じゃがいもの食べ過ぎは体に悪い?食べ過ぎが体に及ぼす影響とは?
じゃがいもを食べ過ぎると、体にどのような影響があるのか調べました。じゃがいもの食べ過ぎにより、病気のリスクが上がるのかどうかや、何故食べ過ぎてはいけないのかが分かります。じゃがいもの栄養についても説明しています。
じゃがいもの食べ過ぎに注意!
じゃがいもは食卓によく並び、なじみの深い食材です。肉じゃがやポテトサラダ、フライドポテトにコロッケとメニューも多く、気付かないうちに食べ過ぎていることもあります。じゃがいもの食べ過ぎは太る原因になるのか、病気のリスクが上がるのか、と心配な方も多いのではないでしょうか?じゃがいもを食べ過ぎた時の体への影響を、検証しました。
じゃがいもの食べ過ぎは体に毒?
じゃがいもは糖質の多い野菜
種類 | 糖質量 |
---|---|
じゃがいも | 16.3g |
さつまいも | 29.7g |
ながいも | 21.2g |
さといも | 10.8g |
じゃがいもは糖質量が多く、太りやすいイメージがあります。野菜の100gあたりの平均糖質量は3.6gですから、じゃがいもは糖質の多い野菜といえます。いもやでんぷん類の糖質量の平均は100gあたり18.4gで、全食品の糖質量の平均は18.5gです。
じゃがいもの糖質量は、他の食品の平均と比較して、標準的な値です。じゃがいも1個の重さは約150~200gですので、1個分の糖質量は24~32g程になります。
じゃがいもは国によっては主食にもなる食べ物で、主食に見合った糖質量があります。ちなみに、カロリーは100gあたり76kcalです。ご飯やパンや麺類と比べると、低カロリーで糖質も少ないので、完全にダイエットの敵というわけではありません。しかし、じゃがいもは食べやすい食材ですので、ついつい食べ過ぎてしまう傾向にあります。
じゃがいもはGI値も非常に高い
じゃがいもはGI値が非常に高い食べ物です。GI値とは、食べた後に血糖値を上昇させるスピードを、食品ごとに数値化したものです。数値が高いほど、血糖値が上がりやすい食品です。血糖値が上がりやすいと、糖尿病などの病気のリスクが上がります。糖尿病や糖尿病予備群の人は、GI値60以下が勧められています。
また、血糖値が急激に上がると、それを処理するために、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには脂肪を蓄積させる働きがあるので、ダイエットの妨げとなります。じゃがいものGI値は95で、全食品の中でトップクラスです。やまいもが75、さつまいもが55ですから、いも類の中でも高い数値です。チョコレートの91、ドーナッツの86よりも高い数値です。
食後に血糖値が上がりにくい食品のことを低GI食品といいます。低GI食品は、血糖値の上昇をゆるやかにするだけでなく、満腹感の持続によって食べ過ぎを抑えたり、次の食事の血糖値を抑制する働きもあります。このことから、病気を防いで健康な生活を送るための指標のひとつとして、注目されています。
フライドポテトなど加工品はさらにリスクが上がる
たまには良いけど、食べ過ぎは注意かな😋🍟
— Hiroaki🌐WEB✖︎独立 (@hiro_soccer0529) February 19, 2018
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カロリー | 糖質量 | 脂質量 | |
---|---|---|---|
生のじゃがいも | 73kcal | 16.3g | 0.1g |
フライドポテト | 323kcal | 34g | 15g |
じゃがいもには様々な食べ方があり、調理法によってカロリーや糖質が異なります。生のじゃがいもと加工品の代表であるフライドポテトを比較しました。フライドポテトは揚げているだけでなく、小麦粉も使用しているため、脂質と糖質どちらも高くなります。
糖質+脂質はダイエットの大敵ですので、注意が必要です。パン粉を使用した揚げ物のコロッケも同様です。じゃがいもは油やバターと相性がよく美味しいので、食べ過ぎないようにしましょう。
清涼飲料水の飲む量も増えてカロリーオーバーに!?
