アスパラガスの栄養と効果効能は?成分を逃さない調理法と食べ方とは!

アスパラガスは春から初夏にかけての今の季節がまさに旬です。スーパーの店頭でもよく見かけるようになりました。軽く茹でてシャキシャキとした歯ごたえと、目にもあざやかな緑色が特徴の野菜です。みなさんはどんな食べ方をしていますか?食べる時には加熱が必要ですが、アスパラガスの栄養を逃さず食べられているのでしょうか?どんな栄養素が含まれているのでしょうか?身近な野菜だけどあまり知られていないアスパラガスについて調べてみました。

アスパラガスの栄養と効果効能は?成分を逃さない調理法と食べ方とは!のイメージ

目次

  1. 1アスパラガスはどんな野菜?
  2. 2アスパラガスの品種
  3. 3アスパラガスの栄養素
  4. 4アスパラガスの産地
  5. 5アスパラガスの歴史
  6. 6アスパラガスの選び方
  7. 7アスパラガスの保存方法
  8. 8栄養を逃さないアスパラガスの調理法
  9. 9アスパラガスのおすすめレシピ:トマトとアスパラガスの簡単マリネ
  10. 10アスパラガスのおすすめレシピ:エビとアスパラのココナッツ炒め
  11. 11まとめ:アスパラガスの栄養と成分を逃さない調理法

アスパラガスはどんな野菜?

アスパラガスの生体

アスパラガスはユリ科科クサスギカズラ属の多年性の植物で、発芽したばかりの芽の部分を食用としています。アスパラガスにはグリーンアスパラガスのほか、缶詰めのホワイトアスパラガスがありますが、これは同じ品種です。ホワイトアスパラガスは発芽後すぐ盛り土をして、日光に当てずに土中で育てるので緑になりません。栄養価はグリーンアスパラガスの方が高いのですが、クリーミーな味と柔らかい食感と独特の香りが楽しめます。

アスパラガスの旬

アスパラガスの旬は春先から夏頃までです。この野菜が店頭に並ぶと春が来たなあと思わせてくれる野菜の一つです。食べ方は茹でてサラダにしたり炒め物にしたりして使います。加熱することによって緑の色が濃くなり、鮮やかで食卓に彩りを与えてくれます。そのためお弁当にもよく使われます。

アスパラガスの品種

グリーンアスパラガス

店頭で一番よく目にするアスパラがこのグリーンアスパラガスです。栽培時に日光を浴びるので茎が緑色になります。甘味があって歯ごたえがよく風味も豊かです。5月頃のに収穫されたものは根元までやわらかいといわれています。店頭で品種が明記されることはほとんどありませんが、現在国内でよく栽培されている品種はウェルカム、スーパーウェルカム、グリーンタワー、などです。冬はオーストラリアなどの輸入品が店頭に並びます。

ホワイトアスパラガス

土の中で日光を当てないように栽培されるホワイトアスパラガス。缶詰用に加工されたものはやわらかいですが、生のものは皮がかためなので、皮をむいてから調理します。ホワイトアスパラガスは独特の甘味とほのかな苦味があるのが特徴です。青果ではフランスやドイツ産の輸入品が多いですが、春から初夏には北海道産をはじめ国内産のものも出回ります。

ミニアスパラガス

グリーンアスパラガスを若いうちに収穫したものがこのミニアスパラガスです。長さは10cmくらいで細くやわらかいので、食べ方や調理法が簡単なのが特徴です。甘味があってサラダやパスタ、中華炒めなどの調理法がおすすめです。ホワイトアスパラガスのミニ版も流通量は少ないですが作られています。

紫アスパラガス

全体が紫色のアスパラガスです。紫色はアントシアニンなどのポリフェノールの成分によるものです。香りがよくて甘味があり、茎はやわらかく、生のまま食べられるものもあります。加熱すると紫色から緑色に変わってしまうので、色を楽しみたいなら生食できるものをサラダにするのがいいです。

アスペルジュ・ソバージュ

外見はアスパラガスに似ていますが別の種類で、フランス原産の山菜の一種です。アスパラガスよりも茎は細く、穂先は麦に似ています。クセのない味わいで歯ごたえがあり、オクラのような粘りが少しあります。ヨーロッパでは春先に流通し、日本では5月頃に輸入物が少量ではありますが流通します。さっと茹でてからパスタにしたり、そのまま天ぷらにしたりして食べます。流通期間が短いので非常に高価な野菜です。

さぬきのめざめ

香川県のオリジナル品種で、2005年に品種登録されました。さぬきのめざめは大きいのが特徴で、長いものは40〜50cmくらいあります。太さもありますが、食感はやわらかくジューシーで、甘味もあって食味良好です。近年、やわらかくてジューシーで長さが小さめのものも出てきました。さぬきのめざめをカットせず1本そのまま使う調理法だと料理にインパクトが出ます。さぬきのめざめはやわらかいのでいろいろな食べ方ができます。

