さつまいもが黒い色に変色しても食べられる?黒い斑点や緑色になる原因も解説

さつまいもが黒い色に変色した場合、食べられるのか不安になります。皮に黒い塊が出きたりシミのように流れ出たり、切り口が黒い色や緑色の斑点状に変色する場合があります。さつまいもが黒く変色しても食べられるのが徹底解説します。

さつまいもが黒い色に変色しても食べられる?黒い斑点や緑色になる原因も解説のイメージ

目次

  1. 1さつまいもが黒いのはただの変色?食べても大丈夫?
  2. 2さつまいもが黒い色に変色する原因
  3. 3さつまいもの黒い変色以外の色別症状
  4. 4さつまいもが黒い色に変色しない対策
  5. 5さつまいもが腐った時の見分け方
  6. 6さつまいもが黒い時まとめ

さつまいもが黒いのはただの変色?食べても大丈夫?

さつまいもは鹿児島を中心とした九州地方や、茨城県や千葉県などの関東でも多く栽培されている野菜です。焼き芋や料理に使われるものや、焼酎の原材料として栽培されているのものなど数多くの品種があります。

食材としてのさつまいもには一般的な黄色っぽい品種の紅あずまや紅はるかなどが有名です。さらに、果肉がオレンジ色をした安納芋やスイーツなどに用いられる紫芋など種類が豊富です。

さつまいもには色々な原因により色が変色する場合があります。さつまいもが変色する場合に一番多く見られるのが、一部が黒い色に変色する現象です。この一部が黒い色に変色する症状には、さつまいもの特性によるものや調理や保存方法による原因があるので紹介します。

さつまいもが黒い色に変色する原因

原因①さつまいもの皮が黒い色に変色している場合

さつまいもの皮の表面に黒いベタベタした塊やシミのような物質が出ているときがあり、指先で触ると粘り気があり指がくっついてしまうほどです。

このベタベタしたものはさつまいもに存在するヤラピンという物質で、さつまいもの皮の近くに多く分布している糖脂質の仲間です。さつまいもを切ると粘り気のある白い乳液が浸み出てくる液体がヤラピンです。ヤラピンはさつまいもの中にあるうちは白く、さつまいもの表面に傷ができたりすると中から浸み出てきます。

ヤラピンには糖分が含まれていて外気に触れると黒い色に変色し、ベトベトの塊になったりさつまいもの表面を流れ出たりします。つまり、さつまいもの表面の黒い物質は糖の成分ですので、特に問題はありません。黒い部分は食べることはできませんが、さつまいも自体は皮を取り除けば美味しくいただけます

また、市場にはあまり流通するとこはありませんが、黒斑病のさつまいもも表面が斑点状に黒く変色する場合があります。こちらの場合もさつまいもの皮を厚く取り除けば食べることができます。

原因②さつまいもの断面に黒い斑点がある場合

さつまいもを料理しようと輪切りにしたときに、切った断面に白い色や少し黒い色の斑点状に模様がある場合があります。これも、さつまいもに含まれるヤラピンという物質が浸み出てきたものです。ヤラピンが空気に触れて少し時間が経つと黒い色に変色し始め、それが斑点状に分布します。

さつまいもの表面は空気に触れると直ぐに変色し始める特性があります。切った瞬間には何もないが、時間が経つにつれて黒い色に変色したものは全く問題なく食べることができます。ただし、切ってみたら断面に黒い斑点がビッシリ付いていた場合には食べないほうが無難です。加熱すれば食べられますが、なんらかの病気になっている可能性があります。

原因③さつまいもを加熱したら黒い色に変色した場合

さつまいもを加熱調理などした場合に黒い色に変色するときがあります。調理前、さつまいもの表面に何の問題もなく加熱したら黒い色や緑色の斑点状に変色した場合は問題なく食べることができます

黒い色や緑色に変色するのは、さつまいもに含まれているクロロゲン酸という成分によるものです。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、アルカリ性の物質と反応すると緑色に変色する特性があります。

アルカリ性の食材は、海藻、塩、天ぷら粉に含まれている重曹、ベーキングパウダーがアルカリ性です。これらの食材と一緒に加熱調理すると黒い色や緑色の斑点状に変色する場合があります。

原因④さつまいもを低温保存したら黒い色に変色した場合

さつまいもを低温保存したら黒い色に変色する場合もあります。さつまいもは暑さには耐性がありますが寒さには弱い食品で、適温より低過ぎる温度で保存すると黒い斑点状に変色する場合があります。

