イカ墨に栄養はある？効果効能やおすすめ料理・食べるときの注意点も

パスタソースとして定番のイカ墨。見た目の印象から苦手な人もいますが、一度食べればその味がやみつきになり、はまる人も多いといいます。味も気になりますが、カロリーや栄養があるのかについても、気になる人が多いでしょう。

この記事では、イカ墨に含まれる栄養について調査しました。カロリーや含まれる成分の効能・効果についても解説します。

イカ墨は、イカが敵から逃げる時に吐く墨のことで、鰓の間にある墨袋からとれます。とろみのある液体で、まったりとした濃厚な舌触りが特徴です。磯のような香りと、イカの味を濃縮したような磯の風味があります。

また、かに味噌に似た甘みやほのかな苦味があるともいわれます。魚介類や海苔などの磯の味が好きな人は、この食感と味わいがやみつきになるようです。

イカと同様に、タコも敵から逃れる際に墨を吐き出します。しかし、タコ墨を使った料理を見かけることはあまりありません。タコ墨とイカ墨の違いは何でしょうか？

タコ墨は水に溶けやすく、水中で吐くと煙幕のように広がります。そのため、イカ墨に比べてさらさらとしており流れ出しやすい性質です。また、タコの墨がとれる量はイカの1/10程度であり、ワタと一緒に墨が取れるイカと比べ取り出しにくく希少な部分です。

タコ墨はイカ墨に比べて理に使われることが少ないのは、取れる量と水に溶けやすく料理に使いづらいためです。タコ墨が使われる料理があった場合、値段は高額になる傾向があります。

イカ墨には、栄養ドリンクに含まれる成分でもあるタウリンが含まれています。タウリンは肝臓の働きを活発にし、血中コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。これにより、血圧を下げ動脈硬化などの生活習慣病を予防できるのです。

また、肝臓の働きを活発にすることで、アルコールの分解を促進したり、解毒作用を強めます。お酒を飲み過ぎた時などにも効果的です。

メラニンは、イカ墨の黒い色を構成する色素成分です。メラニンには粘性があるため、食べた時に濃厚でまったりとした舌触りを感じられます。メラニンには、抗菌作用や体内環境を整える作用や、抗アレルギー作用もあり、栄養価の高い成分です。

メラニンを摂ると、シミやそばかすなどの原因になるのではないか？という心配の声もありますが、摂取したメラニンがそのまま皮膚は出ないため、シミになることはありません。

イカ墨に含まれる栄養成分の中で、最も注目されているのが、ムコ多糖類です。ムコ多糖類はたんぱく質と糖が結合した栄養素であり、皮膚などの水分を閉じ込め、肌に潤いを保つ働きがあります。肌にといわれるヒアルロン酸なども含んでいます。

そのほか、細胞に栄養を運んだり代謝を促す役割も重要です。免疫力を高め、がんの予防にも役立っています。

ビタミンEは、高い抗酸化作用のある栄養素です。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎ、悪玉コレステロールの抑制、血圧を低下する働きがあります。これにより、動脈硬化などの生活習慣病の予防や、加齢による疾患も予防が可能です。若返りのビタミンとも呼ばれています。

ビタミンEは油に溶けるため、オイルをベースにしたパスタなどでイカ墨を食べると、より効率よく摂取できます。

イカ一匹からは、約小さじ一杯程度の墨が取れます。本格的なイカ墨パスタを作るには、1～2匹分のイカが必要となります。料理に必要な量からいえば、全く手に入らないほど貴重というわけではありません。

イタリアンレストランなどでは、イカの中で最も墨の量が多いコウイカの墨がよく使われます。もちろん、ほかの種類のイカ墨も使用可能です。ほかのイカ料理で墨を使わない分を、冷凍して取っておくと良いでしょう。

イカから墨を取り出すには手間がかかります。また、市販のパスタソースやペーストは、様々な調味料が使われており、味が苦手という人がいるかもしれません。そこで、手軽にイカ墨を料理で使いたい時におすすめしたいのが、イカ墨パウダーです。

パウダーは、ペーストよりも賞味期限が長く、常温保存できるのがメリットです。粉末状であるため、使いたい分だけ使うことができます。また、気になる磯の香りも緩和されており、磯の香りが苦手な人でも使いやすいです。

イカ墨を使った料理としては、パスタやリゾット、パエリアなどが人気でおすすめです。磯の香りが気になる人は、イカ墨パスタに生クリームを加えてみてください。コクがアップし、香りがマイルドになって食べやすくなります。

そのほか、豚肉や白菜などの野菜を加えて作るイカ墨汁もおすすめです。シンプルな味付けですが、磯の香りやコクがしっかり出ており、濃厚な味わいが楽しめます。

また、生地に練り込んで黒いパンを作ったり、餃子の餡に加えるレシピも人気です。ぜひいろいろな料理で使ってみてください。

イカ墨は、内臓近くにある物質であるため、生のまま食べないようにしましょう。食中毒予防のため、必ず加熱してください。また、服につくとなかなか取れないため、調理や食事の際は充分に気をつけてください。

そのほか、腹痛の原因の一つに、トロポミオシンという物質によるアレルギー反応があります。トロポミオシンが体内に入ると抗体が作られ、アレルギー反応を起こす場合があるのです。

また、チロシンといわれる物質も、人によっては摂取すると腹痛や下痢を起こす場合があります。腹痛が起きた場合は、食べるのをやめるようにしてください。

真っ黒な見た目から、好きな人と苦手な人がわかれてしまうイカ墨。しかし、カロリーが低く、身体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれているため、ぜひ一度食べてみて頂きたい食材です。

ペーストやソースは含まれる調味料によって味が大きく変わるため、手軽に使うならパウダーがおすすめです。お好みの使い方で、料理に取り入れてみてください。