2022年02月14日公開
2024年11月18日更新
パンチェッタとベーコンの違いを徹底紹介!作り方から活用レシピまで
パンチェッタとベーコンの違いについて解説します。味や製法の違い、ベーコンをパンチェッタの代用として使えるのかまで徹底解説。自家製での作り方や、定番のイタリア料理をはじめとした美味しい活用レシピもまとめました。
目次
パンチェッタとベーコンは何が違うのか調査
イタリア料理でよく使われるパンチェッタ。見た目はベーコンとよく似ているため、同じものと思っている人も多いですが、実は製法や風味が全く異なる食材です。どのように料理で使い分ければ良いのでしょうか?また、代用に使うことはできるのでしょうか?
この記事では、パンチェッタとベーコンの違いについて徹底解説します。製法や味わい、代用として使う場合に気をつけたい点をまとめました。また、生ハムとの違いやおすすめレシピも紹介します。
パンチェッタとベーコンの違い
使用する肉の部位は同じ
パンチェッタはイタリア語で豚のバラ肉という意味があり、その名の通り豚バラ肉が使われます。豚バラ肉は豚の腹部で、赤身と脂肪が層になっている部分です。ベーコンも基本的には同じバラ肉を使いますが、まれに肩ロースなど別の部位を使うこともあります。
豚バラ肉は、モモ肉の3倍もの脂肪があるといわれます。豚肉の中でも脂肪の多いバラ肉を使うことで、じゅわっと旨味が広がるのです。
パンチェッタの製法
パンチェッタとベーコンの大きな違いは、燻製させたか否かです。パンチェッタは、豚バラのブロック肉に塩をすりこみ、乾燥させた後1ヶ月ほど熟成させます。途中、燻製などの加熱処理を行いません。そのため、別名で生ベーコンと呼ばれることもあります。
まれに、イタリアでは熟成した後燻煙する場合もあります。燻煙されたものはパンチェッタ・アッフミカータと呼ばれ、ベーコンとはまた違った味わいです。
ベーコンの製法
ベーコンの製法は、豚バラ肉に塩をすりこんで熟成させる部分までは、パンチェッタと同じです。大きく異なるのは、熟成した後、低温でじっくり燻製するという工程があることです。5時間ほど長時間かけてじっくりと燻製することで、香ばしさが増し、独特の風味が生まれます。
パンチェッタの食べ方と味
パンチェッタは、熟成した肉の凝縮された旨味と塩味を楽しめます。イタリア料理では、その濃厚な風味をパスタソースの出汁などに使います。最も人気があるのは、カルボナーラに具材として加える食べ方です。このほか、サラダやスープに入れたり、熱々のピザに乗せて食べるのもおすすめです。
調味料を追加しなくても、パンチェッタを加えることで、濃厚な旨味と塩味をプラスしてくれます。市販のものは衛生管理されており生食できますが、自家製のものは、必ず加熱してから食べるようにしましょう。
ベーコンの食べ方と味
ベーコンは燻製しているため、燻製肉独特の香りと風味があります。パンチェッタが熟成した肉の味を楽しむのに対し、ベーコンは燻製肉の香ばしさを楽しむものです。同じ部位ですので、パンチェッタの代用は可能ですが、味の印象がかなり変わります。代用として考えている人は、この風味の違いに注意しましょう。
料理にベーコンを入れると、塩気と香ばしさが引き立ち、深い味わいになります。淡白な味の卵に合うので、ベーコンエッグとして食べられるのが人気です。他には、敢えて焼くことで、香ばしい風味とカリカリした歯ごたえを楽しめます。サラダのトッピングにするとアクセントになって良いでしょう。
パンチェッタと生ハムの違いは?
パンチェッタと同じく、加熱処理をしない生ハムとはどのような違いがあるのでしょうか?生ハムの場合は、豚バラ肉ではなくモモ肉が使用されます。モモ肉の方が脂が少ないので、パンチェッタよりもあっさりした味わいで、肉の柔らかい噛み応えが楽しめます。
生ハムもパンチェッタも、市販のものは同じく生のまま、サラダやピザなどのトッピングとして使えます。パンチェッタの代用として使う場合、脂の量が違うので、ジューシーさが足りなく感じるかもしれません。代用を考えている人は、この違いに注意しましょう。
パンチェッタとベーコンの作り方
パンチェッタの作り方
【材料】
- 豚バラ肉ブロック…約2kg
- 塩…適量
- タイムやオレガノ、グローブなどのハーブ…適量
【作り方】
- 豚バラ肉の両面に串やフォークで穴を開ける
- 塩、お好みのハーブを肉の両面に塗る
- 肉をキッチンペーパーで包み、タッパーに入れる
- 冷蔵庫で3日ほど寝かせる
- キッチンペーパーを替え、さらに一週間ほど寝かせる
- 流水で洗い流しながら塩抜きする
- 水分を拭き取り、肉をキッチンペーパーに包む
- 網を乗せたバットに乗せて冷蔵庫で3日ほど寝かせる
- バットと網を洗って水気を拭き、さらに5日ほど寝かせる
- キッチンペーパーを替えさらに2日ほど寝かせて完成
