2022年02月28日公開
2024年11月19日更新
りんごの芯にカビが生えても食べられる?原因や正しい保存方法も解説
りんごの芯にカビが生えても食べられるか解説します。りんごの芯の部分にカビが生える原因や、食べるとどうなるかなどを、詳しく説明します。腐ったときの状態や正しい保存方法も紹介しているため、りんごを多く買ったときの参考にしてください。
目次
りんごの芯にカビが生えても食べられるかを解説!
りんごを食べようとして半分に切ると、芯の部分にカビが生えていることがあります。芯の部分は捨てるとはいえ、カビが生えていると食べて良いか、判断に迷うでしょう。
本記事では、りんごの芯にカビが生える原因や、安全性について解説します。腐ったりんごの特徴や、上手な保存方法も紹介します。
りんごの芯にカビが生える原因
りんごの芯にカビが生えるのは芯カビ病が原因
りんごの芯に生えるカビは、「芯カビ病」という病気が原因です。りんごが成長する過程で、ガクから菌が入り込んでカビが発生します。この病気は切ってみないと、わからないため、出荷の時点で気づくことはできません。
殺菌効果を持つ農薬で、ある程度は防げますが、完全には防ぎ切れない病気です。特に、低農薬栽培を行っているりんごは、農薬の殺菌効果が低く、病気の発生率も高くなります。
幼果のがく筒に果実内部へ続く開孔部ができた場合、病原菌が果実の内部に侵入して繁殖し(心かび症状)、さらには、内部で繁殖した病原菌が周辺の果肉を腐敗させる(心腐れ症状)場合がある。心腐れ症状には軟腐型と乾腐型がある。心かび症状の果実は外観上健病の判別が難しい。
芯カビ病が発生しやすいりんごの種類
芯カビ病は、発生しやすい品種がある程度決まっています。芯カビ病になりやすい主な品種は、シナノスイート、北斗、秋田ゴールド、スターキングなどです。芯カビ病を避けたいときは、これらの品種以外の商品を選ぶこともひとつの方法です。
りんごの芯にカビが生えても食べられる?
カビの部分を取り除けば食べられる
芯カビ病は、芯の部分だけ取り除けば、食べることができます。しかし、免疫力が落ちている人は、少量の菌でも体調が悪くなることがあります。妊娠中の人や小さい子供、病気中の人やお年寄りは、食べないほうが良いでしょう。
また、健康な人であっても、芯カビ病が果肉まで広がっている場合は、要注意です。実の部分にまでカビが広がっているりんごは、カビを取り切れないことがあります。食中毒にかかる可能性が高くなるため、無理に食べないほうが良いです。
販売店によっては、芯カビ病がひどいときは交換してくれる場合があります。切ったりんごの状態が悪いときは、販売店に連絡してみると良いでしょう。
芯に付いたカビも一緒に食べてしまったらどうなる?
