イカスミはどんな味?実は美味しくて体にいい万能食品だった!
イタリアンレストランなどで見かける真っ黒のイカスミメニュー。その見た目で敬遠しがちか方も多いのではないでしょうか。ですが、実はイカスミは積極的に食べないともったいないくらい栄養価が高くて美味しい、優れた食品なのです。そんなイカスミの味を活かした料理や保存方法、さらに希少価値の高いタコスミについても詳しく紹介します。イカスミの魅力を知って、ぜひ家庭でもイカスミを使った料理を取り入れてみてください。
イカスミはどんな味で美味しいのか気になる!
イカスミを食べたことがある方でも、イカスミの味を聞かれると返答に迷うかもしれません。イカスミそのものの味とは、どんな味なのでしょう。イカスミはイカの味?それともスミのような味?実は、イカスミはとても美味しい食品なのです。主に地中海でよく料理に使われているイカスミ。まずはイカスミの味について詳しく紹介します。
イカスミは口が真っ黒になるけど旨みたっぷり美味しい!
イカスミは粘性が強く、食べると歯などに付着しやすいので食後は口が真っ黒になります。ですから、いくら美味しいとはいえビジネス会食やデートの時にはおすすめできません。ところでこの真っ黒の色素、実はユーメラニンというメラニン色素で、髪の毛と同じ色素成分なのです。
そんなイカスミの味を一言であらわらすと、ずばりうま味です。うま味と言うと味を想像しにくいのですが、味覚のうちの甘味や辛味といった味というよりは、イカスミを料理に加えることでコクをプラスする役割を果たします。イカスミのうま味は、イカスミに含まれているアスパラギン酸やグルタミン酸といったアミノ酸によるものです。
イカスミはその美味しさで料理に大活躍!
イカスミと言えば、イカスミパスタを思い浮かべる方も多いでしょう。地中海地方では、昔からイカスミを使った料理がよく作られてきました。特にイカスミはニンニクと相性がいいので、オリーブオイルとニンニクを炒めた中にイカスミとパスタを加えて味を整えれば、簡単に美味しいイカスミパスタが出来上がります。イカスミはリゾットにもよく使われています。
またスペインの代表料理、パエリアにもイカスミはよく使われます。イカスミを加えることで、パエリアそのもののコクがグッと増して、ワインに合う一品に仕上がります。ほかにも、日本ではご当地メニューとしてイカスミカレーやイカスミ焼きそば、イカスミソフトクリームなどイカスミのうま味と真っ黒の色を活かした美味しいアイディア料理がたくさんあります。
イカスミは保存できる?
新鮮な生のイカスミが手に入ったら、必ず冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫で保存する場合は3日ほどで使い切るようにしてください。生ものですので、保存期間が長くなればなるほど味が落ちてしまいます。
また、イカスミを当分使う予定がない場合は冷凍保存も可能です。冷凍なら約1ヶ月間保存することができます。冷凍する時は小分けにして薄くしてからラップに包んでから冷凍庫に入れてください。そうすることで、できるだけ急速に冷凍しイカスミの鮮度を保つことができます。冷凍で保存していたイカスミを解凍する時は、冷蔵庫で自然解凍をしましょう。味が変わることなく、イカスミを楽しむことができます。
イカスミは体に嬉しい効果のある食品!
イカスミはただ真っ黒で美味しいだけではなく、体の中に取り入れることで健康にも嬉しい効果をもたらす食品として認知され始めています。近年、健康維持に画期的な効果があるという研究発表がされたこともあり、イカスミはますます注目されている食品になってきているのです。
イカスミは関節や血管をしなやかに!
イカスミにはムコ多糖類という成分が含まれています。ムコ多糖類は糖質の一種で、血液をきれいにする作用があると言われています。血液がきれいになることで、動脈硬化や糖尿病といった症状の改善にも効果があるそうです。また、イカスミに含まれるタウリンは、肝臓の機能を向上させるほか、血圧やコレステロールの値の上昇を抑える効能があるとも言われています。
しなやかな血管を作ることは、すなわち健康につながる第一歩です。イカスミを積極的にとることで、血液をきれいにしましょう。
イカスミはガン予防にも効果があると言われている!
イカスミは、なんとガン予防にも効果的な食品であると言われています。イカスミには抗がん作用があると言われるペプチドグリカンという成分も含まれていて、その効果に期待した研究も進んでいるそうです。イカスミは、これからもますます目が離せない食品となりそうです。
イカスミを使った食品はいっぱい!
