2021年11月15日公開
2024年11月17日更新
キャベツの黒い点の原因は?カビや腐敗と見分けにくい症状も紹介!
キャベツに現れる黒い点の原因について解説します。キャベツの中や切り口、外の葉に現れる黒い点は、食べても害がないものかカビや腐敗によるものか見分け方についてまとめました。選び方のポイントや保存方法も紹介しているので、チェックしてみてください。
目次
キャベツの黒い点の正体が知りたい!
ビタミンCやアントシアニンなど栄養豊富なキャベツは、サラダや煮込みさまざまな料理に活用することができます。丸ごと1個を買うと時々見かける黒い点は何か、疑問に思ったことはありませんか?
キャベツに現れる黒い点は食べても問題ないのか、カビや腐敗によるものかについてまとめました。おいしいキャベツの選び方や長持ちさせる保存方法も解説しているので、買い物をする際の参考にしてみてください。
キャベツに黒い点が現れる原因
栄養豊富なキャベツですが、たまに購入した後に黒い点を発見することがあります。ここでは、黒い点が現れる原因について詳しく解説します。
外側の黒い点は「壊死外葉症状」
キャベツの外側の葉に現れる黒い点は、壊死外葉症状の可能性があります。壊死外葉症状とは、外側の葉が寒さにより壊死を起こし黒い点々ができる凍害のことです。
壊死とは、雪山など極度に寒い環境に長時間いると、手や足先など凍傷を起こし組織が壊されてしまうことをいいます。人だけでなく、野菜でも似た症状が出るようです。
中心部分の黒い点は「内部黒変症状」
キャベツの切り口や中にできる黒い点々は、内部黒変症状と呼ばれています。この内部黒変症状が現れる原因は、はっきりと解明されていません。
しかし、冬の寒さで葉の中に氷の塊ができ、春の暖かさでその氷が溶かされることが原因ではないかといわれています。寒暖差による実験も行われ、内部黒変症状と関連があるのではなかと示唆されています。
寒暖差による凍害だけでなく、キャベツに含まれるポリフェノールが酸化して切り口や芯に黒い点ができるのです。内部黒変症状は、凍害やポリフェノールの酸化によるものではないかと考えられています。
無農薬栽培では虫が原因の場合も
農家や家庭菜園などで無農薬栽培をしている場合、キャベツに黒い点が現れるのは、虫が原因の可能性もあります。害虫駆除のための農薬を使用しない分、見た目は劣る場合があります。
もし、穴があいていたり黒い点がある場合は、虫の可能性があるので、1枚剥いで取り除いてから使用しましょう。鮮度がいいと考えられるので、気になる部分を切り落としてから、さまざまな料理に活用してみてください。
カビや腐敗ではないので食べても害はない
白菜も、キャベツと同じような黒い点が現れることがあります。壊死外葉症状や内部黒変症状は、カビや腐敗ではないので食べても害はありません。黒い点が気になる場合は、黒い部分を取り除くか目立たないように調理するのがおすすめです。
購入した時に黒い点が現れていなくても、保存しているとポリフェノールの酸化により黒い点が現れることがあります。黒い点は、寒暖差による凍害やポリフェノールの酸化が主な原因なので、取り除くなどして食べてみてください。
キャベツの黒い点以外のカビ・腐敗と見分けにくい症状
黒い点は食べても害がないとわかりましたが、変色などの症状はカビや腐敗によるものなのでしょうか。ここでは、カビや腐敗によるものか見分けにくいキャベツの変色や白い粉状の付着物などの症状について紹介します。
切り口や芯が変色している
キャベツの切り口や芯が変色している場合は、さまざまな要因が考えられます。切り口や芯が茶色や黒に変色する要因はポリフェノールの酸化、紫に変色するのはアントシアニンの色素によるものです。
アントシアニンの色素は気温が低いと紫になり、お湯で温めると緑に戻るようです。変色だけならキャベツの成分によるものなので、食べても問題ありません。しかし、カビや腐敗による場合は、臭いやぬめりも発生するので、見分けることができます。
全体に白い粉がついている
白い粉のようなものが付着しているキャベツを、見たことがあるのではないでしょうか。表面に付着したぶつぶつの白い結晶や白い粉は、カルスもしくはブルームと呼ばれるろう状の分泌物です。
葉の傷や虫食いの周りにできるぶつぶつの白い結晶を、カルスといいます。植物の感染症や乾燥を防ぐためにできる白い粉が、ブルームです。太陽や外の空気、水分調整などから組織を保護する作用がはたらき、キャベツから分泌物が出るのです。
ブルームは、外気によって白い粉であったり液状の場合もあります。白い付着物はカルスやブルームであることがほとんどですが、無農薬野菜なら虫の卵である可能性もあるので注意しましょう。
ぬめりを感じる
時間が経つと、キャベツの切り口からぬめりを感じることがあります。このぬめりは、腐敗ではなく空気に触れることでキャベツの成分が分解されジメチルスルフィドが発生することが原因です。
