2022年06月21日公開
2024年05月22日更新
メジナはまずい?特徴や食べるときのポイント・美味しいレシピも紹介
メジナはまずいのかどうか解説します。メジナがまずいと言われる理由についてまとめています。産地や旬、特徴なども詳しく説明!グレとの違いや、他の呼び名についても紹介します。刺身の漬け丼など、簡単で美味しいレシピも載せているため、ぜひ一度作ってみてください。
メジナがまずいのは本当?
釣り人に人気があるメジナですが、たまにまずいと言われることがあります。しかし、本当は美味しい魚で、刺身や煮付け、塩焼きなど、さまざまな食べ方を楽しめます。
では、なぜメジナはまずいと言われるのでしょうか?その理由や食べ方のポイント、おすすめのレシピなどを紹介します。
メジナの特徴とまずいと言われる理由
メジナとは?
メジナは、スズキ目メジナ科メジナ属に分類されています。丸みを帯びたふっくらとした魚で、黒っぽい色が特徴です。しかし、生きている間は青緑に近い色で、死後に徐々に黒さが増していきます。
顔立ちが少し変わっていて、目と口の距離が近いという特徴もあります。昔はその見た目から、「眼近魚(メジカナ)」と呼ばれていました。その呼び名がなまり、現在の「メジナ」という名前になったようです。
夏の間はエビやカニなどを食べ、冬の間は海藻を食べて生活しています。大人になると60cm程度まで成長し、仲間と群れになって行動します。
国内に生息しているメジナは3種類ですが、どれも非常によく似た外見です。一般的には、「クチブトメジナ」をメジナと呼びます。
体長は30~60cm程度で頭は丸みを帯びていて卵のようなふっくらとした形をしています。メジナは雑食性の魚で冬は海藻類、夏はエビやカニなどを主に食べていて、口先はあまり前に出ておらず歯は柔らかい櫛状なのが特徴です。
メジナの産地・旬
メジナは浅い岩礁域に生息している魚で、北海道以南の日本各地で見られます。特に島根県や石川県など、日本海西部での漁獲量が多いです。
メジナは2〜6月にかけてが産卵期のため、秋頃に栄養をたくわえて美味しくなります。旬は秋から冬にかけてで、この時期に獲れたものを「寒メジナ」と呼びます。
メジナの値段
メジナはあまり市場に出回らず、時期や地域によっても価格が変わります。比較的安価ですが、旬を迎えたものは価格が高くなりがちです。100g当たり120円前後で売られていることもあれば、1尾が2,000円ほどで売られている場所もあります。
ただ、基本的には、1kg当たり1,000〜2,000円が相場のようです。この値段は旬を迎えた鮭と同程度の価格で、それほど高いわけではありません。
産地以外では販売されることが少ないため、近くのスーパーなどでは買えないことがほとんどです。食べたい場合は自分で釣るか、産地の漁港に行くのがおすすめです。
メジナとグレは違う魚?
グレとはメジナの別称で、同じ魚のことを指しています。グレと呼ぶのは、主に関西や四国地方です。メジナは関東地方での呼び名で、正式名称でもあります。他にも地域によって呼び方が変わり、グレ以外にも多くの呼び名が存在します。
同じ関西地方でも京都は呼び名が変わり、京都だと「ツカヤ」という呼び方が一般的です。他にも静岡県の「クシロ」、山口県の「クロヤ」、山形県の「ナベワリ」などがあります。山形県のナベワリは、「鍋を割るほど美味しい」ことに由来しているようです。
メジナがまずいと言われる理由
メジナは、獲れた時期によって大きく味が変わる魚です。夏場に食べると非常に磯くさく、まずいと言われることがあります。しかし、旬を迎えた冬に食べると、刺身で食べても問題ないくらい美味しくなります。
なぜ時期によって味が変わるかといえば、夏と冬でメジナのエサが変わるためです。前述した通り、メジナは夏には甲殻類を、冬には藻などを好んで食べます。そのため、動物性のエサを多く食べる夏は、冬よりも匂いが強くなってしまうのです。
また、捌くときに内臓を傷つけても、強いくさみを感じてしまいます。間違って内臓を傷つけると強烈な匂いが発生して、身までまずいと感じてしまうのです。しかし、内臓を傷つけずに捌けば、刺身や塩焼きにして美味しく食べることができます。
上手に捌いたメジナを刺身で食べると、淡白な中にもほんのりとした甘さを感じるでしょう。脂も程良く乗っており、加熱するとふっくらとした食感を楽しめます。身だけでなく、白子や卵巣も美味しいと評判です。
メジナを食べるときのポイント
ポイント①内臓の下処理に気を付ける
メジナを美味しく食べるためには、内臓の下処理に気を付けることが最大のポイントです。内臓の中でも、特に胆嚢には要注意です。
間違えて胆嚢に傷をつけると、強烈な匂いが空気中にまで回ります。メジナを食べるときは、内臓に気を付けながら、慎重に捌くようにしましょう。
ポイント②煮物は匂いが残ることがある
皮自体がくさいときは、火を通して食べるのがおすすめです。皮目がパリパリになるまで焼けば、くさみが減って美味しく食べられます。
しかし、同じ加熱調理でも、煮物だけは匂いが残ることがあります。くさみを消したいときは煮物ではなく、焼き物や揚げ物に利用するのがおすすめです。
ポイント③寄生虫がいる可能性は低い
魚には寄生虫がつきものですが、メジナには寄生虫がいる可能性は低いです。寄生虫は、エビやオキアミなどを介して魚に入ります。しかし、小さいメジナや冬の時期のメジナは、ほぼ海藻類を食べて生活しています。
そのため、寄生虫が体に入る可能性も低くなるのです。しかし、絶対に寄生虫がいないわけではありません。刺身で食べる場合は、新鮮なうちに内臓を処理してしまうのがおすすめです。
メジナの美味しいレシピ
メジナ丼
【材料】(2人分)
- メジナ 1/6尾
- A いりごま 大さじ2
- A 濃口醤油 大さじ3
- A みりん 大さじ3
- A 酒 大さじ1
- A 搾り生姜 少々
- ご飯 2合
- 海苔 適量
- 大葉 2枚
- ワサビ 適量
【作り方】
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせます。
- そぎ切りにしたメジナの刺身を1に漬けます。
- 丼にご飯を盛りつけ、2を乗せます。
- 刻んだ大葉と海苔を散らし、ワサビを乗せたら完成です。
メジナを調味液に漬けて乗せるだけで食べられる、簡単な丼レシピです。普通の刺身とはひと味違った美味しさで、白いご飯が進みます。
搾り生姜を入れることで香りが爽やかになり、くさみも気にならなくなります。他の魚でも作れるため、いろいろな刺身でチャレンジしてみてください。
メジナの竜田揚げ
子どもから大人にまで人気がある、メジナの竜田揚げのレシピです。下味がしっかりついているため、そのままでも美味しく食べられます。
皮はついたままでも取っても、どちらでも大丈夫です。夕飯やお弁当のおかず、お酒のおつまみなど、幅広い場面で活躍してくれます。
メジナは夏に食べるとまずい場合がある
メジナは魚自体がまずいわけではなく、匂いによってまずいと言われることがあります。しかし、内臓の下処理などをしっかり行えば、刺身にしても美味しく食べられる魚です。ただ、夏に食べると皮からにおいがするため、まずいと感じることもあります。
メジナを美味しく食べるためには、旬を迎える冬がおすすめです。冬に美味しいメジナを手に入れて、いろいろな料理に活用してみましょう。