芯に付いたカビを食べてしまったとしても、菌は胃酸で死滅するため、すぐに健康被害は出ません。毎日大量に摂取すると、食中毒などの危険性も高まりますが、芯カビ病のりんごを食べ続けることはないでしょう。
少し食べてしまった程度であれば、気にすることはありません。しかし、万が一腹痛などの症状があわられた場合は、できるだけ早めに病院を受診するのがおすすめです。
りんごの芯以外の部分にカビが生える原因
原因①りんごの傷口に生える青カビ
傷がついたりんごには、青カビが生えることがあります。この青カビの正体は、「パツリン」という強い毒性を持つ菌です。パツリンはもともと土にいる菌で、りんごの傷から染み出した水分によって繁殖します。
パツリンが付着しているりんごは、すでに中まで菌糸が広がっている可能性が高いです。青カビが生えてしまったときは、食べずに処分しましょう。りんごに傷があるとパツリンが繁殖しやすいため、購入するときに傷がないか確認しましょう。
原因②りんごの表面や外側に生えるカビ
りんごの表面に、白や黒、緑などのカビが生えていることがあります。これらのカビは、表面に付いた雑菌が繁殖したものです。箱入りのりんごや、収穫後の貯蔵しているりんごによく見られます。
雑菌の毒性は、カビの種類によって異なります。基本的には食べないほうが良いですが、カビの程度が軽ければ、取り除いて食べることも可能です。ただ、果肉部分までカビが繁殖している場合や、カビを取ってもカビくさいときは、食べずに処分しましょう。
芯カビ病以外で腐ったりんごを見分ける方法
外側に何も問題がないりんごでも、切ると真ん中が茶色いことがあります。これは「蜜褐変(蜜腐れ)」という現象で、蜜の部分が腐っている状態です。販売店でも交換対象となっているため、食べずに交換してもらうと良いでしょう。
この蜜褐変は切らないとわかりませんが、腐っているか見た目でわかることもあります。表面が茶色くなっていたり、シワシワになっているりんごは要注意です。皮が茶色いりんごは、変色が一部分だけであれば、まだ食べることができます。
しかし、全体的に変色しているりんごは、食べずに処分するようにしましょう。また、シワシワになっているりんごは、水分が抜けてしまっています。中身が茶色くなければ食べられますが、味はだいぶ落ちてしまいます。
食べる場合は、スムージーやジュースなどにするのが、おすすめです。フニャフニャで柔らかくなったりんごは、すでに腐っている状態です。りんごから水分が出てきた場合も、同じく腐っているため、食べないようにしましょう。
他にも、切ったときに異臭がしたり、果肉部分にカビがあるりんごは腐っています。保管してから時間が経ったりんごは、状態をしっかりと確認しましょう。
りんごにカビが生えにくい保存方法
冷蔵保存をするとカビが生えにくい
りんごは常温で保存すると、カビが生えやすくなります。カビを生やさないようにするためには、冷蔵保存をするのがおすすめです。ただ、そのまま冷蔵庫に入れてしまうと、りんごから発生するエチレンガスで、成長が進んでしまいます。
成長が進むと次第に腐っていくため、エチレンガスの働きを抑えることが大事です。エチレンガスの働きは、ラップで包むことで簡単に抑えられます。ラップだけだと水分が抜けてしまうため、軸の部分に湿らせたキッチンペーパーを乗せましょう。
キッチンペーパーを乗せたら、ペーパーごとりんごをラップで二重に包みます。あとは冷蔵庫で保存すれば、ある程度鮮度を保ったまま日持ちさせることができます。
りんごは冷凍保存も可能
しばらくりんごを食べる予定がないときは、凍らせて保存しましょう。冷凍保存してしまえば、1ヶ月は日持ちさせることができます。最も簡単な冷凍保存方法は、りんごを丸ごと凍らせてしまうやり方です。
りんごを洗ったら水気を拭き取り、ポリ袋に入れて凍らせましょう。解凍すると、りんご特有のシャキシャキ感はなくなりますが、デザートやジャム作りなどに利用することができます。
そのまま食べたいときは、半解凍にしてシャーベットのように食べるのがおすすめです。凍らせたりんごは、室温で5分ほど置いておけば食べ頃になります。
解凍時間を早めたい場合は、丸ごとではなく、切ってから冷凍しましょう。すりおろした状態で凍らせることもできますし、コンポートなどにして冷凍することも可能です。
りんごの芯にカビが生えても取り除けば食べられる
りんごの芯のカビは、芯カビ病という病気が原因です。取り除けば食べられるため、それほど気にする必要はありません。しかし、免疫力が下がっていると、体調が悪くなることもあります。
子供に食べさせる場合や、体が弱っているときは気をつけましょう。りんごは常温に置いておくとカビが生えやすいため、正しい保存方法を守ることも大事です。上手に保存して、りんごを美味しく食べ切りましょう。