家でもできる、パンチェッタの作り方です。塩漬けは一週間~10日、乾燥に一週間とじっくり熟成させることで、豚肉の水分が抜けて味が染み込みます。そして、濃厚な味わいのパンチェッタになるでしょう。時間はかかりますが、基本的には冷蔵庫で寝かせておくだけですので、家庭でも簡単に作ることができます。
パンチェッタの作り方のポイント
パンチェッタを自家製で作るポイントは、しっかりと肉に塩やハーブをなじませることと、じっくり熟成・乾燥させることです。塩の量は肉の重さの約7%が基本とされていますが、塩抜き工程があるので、少し多めでも構いません。塩抜きの段階で少し切り取り、火を通して味見をしましょう。
また、約3日ほどでキッチンペーパーが水分を吸うので、適宜キッチンペーパーを入れ替えたり、網やバットを一旦洗うなどして、清潔にしておく用にしましょう。湿度や温度が高い時期は乾燥しにくく、肉が傷みやすいので、夏は避けることをおすすめします。また、自家製のパンチェッタの保存期間は約5日です。なるべく早く食べきりましょう。
ベーコンの作り方
【材料】
- 豚バラ肉ブロック…適量
- 塩…肉の量の2%ほど
- 胡椒…適量
【作り方】
- 豚バラ肉のドリップを洗い落とし、水気を拭く
- 肉にフォークを刺して穴を開ける
- 塩や胡椒、お好みでハーブなどを両面に塗り込む
- 肉をしっかりラップに包む
- 冷蔵庫で向きを変えながら一週間ほど寝かせる
- 2時間ほど流水で洗い、お湯で1時間ほど茹でて塩抜きする
- 水分を拭き、ネットに入れて外で2時間ほど乾燥させる
- 中華鍋にスモークウッドをセットして火を点け、網を乗せる
- 網に肉を乗せて蓋をし、2時間程燻製させて完成
ベーコンも、熟成させるまでの工程はほぼパンチェッタと同様です。この動画では、しっかり熟成させた後、流水やお湯、外の風に当てて乾燥させることで、乾燥工程の日数を短縮しています。乾燥後は、お好みのスモークチップで燻製させましょう。燻煙にもやり方がさまざまありますが、家庭用の鍋でも簡単に燻煙できます。
ベーコンの作り方のポイント
ベーコンは、塩胡椒だけでシンプルな味付けをしたり、ハーブなどを加えたソミュール液に漬け込んだりと、味付けの幅が広いです。下味のつけ方や、燻製に使うスモークチップの種類などで、風味が変わります。
イタリア料理などおしゃれな料理に使いたい場合は、ハーブなどを入れると、料理の味がより深くなります。パンチェッタの代用として使いたいときは、塩が控えめですので、料理に塩を足してください。チャーハンなどの中華料理などで万能に使いたい時は、塩胡椒だけのシンプルな下味が良いでしょう。お好みで使い分けてみてください。
自家製ベーコンの場合、保存期間は5日~一週間程度です。なるべく早く使い切ってください。また、燻製していますが、食べる際は必ず加熱しましょう。
パンチェッタやベーコンを使ったおすすめレシピ
じゃがいもとパンチェッタのホットサラダ
厚切りのパンチェッタやじゃがいも、アスパラなどの具材がごろごろと入って食べ応えのあるサラダです。胡椒とオリーブオイルだけのシンプルな味付けですが、パンチェッタの塩気や旨味がしっかりと出ており、具材に絡んで美味しいです。ビタミンやたんぱく質が摂れるため、ダイエットの食事にも良いでしょう。
パンチェッタとトマトのペペロンチーノ
イタリア料理の定番でもある、ペペロンチーノにパンチェッタやトマト、モッツァレラチーズを加えたレシピです。にんにくの風味がしっかりと効いており、パンチェッタの旨味や塩気が感じられます。また、モッツァレラチーズのミルク感が加わり、濃厚な味わいです。家庭で簡単に作れて、お店のような本格パスタの味が再現できます。
自家製パンチェッタと玉ねぎのトマトソース
パンチェッタや玉ねぎ、アスパラをトマト缶で煮込んだ、濃厚な味わいのトマトソースです。ワインや特殊な調味料がなくても、パンチェッタの塩気と旨味で、具材やパスタによく絡む濃厚ソースになります。野菜の旨味もしっかり出ていて美味しいでしょう。
レシピ内で紹介されている鷹の爪を加えたアラビアータ風や、肉料理のソースとして使うのも良いでしょう。
白菜とベーコンのとろとろ煮
とろとろ食感の白菜に、ベーコンの程よい塩気や出汁が染み込み、ほっと温まるレシピです。白だしや醤油を使えば和風、鶏ガラスープを使えば中華風、コンソメを使えば洋風になります。メイン料理に合わせた味付けで、副菜として作るのも良いでしょう。仕上げに酢橘やレモン汁を加えると、酸味がアクセントになり美味しいです。
パンチェッタとベーコンの違いを知って使い分けよう
イタリア料理で定番のパンチェッタと、ベーコンの違いを解説しました。どちらも豚バラ肉の加工食材ですが、製法や味わいが異なるものです。料理によって使い分けると、さらに味が奥深くなり、料理の楽しみも増します。パンチェッタの代用としてベーコンや生ハムを使う場合は、風味やジューシーさに違いがありますので、注意しましょう。