2021年11月10日公開
2024年11月17日更新
雑穀米のデメリットを徹底解説!危険な理由は?メリットも紹介
雑穀米のデメリットを詳しく解説します。危険性やデメリットといわれる理由、雑穀米が体に及ぼす悪い影響などを徹底調査しました。メリットや栄養効果もあわせて紹介しているので、健康のために取り入れたい方は必見です。
目次
雑穀米のデメリットについて徹底調査!
ダイエットや健康に良いイメージのある雑穀米ですが、メリットばかりでないことを知っているでしょうか?本記事では、雑穀米が及ぼすデメリットについて、その危険性や体への悪い影響を詳しくまとめました。
美味しく炊く方法やおすすめのアレンジレシピも紹介しているので、普段から雑穀を食べる方は必見です。デメリットをしっかり踏まえた上で、栄養豊富な雑穀米を毎日の食生活に取り入れましょう。
雑穀米の詳細
五穀米や十六穀米など、雑穀米にはさまざまなものがあります。メディアでも健康食として注目されていますが、そもそも雑穀米とは何なのでしょうか?まずは、その詳細と種類、栄養価について紹介します。
雑穀米とは?
雑穀米とは、白米に雑穀を合わせたものの総称です。雑穀米という米自体は存在しておらず、白米と雑穀を組み合わせた呼び名としてその名が使われています。ちなみに雑穀は、私たちが普段口にする白米や小麦などを除いた穀物を指します。
雑穀米はご飯として食べるほか、さまざまな料理にも取り入られています。定番はパンやクッキー、パンケーキなどのお菓子類です。アレンジしやすく、素朴な味わいが楽しめるのも魅力でしょう。
雑穀の主な種類
一般的に雑穀というと、アワ、ヒエ、キビ、ハト麦、燕麦(大麦)、黒米、赤米などが挙げられます。大豆や小豆などの豆類も雑穀に分類され、これらが5種類入っているものを五穀米、16種類入っているものを十六穀米と呼びます。
最近では市販品も多く出回っており、手軽に雑穀が摂れるようになってきました。白米に混ぜて炊くだけと、手間がかからないのもポイントです。
雑穀米の栄養価
雑穀米には、白米に不足しがちなミネラル、ビタミン、食物繊維が多く含まれています。そのほか、雑穀ごとに含まれる栄養素もあります。アワにはビタミンの一種であるパントテン酸が多く、貧血に効果のある鉄も豊富です。
キビには亜鉛やナイアシン、黒米にはアントシアニン、赤米にはビタミンBやタンニンが多く含まれています。大豆や小豆には植物性タンパク質が豊富で、女性は特におすすめです。
雑穀米を食べるデメリット
多くの栄養を含有する雑穀米ですが、食べ方によっては体に悪い影響を及ぼすことがあるようです。ここからは、雑穀米を食べることで生じるデメリットを解説します。危険性を減らすためにも、デメリットをしっかりおさえておきましょう。
デメリット①フィチン酸とアブシジン酸の影響
デメリットの1つめが、フィチン酸とアブシジン酸が及ぼす悪い影響です。フィチン酸は有機リン酸化合物のひとつで、ビタミンBの仲間に分類される物質です。植物界に広く存在しており、米ぬか、玄米、とうもろこし、大豆などに多く含まれます。
フィチン酸には血栓症や貧血予防、デトックス効果が期待できますが、一方で金属イオンと結びついてミネラルの吸収を妨げる危険性が心配されています。しかし、実際の研究で安全性がわかっているため、過剰に心配する必要はありません。
アブシジン酸は植物ホルモンの一種であり、玄米に多く含まれる化合物です。アブシジン酸が危険とされるのは、活性酸素を作って老化を加速させる可能性があるためです。
とはいえ人体に悪い影響を及ぼす報告はなく、重大なデメリットがあるという証明もされていません。従って、アブシジン酸に関するデメリットもそれほど神経質になることはないようです。
デメリット②消化不良を引き起こす可能性
デメリットの2つめが、消化不良による体への危険性です。雑穀米には豊富な食物繊維が含まれています。健康に良いからと大量に食べたり、体調の悪い時に口にしたりすると、胃腸に負担がかかって消化不良を起こす危険があるのです。
本来食物繊維は体に必要な栄養素であり、正しい食べ方をしていればデメリットは避けられます。同じものばかり食べず、いろいろな食品を組み合わせて栄養バランスの良い食事を心がけるとよいでしょう。
デメリット③無機ヒ素の健康被害
デメリットの3つめが、ヒ素による危険性です。意外かもしれませんが、雑穀米には人体に危険を及ぼす無機ヒ素が含まれています。
