長芋は変色したら食べられない?変色の原因・防止する方法を解説

長芋が変色してしまう現象について、その理由と対処法を調査しました。すりおろしてとろろにした長芋や山芋が、変色してガッカリしたという経験があるという方も少なくないでしょう。本記事ではそんな長芋の変色理由について迫ってみました。

長芋は変色したら食べられない?変色の原因・防止する方法を解説のイメージ

目次

  1. 1長芋が変色して赤や黒・茶色・紫になった!
  2. 2長芋が変色する理由・原因
  3. 3長芋は変色しても食べられる?
  4. 4長芋の変色を防止する方法
  5. 5長芋が変色したら腐っているか見極めてから食べよう!

長芋が変色して赤や黒・茶色・紫になった!

長芋をすりおろして熱々のご飯と食べるのは本当に美味しいものです。ですがいざ食べようと思ったら黒や茶色になっていてがっかりした、という方も多いのではないでしょうか?また残っていた長芋を使おうと思ったら、黒や茶色だけでなく赤や紫、ピンクになっていたということもあるでしょう。

本記事では長芋が変色してしまう原因やその防止方法の他、変色してしまった長芋でも食べられるのかを徹底解説していきます。なかなか真っ白いままのとろろを作れない、調理中にも色が変わってしまうという方は必見です!

長芋が変色する理由・原因

まずは長芋が変色する理由・原因から解説していきましょう。芋が傷んだり腐ったりする以外にも変色してしまう理由があるのです。一体原因は何なのでしょうか?

長芋の変色は酵素が原因

長芋はすりおろしたり、短冊切りにして時間がたつと赤黒く変色します。色の変化はポリフェノールオイシダーゼと言う成分が、酸素に触れて酸化したためです。

長芋の色が変わってしまう原因はポリフェノールオキシダーゼという酵素の酸化です。ポリフェノールの一種であるこの酵素は、空気中の酸素や金属と反応することでメラニン色素を作り出して芋の色を変えてしまうのです。

酸化で起こる現象であることからすりおろして作るとろろは色が変わりやすく、また千切りのように空気に触れる面積が広い切り方も酸化しやすい調理方法ということになります。

すりおろすと黒く変色するのは灰汁が原因

長芋をすりおろしてとろろを作ると黒っぽく変わってしまうのは芋に含まれる灰汁が原因です。この灰汁こそが先に紹介したポリフェノールオキシダーゼなのです。芋に含まれるチロシンやクロロゲン酸に作用して酸化させ褐変(かっぺん)という色の変化を引き起こすのです。

この褐変の度合いは芋の系統による差も大きく影響し自然薯は特に強く褐変します。品種や個体でも差がありますが、一般的に畑で栽培されたものと山で自生していたものを比較すると、山で自生していたものの方が灰汁が強く褐変しやすいとされています。

長芋は変色しても食べられる?

長芋が変色する原因は、芋自体に含まれるポリフェノールであることはわかりました。では褐変してしまった芋は食べても大丈夫なのでしょうか?そこで次は褐変していても食べて問題のない芋と、捨てたほうが良い芋の見極め方について解説します。

ある程度の変色なら食べてもOK

長芋の色が変わる原因はあくまでポリフェノールによる酸化の為、多少色は悪くなっていますが食べるのには問題ありません。すりおろしている最中に色が変わったとしても、見た目は悪くなりますが味にも変化はありません。ただし変色の内容や度合いによっては処分した方が良い場合もあるので解説していきます。

長芋が茶色や赤系・黒っぽい色に変色した場合

調理中の長芋が茶色や赤系・黒っぽい色に変化した場合は、ポリフェノールによる酸化が原因なので心配ありません。また保存しておいた長芋や作り置きしておいた料理の色が褐変していた場合、変化の度合いがわずかであれば食べることができます。

酵素による色の変化はりんごやレンコンなどの皮を剥いたりすりおろしたりした後、放置していると茶色くなるのと同じことなのです。

長芋が広範囲に変色している場合

では長芋が広範囲にわたって褐変している場合はどうなのでしょうか?皮を剥いてみても所々切ってみても、表面だけでなく中まで変色してしまっていたら腐ってしまっている可能性が高いです。食中毒などの危険性がある為食べるのは止めて捨てるようにしましょう。

変色以外に変化が見られる場合

もし長芋から異臭がしたり触った時にぐにゃぐにゃと変な感覚を覚える場合もあるでしょう。時にはドロドロと溶け出してしまうこともあります。こうなってしまった芋は間違いなく腐ってしまっているので絶対に食べてはいけません。もしそんな芋を発見したらすぐに処分するようにしましょう。

品質に影響はある?

