2020年01月09日公開
2024年10月06日更新
カゼインナトリウム(食品添加物)とは?安全性やアレルギーは?
カゼインナトリウム(カゼインNa)について解説します。カゼインナトリウムは食品添加物の一種になります。カゼインナトリウムの特徴や、どのような用途の食品添加物なのかをまとめました。また、アレルギーと安全性についても説明します。
目次
カゼインナトリウムを徹底解説!
カゼインナトリウムは乳に入っているカゼインに、ナトリウムを添加し作り出した食品添加物です。いろいろな用途で食品に使用されています。
食品添加物と聞くと、少し怖くなる人もいるのではないでしょうか?この物質は食しても大丈夫なのか気になるところです。そこで、カゼインナトリウムを正しく知って頂くために、特徴や用途、アレルギーとの関係についてをまとめました。
カゼインナトリウム(カゼインNa)の特徴
カゼインナトリウムとはどんな物質?
カゼインナトリウムとは、乳タンパク質であるカゼインにアルカリ性であるナトリウムを添加して作る、言うなれば天然添加物で、乳化剤です。乳化剤とは水溶性と非水溶性が溶けあうのに必要な物質のことを言います。
マヨネーズでは、卵黄に含まれるレシチンが乳化剤にあたります。乳化剤が無ければ、分離してしまいその食品は成り立たなくなるのです。カゼインナトリウムも同じように働く食品添加物です。
もともと、カゼイン自体が牛乳の中で乳化剤の役割をしているタンパク質です。カゼインの乳化力はあまり強いとは言えません。そこで、カゼインの乳化力を強化させるために、より水溶性が高くなる物質ナトリウムを加えて、カゼインナトリウムという物質を作っています。
カゼインナトリウムは、JECFAによる安全性評価で一日に摂取する許容量の制限を設けないとされており、食品とみなしてもよい指定添加物と評価を受けています。
【アレルギーで注意する原材料名】【カゼイン】牛乳に含まれる主なタンパク質。酸で固まる。カゼインナトリウムはアイスクリームやソーセージ類、お菓子、パンに使用される。
— アレルギー生活改善総合研究所 (@infoYukika) December 14, 2019
カゼインは水溶液中でミセルを形成し、他の不溶性の物質の分散を助け、長期間安定に分散した状態に保つのを助ける。
カゼインナトリウムの用途
チョークにはカゼインNaが含まれているものがあり、
— うっちー🐍小児科医 (@ped_uwabami) October 26, 2019
牛乳アレルギーのある子だと、
吸入してしまうことで症状が出ることがあるのか。
これは知らなかった...#世界一受けたい授業 pic.twitter.com/NGkqPK1xh0
カゼインナトリウムは水溶性で、水溶液の中では親水基を外側に向けてミセルを形成しています。水溶液の中に不溶性の成分を入れると、カゼインナトリウムはミセルの中に不溶性成分を取り込みます。このことにより、不溶性の油などが水溶液内で分散されることになるのです。
この乳化狀態である、水と油が混ざっている状態を維持する特徴を利用して、缶コーヒーやアイスクリーム、パン、お菓子、ケーキなどに使用されています。
カゼインナトリウムの用途例は、ミルクとコーヒーが混ざる状態の維持、アイスクリームの乳脂肪が分離しないようになどの、乳製品が食品にしっかりととけ込む状態を保つ役割が主です。
その他の用途は、成形肉等の加工食品の安定剤などの用途で食品に使用されています。また、化粧品の乳液の安定剤やチョークの安定剤など、食品以外にもカゼインナトリウムは使用されます。
製品中でコーヒーとミルクが混ざり合った状態を保つために使用しています。(カゼインを水に溶けやすく加工されたものが「カゼインNa(カゼインナトリウム)」です。)
カゼインナトリウムの安全性とアレルギー
カゼインナトリウムは食品とみなされている添加物です。食品だからといって、必ずしも100%安全なものとは言い切れません。ここからは、安全性とアレルギーについて解説します。
カゼインナトリウムの安全性
食パン¥240 ¥270小麦の風味を生かしたすごくシンプルで甘みの少ない食パンです。トーストしてバターやジャムなどと一緒に・・・ アレルギー表示:小麦、牛乳 pic.twitter.com/xKYXyYp7EC
— ベッカライ・ニキ (@BACKEREI_NIKI) December 16, 2019
カゼインは、自然に存在する牛乳由来の成分で摂取量の制限がありません。また、カゼインは牛乳に含まれるタンパク質です。アミノ酸スコアが満点の優秀なタンパク質であることから、栄養強化として使用されることもあります。つまり、このカゼインがベースで作られたカゼインナトリウムは、摂取しても安全であり栄養価が高い成分と言えます。
しかし、この安全基準はJECFAが定めているものであり、日本人基準でないことに問題があります。実は、欧米人と日本人ではカゼインナトリウムを摂取した時の体内反応が異なるのです。欧米人にとっては問題ない成分であっても、日本人にとっては害を及ぼす危険性がある成分がカゼインナトリウムなのです。
理由は、日本人の95%が乳製品を分解する酵素であるラクターゼが活性化されていません。そのため乳製品を分解吸収する事が上手く行えないのです。
ですから、日本人は乳製品を食べるとお腹が緩くなったり腹痛を起こす人が多いといいます。症状もその程度ならばまだ良いのですが、人によってはカゼインナトリウムでアレルギーを引き起こしたり、腸や脳の病気を引き起こす危険性があるのです。
カゼインナトリウムにアレルギーはある?