この無機ヒ素はぬかに多く、含有量はひじきに次いで2番目に大きいといわれています。無機ヒ素によるデメリットは、発熱や嘔吐、下痢、脱毛などです。
また、継続的に大量の無機ヒ素が体内に入った場合、皮膚への悪い影響やがんが発生するなどの重大なデメリットも報告されています。ただし、通常の量を食べている分には、デメリットの心配はほぼないようです。
デメリット④グルテンを摂り過ぎる
デメリットの4つめが、グルテンの過剰摂取による健康への影響です。最近は、グルテンフリーと呼ばれる食事法が注目されています。
グルテンは小麦や大麦などの穀物から作られるたんぱく質の一種で、グルテンフリーはグルテンを極力摂らない食事を指します。近年欧米ではグルテンに過敏に反応する疾患が増加しており、罹患すると消化不良や腹痛などのデメリットが起こります。
米にはもともとグルテンが含まれていないので油断しがちですが、雑穀米に使われるもち麦や押し麦にはグルテンが含有しています。グルテンを摂ると調子が悪くなる方は、雑穀米を食べる前に医師に相談するようにしましょう。
雑穀米を食べるメリット
4つのデメリットを紹介してきましたが、もちろん雑穀米はデメリットばかりではありません。ここからは、雑穀米を食べることで得られるメリットを紹介します。健康に嬉しい効能も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
メリット①血糖値が上がりにくくなる
雑穀米のメリットの1つめが、血糖値の上昇を緩やかにするということです。雑穀米は精白米に比べてGI値が低く、血糖値を上がりにくくする食物繊維も豊富に含まれています。
GIとは食後血糖値の上昇度合いを数値化したもので、この数値が低いほど血糖値の上昇スピードが緩やかになります。
白米のGI値が84、雑穀米に使われる玄米は56と、精白していない玄米の方が数値がかなり低いです。血糖値が気になる方は、玄米を使った雑穀米を取り入れてみるとよいでしょう。
雑穀米の中で食物繊維が多いのは、押し麦やもち麦、ヒエ、アワなどです。これらを合わせた雑穀米なら、より高い健康効果が実感できるかもしれません。
メリット②腸内環境を整える
メリットの2つめは、食物繊維による整腸作用です。雑穀米に豊富な食物繊維には、腸内フローラを整えて安定させる働きが期待できます。
この安定を保つために必要なのが、大腸の奥の方まで届けてくれる食物繊維を摂ることです。雑穀米には、それを叶える未精製の炭水化物が含まれているのです。
食物繊維は、大きくわけると不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つに分類されます。不溶性食物繊維は体内に入ると水分を吸収し、便のカサを増やして便通を促します。
一方の水溶性食物繊維は腸内細菌のエサになるほか、余分なコレステロールを体外へ排出する働きが期待できます。腸内環境が整うと、アレルギーや肌荒れが改善するともいわれるため、便秘はもちろん肌の調子が優れない方も試してみる価値はあるでしょう。
メリット③ビタミンとミネラルが豊富
雑穀米には、現代人に不足しがちなビタミンとミネラルが多く含まれています。これらは健康を維持するために必要な栄養素であり、そのほとんどが体内で合成できないものです。ビタミンが不足した場合は、めまいや倦怠感、動悸、息切れなどが起こります。
日本人は糖質を摂る量が多く、特にビタミンB1が不足しやすいといわれています。ビタミンB1を補給したいなら、玄米やキビを含む雑穀米を試してみてください。
一方、ミネラルが不足した場合は、熱中症や骨粗しょう症、貧血などの健康被害があらわれます。特に不足しやすいのは、鉄、亜鉛、カルシウム、カリウムの4種類です。これらを含有する雑穀米は、まさに健康を代表する食品といえるでしょう。
メリット④食べ過ぎを防止できる
雑穀米は、白米に比べて噛み応えがあります。自然と咀嚼回数が増えるため、満足感が高まって食べ過ぎを防ぐことができるようです。とはいえカレーやリゾットなどの水分を含む料理は、噛むことを忘れてしまいがちです。
食べ過ぎ防止を目的とする場合は、ひと口30回を目標に噛むことを意識してみてください。よく咀嚼すると満腹中枢が刺激され、より一層食欲がおさえられるようになります。
雑穀米の美味しい炊き方
雑穀米は、デメリットにさえ気をつければ体に悪い影響はありません。健康効果を得るためにも、ぜひ日々の食事に取り入れていきましょう。ここからは、雑穀を美味しく食べるための方法を解説します。
目安となる雑穀米の分量は?
