酒精はどんな食品添加物?味噌に入っている?効果や危険性を解説

酒精とはどんなものか知っていますか?発酵アルコール、食品添加物として知られているものです。味噌やさまざまな食品に入れられていることが多いことから原材料名で目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?食品添加物と聞くと体に悪いように感じますが、酒精に危険性はあるのか、酒精の用途や効果は何か、についてまとめました。酒精について正しい知識をつけて安心安全に食事をとりましょう。

酒精はどんな食品添加物?味噌に入っている?効果や危険性を解説のイメージ

目次

  1. 1酒精はどんな食品添加物?
  2. 2酒精とは?
  3. 3酒精の用途と効果!味噌に入っている?
  4. 4酒精の危険性は?
  5. 5酒精の効果を知って食品選びに活用しよう!

酒精はどんな食品添加物?

酒精とは何か知っていますか?食品の原材料が記載されている欄に添加物の表記として書いてあることがあります。食品添加物というとあまり聞こえはよくないので体に悪いのではと心配してしまう人もいるのではないでしょうか?

今回は気になる酒精の用途や効果、危険性などについて紹介します。酒精について正しく理解してこれから食品を選ぶ際の参考にしてください。

酒精とは?

酒精とは普段は聞きなれない言葉ですが、食品の原材料を確認したときに目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?酒精は食品添加物に分類されるものです。食品添加物となると、体に悪く危険性があるのではないかと疑ってしまいますが、酒精とは一体どのようなものなのでしょうか?

酒精は発酵アルコールのこと

酒精(しゅせい)とは発酵アルコールのことをいいます。発酵アルコールは糖質とでんぷんを原料にして蒸留濃縮してつくられるものです。糖質は糖蜜やサトウキビなど、でんぷんはトウモロコシやサツマイモなどを使います。

発酵アルコールと合成アルコール

発酵アルコールは食品添加物の中でも一般飲食物添加物に分類されるものです。一般飲食物添加物とは一般に食品として飲食に供されているもので添加物として使用されるものでイチゴやジュース、寒天などがこれに該当します。

発酵アルコールが糖質とでんぷんなどの農作物などを原料にして自然の力でを利用してつくられているのに対し、合成アルコールは天然資源であるエチレンガスを原料として、化学合成によってつくられているアルコールです。

酒精の表示義務とアルコール・エタノールなどとの違い

酒精には表示義務が定められており、表示方法としては「酒精」をはじめ、「アルコール」「エタノール」などと表記されることがあります。

酒精とアルコール、エタノール、エチルアルコールとの違いはなく、すべて同じものです。表記に「アルコール」や「エタノール」とあれば、酒精のことだと理解しておきましょう。

一般的にはアルコールというとエチルアルコールのことをいいます。酒精は日本語名称で呼ばれる際の呼び名です。エタノールは国際科学命名法の呼び名、エチルアルコールは慣用名となっています。

酒精の用途と効果!味噌に入っている?

酒精は味噌に入っていることが多い食品添加物です。酒精はどのような目的で使われ、どのような効果があるものなのでしょうか?酒精の用途と効果についてみていきましょう。味噌に対してどのような効果をもたらすのでしょうか?

味噌の発酵を止める

発酵アルコールである酒精の用途としては味噌の発酵を止める働きがあることが挙げられます。味噌は発酵食品なので、毎日発酵しています。酵母が発酵する際には二酸化炭素が発生します。二酸化炭素が発生すると、味噌の容器が膨張、破裂したり、変形してしまうのです。

酒精が入っていないと、味噌の容器が味噌自身が出す二酸化炭素で膨張してしまうことになってしまいます。酒精によって味噌の発酵を止め、そのようなことが起こらないように防いでいるのです。

また、酒精には味噌の発酵を止めて味を一定の味に保つ用途としても使われます。味や風味をそのままに消費者に食べてもらうために酒精を使うのです。また、酒精はアルコールのため、殺菌、消毒効果、防カビ効果も期待できます。

しかし、酒精を使うと味噌の風味が落ちてしまったり、発酵の力を失わせてしまったりしているので、味噌の風味を大事にしたい、酵母の効果を実感したい、という方には酒精が入っている味噌はおすすめではありません。

酒精を使う以外の方法は?

酒精が食品保存などに重要な用途をもっているのはわかりましたが、食品添加物なのでできれば摂取は避けたいと思う人も多いはずです。味噌の発酵を止める、もしくは容器を膨張させないために酒精以外のものを使う方法はあるのでしょうか?

