2022年06月29日公開
2024年05月23日更新
じゃがいもにえぐみがある原因は?取り方や選び方・保存方法も解説
じゃがいもの芽が毒であることはよく知られています。せっかくの料理がじゃがいものえぐみで台無しにならないよう、えぐみを取り除いておいしくいただきたいものです。ここではじゃがいもの選び方からえぐみの取り除き方、保存方法までくわしくお伝えします。
じゃがいもは品種も多いうえ、使い方も多様です。
煮物・揚げ物をはじめ、どんな料理にも使えるし調理もカンタンです。
フライドポテトやポテトチップスなどの人気が高く、でんぷん質を多く含んでいることから高カロリーと思われがちですが、じゃがいものカロリーをご飯100gあたり168kcalと比較すると、約半分の84kcalと低カロリーです。
また栄養素でみても優れた食品で、ビタミンCはみかんと同じく100gあたり35mgも含まれています。カリウムも100gあたり330mgも含まれているので、むくみや高血圧の改善によい食品ということができそうです。
意外と知られていないじゃがいもの一面ではないでしょうか。
この記事はじゃがいもをおいしく食すためのえぐみの取り除き方をはじめ、じゃがいもの見分け方や保存方法をまとめています。
便利に使え栄養を豊富に含んだじゃがいもの知識を身につけたい人は、いますぐチェックしてみてください。
じゃがいものえぐみの原因と取り方を解説
じゃがいものえぐみの原因はグリコアルカノイドソラニンという毒素といわれています。ここからはこのえぐみ成分にスポットを当て、じゃがいものえぐみの取り方をお伝えしていきます。
じゃがいものえぐみをきちんと知って正しく処理すれば、安心しておいしくじゃがいもをいただくことができます。
日常使いができる知識としてしっかり活用してください。
あなたの食卓にじゃがいもが増えてしまうかもしれない、おいしい情報をお届けします。
じゃがいもにえぐみがある原因
じゃがいもの芽には毒があるという話は有名です。誰もが一度は聞いたことのある話ではないでしょうか。
この芽はどのようにしてできるのでしょうか。それは、収穫後のじゃがいもが長時間日光を浴びることに起因します。このとき発生したグリコアルカノイドソラニンという毒素が、じゃがいもの皮の周辺に集積され、これが芽となることがわかっています。
なので、芽の出たじゃがいもはえぐみがあると考えてまちがいないでしょう。
グリコアルカノイドソラニンが原因
じゃがいものえぐみの原因はグリコアルカノイドソラニンが原因であることがわかりました。それでは、このグリコアルカノイドソラニンとはどういう物質でしょうか。
これは神経性の毒素であり、自然発生するものです。調理の際に取り除けば問題はないので、ていねいに下処理しましょう。
グリコアルカノイドソラニンとは別に、クロロフィルが原因でえぐみになることがあります。これは緑がかったじゃがいもなので見分け方はカンタンです。
食べると食中毒の危険性もある
下処理が不十分で毒素が残っていると食中毒になる危険性もあります。しっかり下処理をすることで避けられますので、ていねいに行いましょう。
食中毒の症状としては、下痢・腹痛・嘔吐を伴う胃腸障害、神経毒のためめまいや頭痛があげられます。子供の場合は130g程度の少量でも食中毒になるといわれていますので、特に注意が必要です。
少しでも異変があれば、早めに病院を受診しましょう。
じゃがいものえぐみの取り方
じゃがいものえぐみは水にさらしたり、加熱したり、皮を厚めにむくことで取りのぞけます。できる限りえぐみを取り除いて、じゃがいもをおいしくいただきましょう。
ここからはそれぞれの方法を個別にみていきます。
取り方①水にさらす
じゃがいものえぐみの原因であるグリコアルカノイドソラニンは水溶性の毒素です。なので、水にさらすことでえぐみが取りのぞけます。