牛乳は食物アレルギーを起こしやすい食品であり、厚生労働省が定めるアレルギー成分の27項目の一つとして、表示が義務付けられている食品です。現在、反応レベルは違えども、子供の2人に1人は何かしらのアレルギーを持っており、5人に1人は乳アレルギーだと言われています。
乳アレルギーは、カゼインに含まれているβ-ラクトグロブリンが原因です。カゼインは他の物質を加えて変化させても、加熱処理を行ったとしても性質に変化は起きません。つまり、乳アレルギーの人がカゼインナトリウムを摂取すると、アレルギーを起こす危険性があります。
食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、免疫の異常反応によって引き起こされる疾患のことをいいます。私たちには、ウイルスや細菌などの害を及す病原体から身を守る免疫力が備わっています。免疫が体内に入ってきた有害物質を退治しているおかげで、病気になることを防いでいるのです。
食事は私達の生命維持に不可欠なものなので、食べ物は免疫反応を起こすことなく消化吸収を行えるようになっています。しかし、消化吸収機能が未熟な場合に、食べ物を異物と判断してしまい攻撃する免疫異常が起こります。これが食物アレルギーです。
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— 健康を目指す科学的知識 (@isT1EdJ3ndq9NnY) December 19, 2019
最近のアレルギー研究の、妊娠中の母親が牛乳を飲むと子どもにアトピーが出やすくなるという研究がある。近年のアトピーや花粉症の患者が増えた主な原因は学校給食の牛乳にある。さらに子どもが白血病や糖尿病などの病気を発症する原因となっているという研究論文も出ている。
乳アレルギーが起こる原因
牛乳はタンパク質が豊富で数種類ものアミノ酸が入っています。通常ならばタンパク質は優秀な栄養素なのですが、このタンパク質がアレルギーの原因になっているのです。そして、牛乳内のタンパク質80%がカゼインであり、アレルギー疾患を引き起こす主なタンパク質はカゼインです。
乳アレルギーが起こる原因は、人間を構成しているタンパク質と、反芻動物である牛を構成するタンパク質の構造が違うことに関係しています。先ほど、食物アレルギーは免疫が異物と判断することにより起こると説明しました。牛から出る牛乳のタンパク質は構造が違うことにより、異物と判断されやすいのです。
子供のころから酷いアトピーで大人になった今でも皮膚科と縁がきれません。 牛乳がアレルギーの原因になることを知り、母に 「もしかしたら妊娠中に牛乳飲みすぎたせいかもしれない」 と、謝られました。 今の30代の親世代は妊娠中に牛乳飲むよう指導されていたようです。 牛乳業界と政府の罪
— 知ると幸せになれる (@NHK_kei) December 19, 2019
主なアレルギー症状
アレルギーによって現れる症状で、一番多く見受けられるのは皮膚と粘膜症状です。目のまわりのかゆみ、充血や涙目、唇や舌の違和感や口が腫れる、全身の皮膚に湿疹や蕁麻疹が出て赤くなったりかゆみを伴う、などの症状がでます。
その他にも、呼吸器官にでるものですと、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりや、喉が締め付けられるような感じになり呼吸困難になります。消化器では、下痢や嘔吐、血便が出たりすることも有ります。そして、一番危険な症状がアナフィラキシー症状です。
アナフィラキシーとは、強いアレルギー症状が複数同時に現れる症状で、血圧が下がり意識を失う程のショック状態をアナフィラキシーショックといいます。この状態は命に関わる危険な状態ですので、すぐさま救急車で病院に行ってください。
