アジにいる寄生虫アニサキスとは?予防方法・安全な処理方法も紹介

アニサキスによる食中毒の適切な予防方法をご存じでしょうか。本記事では食中毒の症状やアニサキスから身を守るためのポイントについて解説しています。食中毒の不安を解消してアジを美味しく食べたいと思っている方はこの記事をチェックしてみてください。

アジにいる寄生虫アニサキスとは?予防方法・安全な処理方法も紹介のイメージ

目次

  1. 1アニサキスとは?
  2. 2アジにいる寄生虫の種類と見つけ方
  3. 3アニサキスによる食中毒が起こる原因とは?
  4. 4アニサキス症の症状とは?
  5. 5アニサキスから身を守る方法
  6. 6安全な処理方法でおいしくアジを食べよう


「アジにはどんな寄生虫がいるの?」
「アニサキスによる食中毒の予防方法を知りたい」
調理法も多様にあって美味しいアジですが、その反面このように寄生虫による不安があるのではないでしょうか。


本記事では、アジに寄生する寄生虫、そして寄生虫の1種であるアニサキスついて焦点を当てて基礎知識や食中毒について幅広く紹介しています。


この記事を読むことで、アジの寄生虫を見つけられるようになるでしょう。それだけでなく、アニサキスによる食中毒を防ぐ処理の仕方も身に付くので、アジやサバなどの魚介類を美味しく食べることも可能になります。


アジの寄生虫、特にアニサキスについて興味がある方や食中毒を防ぎたいと思っている方は是非この記事を読んでみて下さい。

アニサキスとは?

アニサキスをご存じでしょうか。アニサキスは線虫類という種類に属する寄生虫の1種です。その体長は約20mmから35mm程で白い糸状の形をしています。


アニサキスは主にアジやサバ、サンマ、カツオ、サケ、イカといった幅広い魚介類の内臓や筋肉に寄生しています。また、普段は宿主の内臓付近に寄生していますが、宿主の死後、時間が経つと内臓から筋肉の方へ移動するとされています。


そしてアニサキスが生きたままの状態の魚介類を食べてしまうと、食中毒を起こしてしまう可能性があるのです。以下ではアジにおけるアニサキスの見つけ方や食中毒から身を守る方法まで紹介していきます。

アジにいる寄生虫の種類と見つけ方

初夏から晩夏にかけて旬となるアジは、スーパーで安く手に入れることができる食材です。さらに、刺身やたたき、フライなどレシピも豊富に存在するため、アジをよく食べるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そんな安くて美味しいアジですが、アニサキスを含む2種類の寄生虫が寄生しているとされています。ここではアジに寄生する寄生虫とその見つけ方について詳しく紹介します。

アニサキス

アジに寄生する寄生虫の1つとしてアニサキスが挙げられます。


先でも述べましたが、アニサキスは宿主が死ぬと内臓から筋肉の方へ移動する傾向があります。そのため、アジに寄生するアニサキスを探すときは、内臓を取ってあばら骨下の身をチェックしてみましょう。


また、アニサキスが寄生した箇所は黒や茶色に変化することが多いので、変色している部位があったら注意深く見てください。白くて糸状のものがあればアニサキスの可能性が高いです。


しかしながら、アニサキスは大きくても35mm程しかないので目視で見つけるのは難しいかもしれません。そんな時はブラックライトを使用してみてはいかがでしょうか。聞きなれない単語かもしれませんが、ブラックライトは紫外線を照射するライトの事です。


アニサキスは紫外線に反応する性質があります。そのため、アニサキスが寄生している箇所にブラックライトを照射すると、アニサキスだけが青白く発光するのです。この方法は目視と比較して見つけやすくなるのでオススメです。

アジノエ

アニサキスの他にもアジノエという寄生虫もアジに寄生しています。


アジノエの正式名称はウオノエ(漢字で書くと「魚の餌」)といい、その名前が表すように魚の口に寄生する寄生虫です。寄生する際はえらから口の中に入り血を吸うことで栄養を得ています。


その体長は20mmから40mmぐらいで、見た目はダンゴムシそのものです。見た目に反して、誤って食べてしまった場合でもアニサキスのように食中毒を引き起こすことはありません。


アジノエの見つけ方としては、寄生しているとされるアジの口や、侵入箇所のえらを探してみるとまれに見つけることができます。

アニサキスによる食中毒が起こる原因とは?