アスパラガスの栄養素

グリーンアスパラガスの栄養成分といえばまずはアスパラギン酸が有名です。他にも、β-カロテン、ビタミンA、B1、B2、C、Eなどの成分も豊富に含まれています。また、穂先にはルチンの成分があるといわれています。一方でホワイトアスパラガスは日光に当てないため、ビタミンCが少し含まれている程度です。 栄養素は、特に穂先に多く含まれているため、アスパラガスを食べるなら穂先を中心に、茎まで一本食べるといいです。
 

アスパラガスの栄養素:アスパラギン酸の効能と効果

アスパラギン酸はアスパラガスから発見されたことから命名された栄養成分です。新陳代謝を活発にし、免疫力をアップさせたり、疲労を和らげるといった効能・効果があるとされています。また、アスパラギン酸はうまみ成分でもあるというのが特徴。味噌や醤油の原料となる豆類にも多く含まれ、そのうまみの素がアスパラギン酸と言われています。

アスパラガスの栄養素:ルチンの効能と効果

主に穂先に含まれるルチンには、血管を丈夫にする効能があるといわれているので、内出血を防ぎ、脳卒中などの出血性の疾患を予防する効果も期待されます。また、 ビタミンCを含む食材と一緒に食べるとビタミンCの成分の吸収効率を高め、肌のハリや潤いなど美肌効果があると言われています。ルチンは蕎麦にもその成分が豊富に含まれていることでも有名です。

アスパラガスの栄養素:β-カロテンの効能と効果

緑黄色野菜にその成分が多く含まれるβ-カロテンですが、体内に入るとビタミンAに変換されます。効能・効果としては夜間の視力維持や皮膚や粘膜の健康維持を助けるといったものが期待されます。

 

アスパラガスの栄養素:ビタミンAの効能と効果

効能・効果としては目の健康を保つことが期待されます。また、粘膜や肌の新陳代謝を促す効果に加え、老化を防ぎ、肌を若返らせる働きも持っていると言われています。

アスパラガスの栄養素:ビタミンB1・B2の効能と効果

ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変換する時になくてはならない成分です。消化液の分泌を促し、糖質の代謝を助ける効果があります。ビタミンB2はタンパク質、脂質、糖質の代謝を高め、皮膚や粘膜を健康的に維持し、肌荒れとニキビを防ぐ効果も期待できることから美容のビタミンと言われています。

アスパラガスの栄養素:ビタミンCの効能と効果

ビタミンCはコラーゲン合成を助け、シミやソバカスを予防し、肌にハリを与えます。またストレスの軽減や免疫色の強化にも有効です。

アスパラガスの栄養素:ビタミンEの効能と効果

植物油やナッツ類に多く含まれる成分で血行をよくしたり、細胞の老化を予防する効果が期待できます。ビタミンCと共に摂取することでより効果的だと言われています。

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アスパラガスの産地

冷涼な気候を好むアスパラガスは春先は九州の長崎県、佐賀県から主に出荷され、夏場は長野県、福島県、北海道などから出荷されます。10月から3月までは輸入品が店頭に並びます。主な輸入先国は、オーストラリア、フィリピン、メキシコ、アメリカなどです。国内の生産量は長野県が全体の23%で第1位、ついで北海道が16%、長崎県が10%、佐賀県9%、福島県7%、秋田県6%となります。
 

アスパラガスの歴史

アスパラガスの原産地は南ヨーロッパからウクライナ地方で、古代ギリシャ時代から栽培が始まり、その後ヨーロッパ各地に広まっていきました。日本へは、鎖国中の江戸時代にオランダ人によって観賞用として持ち込まれました。食用とされるようになったのは、明治時代の北海道開拓使がアメリカから種子を導入し栽培したのが始まりです。大正時代になり、アスパラガス栽培は本格化します。

冷涼な気候を好むアスパラガスは寒冷地において有利な野菜として栽培されました。特に北海道では、缶詰のホワイトアスパラガスを輸出し、急激にアスパラガスの栽培が増えました。しかし、現在では中国や台湾などの安価な缶詰が輸出されるようになりました。

アスパラガスの選び方

新鮮なアスパラガスを見分けるポイント

新鮮なアスパラガスは色が濃く、全体にみずみずしくハリがあります。茎は太めで穂先が固くしまっており、まっすぐに伸びたものを選んでください。

避けた方がいいもの

切り口が乾燥していたり、シワになっていたり、筋ばっているものは繊維が固く食べづらいので避けてください。

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アスパラガスの保存方法

アスパラガスのおいしさをキープするには?

