2019年09月19日公開
2024年09月27日更新
大根の葉は栄養満点で捨てちゃだめ!栄養を逃さない食べ方も解説
大根の葉がとても栄養が詰まっている部分です。たっぷりの栄養を逃さないためにも購入する際は大根の葉付きがおすすめです。捨ててしまうには勿体無いとされる、大根の葉が持つ栄養素や栄養を逃さないおすすめレシピも紹介します。
大根の葉にも栄養がある?
スーパーなどで販売されている大根はほとんどにおいて葉は切り落とされた状態で陳列されていますが、実はこれは大根が持つ栄養を最大限に摂取できない状態です。大根の葉には驚くほど豊富な栄養が含まれていて、その量は大根の白い部分より多いのです。
大根の葉が持つ栄養素は体の健康へ多くの効果・効能jが見られるとされています。そのため捨ててしまっては非常に勿体無い部位です。但し栄養が豊富な大根の葉も特徴にあった調理をしなければ、栄養を最大限に摂取することが出来ません。大根の葉が持つ栄養と特徴を知り、上手に栄養を取り入れるレシピを活用してみましょう。
大根の葉の栄養素と効果・効能
栄養素 | 生 | 加熱 |
---|---|---|
βカロテン | 3900μg | 4400μg |
ビタミンC | 53mg | 21mg |
鉄分 | 3.1mg | 2.2mg |
カリウム | 400mg | 180mg |
カルシウム | 260mg | 220mg |
大根の葉に含まれる栄養を見ていきましょう。圧倒的に多く含まれているのはβカロテンです。βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれている栄養素で、大根の根に当たる白い部分には淡色野菜に当たりほとんどが水分のため、ここまで豊富な栄養素は含まれていません。
βカロテン
大根の葉の中にもっとも多く含まれている栄養素のβカロテンは、生状態でも3900μgとかなり多いのですが、加熱することで4400μgまで栄養量が増えています。これはβカロテンが持つ特徴で、βカロテンは細かく砕く・刻む・加熱するなどすることにより吸収性が高まるといわれています。また油で炒める事で、更なる吸収率のアップが望めます。
βカロテンに望める効果・効能として注目されているのが活性酸素の増加を抑えてくれることです。活性酸素の増加を抑えることでガンや脳卒中の予防になるといわれています。また動脈硬化や心臓病といった成人病の予防や白内障など目に関連する病気の予防に役立つとされています。
また女性にとって嬉しい効果も望めます。βカロテンはアンチエイジングに欠かせないだけでなく、美肌効果も望めるとされています。さらに粘膜を強化する働きもあると言われているため風邪予防にも効果・効能が望めます。
ビタミンC
大根の葉にはビタミンCが生で53mg、加熱すると21mg含まれています。ビタミンCは加熱すると壊れやすい栄養素です。加熱時間1分でビタミンCの残量は74%まで減少、5分加熱すると残存率は40%まで減少してしまいます。ビタミンCを摂取したい方は生で食べることがおすすめです。
ビタミンCは美肌効果があることで知られていますが、これは抗酸化作用によるものです。抗酸化作用により、シミ・そばかすを防ぐだけでなく、皮膚や血管の老化を防ぐためアンチエイジング効果も望めます。
これには理由があり、ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素のためビタミンC不足は肌荒れの原因になるだけでなく、血管ももろくなってしまうのです。近年の研究では抗酸化作用による免疫力の向上にも注目されていて、風邪予防や疲労回復だけでなくガンや動脈硬化などの予防にも役立つとされています。
鉄分
大根の葉に含まれている鉄分は生で3.1mg、加熱分で2.2mgと他の緑黄色野菜と比較しても多く含まれています。厚生労働省は鉄分は成人女性で6.0mg、成人男性なら7.0mgを1日に摂取することが推奨しています。大根の葉を生で100g食べることで1日の必要鉄分量の約半分を摂取することができます。
鉄分が不足すると貧血になることで知られていますが、これは鉄分が持つ大きな役割である血液中の赤血球を作るヘモグロビンの成分であるためです。そのため、鉄分不足になると貧血症状が出てしまうのです。またうつ病やパニック障害の人は鉄分不足が多く見られていて、これら症状の改善にも役立つとされています。
