2018年05月07日公開
2024年07月10日更新
かぼちゃの煮物のカロリーと糖質は?ダイエット中のおすすめ食べ方も!
ダイエットをしている時には甘いものが食べたくても食べられない辛さがありますね。甘くて美味しくて低カロリーなかぼちゃの煮物は、そんなダイエットをする人たちの強い味方と考えられています。しかし、そんなかぼちゃの煮物が実はダイエットの味方でなく、敵だったという話が出ています。低カロリーでもかぼちゃの煮物をたくさん食べると返って太るというのです。今回は、その理由とダイエットに適した食べ方をご紹介します。
目次
低カロリーのかぼちゃの煮物を食べすぎると太る?
甘くてほくほくしたかぼちゃの煮物は、昔から日本人の人気のメニューです。特に、ダイエットで甘いものを制限している人にとっては、おやつ替わり、デザート替わりとなる一品でしょう。しかしそうした人たちに警鐘が鳴っています。かぼちゃはイモ類と同様、糖質量が高いので太るから避けた方がいいというものです。本当でしょうか?
カロリーより糖質量が注目される理由
これまで様々なダイエット方法が現れては消えていきました。その中で「糖質制限ダイエット」は数年にわたってブームが続いています。その理由はカロリー計算など面倒なことをせず、炭水化物を減らすだけでダイエットができるというシンプルさでしょう。
糖質制限ダイエットは、もともと血糖値やインスリンの分泌をコントロールするのが目的の食事療法でした。取りすぎた糖質は、インスリンの過剰分泌を引き起こし糖尿病や太る原因となると考えられたからです。
また、糖質は肝臓によって血液中の中性脂肪となり、それが過剰になると太るだけでなく、動脈硬化などの病気の原因となります。また、中性脂肪は脂肪の中でもダイエットで減らしにくい皮下脂肪になることもわかってきています。中性脂肪は脂質でなく、糖質によって作られるという事から食品の糖質量に注目が集まっています。
かぼちゃの煮物につかわれる品種
かぼちゃといって思い浮かべるのは、濃い緑色の皮で楕円の球体、切るとオレンジ色か黄色の果実と真ん中にワタと種がある野菜だとおもいます。これは、かぼちゃの中で西洋かぼちゃといわれる品種です。現在日本で流通しているかぼちゃのほとんどは西洋かぼちゃで、その中でも「えびす」と「栗えびす」という品種となります。日本に輸入されるメキシコ産やニュージーランド産のかぼちゃもこの品種です。
しかし、かぼちゃは他に様々な品種があり、形や色が違うだけでなく、カロリー、糖質、栄養価も品種ごとに異なります。ここでは、もっとも流通されている「西洋かぼちゃ」を中心に取り上げています。
かぼちゃのカロリーと糖質と栄養価
かぼちゃの煮物をつくる西洋かぼちゃ自体のカロリーや糖質、栄養価は他の野菜に比べてどうなのでしょうか?
かぼちゃは高カロリーな野菜?
西洋かぼちゃの100gあたりのカロリーは91kcalと言われています。1口サイズのかぼちゃ1個は20gくらいですので、100gはかぼちゃの煮物5口分くらいになります。これはトマト100g(小1個分)の19kcalやニンジン100g(中1個分)の37kcalに比べるとかなり高いといえます。しかし、かぼちゃの煮物5口とトマト小1個、人参中1個を比べるとかぼちゃの煮物の方が腹持ちしそうです。
また、豚ロース肉1枚(100g)は255kcalほど、子供茶碗1個分の白米(100g)が168kcalとなっています。これらに比べるとかぼちゃのカロリー91kcalはずいぶん低いといえます。
気になる糖質のほうですが、茹でた西洋かぼちゃの100gあたりの糖質は17.2gと言われています。さつまいも(100g=大きめのもの3分の1個程度)の29.2gよりは低いですが、ほとんどの野菜よりも高い値です。しかし、子供茶碗1個分の白米(100g)には36.8g、ロールパン1個(50g)で21gなので、穀物よりはずっと低いといえます。
かぼちゃは食品全体では低カロリー
かぼちゃのカロリーと糖質は野菜の中では高いものの、食品全体ではカロリーは低く、高いと言われる糖質も標準値といえるものです。なので糖質制限する時には、「かぼちゃは野菜だからたくさん食べても太ることはない」とは思わず、「かぼちゃは肉や魚と同等」あるいは「炭水化物やスイーツの一部」と考えて食すればよいかと思います。
かぼちゃは低カロリーで栄養価も高い
西洋かぼちゃには、ビタミンEとカロテンが豊富に含まれています。ビタミンEは血行をよくする作用があり、冷え性の女性にオススメの栄養素です。またカロテンは摂取するとビタミンAとなり、皮膚や粘膜を強くしたり、免疫力を高める効果があります。そのほかに、ビタミンC、食物繊維、カリウムも含まれています。その栄養価の高さから、栄養士が選ぶ野菜10選にも選ばれています。
かぼちゃの煮物のカロリーと糖質
かぼちゃのカロリーと糖質量を見てきましたが、かぼちゃの煮物の1食分のカロリーと糖質は1回の食事でとるべきカロリーと糖質のどのくらいの割合を占めるのでしょうか?