これは、さつまいもが低温障害がを起こしている可能性が高く風邪を引いて傷んでいる状態です。さつまいもは涼しい時期は常温保存、厚い時期や切った場合などは冷蔵保存がおすすめです。低温保存で黒い色や緑色に変色するのは切った表面がなる場合が圧倒的に多く、密封袋などで保存することである程度防ぐことができます。

低温保存で変色した場合でも、よほどひどくない限り食べることができます。気になる場合には変色した面を切り取ってから調理すれば美味しくいただけます。変色した部分も食べられますが、傷んでいるので食感も味も落ちているので、おすすめはしません。

さつまいもの黒い変色以外の色別症状

さつまいもは黒い色の他に、緑色、ピンク色、オレンジ色に変色する場合があります。ここでは、変色の理由と対策を紹介します。

さつまいもが緑色に変色した場合

さつまいもが緑色に変色するのは加熱加工した場合に多くみられます。さつまいも含まれているクロロゲン酸という成分がアルカリ性の物質と反応すると緑色に変色します。この場合は問題なく食べることができます

気になる場合の対策としては、アルカリ性の物質を近付けないようにすることで、海藻類や重曹などの食材と一緒に調理しなければ緑色の変色は抑えられます。

また、切断加工したものを低温保存していて低温障害により傷んで緑色になった場合もあります。この場合には切り口を取り除くことで食べることをおすすめします。対策は切断加工したら直ぐにジップロックなどで冷蔵庫の野菜室で保存すれば、ある程度抑えることができます。

さつまいもがピンク色に変色した場合

さつまいもの表面がピンク色に変色した場合は品種により対応が分かれます。さつまいもの皮が茶色や土色をした品種がピンク色に変色した場合には、カビが発生している可能性があるので食べるのは控えましょう。紫芋や初めから赤系に色をした品種のさつまいもの場合は、全く問題ありません。

さつまいもの断面がピンク色になるのは紫芋系の品種の特徴です。切り口が空気に触れて長時間放置するとピンク色になる場合がありますが、変色した面を取り除けは食べることができます。

さつまいもがオレンジ色に変色した場合

さつまいもの皮が茶色や土色をした品種がオレンジ色に変色する場合があります。この場合は鮮やかなオレンジ色でなければ、皮を厚めに取り除けば食べることができます

さつまいもには安納芋のように果肉がオレンジ系の品種もあり、皮の色もオレンジに近い色合いで果肉もオレンジ色をしています。この品種の特徴でもあり問題なく食べることができます。

オレンジ系の紫芋系のさつまいも以外で、鮮やかなオレンジ色に変色する場合には何等かの原因で傷んでいる可能性があるので食べないようにしましょう。

さつまいもが黒い色に変色しない対策

さつまいもは皮を剥いたり輪切りした瞬間から、空気に触れることで斑点状に変色が始まります。食べる分には問題ありませんが、黒い色に変色しない対策や方法を解説します。

切ったらすぐに水に浸ける

さつまいもの皮を剥かず調理する場合に輪切りにしますが、切ったら直ぐに水に浸けることで変色を抑えることができます。ボウルや深さのあるお皿などに水を入れ、カットしたらすぐに水に浸けます。水を替えながら10分から15分ほど浸し水の色が変わらなくなるまで浸けることで、ヤラピンやクロロゲン酸による変色を防ぐことができます。


水に浸すことで変色を防ぎさつまいものアクを抜くことができ、さらに調味料などの味が浸み込みやすくなります。皮ごと料理に使う場合におすすめです。

皮を厚く剥く

さつまいもの変色の原因の一つでもあるヤラピンは、さつまいもの皮の近くに多く存在します。既に変色したものや、これから調理する場合に皮から近い部分を多く取り除くことで変色を防ぐことができます。皮むき器を使用する場合には何度か繰り返すことで厚く取り除くことができます。

さつまいもを水の中で揉む

さつまいもを水に10分から15分くらい浸けておけば変色を防げますが、水の中で揉むことで短時間で処理できます。さらに、手で揉み洗いすることで一緒にさつまいものアクを取ることができるのでおすすめです。

低温症を防ぐ方法

さつまいもは暑い季節以外は常温保存が一般的です。さつまいもは暑さより傷むことより、冷温状態で置いておいた場合に低温症により黒い色の斑点状に変色します。一般的には長期保存を考えるのではなく、早く消費することを考えましょう。