カリウム
生なら400mg、加熱なら180mgも含まれているカリウムですが、意外とその働きは知られていません。しかしとても大切な栄養素のひとつです。カリウムは心臓の機能や筋肉の機能調整をはじめ、体内に含まれる余計な塩分を尿で排出する大切な役目を持っています。また塩分を体外に排出することで体のむくみを防止したり、高血圧の予防に役立ちます。
一方、腎不全などの症状がある方は体外にカリウムが排出されず、血液内に溜まってしまい、手や唇のしびれ・だるさを感じるなどの症状が出てしまうため腎不全の方は気をつけなければいけない栄養素でもあります。
カルシウム
カルシウムは骨の育成や維持に大切な栄養素と知られています。人の体の基本となる骨を維持するために欠かせないカルシウムも大根の葉には豊富に含まれています。厚生労働省が推奨する成人1人あたりの1日の摂取量は600~700mgとされています。
生の大根の葉100gあたりのカルシウム量は260mgあるため、厚生労働省が推奨する摂取量の1/3程度を摂取することが可能です。
カルシウムは骨を形成するだけでなく、疲れやすい体やイライラの解消に役立つという事でも知られています。カルシウムが足りないと高齢者の中でも特に女性は、骨粗しょう症などの症状が心配されています。骨粗しょう症はカルシウム不足といわれる現代社会の中でも深刻な病気のひとつです。これら症状を予防するためにも摂取したい栄養素です。
他の野菜との栄養成分比較
βカロテン | ビタミンC | 鉄分 | カリウム | カルシウム | |
---|---|---|---|---|---|
大根の葉 | 3900μg | 53mg | 3.1mg | 400mg | 260mg |
モロヘイヤ | 10.000μg | 65mg | 1mg | 530mg | 260mg |
ほうれん草 | 4200μg | 35mg | 5.4mg | 1863mg | 49mg |
小松菜 | 3100μg | 39mg | 7.14mg | 1275mg | 170mg |
水菜 | 1300μg | 55mg | 3.57mg | 816mg | 210mg |
ここでは大根の葉と同じような身近な葉物野菜で栄養を比較しています。まずβカロチンは、圧倒的にモロヘイヤが多いのですが、大根の葉はモロヘイヤ・ほうれん草に続き多く含まれています。そしてビタミンCはモロヘイヤ・水菜に続いて多く、カルシウムに至っては5種類の中で最も多く含まれていて、ほうれん草と比べると5倍以上の量です。
大根の葉の栄養を逃さない食べ方
大根の葉はその栄養素ごとに特徴があり、逃さない様に食べる方法があります。主にどういった食べ方が効率的に栄養を摂取できるのか調べました。
生で食べる
大根の葉のおすすめの食べ方の一つ目が生で食べることです。ビタミンCを多く含んでいる大根の葉ですが、水溶性で熱に弱いため、主にビタミンCを摂取したいときには生で食べることをおすすめします。最も簡単な食べ方ですが、大根の葉をよく洗って適度な大きさに刻んでサラダに混ぜると美味しくいただくことができます。
また刻んでネギの代わりに味噌汁などに入れてるのも良いでしょう。生で食べるときはできるだけ長時間水にさらさないことと、火が通らないようにすることが栄養を逃さないポイントです。
炒める
油を使って炒めることで吸収が良くなるのがβカロチンです。βカロチンを摂取したいときは、野菜炒めにしたり、ひき肉などと炒めることで立派なおかずができあがります。また、大根の葉に含まれているカルシウムは酢と一緒に摂取すると吸収率があがります。
炒めた大根の葉をちらし寿司の具などとして一緒に混ぜて食べればβカロチンと共にカルシウムの吸収もあがります。
茹でる
大根の葉を大量に摂取しやすいのが茹でて食べる方法です。また茹でることで青臭さやアクが抜けるので食べやすくなるというメリットもあります。茹でた大根の葉はしっかりと水気を切っておひたしにしたり、醤油と鰹節やじゃこなどと和えることでお酒のおつまみにもなります。
但し、あまり茹ですぎると食感が無くなってしまうので、サッと茹でる程度にしましょう。食感がいきるだけでなく、ビタミンCの流出も防げます。
