2022年07月27日公開
2024年05月25日更新
ギーは体に悪いのか解説|バターとの違いやアレンジレシピを紹介
ギーって体に良いの?それとも悪いの?本当のところはどうなのか、この記事で解説しています。世の中には様々な油脂がありますが、ギーの特徴を知ることで見方が変わるかもしれません。使い方も色々なギーのことをぜひ知って試してみてください。
「ギーってよく聞くけど油でしょう?」
「バターとはどう違うの?油はあまり摂らない方がいいんじゃないの?」
「健康にいいと聞いたけど、本当に体に悪くないの?」
「もし食べるとしたら、どうやって食べたらいいの?」
など、ギーはまだあまり馴染みがなく、どんな食品か知られておらず、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではギーの特徴について解説しています。
また、取り入れやすいレシピも一緒にご紹介しますのでぜひ挑戦してみてください。
ギーとは?
もともとはインドを中心に南アジアで作られてきた、乳が原材料のバターオイルの一種です。
世界最古の医療とも言われる伝統医療のアーユルヴェーダでギーは、体内のバランスを整える最高の油といわれています。
グラスフェッドバターとは?
グラスフェッドバターは、牧草のみを食べて育った牛のミルクから作られたバターのことです。
grass(グラス)は牧草、fed(フェッド)はエサという意味です。
日本では、通常牛のエサは牧草に加えとうもろこしなどの穀物も食べているのでグラスフェッドのバターは希少であるため、ほとんど輸入品です。
そのため、価格も高価ではありますが、一般的なバターよりもあっさりと軽い口当たりです。
また、一般的なバターよりも色が濃い黄色をしています。
これは、牧草に含まれる色素であるカロテンの色がより多く含まれるためです。
そして油としての質も一般的なバターと違いがあり、健康に良い影響を与えてくれる不飽和脂肪酸がより多く含まれるという特徴があります。
ギーとバターの違い
ギーとバターの原材料はどちらも同じ、牛乳から作られます。
牛乳を攪拌すると水分と脂肪が分離し徐々に塊となっていきます。
この塊がバターです。
ギーは、このバターをさらに加工したものです。
ギーとバターは原料こそ同じですが、バターにさらに手を加えることで純度の高い油であるギーが生まれます。
栄養成分としても、バターは水分、タンパク質、炭水化物がわずかながら含まれていますが、ギーにすることでほとんどが分離されます。
それによって、保存性も格段に上がります。
ギーの作られ方
ギーはバターを加熱することで作られます。
バターをごく弱火でじっくりと加熱し、水分を飛ばしていきます。
同時に、油以外の乳タンパク質、乳糖は沈澱し油と分離していきます。
油は濾すことで、不純物を取り除き純粋な油だけがギーとして残ります。
グラスフェッドバターなど良質なバターが手に入れば、自分で作ってみるのも良いでしょう。
ギーは体に良いのか?悪いのか?
いろいろな特徴があるギーですが、果たして体に良いのか悪いのか、その部分について紐解いていきます。
体に悪いところはないのか、メリットがあるのかどうかを解説します。
ギーが体に良いという説
ギーは、インドの伝統医療アーユルヴェーダで重宝されており、アメリカのTIME誌でも、健康な食品と取り上げられたこともある注目された食材です。
ギーは体に必要な不飽和脂肪酸や、吸収されやすい中鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸がおおく含まれ、エネルギーに変換されやすく、油として良質な性質を持っています。
ギーが体に悪いという説
バターと比べ、良質な油が多いという点はあるのですが、実際に健康によいという研究はまだなされていないので、科学的根拠としてあげることはできないようです。
しかしながら、古くから伝統的に使われてきたという統計的な部分や栄養成分でのデータとしての比較で話題の成分となったようです。
ギーのメリット
油としてどんなメリットがあるのか、保存や食材としての良いところを解説していきます。
常温で長期保存が可能
ギーは温めて不純物を飛ばしています。
水分をはじめ、食材が悪くなってしまう原因になるものの多くが除去されているため、保存います。
また、油は酸化のリスクもありますがギーに関しては非常に酸化のしにくい油に分類されるのです。
