぶりとブロッコリーのです。ぶりのビタミンEとブロッコリーのビタミンCとβカロテンが組み合わさることで免疫力アップとなり生活習慣病予防にもつながります。
また、ぶりに含まれるビタミンEは老化予防に効果的で、強い抗酸化作用があり、細胞を酸化させる原因となる活性酸素を除去してくれます。細胞の酸化が肌の老化の原因ともいわれているので、そんな細胞の酸化を防ぎ、老化を予防してくれるのです。
ぶりにはタウリンも
タウリンとはアミノ酸の一種で、肝機能の効果を高めてくれる働きがあります。肝臓内の胆汁酸の分泌を促したり、肝細胞の再生を促したりします。このことで、コレステロールの低下につながるとも言われています。身体機能を高めてくれるので、抵抗力がついて、病気の予防や改善へともつながります。交感神経も抑制する作用から、高血圧改善へともつながります。
貧血予防に欠かせない栄養素
ぶりには鉄分はもちろん、赤血球の中にヘモグロビンを合成するのに欠かせないビタミンB12がぶりには多く含まれています。ヘモグロビンは酸素を体の中に運ぶのにとっても必要な色素になります。動機や息切れや頭痛、倦怠感などの貧血の症状改善や予防に効果的な栄養素になります。
良質なたんぱく質
ぶりは体内で作り出すことができない、必須アミノ酸がバランスよく含まれている、良質なたんぱく質をたくさん含んでいます。たんぱく質には筋肉や髪の毛や内臓なとの人間の体を作る原料となる大切な成分です。体内で効率よく吸収されるのは良質なたんぱく質と言われていて、ぶりにはそんな良質なたんぱく質を多く含んでいます。
旬の寒ぶりの栄養素は
寒ぶりにはエイコサペンタエン酸(EPA) やドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富に含まれており、更にビタミンAやビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、鉄分など、ミネラルやビタミンをたくさん含んでいて、生活習慣病の予防や美容効果もあります。ただ、栄養価が高いということで摂取を控えた方が良い方もいますので、持病を持っている方や妊娠中、授乳中の方は専門のお医者さんに相談してから食べるようにしましょう。
旬のぶりを味わおう
「ぶりの旬の時期はいつなのか調査!寒ぶりは冬で養殖は夏が旬?」を紹介しできましたが役に立てたでしょうか?1年を通して市場で見かけることの多いぶりは、冬の時期の天然の寒ぶりの旬の季節と養殖で育てたぶりの夏の季節に出回るもの、中には春にも出回るものもありました。旬の時期を知ることで、料理にも取り入れやすく、食卓にも並ぶ機会が増えるのではないでしょうか?
ぶりには栄養素もたくさん含まれていて、栄養素三大効用があり、その栄養素の1つEPAやDHA生活習慣病予防に効果があり、2つ目にビタミンA,B,Eが美肌効果があり、鉄が貧血予防となります。ぶりを食べることで、たくさんの栄養素がとれ、色々な効果があるので、ぜひ食卓の一品に並べましょう。