アタシもウチの親がまさにこれ。
— ヒヨコ (@hiyoko_Post) December 12, 2019
アタシ、
牛乳と卵アレルギーなのよね。
亡き母
「めんどくさいから全部食わせてたらブツブツお化けになったけど今は平気になったでしょ?」
…まぁ…確かに平気だけどさ🤣 https://t.co/SAyiuORToy
カゼインナトリウムの危険性
カゼインナトリウムは乳アレルギー症状が出るだけでなく、他にも危険性をはらんでいる食品添加物であると言われています。カゼインナトリウムの危険性について解説します。
腸への影響
カゼインナトリウムは牛乳に含まれるタンパク質のカゼインから作るものなので、動物性タンパク質が含まれます。実は、私たちの体は動物的タンパク質の消化吸収が苦手です。つまり、カゼインナトリウムの消化吸収を上手く行えません。
消化吸収されない残りのカゼインナトリウムはそのまま腸に到達し、腸内で腐敗して行きます。腐敗したカゼインナトリウムにより腸内炎症が起こり、腸内の粘膜が壊れて機能を失います。すると、破損部分から、カゼインナトリウムは細菌と一緒に血液循環にのって全身にまわってしまうのです。
腸の機能がしっかりと働けない状態になると、免疫力やホルモンバランスも崩れ、栄養吸収障害を起こします。この症状をリーキーガット症候群といい、慢性的にアレルギー症状が出たり、ガンや精神疾患の原因となります。
栄養吸収を阻害する
カゼインナトリウムによって腸に炎症が起こることで、栄養吸収機能が低下します。実は、栄養吸収への影響はこれだけではありません。
私たちの体液は、動物性タンパク質を摂取するとphが酸性に傾きます。体液は弱アルカリ性でなければいけません。そこで、体は自らアルカリで中和して正常に戻そうとします。この時に使用されるアルカリは骨に蓄えてあるカルシウムになります。つまり、カゼインナトリウムを摂取したら、その分骨のカルシウムが使われてしまうのです。
失われたカルシウムを乳製品で補えるとなれば、カゼインナトリウムが入っている乳製品を食べてもプラマイ0になりそうですが、残念ながらカゼインナトリウムに含まれるリンがカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
更に、このリンは脳を正常に動かす大切な栄養素、亜鉛の吸収も妨害してしまいます。つまり、摂取しすぎると骨粗鬆症や統合失調になる危険性があると言えます。
脳にも影響を与える
カゼインを摂取すると、ブレインフォグという症状が出る事があります。これは、頭に霧がかかった様な状態になり、脱力感に見舞われるものです。もちろん、カゼインナトリウムでも同じ症状が出ます。
そして、この様な症状が出ても継続的に摂取していると、子供の場合は発達障害を起こし、大人はいずれ認知症になる可能性があると言われています。
麻薬と同じ効果がある
カゼインにはカソモルフィンという名のモルヒネに似た物質が出ます。この物資は脳で麻薬と同じ働きをするのです。中毒性があり、幸せな気分になれることから、もっと欲しいと脳が欲する様になります。恐いのは、この状態になると脳内物質が正常に分泌されなくなり、脳の病気を招く原因になり得ることです。
笑笑
— ハルシー@新常識 栄養学ダイエット記録 (@harushihealthy) August 25, 2019
そだ
カフェイン中毒というより
牛乳中毒だったように思う。
カゼイン中毒。
だってオフィスにコーヒーあるのに
わざわざビルの向かいのスタバに行ってた人だったから
冷蔵庫にスライスチーズが入ってるとどうしても手が伸びてしまうな。カゼイン中毒か?