パスタやリゾット、パエリアなど地中海料理に使われることが多いイカスミですが、最近では扱いやすく加工されたイカスミ食品が増えてきたので、日本でも気軽にイカスミを使った料理を楽しむことができます。生のイカスミを冷凍したものや瓶詰めになったもの、またイカスミをさらさらのパウダー状にしたものまであって、そのような便利食品を大型スーパーやネット通販などで手軽に手に入れることができます。
すでにトマトソースなどとブレンドされていて、それをパスタやお米と混ぜるだけのレトルトのソースや、パスタにイカスミが練りこまれている真っ黒のパスタなどもあります。イカスミを使った食品はたくさんあるので、ネットなでどで色々と自分の使いやすいものを探してみても楽しいでしょう。
ほかにも、イカスミのうま味と真っ黒の色をいかした料理はたくさんあります。新潟県糸魚川市では、ご当地グルメとして「糸魚川ブラック焼きそば」が人気です。また函館では「イカスミソフトクリーム」が、今や函館名物とも言われるくらいおなじみの味になっています。マクドナルドから期間限定で発売された「イカスミバーガー」も話題となりました。
自分の好みに合うイカスミ料理を見つけて、ぜひ定期的にイカスミの栄養を摂っていきましょう。
イカスミと違ってタコスミが使われないのはなぜ?
イカスミは知っているけれど、タコスミはあまり聞いたことがない、という方も多いのではないでしょうか。なぜイカスミと違って、タコスミはほとんど使われていないのでしょうか。どちらも同じスミですが、実はイカスミとタコスミには大きな違いがあるのです。
イカスミとタコスミはなんのために使われる?
イカとタコは、どちらも敵と出会ってしまった時に身を守るためスミを吐きます。ただし、両者は敵を錯乱させる方法が異なるのです。イカは敵と遭遇した時に、粘性が強く固まりのようなスミを吐きます。飛び出したスミは一定時間、固まりとなって海水にとどまるため、敵はイカとスミどちらが本物か混乱してしまうそうです。イカはその隙に逃げるタイミングを見つけます。
一方タコは敵を見つけると、サラサラとしたスミを吐きます。スミは吐いた瞬間からサッと広がるので、敵に目くらましの効果を与えることができるのです。イカスミとタコスミ、どちらも敵から逃げるために使うという目的は同じですが、相手を混乱させる方法が異なるということです。
イカスミとタコスミは味が違う
イカスミには、前述の通りうま味成分のあるアスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸が豊富に含まれています。一方タコスミはというと、実はイカスミよりも多くのうま味成分のあるアミノ酸を含んでいるのです。しかも、タコスミの中にはイカスミの数倍も多くそれらのアミノ酸が含まれています。つまり、タコスミはイカスミよりもさらにコクがあるということになります。
イカスミとタコスミは価格が違う
レストランのメニューでイカスミパスタを見かけることはありますが、タコスミパスタを見かけたことがある方はほとんどいないかもしれません。なぜならタコスミは、ほぼ流通していないからです。希少価値の高いタコスミは、パスタにするとその希少性から価格にして7000円から10000円ほどになると言われています。
イカスミとタコスミは取り出せる量が違う
イカとタコは、そもそも体内に持っているスミの量が異なります。イカやタコの種類にもよりますが、タコ1匹が備えているタコスミは、イカ1匹が備えているイカスミの半分以下ほどだとされています。そのため同じ量のスミをとろうとすれば、タコスミの方が多くさばかなくてはならないので手間がかかります。
またイカとタコは漁獲高にも差があります。タコよりもイカの方が圧倒的にたくさん獲れるので、タコスミはますます希少価値だということになります。また、イカスミとタコスミはどちらも体内にあるスミ袋という場所に入っていますが、イカスミに比べてタコスミのスミ袋は内部に入り組んでいて取り出すのが難しいとされています。これらがタコスミがほとんど流通していない理由なのです。
イカスミは料理で美味しく取り入れて健康効果も期待!
今まではあまり日常的にイカスミを食べていなかった方も、これからはぜひイカスミを料理に取り入れて積極的に食べてみてください。イカスミは料理にコクを増してくれるので、家庭料理を一気にプロのような本格的な味わいにすることができます。また血液をきれいにしてくれたり、抗がん作用まで期待できるパワー食品でもあります。手軽に取り入れられるイカスミ食品も利用しながら、イカスミの魅力をぜひ楽しんでみてください。