アスパラガスの切り口が乾燥すると筋っぽく固い食感になってしまうので、購入したらなるべく早く食べたほうがいいです。しかし、保存が必要な場合は端を少し切り落とし、ぬれたペーパータオルで切り口を包み、ビニール袋に入れます。そして畑で生えていたときと同じように、立てた状態で冷蔵庫の野菜室で保存をしてください。2.3日は保存することができます。

アスパラガスを長期保存したい時

一度に食べきれないような時は生のまま保存せず、硬めに茹でてから密閉容器に入れて、冷蔵しましょう。冷凍する場合はさっと下茹でしたら適当な長さに切り、ステンレスなどのバットに広げて一気に凍らせ、凍ってから保存バッグに移して冷凍保存します。コツは手早く処理することで、少しでも早く凍らせる事で組織内の氷の結晶を小さくすることで食感の劣化を防ぎます。

 

 

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栄養を逃さないアスパラガスの調理法

下ごしらえ

どんな食べ方でも下ごしらえは共通です。まず固い繊維を取り除きます。手でアスパラガスの根元に近い部分をしならせると、自然にポキンと折れるところがあります。根元から1/4くらいのところが目安です。ここから下は繊維が固いので、取り除いてください。旬のやわらかいアスパラガスは、そのままで構いませんが、少し固くなってしまったものは、根元近くの皮をむき、茎についている三角形のハカマを取り除いてください。

なるべく栄養を逃さない茹で方

アスパラガスが丸ごと入るような大きい鍋を用意し、そこにたっぷりのお湯を沸かして、1%の塩を入れます。沸騰しましたら、先に根元をつけて20秒ほど茹で、その後全てを入れて茹でてください。穂先は水溶性の栄養素が豊富なので、鍋に入れるのはなるべく短時間だけにしましょう。茹で時間は、アスパラガスの大きさによって違いますが、大体1分くらいにし、茹であがったらざるにあげましょう。そして常温で冷ましてください。

この食べ方だと、ルチンやビタミンB、ビタミンCなどの水溶性の栄養素は水で流れてなくなってしまいます。冷水を注いでしまうとさらになくなってしまいます。栄養素をしっかり摂りたいという方は、炒めたり、電子レンジで調理する食べ方がお勧めです。

栄養を逃さない炒め方

穂先に豊富に含まれるルチンやアスパラギン酸は水溶性なので、この栄養素をしっかり取りたいなら、炒めるか揚げるのがおすすめの食べ方です。炒める場合はなるべくさっと炒めましょう。短時間加熱で熱に弱い栄養素も取り込みやすく、食感も良い食べ方です。また、油と一緒に摂取することでβカロテンの吸収率もアップします。

栄養を逃さない電子レンジでの加熱方法

下処理の終わったアスパラガスをそのままふんわりとラップに包んで、レンジで約2分加熱してください。水溶性のビタミンやルチンなどの栄養素は逃げにくいのでおすすめの調理法です。この食べ方が一番効率的に栄養素を摂取できるようです。

アスパラガスのおすすめレシピ:トマトとアスパラガスの簡単マリネ

トマトとアスパラガスの簡単お手軽マリネです。さっぱりとして暑い日でも食欲をそそる一品です。アスパラガスは電子レンジで加熱する調理法なので栄養素が無駄なく取れる食べ方になります。

トマトは湯剥きし、アスパラガスは3cmほどの大きさにカットしたら、ラップしてレンジで20秒ほど加熱します。ボールに酢、醤油、砂糖、オリーブオイル、塩を入れよく混ぜておきます。1口サイズにカットしたトマトとアスパラガスを加え、よく混ぜ冷蔵庫で1.2時間冷やし、ブラックペッパーをかけてれば出来上がりです。

アスパラガスのおすすめレシピ:エビとアスパラのココナッツ炒め

炒めたエビとグリーンアスパラにココナッツミルクをプラスし、ほんのりとした甘さが優しいのコクのある炒め物です。アスパラガスは油で炒める調理法のため、水溶性の栄養素は流れださず、かつβカロテンは油と一緒に摂取することでの吸収率がアップする効率的な食べ方です。エビの赤とアスパラのグリーンがとても美しい、簡単なのに華やかな一品になります。

エビは殻と背ワタを取って分量外の塩をもみ込み、水洗いして水気をきります。アスパラガスはピーラーで皮とハカマを削ぎ取り、茎の付け根のかたい部分を切り落とし、斜め切りにしてください。フライパンにサラダ油を熱してエビを炒め、色が変わったらグリーンアスパラとショウガを加えて炒めます。ココナッツミルク、塩、コショウを加えて炒め合わせれば出来上がりです。

まとめ:アスパラガスの栄養と成分を逃さない調理法

アスパラガスにはアスパラギン酸をはじめ、多くの栄養素が含まれていることがわかりました。特に穂の部分は栄養素が詰まっているので大事です。しかし、茹でてしまう、水にさらしてしまうことでアスパラギン酸やルチン、ビタミン類も流れ出してしまうこともわかりました。なるべく茹でず、電子レンジで加熱する調理法を選択しましょう。

油で炒める調理法でことによりβカロテンは吸収されやすくなるので、この調理法も有効です。これからがまさに旬のアスパラガスです。夏バテなど体力の回復にも役に立ってくれそうなアスパラガス。栄養素がたっぷり詰まっていますので、食べ方に注意してぜひ積極的に取っていきたい野菜です。

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