発酵を止めて二酸化炭素を抑えるには食品を加熱殺菌すると発酵を止める効果がみられます。しかし、味噌は加熱殺菌すると味噌の中で生きている酵母や乳酸菌が生きられなくなってしまうデメリットがあります。

そのため加熱処理をしないで二酸化炭素が抜けるように味噌の容器を改良して工夫している販売会社もあります。輸送時の冷却も必要となり、容器代と加えてコストは上がってしまいますが、食品添加物としての酒精が気になる方にはおすすめです。
 

味噌と生味噌の違い

味噌には酵素が生きているものと生きていないものがあります。製造過程で加熱処理をしてしまうと酵母や麹菌が全滅してしまうのです。そういった味噌がたくさん世に出ているので注意が必要です。

生味噌は天然醸造でできており、酵母や乳酸菌が生きている味噌です。大量生産できず、手間暇かけて作られます。また、生味噌は添加物を加えず、加熱もせずにつくられます。発酵食品としての健康効果を期待したいのであれば、加熱処理されていない生味噌がおすすめです。

インスタント味噌汁、だし入り味噌が加熱殺菌された味噌、酒精が食品添加物として入っているものは酒精によって菌が活動を停止している味噌です。生味噌とは風味も発酵効果も全く違うものとなっています。

ちなみに無添加とかかれているものも加熱処理されている場合があるので注意が必要です。無添加にこだわるなら加熱処理されているかしていないかも確認してみるのがおすすめです。

酒精が使われる味噌以外の食品

酒精は味噌の他にもみりんや醤油などの調味料にも使われています。また、日本酒、ワイン、焼酎などのお酒にも使われているものです。その他には、魚介類の加工品や麺類、お菓子などたくさんの食品の用途として使われています。食品以外では、消毒用アルコールにも利用されています。

酒精の危険性は?

子供が食べるお菓子などにもアルコール成分の酒精が入っているのは気になる人もいるはずです。食品添加物といわれる酒精には危険性はないのでしょうか?お菓子や調味料など何気なく口にする者にも入っていると聞くと怖くなります。

味噌は特に味噌汁に入れて毎朝食べるという人が多いでしょう。知らない間に危険性のあるものを摂取しているということもあります。酒精の危険性について調べました。

味噌に含まれる量と安全性

酒精は食品添加物ですが、食品添加物は食品安全委員会によって安全性テストを受け、厚生労働省が使用許可を出したものです。また、アルコールと同じ成分なので口に入れたとしても安全で問題はありません。

また、味噌に含まれる酒精の量は全体量の4%ほどです。一回分の味噌汁に80gの味噌を使ったとすると酒精が4%なので3.2gほどとなります。アルコール濃度は低く、加熱すると蒸発するので心配な量ではありません。妊娠中、子供、運転をする人が口にしても大丈夫な量です。

喘息やアトピーの人は注意

ぜんそくやアトピーの人は酒精のもつ物質により症状があらわれることがあります。酒精は調理によって加熱されていますが、無色透明で芳香があり、揮発しやすいという特徴があります。

そのため揮発性有機化合物となって空気中に漂うことがあるそうです。その揮発性有機化合物にぜんそくやアトピーの人が反応してしまうことがあるといわれています。
 

健康効果はない

残念ながら酒精には健康効果はありません。酒精には、味噌をはじめ発酵食品の発酵を止めてしまう働きがあるため、本来の味噌を摂取して期待できる発酵食品の健康効果をなくしてしまっていることになります。酒精が含まれた味噌は健康効果があまり期待できないのです。

酒精が使われていない食品を選ぶ

酒精自体に健康効果はないと同時に食品の健康効果も失ってしまう場合もあるので、できれば酒精が使われていない食品を選ぶのがおすすめです。

発酵食品である味噌はがん予防や生活習慣病の改善、美容によかったり抗酸化作用をもっているため老化を防いでくれたりとさまざまな健康効果が期待できます。

その味噌の健康効果、美容効果を最大限に生かすためにもできるなら酒精の入っていない味噌を選ぶようにしましょう。まずは食品原料の記載項目をチェックしてみましょう。

酒精の効果を知って食品選びに活用しよう!

酒精とは何か、用途や効果についてみてきました。酒精は発酵アルコールで、アルコールと同じ成分をもっている食品添加物です。味噌の発酵を止めて二酸化炭素をでなくさせ、容器の膨張を防ぐ効果をもっています。

味噌に入っている量くらいに危険性はありませんが、酒精自体に健康効果はありません。しかし酒精は食品添加物ですが、危険性が高いものでもありません。そのため必ず避けなければならないものではないでしょう。味噌の発酵効果を発揮させて健康効果を得たい人は酒精が入っていない味噌を選ぶようにしましょう。

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