一般的に、雑穀米は米と一定量の雑穀を合わせて炊飯します。目安となる分量は、米1合に対して雑穀大さじ1杯です。体調やデメリットに不安を覚える方は、まず小さじ1杯からスタートするとよいでしょう。問題なければ、徐々に量を増やしていきます。
雑穀をたっぷり入れたからといって、健康効果が増すわけではありません。過剰摂取によるデメリットの心配もあるので、くれぐれも摂り過ぎには気をつけてください。
しっかりと浸水させる
美味しい雑穀米を炊くには、しっかり浸水させることが重要です。少なくとも夏場は30分、冬になると1~2時間ほどは浸水させる必要があります。雑穀米を長時間浸水させると、デメリットの1つであるアブシジン酸の含有量が減らせるともいわれています。
ある研究では、12時間浸水させたところアブシジン酸が約3分の1以下まで減少したという報告もあるようです。よく浸水させると米の甘みも増すため、気になる方はぜひ試してみるとよいでしょう。
毎日食べるのがおすすめ
雑穀の健康効果を得るためには、適量を毎日摂り続けることもポイントです。同じ食べ方だと飽きてしまう場合は、茹でた雑穀を他の料理に取り入れる方法がおすすめです。ひき肉と混ぜて肉団子やハンバーグにするほか、野菜と和えればサラダにもなります。
甘いものが好きな方は、雑穀をデザートに加えてもよいでしょう。パンケーキやチーズケーキ、クッキーに混ぜ合わせたり、珍しいものだとプリンやおはぎなどにも活用できます。レシピのレパートリーが増えると、毎日の食生活もぐんと豊かになるでしょう。
雑穀米はダイエットに活用もできる
雑穀米ダイエットというダイエット法を知っているでしょうか?やり方は簡単で、1日の食事のどこかに主食として雑穀米を取り入れるだけです。
女性の場合は100g、男性の場合は150gが適量となります。基本は白米の代わりに雑穀米を食べるだけですが、実はこの2つはカロリーがほぼ同じです。
従って、このダイエット法が体重減少に直結するわけではないことを覚えておきましょう。バランスの良い食生活を心がけ、適度に運動をプラスすると、ダイエットも成功に導けるはずです。
ダイエット時の注意点
ダイエットをする際に気をつけたいのが、雑穀米ばかりを食べないことです。先ほども述べたように、雑穀が入ったご飯は白米とカロリーが変わりません。
にもかかわらず同じものばかりを食べていると、逆にカロリーオーバーになる危険性もあります。ダイエットを成功させるためにも、くれぐれも適量を守るようにしてください。
雑穀は消化吸収に時間がかかるので、体調が悪い時に摂らないこともポイントです。夕食に食べる場合は時間を早め、体に負担のかからないように気をつけましょう。
雑穀米を使ったアレンジレシピ
キムチチャーハン
【材料】
- 雑穀米:2合
- 豚ひき肉:60g
- キムチ:100g
- ニラ(食べやすく切る):20g
- 生姜:5g
- 葉ねぎ(刻み):15g
- ごま油:適量
- 塩こしょう:適量
- 醤油:大さじ1
【作り方】
- フライパンにごま油、生姜、葉ねぎを入れ、炒めます。
- ひき肉を加えてほぐしながら炒め、肉の色が変わったらご飯を加えます。
- キムチを加えて炒め合わせ、塩こしょう、醤油で調味します。
- ニラを加えて全体を炒め、器に盛り付けたら完成です。
ピリッとした辛さが美味しい一皿です。キムチが大きい場合は、食べやすくカットしてから加えましょう。ニラはすぐに火が通るので、軽く混ぜ合わせる程度で仕上げてください。
雑穀と春キャベツのヘルシーサラダ
【材料】
- 雑穀米:60g(大さじ4)
- 春キャベツ:2~3枚
- 塩:少々
- ひじき:10g
- 枝豆:100g
- 木綿豆腐:1/2丁
- ごま油:大さじ1
- A醤油:小さじ1
- A塩:小さじ1/3
- A酢:大さじ2
- Aこしょう:適量
【作り方】
- 鍋に水適量(分量外)、雑穀米を入れて火にかけ、10分ほど茹でます。
- キャベツは細めに切り、塩を加えて揉み込みます。
- フライパンにごま油を熱し、ひじき、枝豆を入れて炒め、Aの材料で調味します。
- ボウルに3、豆腐を入れて崩し、2、1を順に加えて混ぜ合わせたら完成です。
ダイエットに雑穀サラダはいかがでしょうか?ヘルシーでさっぱりとしているので、とても食べやすいです。いつもと違う雑穀の食べ方がしたい時にも、トライしてみてください。
薄揚げと人参の炊き込みご飯
土鍋で作る本格的な炊き込みご飯のレシピです。水と調味料を加えたら、1時間ほど浸水させてください。香ばしいおこげとモチモチとした食感がたまりません。
雑穀米はデメリットも知った上で摂取しよう!
雑穀米のデメリットや栄養効果などについて紹介しました。体に悪い影響を及ぼすこともある雑穀米ですが、適量を守っていればそれほど心配はありません。体調の悪い時は食べるのを控え、毎日継続して摂取すると栄養効果も実感できるようになるでしょう。
雑穀米はGI値が低く、ダイエットに使えることも魅力の1つです。暴飲暴食に走ってしまう方は、食べ過ぎ防止にも活用してください。デメリットを知った上で取り入れ、日々の健康やダイエットに役立てましょう。