小さなアニサキスがどのようにして食中毒を引き起こすのでしょうか。アニサキスによる食中毒は、アニサキスの幼虫が寄生している魚介類を生で、若しくは冷凍や加熱が不十分な状態で食べてしまった場合に起こります。


胃や腸の中に入ったアニサキスは、まれに胃壁や腸壁に突き刺さり胃腸炎を引き起こすことがあるのです。この胃腸炎がアニサキスによる食中毒と言われています。さらに、この食中毒は1匹のアニサキスでも起こる可能性があるので要注意です。


出典:アニサキスによる食中毒を予防しましょう|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html#:~:text=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%81%AF%E5%AF%84%E7%94%9F%E8%99%AB%EF%BC%88%E7%B7%9A,%E9%A1%9E%E3%81%AB%E5%AF%84%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82


出典:アニサキス症とは|NIID 国立感染症研究所
参照:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/314-anisakis-intro.html

アニサキス症の症状とは?

アニサキス症はアニサキスの突き刺さった箇所によって「胃アニサキス症」と「腸アニサキス症」に分けられ、その症状も異なります。


「胃アニサキス症」はアニサキスが胃に突き刺さった時に発症する食中毒で、アニサキス症の大半がこの「胃アニサキス症」です。症状としては、食後数時間から十数時間後にみぞおち部分の激しい痛みや悪心、嘔吐が挙げられます。


腸に突き刺さった場合は「腸アニサキス症」を発症します。腸ということもあり胃よりも症状が出るのが遅く、食後十数時間から数日後に下腹部の激しい痛み、悪心、嘔吐を引き起こします。


アニサキス症によって痛みを感じる箇所は変わりますが、悪心、嘔吐といった症状は共通しているのが特徴です。


出典:アニサキスによる食中毒(アニサキス症)の症状は?|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html#:~:text=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%81%AF%E5%AF%84%E7%94%9F%E8%99%AB%EF%BC%88%E7%B7%9A,%E9%A1%9E%E3%81%AB%E5%AF%84%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82


出典:臨床症状|NIID 国立感染症研究所
参照:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/314-anisakis-intro.html

アニサキスから身を守る方法

アニサキス症は激しい腹痛や嘔吐を引き起こす恐ろしい食中毒でした。だからといって、アジを食べることに恐れを抱く必要はありません。なぜなら、アニサキスから身を守る方法も同時に存在しているからです。


これから紹介する方法を守れば、アニサキス症を予防することが可能です。食中毒を予防して美味しくアジを食べましょう。

内臓は早く取り出し鮮度管理を徹底しよう

まず、アジは出来るだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。アジが新鮮な場合、アニサキスは筋肉の方へ移動しておらず、内臓部分にまとまって寄生する傾向があるためです。


そしてスーパーでアジを購入したら、速やかに内臓を取り除くことが大切です。その際に念のため内臓付近の肉にアニサキスがいないかどうかもチェックしておきましょう。


内臓を取り除いた後は低温(4℃以下)で冷蔵して鮮度を保つようにしてください。また、新鮮なアジであっても内臓にはアニサキスが多く寄生している可能性があるので、内臓を生で食べないようにしましょう。

もし処理が遅れてしまったら

帰ったらアジの内臓を取り除こうと思っていても、他に用事ができてしまったり、はたまた忘れてしまったりということもあります。たとえ処理が遅れてしまっても、アジを中心部まで加熱するか冷凍することでアニサキスから身を守ることが可能です。


アニサキスは加熱か冷凍で死滅します。また、アニサキス症を予防するための目安としては、70℃以上または60℃で1分以上加熱、-20℃で24時間以上冷凍とされています。


以上のように、アジの処理が遅れてしまった場合は、生で食べるのは避けて加熱するか冷凍するようにしましょう。


ところで、お酢でしめたり、ワサビや醤油に漬けることでアニサキスが死滅するという噂があります。残念ながら、これらのものではアニサキスが死滅することはなく、しめサバが原因のアニサキス症の症例もあるので注意してください。

安全な処理方法でおいしくアジを食べよう

いかがでしたか。アジに寄生する寄生虫と、食中毒の予防方法について紹介しました。アニサキスによる食中毒は恐ろしいものですが、内臓を早めに取り出す、加熱することによって発症を防ぐことが可能です。


確かにアジは捌きやすく、刺身も美味しいので、つい生で食べてしまいがちです。しかし鮮度が落ちてしまったアジはアニサキスによる食中毒のリスクが高まっています。このような時でも、アジは刺身だけでなく揚げてフライや南蛮漬けにしたり、焼くことによっても美味しく食べることができます。


安全に処理を施して旬のアジを楽しみましょう。

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