大根の葉の栄養が摂れるレシピ
大根の葉が持つ栄養素を最大限に体に取り込むには加熱する調理法がおすすめです。そこで、大根の葉の栄養が摂れるレシピを紹介していきます。レシピを活用して大根の葉を美味しく食べて、栄養を摂っていきましょう。
大根葉とおかかのふりかけ
- 大根の葉120g
- 削り節2g
- ごま油大さじ1
- Aしょうゆ大さじ1
- A酒大さじ1
- A砂糖小さじ1
- 大根の葉を幅5mm程度に切る
- フライパンでごま油を熱し、大根の葉を入れ中火でしんなりするまで炒める
- 削り節を加えてさっと炒め合わせて、Aの材料を回し入れ汁気がなくなるまで炒めたら出来上がり
油とあわせることでβカロチンの吸収が良くなるだけでなく、カルシウムなどを豊富に含んだ削り節を合わせることでさらに栄養素がアップするレシピです。栄養たっぷり、お弁当でも活躍するふりかけが出来上がるレシピです。大根の葉を大きめにカットすれば、そのまま食べられる副菜としても活躍します。
大根の葉とじゃこの炒めもの
- 大根の葉120g
- ちりめんじゃこ大さじ大さじ3
- 白ゴマ大さじ2
- ごま油大さじ2.5
- 3倍濃縮麺つゆ適量
- 大根の葉は塩を少量入れて1分ほど茹でて2~3cm程度に切る
- 茹でた大根の葉をしっかり絞って水気をとる
- フライパンでごま油大さじ1を熱し、大根葉を中~強火で炒める
- 油と大根の葉が馴染んだらちりめんじゃこと白ゴマを加え一炒めする
- 麺つゆで味を見ながら味つけし、汁気がなくなったら火を強め風味付けにごま油大さじ1.5を加え混ぜたら出来上がり
ごま油の風味が食欲をそそるレシピです。ご飯のおかずやお弁当の副菜としてはもちろん、お酒のおつまみなどにもぴったりは一品です。レシピでは風味付けのごま油を足していますが、あっさり食べたい方は風味付けをしなくても大丈夫です。
大根の葉と豚挽き肉の豆板醤風味
- 大根の葉100g
- ごま油小さじ2
- 豚ひき肉80g
- 豆板醤小さじ1/2
- A酒小さじ1/2
- A塩小さじ1/2
- Aしょうゆ小さじ1
- Aみりん小さじ1
- 大根の葉は塩少々を加えた熱湯でさっと茹で、しっかり絞って1cm程度に刻む
- フライパンにごま油を熱して豚ひき肉を炒める
- 豚ひき肉の色が変わったら豆板醤を加えてさらに炒め、大根の葉も加えて炒める
- 油がなじんだら、Aの材料を加え味を調えたら出来上がり
大根の葉が茹ですぎると栄養素が流れ出てしまうだけでなく、茎の部分のシャキシャキとした歯ごたえも失われてしまいます。このレシピでは茹でた後炒めるため、葉の部分に火が通る程度で軽く茹でてください。そうすることで、大根の葉の栄養が失われないだけでなく、歯ごたえを残すことが可能です。
大根の葉とひき肉のチャーハン
- ごはん300g
- 大根葉80g
- 牛ひき肉50g
- 炒り卵(溶き卵)1個分
- ごま油大さじ1
- Aしょうゆ大さじ1.5
- Aオイスターソース小さじ1
- 塩ひとつまみ
- 黒こしょうひとつまみ
- ごま油大さじ1
- 糸唐辛子適量(好み)
- 大根の葉は粗みじん切りにする
- フライパンにごま油と溶き卵を入れて混ぜ、そぼろ状になったらボウルなどに取り出す
- フライパンを再度中火にかけて、ごま油、牛ひき肉を入れて炒める。
- しんなりしてきたらAの材料、大根の葉、ごはんを加えて炒め混ぜする
- ごはんがパラパラになったら、取り出したそぼろ状の卵を加えてよく混ぜ、塩、黒こしょうで味を整え出来上がり。好みで糸唐辛子を乗せる
チャーハンをパラパラにするポイントは冷やご飯を使うことです。炊き立てだとくっつきやすいので、ぜひ冷やご飯で作ってみてください。また最初に卵を炒めることで卵の味わいが引き立ちます。
大根の葉からも栄養を摂ってみよう
どうしても白い部分だけを食べ捨てられてしまうことの多い大根の葉ですが、実は栄養豊富で捨てるのはもったいなく食べたほうが良い野菜ということがわかりました。スーパーなどでは葉つきの大根は少ないのですが、八百屋などではまだまだ葉つき大根を販売しています。
折角大根を食べるなら白い部分も大根の葉も両方を美味しく食べて、体の健康に役立つ栄養をたっぷり摂ってください。