— えみたん😛 (@smile_em) June 21, 2019
精神疾患との関係性
脳に影響を及すのですから、そこから精神疾患を引き起こす危険性が高くなるのは当然のことと言えます。脳が麻痺することにより、異常行動が見られる様になります。
その主な症状は、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、統合失調症などです。これらの病気は、カゼインが含まれる食品と、グルテンが含まれるものを止めると症状が改善すると言われるほど、脳に大きな悪影響を与えているのが現状です。
ガンの発生を促す
カゼインには、子牛が凄い速さで大きくなれる程の成長ホルモンが、母乳の3倍含まれています。この成長ホルモンが体内に蓄積されると、細胞に悪影響を及ぼし、ガン細胞を増殖させていきます。
人間は健康な人でも1日に5000個のガン細胞が生まれていますが、免疫細胞により増殖前に死滅しています。ところが、カゼインナトリウムを摂取すると、免疫力が低下してガン細胞を退治する事ができなくなるのです。増えたがん細胞はのちに、乳がん、前立腺ガン、大腸ガン、白血病となり、私たちの体を蝕んでいきます。
口コミ
欧米人は牛乳を消化する酵素を持っているが、日本人は持っていない。そのためほとんどカルシウムを摂ることが出来ず、ガンやアレルギーの原因となっているらしい。
— すぎむー (@moni2700) December 18, 2019
細川先生や他の方の意見を聞いて
— ☀solarium (@1007kokorozashi) December 12, 2019
小学校へ入って飲ませない様にアレルギー書類に書いて伝えましたが…医者の診断書がなければ、牛乳を取り止める事が出来ないと言われて毎日飲まされてます😢
三人共小学校行かせたくないくらい!困ってます😥 https://t.co/fwvQJ9F99B
カゼインナトリウムが含まれる食品
牛乳や乳製品
カゼインナトリウムが含まれる食品は、主に乳製品や加工肉です。牛乳から作られる生クリーム、チーズ、バターはもちろんのこと、これらを使用したケーキやアイスクリーム、ホワイトソースなどにも、カゼインナトリウムは含まれています。
また、加工肉製品のソーセージやハム、ベーコン、チャーシューの安定剤として、バラバラのお肉を繋ぎ合わせて作るステーキなどにも接着強化としてカゼインナトリウムが使用されています。
原材料を表示する義務がある食品の場合は、表示内にカゼインナトリウム(カゼインNa)と必ず表示されます。しかし、表示が義務付けされていない場合、使用されているかは分かりません。乳製品や肉の加工食品には、高確率で使用されていますので、表示がなくても使われているものと考えておきましょう。
缶コーヒー
缶コーヒーには必ずと言って良いほど、カゼインナトリウムが含まれています。材料である牛乳、クリームがコーヒーと分離してしまわないように添加されているものです。
乳化剤は基本まとめて「乳化剤」と表示して良いとされています。では何故、カゼインナトリウムは単体で表示しているのでしょうか?それは、アレルギー成分であるカゼインが含まれているためです。アレルギー成分から作られる食品添加物はアレルギー反応が起こるので特定原材料由来であることが消費者にわかるように表示が義務付けされています。
缶コーヒーの原材料
原材料の表示は、使用量の多いものから順に明記されます。缶コーヒーは、コーヒー、砂糖、全粉乳もしくは脱脂粉乳、香料、乳化剤、カゼインナトリウムの順で入っています。
ミルクとコーヒーが常温や冷却を繰り返しても、常に混ざりあっている状態を保つために、カゼインナトリウムが使用されています。この他にも、防腐剤、ph調整剤、沈殿防止剤などの食品添加物が使用されており、ひとまとめで乳化剤と明記されています。缶コーヒーには、かなり多くの食品添加物が使用されているのです。
缶コーヒーの危険性
缶コーヒーで注意すべき点はまず砂糖です。普通の缶コーヒーには角砂糖4個分の砂糖が使用されています。微糖の缶コーヒーでも角砂糖2個分の砂糖が使用されているのです。
WHOが推奨する砂糖の摂取量は、1日でティースプーン6杯以下です。角砂糖1個とティースプーン1杯はほぼ同じ量ですので、缶コーヒー2本を飲んだら基準を超えてしまいます。砂糖は細胞を老化させてしまう食品です。その点から見ても、危険な飲料と言えます。
また、原材料でも説明しましたが、とにかく食品添加物が多く使用されています。1本の缶コーヒーに含まれる食品添加物は少量ですが、レトルト食品やコンビニ食などを一緒に食していれば、有害である食品添加物消化仕切れなくなりますので注意しましょう。
カゼインナトリウムまとめ
カゼインナトリウムの性質と危険性について解説しました。カゼインナトリウムは牛乳に含まれるタンパク質のカゼインから作られた、食品添加物です。よって、乳アレルギーがある人や、カゼインを分解する酵素が無い人は、十分な注意が必要です。
カゼインナトリウムを使用している食品の殆どは嗜好品ですので、食べ過ぎに注意して、体に負担をかけないような食生活を心掛けましょう。