しっかりとアク抜きをしてえぐみを取り除きましょう。
じゃがいもが全体に浸かる程度の水の中で、10分程度そのままにします。長く浸けすぎるとビタミンCまで抜けてしまうので、時間は計る方がよいでしょう。
きちんとえぐみが抜けると水が濁りますので、これをサインと考えてください。
取り方②茹でる蒸す
じゃがいもを茹でたり蒸したりすることで、えぐみは取れます。グリコアルカノイドソラニンは水溶性の毒素のため、水を使うことでえぐみが取り除けます。
茹でる場合は皮を剥いたじゃがいもを水に入れ、水の状態から茹でていきましょう。この場合、竹串で刺してみると茹で具合が確認できます。
茹でた場合は煮崩れすることがあります。形を残したい場合は蒸す方がよいでしょう。蒸し方は蒸し器の下段に5~7分目の水を入れ湯を沸かします。沸騰してから上段にじゃがいもを置き、適当な茹であがりになるまで待ちましょう。
じゃがいもは料理の用途により固さが違ってきますので、料理に応じて時間を変えてみてください。
また冷凍保存は味が落ちるので避けた方がよさそうです。冷凍する場合はマッシュポテトにするなどして、形をつぶしてから冷凍しましょう。
取り方③レンジ加熱する
レンジで加熱する際は600Wで時間を設定しましょう。
レンジで加熱する手順は、まずじゃがいもをよく洗います。次に水で湿らせたキッチンペーパーでじゃがいもを1個ずつ覆います。これをさらにラップで包みます。
ここまでできたらあとは600Wで時間を設定するだけです。時間はじゃがいも1個あたり3分です。3分X個数で設定しましょう。
じゃがいもの大きさによって3分では短い場合はさらに時間を設定してください。竹串で刺すと熱のとおり具合が判断できます。
取り方④皮を厚めに剥く
じゃがいものえぐみは皮を厚めに剥くことで取り除けます。もったいないから薄めに皮を剥く人もいるでしょう。
しかしえぐみ成分は皮に多く含まれているので、皮を厚めに剥くことでえぐみを取り除くことができます。
また、目に見える範囲の芽はすべて取り除きましょう。これを残すと食中毒の原因にもなりますので、ていねいに取り除くことが肝心です。
じゃがいもの選び方と保存方法
じゃがいものえぐみの取り除き方がわかったところで、えぐみの少ないじゃがいもとはどんなじゃがいもでしょうか。
ここではえぐみの少ないじゃがいもの選び方と保存方法をお伝えしますので、よく見極めて購入し傷まない保存を心がけましょう。
えぐみの少ないじゃがいもの選び方
じゃがいもは緑がかっていないもの、芽が出ていないものを選びましょう。えぐみのあるじゃがいもは緑がかった色のものと芽が出ているものです。
そうでないものを選ぶことで、えぐみのあるじゃがいもは避けられます。ただし多くの場合は購入するときより、家で保管していて時間が経ってしまうことがほとんどではないでしょうか。
その場合は面倒くさがらずに、ていねいにえぐみを取り除きましょう。
じゃがいもの保存方法
じゃがいもは常温・冷蔵保存が可能です。
まず常温保存ですが、じゃがいもを個別に新聞紙で包み風通しのよい場所で保存します。直射日光は避けましょう。これで2~3ケ月は保存できます。
次に冷蔵保存ですが、常温と同じく新聞紙で包み保存袋などにまとめます。そのまま冷蔵庫の野菜室で保存するとよいでしょう。こちらも2~3ケ月の保存が可能です。
じゃがいものえぐみは取り除いて調理しよう
多様な使い方ができるじゃがいもですが、えぐみがあってはうま味が台無しです。しっかりえぐみを取り除いてから調理しましょう。
むずかしい方法ではないので、いったん覚えてしまえばあとはおいしいじゃがいもが食べられます。下処理を怠ってじゃがいもの味を損なうことがないようにしましょう。
少しの手間を惜しまずえぐみを取り除き、おいしいじゃがいもを食べて健やかに過ごしてください。