かぼちゃの煮物1食分のカロリー
かぼちゃの煮物の一人分は130gほどでカロリーは128kcalといいます。かぼちゃ一口サイズは1個20gくらいです。調味料の量を差し引いて、1人分は6個くらいということでしょうか。糖質は20gを超える計算になります。つまり、かぼちゃの煮物1個のカロリーは21kcalほどで糖質は3g強ほどという計算になります。
1食で取るべきカロリー
日本人の食事接収基準で必要とされているカロリーは性別、年代、身体活動レベルによって異なりますが、デスクワークの成人女性は1700kcal前後、成人男性は2250kcal前後といいます。これを1食に換算すると成人女性で550kcalくらい、成人男性で750kcalくらいとなります。かぼちゃの煮物1食分は128kcalなので、サブおかずとしてちょうどよいカロリーといえます。
1食で取るべき糖質
日本人の食事接収基準で必要量とされている糖質量は1日260gです。単純計算すると1食86gほどです。糖質の多い穀物、たとえばご飯は茶碗1杯150gで糖質は55.2gあるので、ダイエットでなく標準の食事でも1つのおかずで20gの糖質は、大きな割合です。
そして、糖質制限ダイエットの食事では、基準の半分の糖質量にするので1日130g、1食43g程度に抑えます。ご飯を半分にして75gだと糖質が27.6gとなり、残り15.4gの糖質に抑える必要があります。かぼちゃの煮物を半分の3口にしても糖質はまだ10g以上あり、ほかのおかずを5g程度の糖質に抑える必要があります。
かぼちゃの煮物とご飯の組み合わせは糖質量が高い
そう考えると、かぼちゃの煮物を食べながら糖質量のコントロールは難しそうです。ただ、ご飯が炭水化物の中でも糖質量が高い食品(例えばロールパン1個の糖質量は14.0g)であるので、かぼちゃの煮物だけが糖質量を増やす元凶ではなく、ご飯とかぼちゃの煮物組み合わせが糖質量を上げているといえます。
従って、他の食事で糖質量の低い炭水化物とおかずをたべたり、ご飯の量を極端に減らしたり、糖質量の低いおかずを一緒に食べれば全体的には必要量に抑えることは可能かと思います。かぼちゃの煮物を炭水化物扱いにするという考え方もあると思います。
糖質量が高くてもかぼちゃの煮物がダイエットに良い理由
そうはいっても、かぼちゃの煮物はダイエットにいいといいます。
かぼちゃの煮物は、ダイエットを継続させる強い味方になります。
低カロリーでもかぼちゃの煮物がダイエットに良くない理由
とはいえ、どんなヘルシーな食べ物でも食べ過ぎたら太ることは間違いなしです。かぼちゃの煮物に少ない油脂から作られた脂肪はとりやすい内臓脂肪になるのに比べて、かぼちゃの煮物に多い
ダイエットに適したかぼちゃの煮物の作り方
糖質制限ダイエット中にかぼちゃの煮物を食べる時には、かぼちゃの栄養を少量で効率よくとれるよう工夫する必要があります。ここでは、ダイエット中にかぼちゃの煮物を作る時のポイントをとりあげます。
かぼちゃの皮をつけたままかぼちゃの煮物を作る
かぼちゃの煮物を作る時に皮をむいてしまう人、皮を一部そいでしまう人いるかもしれませんが、実はかぼちゃの皮には果実にない栄養素があります。それは、ビタミンPとも呼ばれるルチン、ポリフェノールの一種です。ポリフェノールには抗酸化作用があります。体の酸化を防ぐのは健康維持に重要です。また高血圧などの成人病予防にもなると言われています。
かぼちゃの煮物でかぼちゃの皮があるとどうしても気になるという方は、剥いた皮をきんぴらごぼうなどにして調理して食べるといいかもしれません。
かぼちゃの煮物を水なしで作る