そのおかげでギーは常温保存だけでなく、長期にわたって保存できるようになっています。
脂質のバランスが良い
食事はバランスよくと言いますが、脂質にも種類があり、一種類ではなくいろいろな種類のものを摂取するこが大切といわれています。
脂質の種類としては、長鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸などの飽和脂肪酸や、食事からしか取り入れられないオレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの必須脂肪酸があります。
ギーはこれらのさまざまな脂質を含んでおり、非常にバランスよく摂取することが可能な油と考えられます。
発煙点がバターよりも高い
油は温め続けるといずれ煙が出て発火しますが、その温度は油の種類によって異なります。
煙が出始める温度を発煙点と言いますが、酸化した油ほど発煙点が低くなります。
バターは発煙点が約180℃、水分が多いため発煙点が低くなります。
ギーの発煙点は250℃とバターより高く、酸化しにくく高温での調理にも向いています。
乳糖不耐症の人でも安心
牛乳を飲むとお腹が緩くなってしまう人が日本人には非常に多く、その経験がある人もいるのではないでしょうか。
この症状のことを乳糖不耐症と言いますが、原因は乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解するための酵素であるラクターゼの活性が低いことにあります。
ギーは作られる過程で乳糖はほとんど除去されているため、原因物質がないことになりますので乳糖不耐症の人でも安心できるのではないでしょうか。
出典:乳糖不耐症 小児慢性特定疾病情報センター
参照URL:https://www.shouman.jp/
ギーを使ったアレンジレシピ
ギーについて知ることができたならば、次はぜひ体に取り入れてみてください。
簡単に使えるように、レシピをいくつか紹介します。
香り高く、風味の良いギーを使うことで普段のお料理がさらに美味しく、体に優しくワンランクUPするでしょう。
「バターコーヒー」の作り方
朝食の置き換えで、簡単なバターコーヒーを紹介します。
材料は、コーヒーとギーを入れて飲むだけの簡単なレシピですが、腹持ちもよくコーヒーが好きな人にはおすすめです。
コーヒーが苦手な人は、ココアで代用も可能です。
【ヒルナンデス】「バターコーヒー」の作り方 https://t.co/M505IjtJwj #レシピ #ヒルナンデス #バターコーヒー
— グレン@気になるレシピ (@GlennRecipe) September 6, 2021
万能オイル!!ギーの豆苗卵とじ
副菜として、ギーを使った豆苗卵とじはいかがでしょうか。
豆苗を卵で閉じ、じゃことナッツをアクセントに使った栄養バランスの良い一品です。
豆苗をギーで炒めることで、風味高く良い油も摂取できるおすすめメニューです。
熟成にんにくのフルーティーソース
黒にんにくを使った濃厚なソースです。
特に蒸し野菜や魚料理に合いそうなレシピで、材料を混ぜるだけで簡単に出来ます。
かぶの葉を丸ごと使ったロースト
少ない材料で、かぶを余すことなく楽しめるレシピです。
かぶは葉付きののまま、調味料はお塩とクミンシード、そしてギーのみです。
フライパンで簡単に作れて野菜のおいしさを味わうことが出来る一品です。
りんごのスパイス煮
ギーを使ったデザートもご紹介します。
材料はりんごとスパイス、お塩にギーだけ、それを合わせて蒸し煮にするだけと言う簡単レシピですが、ギーの深い味わいを楽しめるでしょう。
キッチャリー(アーユルヴェーダのお粥)
最後に、体が弱っている時にぴったりのアーユルヴェーダ式のお粥を紹介します。
スパイス各種やバスマティライスと、一風変わった材料を使っていますが、揃えて作ってみるのも楽しいですし、手元にある材料でアレンジしても良いでしょう。
体をいたわる優しいレシピです。
ギーの特徴を理解して生活に取り入れてみよう!
近年注目を浴びているギーですが、インド古来からの歴史があり、紐解いてみると、現代人にもぴったりの食材です。
体に悪いからと油を摂ることを避ける人もいるかもしれませんが、種類によって全く性質が異なります。
バランスの良い油と言われ、風味も豊かなギーをぜひ生活の一部に取り入れて、新しい習慣を始めてみるのはいかがでしょうか。