長芋の褐変はポリフェノールの酸化が原因の為品質には直接影響はありません。芋にはさまざまなポリフェノールが含まれている為、どのポリフェノールが酸化するかで変化する色が変わってくる程度です。

酸化する条件はその時々で異なりますが、茶色や赤系、黒っぽい色への変化はこの酸化による褐変ですので安心して食べることができます。

長芋の変色を防止する方法

ポリフェノールが酸化して長芋の色が変色するのを防止するにはどうしたら良いのでしょうか?実は褐変を防ぐ方法はいろいろとあるのです。次はこの褐変を防ぐ方法を解説していきます。

長芋を酢や塩水につける

手早く皮をむき、薄い酢水につけてアクを抜けば変色は防
げますが、色が変わってしまったものを酢水につけても元
に戻る事はありません

長芋の褐変を防止する方法として酢水や塩水に浸けるのが効果的です。特に酢水に浸す方法はすぐに使えるというだけでなく、ぬめりの元であるムチンを分解して取り除くこともできます。また切り口に数滴たらしておくだけで残った芋の褐変も防いでくれます。目安は水1Lに対して酢を大さじ1杯ほどです。

塩水に付ける場合のメリットは褐変の原因である灰汁抜きができる点です。塩水の塩分濃度や浸ける時間に細かい決まりはありませんが、目安として舐めてもしょっぱ過ぎない程度の塩水に5~10分程度浸ければ十分に効果を得られます。浸け過ぎると食感がなくなったり栄養が流れ出てしまうので注意しましょう。

水の中に、少し酢をたらしたボールなどに、
長芋を短冊にしたら、浸しておき、15分ぐらいで、
ざるに上げれば、変色が、防げます。

長芋を熱湯に浸す

長芋の褐変を防ぐには沸騰しているお湯に皮を付けたまま浸すのも効果的です。10秒ほど浸して置くだけで十分効果を期待できます。あまり長い時間浸けたままにしておくと芋に熱が通ってしまって食感が変わるだけでなく、とろろなどの生食には適さなくなってしまうので注意しましょう。

ただし元々加熱調理する予定の場合には数分浸けて置いて下茹ですれば、調理時間の短縮にもなるのでおすすめです。

長芋にレモン汁をかける

長芋の変色防止にはレモン汁も使えます。酢のにおいが苦手だったりきつすぎると感じる方は、におい移りも少なくて済むレモン汁を使うのが良いでしょう。皮を剥いた部分にレモン汁を満遍なくかけるだけですが、かかっていない部分が残ってしまうとそこから色が変わってしまうので注意してください。

先に食べやすい大きさに切ってからボウル等の容器に入れて、それからレモン汁をかけて全体に馴染ませるように混ぜ合わせると良いでしょう。

変色しにくい道具ですりおろす

金属製のおろし器でおろすと山芋が変色することがあるので、あればプラスチック製のものを使いましょう。

長芋の褐変の防止には色の変わりにくい道具を使うのも効果的な方法です。すりおろしたり切ったりする時には酸化を促進しやすい金属製の道具は使わないようにしましょう。

おすすめのタイプはプラスチックやセラミックでできた道具やすり鉢です。特にすり鉢は口当たりが柔らかく仕上がるので、とろろを作る時に使用するとご飯と良く絡んで美味しくいただけます。

成長した山芋を使う

長芋の中でも変色しにくい完全に成熟した山芋を使うようにするのもおすすめです。生長しきった山芋は全体的に太いだけでなく真ん中の部分は色が変わりにくいと言われているのです。それに対してまだ細い状態の山芋は灰汁が強いだけでなく細胞分裂が活発なことから、褐変しやすいので避けるようにしましょう。

春や秋に獲れた山芋を使う

通常山芋の収穫時期は春と秋の年2回です。ですが現在は1年を通して売られていることからもわかるように夏にも収穫されています。問題は夏に収穫された山芋は灰汁が強いだけでなく、細胞分裂も活発なままなことから褐変しやすいのです。収穫時期をきちんと確認してから購入しましょう。

長芋が変色してしまった時は料理のつなぎにする

長芋が褐変してしまっても気にならないのであればそのまま使っても大丈夫ですが、どうしても見た目が悪くなります。そんな時にはすりおろしてから料理のつなぎとして使うのがおすすめです。小麦粉の代わりに使えば食感もふわふわになるだけでなく、小麦アレルギーの方でも美味しく食べられるメリットもあります。

変色防止の保存方法

長芋は丸ごとであれば1本1本新聞紙に包んだりおがくずに入れて風通しの良い冷暗所で長期保存できます。ですがすでに切ったりすりおろした芋は冷蔵庫に入れて保存することになります。冷蔵保存や冷凍保存でどのくらい褐変することなく保存できるのか紹介します。

長芋を冷蔵保存する

先に長芋が褐変しないように処理してから冷蔵保存した場合でも、元の色のまま保存できるのは最大で1日です。その為冷蔵保存する場合にはすぐに使う予定がある分だけにするのが望ましいということになります。

長芋を冷凍保存する

長芋が褐変しないように保存するのであれば一番良いのは冷凍保存です。使い方に合わせて切ったりすりおろして加工します。加工に合わせて褐変しないよう処理します。すりおろしたものには味やにおいが変化しない程度に酢やレモン汁を混ぜ合わせると良いでしょう。最後に密封袋に入れて冷凍すれば最大で1ヶ月間褐変せずに保存できます。

Thumb長芋は冷凍保存できる?とろろにして変色やかゆみを防ぐコツや解凍の仕方も | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

長芋が変色したら腐っているか見極めてから食べよう!

今回は長芋が変色する原因や腐っている場合との見極め方をはじめ、褐変を防ぐ方法についても解説・紹介してきました。本記事を参考にして褐変を上手に防ぎ、真っ白なままの長芋で作った料理を楽しんでください!

Thumb山芋と長芋と大和芋の違いとは!とろろやお好み焼きに使う芋は? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumb長芋のとろろを使った人気・簡単レシピ!すりかたのコツやポイントは? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumb長芋サラダの人気レシピを厳選!梅やきゅうりを使った簡単で美味しい作り方 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