かぼちゃの栄養素であるカロチンや食物繊維の一部は水溶性で、茹でると栄養素が外に出てしまします。かぼちゃの煮物の下に残る汁は捨てることが多いかもしれませんが、そこに実は栄養素が詰まっているのです。そうしないために、汁のないかぼちゃの煮物がおすすめです。また、水なしにすることによって味付けが濃くなるので、調味料を少なめにすることができます。
水なしかぼちゃの煮物の作り方は、かぼちゃを電子レンジで加熱してから調味料と煮込む方法と、かぼちゃを少ない水で煮て調味料を加えて水分がなくなるまで煮込む方法があります。
かぼちゃの煮物には精製されていない砂糖を使う
砂糖と一口にいっても様々な種類があります。一般的によく使われる上白糖、グラニュー糖、三温糖などの精製された砂糖は体にすぐに吸収されます。つまり、血糖値の上昇を促します。キビ砂糖、てんさい糖などは精製されていない分吸収に時間がかかるので、血糖値の上昇が抑えられます。なので、ダイエット中はかぼちゃの煮物に限らず、非精製の砂糖を使うのがオススメです。
ダイエットに適したかぼちゃの煮物の食べ方
かぼちゃの煮物のカロリーや糖質量は先に述べた通りで、どう食べてもそれは変わらないと思えます。しかし、実は食べ方によって糖質制限ダイエットの本来の目的である血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値の上昇を抑えることで、インスリンの分泌が抑えられ、中性脂肪の生成も抑えられるわけです。
先に食物繊維を食べる
お腹がすいた状態で糖質量の高いかぼちゃの煮物を食べると、血糖値の上昇を招きます。最初にサラダなどの食物繊維のあるおかずを食べると防げます。かぼちゃの煮物はスイーツとして、食事の最後に食べるのが理想的かもしれません。
乳製品や酢の物と一緒に食べる
乳製品やお酢の入ったおかずと一緒に食べるのも、血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。かぼちゃの煮物にバターを乗せて食べてダイエットに成功した人は、この効果があったのかもしれません。
パンプキンは低カロリー?
かぼちゃを英語でパンプキン(pumpkin)といいます。
実は、このパンプキンは、
かぼちゃの煮物に向いている低カロリーなかぼちゃ
昔は日本でかぼちゃといえば、日本かぼちゃのことを言っていました。西洋かぼちゃとの見分け方は、日本かぼちゃのほうが皮の色が濃く、凹凸がある形になっています。日本かぼちゃは西洋かぼちゃよりも水分が多く、ねっとりとした食感があります。
栄養価も甘みも西洋かぼちゃより劣りますが、その分カロリーも糖質も西洋かぼちゃより低い品種です。カロリーは西洋かぼちゃが100gあたり91kcalに対して49kcal、糖質は西洋かぼちゃが100gあたり17.1gに対して8.1gになります。また煮崩れしにくいという特徴もあり、煮物にむいています。
日本かぼちゃは糖質制限しながらかぼちゃの煮物を楽しみたい人の大きな味方になりそうですが、残念ながら、現在日本ではほとんど流通されておらず、入手が困難になっています。
かぼちゃの煮物とダイエットのまとめ
いかがだったでしょうか?かぼちゃの煮物は太るおかずではなかったようです。ダイエットで一番避けたいのは太ることを恐れるあまり必要な栄養をとらず、体調を崩すことです。栄養価の高いかぼちゃの煮物は糖質量を全体の食事の中でバランスをとりながら食べれば、ダイエットの味方となるおかずになりそうです。太ると思ってかぼちゃの煮物を我慢している方がいらっしゃいましたら、この機会に見直してみてはいかかでしょうか?