米国の医療従事者計11万1442人の健康データを対象に、ジャガイモの摂取量と糖尿病の発症率の関連を調べる研究が行われました。その結果、じゃがいもを食べ過ぎている人ほど、清涼飲料水を飲む量も多くなり、全体の摂取カロリーが増えることが分かっています。
じゃがいもはカロリーの高い食品です。油で揚げたフライドポテトやバターを使ったマッシュポテトは、さらに高カロリーになります。コーラやジュース等の清涼飲料水は、糖分も多く高カロリーですから、同時に摂取することで、カロリーオーバーになる可能性があります。
じゃがいもの食べ過ぎが体に及ぼす影響
じゃがいも食べ過ぎの影響①高血圧のリスクが上がる
2016年6月にアメリカのブルガム・アンド・ウィメンズ病院により、「じゃがいもの食べ過ぎが高血圧のリスクを上げる」という報告がされています。この報告は、男女約18万7千人を対象に、20年間に渡って高血圧と食生活との関係を調査した結果に基づいています。
この調査により、ジャガイモを食べ過ぎている(週に4回以上)人は、月に1回未満しかジャガイモを食べない人に比べ、高血圧になるリスクが高いことが分かりました。その理由は、じゃがいものGI値が高いためと考察されています。
調理法別では「焼く」「ゆでる」「つぶす」場合で11%、油で揚げる場合には17%、高血圧のリスク上昇が認められたとのことです。
じゃがいも食べ過ぎの影響②糖尿病など病気のリスクが上がる
大阪がん循環器病予防センターの村木功氏らのグループの研究により、じゃがいもを普段から食べ過ぎている人は、食べる量が少ない人より糖尿病になりやすいことが分かっています。研究では、アメリカの医療従事者計11万1442人の健康データを対象に、じゃがいもの摂取量と糖尿病の発症率の関連を調べています。
対象者全員が、もともと糖尿病ではありませんでした。しかし、追跡期間中に1万5362人が糖尿病を発症しました。料理方法では、油で揚げるフライドポテトのリスクが、一番高いことも分かっています。
(1)ジャガイモ料理を食べる頻度が週に2~4回の人は、週に1回未満の人に比べ、糖尿病の発症リスクが7%高くなる。
(2)毎日食べる人は、週に1回未満の人に比べ、33%も高くなる。
じゃがいも食べ過ぎの影響③芽・皮に含まれる毒素による副作用
じゃがいもの芽や根元、皮(とくに光が強く当たって緑色に変色した部分)には、天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれています。ソラニンやチャコニンは、フグ毒のように致死率が高い天然毒ではありません。しかし、食べ過ぎると、吐き気や下痢、嘔吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出て危険です。
じゃがいもによる食中毒を防ぐには、芽やその根元、皮をしっかりと取り除くことが重要です。とくに緑色に変色している個体は、皮と内部を含めすべて取り除く必要があります。苦味を感じたときには食べてはいけません。また、じゃがいもの毒は、加熱しても分解されません。加熱するからと油断せず、しっかりと芽や皮を取り除きましょう。
じゃがいも食べ過ぎの影響④頭が悪くなる!?