黒ずみとぬめりがあり葉が溶けだし、酸っぱい臭いがする場合は腐敗しているので、捨てるようにしましょう。古くなり酸化するとぬめりを感じますが、食べても害はないので、ぬめり部分を取り除いて加熱する料理に使用してみてください。
異臭がする
異臭を放つ原因は、おもにキャベツに含まれるイソチオシアネートという物質が分解されてできるジメチルスルフィドです。酸素に触れる時間が長く古いキャベツから発生するジメチルスルフィドにより、異臭を放つことがあります。
黒ずみとぬめりがあり葉が溶けだし、酸っぱい臭いがある場合は、腐敗しています。古くなり異臭がする場合と腐敗は、見分けにくいかもしれませんが、ジメチルスルフィドが原因なら食べても害はないようです。
おいしいキャベツの選び方
ここでは、春キャベツや冬キャベツの特徴やおいしいキャベツの選び方を解説するので、購入時の参考にしてください。
春キャベツの特徴
春キャベツは、3~5月くらいに収穫され、ソフトで弾力のある葉で巻きがゆるいという特徴があります。中の葉は外葉と比べて少し黄色みがかっており、隙間があるため見た目がレタスに少し似ています。
おいしい新鮮なものを選ぶポイントは、きれいな丸みがありソフトで弾力のある葉かどうかです。葉が柔らかくみずみずしいので、加熱調理よりサラダや浅漬けなど生のまま食べることをおすすめします。
芯の長さが全体の2/3以上あるものは、ほとんどの場合収穫が遅れたものの可能性があります。収穫遅れのものは葉が苦くて固いものもあるので、購入時は注意しましょう。
冬キャベツの特徴
冬キャベツは、11~2月くらいに収穫され、葉が詰まっており手に持つと重さがあります。見た目より重みがあり、きれいな楕円形のものを選ぶといいでしょう。軸の大きさが500円玉くらいで、外葉の緑が濃くツヤのあるものは、鮮度がいい証拠です。
収穫時期や品種によって多少異なりますが、冬に収穫されるものは耐寒性を高めるため糖分の量が多いといわれています。サラダでもおいしいですが、お好み焼やスープなどのように加熱すると、さらに甘みが増すのでおすすめです。
カットキャベツなら購入前に中心部分の状態を確認できる
壊死外葉症状は購入時にもわかりますが、内部黒変症状はカットするまでは確認できません。そのため、カットしているものならば、丸ごと1個購入するよりも確実に中心部分を確認することができます。
カットキャベツは、芯が全体の2/3くらいで葉が詰まっており断面部分が盛り上がっていないものを選びましょう。新鮮なものを購入して、できるだけ古くなる前に使い切ることをおすすめします。
使い切れない場合は、黒い点やぬめり、異臭などを防ぐため長持ちさせることができる保存方法を試してみてください。
キャベツを長持ちさせる保存方法
さまざまな料理に活用することができるキャベツですが、丸ごと1個購入すると一度に使い切れない場合もあります。ここでは、鮮度を保った状態で長持ちさせる保存方法を紹介します。
丸ごと保存する場合
丸ごとのキャベツは、芯をくり抜きその部分に濡らしたキッチンペーパーを詰めてから、芯を下にして冷蔵庫で保存します。芯が残ったままだと成長し続けるので、葉に栄養が行きわたらず保存期間も短くなるのです。
できるだけ長く保存するためには、芯の部分に詰めたキッチンペーパーをまめに交換しましょう。包丁でカットすると切り口部分が変色しやすくなるため、1枚1枚葉を剥がして使うことをおすすめします。
保存期間は、冬場に常温保存する場合1~2週間、冷蔵保存の場合2週間~1ヶ月です。0~5度くらいの低温保存に向いている野菜なので、暑い時期は常温での保存は避け、古くなる前に使い切りましょう。
カットして保存する場合
半分などにカットされた店頭のキャベツは、中の鮮度を確認することができるので、失敗は少ないでしょう。カットしたものを購入した時などは、芯を切り全体を濡らしたキッチンペーパーや新聞紙などで包みます。
ポリ袋に入れて、芯があった部分を下に置き冷蔵保存します。約3~5日もつので、日々の献立にキャベツを取り入れてみてください。千切りやざく切りにしたものは水気を取り保存袋に入れて冷凍保存すると、約2週間~1ヶ月もつのでおすすめです。
冷凍するとシャキシャキ感が失われるので、生よりも加熱する料理で使ってみてください。生で食べる場合は、冷凍ではなく千切りやざく切りしたものをお酢や水に浸して冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べましょう。
キャベツの黒い点は食べられる場合が多い!
キャベツに現れる黒い点や変色などは、カビや腐敗以外なら問題なく食べることができます。黒い点や異臭、ぬめりを感じる場合は、カビや腐敗などと見分けるのは難しいかもしれません。
しかし、食べても害がない場合が多いので、本記事を参考にサラダやお好み焼などさまざまな料理に活用してみてください。おいしいキャベツの選び方や保存方法を知り、古くなる前に無駄なく使い切るようにしましょう。