さつまいもの保存する場合の適温は13℃から16℃ですので、低温症を防ぐには温度が適温より下がらない所が最適です。常温保存する場合には加工する前の皮が全て付いている状態が最適で、新聞紙などで包んで直接太陽光が入らない冷暗所などで保存します。

さつまいもを保存する場合には低温とは逆に高温にも注意が必要で、保存温度が20℃を超えると発芽が始まる危険性があります。さつまいもを保存する場合には温度管理や湿度管理、風通しなど多くのことを考慮しなければなりません。

さつまいもが腐った時の見分け方

さつまいもは黒い色や緑色の斑点が出ても、取り除いたりそのままでも食べることができます。しかし、本当に傷んで腐ってしまい食べられなくなった場合の見分け方を理解している必要があります。

柔らかくなる

さつまいもが腐った場合に一番良くわかる方法が手で触ってみることです。正常なさつまいもは触るとシッカリとした硬さがあります。さつまいもが柔らかくなったものは冷え腐れという状態で、保存した場合が適温より低くなったため起こります。また、保存期間が長すぎても同じように柔らかくなります。

柔らかくなったさつまいもを切ってみると、断面が黒い色に変色し、水っぽくなっています。さつまいもを触って柔らかく感じるものは、皮もシワシワになっていたり異臭がするので移譲に気づくはずです。このような状態のものは食べることができませんので廃棄してください。

皮にシワが出来る

さつまいもが腐った場合には皮の状態を見ることでわかる場合もあります。さつまいもが冷え腐れ状態になった場合には、皮付近のの水分が抜けてしまったことから皮にシワやヨレが出てきます。水分が抜けた皮はシワシワに萎んで柔らかくなっています

さつまいもを保存する場合には温度も大切ですが、湿度90%以上が理想とされています。したがって乾燥し過ぎるところで保存した場合に、温度が極端に低くなくても冷え腐れに近い状態になります。

さつまいもの皮がシワになった部分が一部なら取り除けば食べることができます。この場合には、さつまいも全体を観察し他に腐れている箇所がないか良く見極める必要があります。さつまいもを触ってみて全体的に柔らかいと感じたならば、無理をして食べずに廃棄しましょう。

異臭がする

さつまいもの臭いをかいで明らかに異臭がする場合があります。これは皮が腐っている証拠で、かなり傷みが進んでいる状態です。異臭がする場合には、皮の表面が既に異常な状態になっているうえに、さつまいも自体がかなり柔らかくなってい場合が多いです。

さつまいもが腐って異臭がするということは何等かの菌が繁殖している状態ですので、食べることはできません。直ぐに廃棄しましょう。

ここで気を付けなければならないのが、さつまいもを一本だけ保存していた場合には、そのさつまいもだけを捨てれば済みます。しかし、他のさつまいもが一緒の場合には、他のさつまいもも良く観察する必要があります。一本が腐るということは他のものも腐っている可能性があるので注意しましょう。

カビが生える

さつまいもには黒カビ、白カビ、青カビなど色々な種類のカビが発生します。さつまいもの表面にスポンジのようにフワフワとした白い綿ゴミのような物や緑色の物体が付着していたりします。

さつまいもの表面が付着したカビが少しの場合には、その部分を大きく切り取り、中の果肉に異常がなければ食べることができます。さつまいもの内部は果肉が詰まっていて酸素に触れる部分が少ない野菜です。酸素が少なければカビも生えにくく、内部にまでカビが生えている可能性はかなり低いといえます。

さつまいもの広い範囲の表面にカビが生えている場合には注意が必要があります。まず、さつまいもを水洗いしカビを取り除き、大きく厚く皮を剥いてみます。さらに輪切りにして断面などの腐れがない場合には食べることができます。

さつまいもを離乳食として使用する場合がありますが、カビの生えたさつまいもはおすすめできません。通常は大丈夫ですが、赤ちゃんは抵抗力が低いので食べさせないほうが無難です。

さつまいもが黒い時まとめ

この記事では、さつまいもが黒く変色した場合について紹介しました。さつまいもが黒く変色する場合には、大丈夫な場合と食べられない場合があり見極めが必要です。皮の表面に付いた黒い塊やシミは、ヤラピンという糖質の一種で取り除けば美味しくいただけます。

切り口に付いている斑点状の変色も問題ない場合が多く、気になるときには取り除けば食べることができます。注意しなければならないのが腐った場合で、柔らかくなったり皮にシワがでて異臭がします。この記事を参考に適切な処理をしてさつまいもを美味しくいただきましょう。

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