「じゃがいもを食べ過ぎると、バカになる」という説があります。これはドイツの哲学者R・シュタイナーによるもので、正確には、「ジャガイモの食べ過ぎは、ヒトの本来の思考を奪う」という説です。
じゃがいもの可食部は、根ではなく茎が膨らんだ「塊茎(かいけい)」です。塊茎は、植物の中で消化されにくい部分です。じゃがいもは胃や腸で消化されないまま、血液を通して脳にまで達すると考えられました。頭がじゃがいもを消化している間、中脳は考えることができずに本来の思考を奪われる、という原理です。
シュタイナーは、「ヨーロッパにジャガイモがもたらされて以来、ヨーロッパでは内的な思考が衰退した」と分析しています。この説はあくまで一つの観点であり、根拠のあるものではありません。
じゃがいもは食べ過ぎなければ優れた栄養食材
栄養素①ビタミンC
地元北海道から送ってもらったじゃがいも🥔
— 桑井亜乃/AnoKuwai (@ANO1020) October 26, 2019
秋になるとじゃがいもをお願いする🙏
からだや脳のエネルギー源🙂
トレーニング後の栄養補給にぴったり☝️
私のおすすめは「いもだんご」です🙌#食欲の秋#体重コントロール#アスリートフードマイスター#ポテトパワー #ポテトパフォーマンス#ラグビー pic.twitter.com/R50C8LZ0jW
じゃがいもにはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCには、ストレスや風邪などの、病気に対する抵抗力を強める働きがあります。皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防止する美容効果も期待できます。また、ビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されず血管がもろくなり、壊血病になってしまいます。
最近は、ビタミンCの抗酸化作用が注目されています。抗酸化作用とは、体の酸化を抑える働きのことです。抗酸化作用により、がんや動脈硬化といった病気の予防や老化防止が、期待されています。
栄養素②食物繊維
じゃがいもに含まれている成分の一つに、「難消化性デキストリン」という栄養素があります。これは食物繊維の一種です。難消化性デキストリンは消化されづらい特徴があり、小腸の中にとどまるので、他の栄養素の吸収を抑えてくれる働きがあります。
難消化性デキストリンは糖質の吸収を穏やかにし、インスリンの分泌を抑えることで、脂肪の合成を抑える効果があります。
栄養素③カリウム
じゃがいもにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムはミネラルの一種で、体内の水分量を調節する役割があります。塩分の濃いものを摂取すると、体内のナトリウムが多くなります。体はナトリウムの濃度を一定に保つために、水分を蓄え、むくみがちになります。
カリウムには体内の水分を調節する働きがあるので、余分な水分を排出し、むくみ解消に役立ってくれます。
栄養素④その他栄養素
おはようございます☀
— morning kotokoto(モーニング ことこと) (@mornin_kotokoto) October 27, 2019
週末はいかがでしたか?
本日の日替わりスープは、じゃがいもの栄養がつまった「ビシソワーズ」です。
10月最終週、有終の美を飾れますように!#浅草橋 #浅草橋朝ごはん #朝活 #asakusabashi #tokyobreakfast pic.twitter.com/WzIbjEeTvC
じゃがいもには他にも、ビタミンB1や鉄分など体に嬉しい栄養素が多く含まれています。ビタミンB1は、糖質が分解されエネルギーとなる過程で必要となる栄養素です。鉄分は造血に必要な栄養素で、不足すると、貧血になってしまいます。葉酸も他の野菜より比較的多く含まれており、妊婦や授乳中の女性におすすめです。
じゃがいもは食べ過ぎずほどほどに
【臨床栄養学実習】
— 奈良女子大学食物栄養学科 (@nwufood) October 25, 2019
ビタミンCたっぷり料理
一緒に摂取すると、鉄の吸収が促進されるビタミンCがたっぷり摂れる副菜を貧血食に合せて作りました。
これらは学生が考えた料理です。
ビタミンCを多く含む赤パプリカやじゃがいも、旬の柿やさつまいも等の食材が多く使われています。 pic.twitter.com/lRhtNESkh8
じゃがいもは糖質量やGI値が高い食材です。食べ過ぎると、高血圧や糖尿病などの病気のリスクが上がることが分かりました。病気を防ぐためには、じゃがいもを食べ過ぎず、でんぷん質ではない他の野菜に置き換えることが推奨されています。
一方で、じゃがいもは、ビタミンCやカリウムなどの栄養豊富です。できるだけ油で揚げないなど、調理方法に気をつけ、食べ過ぎないようにしましょう。