2019年09月15日公開
2024年09月27日更新
鯖の栄養と効果効能!必須脂肪酸EPAを摂取して血液サラサラ!
鯖に含まれるDHAやEPAといった栄養素の健康効果をまとめています。鯖の栄養を逃さず、美味しく食べるための調理ポイントも紹介!鯖に含まれる豊富な栄養は、体へのどんな効果効能があるかをチェックしましょう。
鯖の栄養にはどんな効果がある?
鯖は、栄養が豊富に含まれる青魚の代表ともいえる魚です。最近では、手軽に食べられるサバ缶の人気も高くなっています。DHAやEPAといった栄養素も含まれていますが、どのような効果効能があるのでしょうか?鯖に含まれる栄養と、栄養素をしっかりと摂るための調理法をみていきましょう。
鯖の栄養と効果効能
種類ごとの栄養成分量
栄養成分 | ゴマサバ | マサバ |
---|---|---|
エネルギー | 146kcal | 247kcal |
タンパク質 | 23.0g | 20.6g |
不飽和脂肪酸 | 1.35g | 7.69g |
ビタミンD | 4.3μg | 5.1μg |
ビタミンB12 | 12.6μg | 12.9μg |
葉酸 | 10μg | 11μg |
カルシウム | 12mg | 6mg |
日本でよく食べられている鯖は、ゴマサバとマサバです。ゴマサバは、丸みを帯びた体で腹側にも黒い点々とした模様があります。マサバは背中にはまだらな模様があり、腹側は白いのが特徴です。冷凍の鯖などでは、ノルウェーから輸入される鯖もあります。
鯖に含まれる栄養素で特に多いのは、不飽和脂肪酸といわれるEPAやDHA、ビタミンD、ビタミンB12です。EPAとDHAは、1日に1g食べることが理想とされています。鯖であれば、種類に関係なく1切れ食べるだけで1日の必要量を摂れます。2種類を比較すると、ゴマサバは低カロリーで、マサバの方が不飽和脂肪酸などをより多く含んでいます。
DHAとEPAの様々な効果
鯖に含まれる栄養素で特徴的なのが、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。どちらも脂がのった青魚に豊富に含まれる必須脂肪酸の一種です。ヒトの体内では、ほとんど作ることができない必須脂肪酸ですが、健康を維持するためには大切な栄養素です。
血液サラサラ
EPAの働きは、血液中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすことです。加えて、血液中の中性脂肪を減らす効果もあり、血液をサラサラにする効能があります。中性脂肪が減ることで、高血圧や脳卒中の発症リスクを抑える効果も期待できます。成人病が気になる大人におすすめの栄養素です。
脳や神経機能の活性化
DHAは脳の神経が正常に働くようにサポートする効能があり、脳を活性化する成分です。記憶力の向上につながる効果が期待できるので、学習能力をアップしたい子どもや認知症予防として大人におすすめの栄養素です。その他にもDHAには、ストレス緩和の効能もあり、現代人には積極的に摂って欲しい栄養素といえます。
がん・アレルギーを抑制
EPAとDHAを食べることで、体内での炎症抑制作用があることが分かっています。詳しいメカニズムは解明されていませんが、がん細胞を抑え込んだり、皮膚アレルギー反応を抑制する効能がみられることが分かってきました。
ただ、EPAとDHAのサプリメントでの効果は不明です。血液がサラサラになりすぎて、特定の病気で出血が止まらなくなるといったこともありえます。毎日の食事の中で、鯖などの青魚を食べることで、EPAとDHAの栄養を摂り入れるようにしましょう。
ビタミンDとカルシウムで骨の健康維持
手軽に食べられるサバ缶は、鯖の骨まで食べられる食材です。そのため、切り身などで骨を取り除いて食べるよりもカルシウムをたっぷりと摂れます。カルシウムを体内で吸収するためには、ビタミンDが必要です。鯖にはビタミンDも多く含まれているので、カルシウムとビタミンDの組み合わせで吸収率を高めます。
骨や歯の発育に必要な子どもはもちろん、骨粗しょう症にならないために、成人女性も食べてほしい魚です。
ビタミンB12で貧血予防
ビタミンB12は、鯖だけでなく、アサリやシジミ、レバー、イワシなどの動物性食品に多く含まれている栄養素です。葉酸と一緒に働き、赤血球のヘモグロビンの生成を促し、悪性貧血の予防や肩こりの解消に効果があります。葉酸は細胞を作るためにも必要な栄養素で、妊活中から妊娠、出産後の授乳期の母親には必須の栄養でもあります。
鯖にはビタミンB12も葉酸も含まれているので、妊娠前後の女性には特におすすめです。また、ビタミンB12は、傷ついた末梢神経を修復する効果もあります。
セレンで抗酸化作用
とても高い抗酸化作用があるセレンの含有量は、鯖は食品の中でもトップクラスです。セレンの抗酸化作用は、がん予防やアンチエイジングの効果が期待される注目の栄養素です。
セレンは単独で摂るよりも、タンパク質と結合していることで身体に吸収されやすい性質があります。鯖の缶詰や焼き鯖などを食べることで、タンパク質とセレンの両方を摂取できます。
鯖の栄養を効果的に摂取する食べ方と注意点
鯖は栄養がたっぷりと含まれていますが、加熱すると脂分と一緒に栄養素がしたたり落ちてしまいます。生で食べることが栄養的には理想ですが、サバには寄生虫がいたり、鮮度が落ちやすいため専門店でしか生では食べられません。鯖の栄養を効率的に摂れて安心して食べられるように、鯖を食べる際の注意点をチェックしましょう。
旬の時期と選び方
出典: https://tenki.jp
鯖は缶詰や冷凍品であれば、一年中食べることができます。生の鯖は、ゴマサバとマサバで旬の時期が異なります。ゴマサバは夏に脂がのり、7月から9月に美味しく食べられます。マサバは冬に脂がのり、10月から2月頃の寒い時期が美味しいとされています。
鯖を選ぶ時には、身の張り具合を確認しましょう。鮮度の良いものは、身が固く締まっていて、水揚げから時間が経つほど、ぷよぷよとして張りが失われてしまいます。
味噌煮
鯖の味噌煮はしっかりと加熱する料理なので、寄生虫などでお腹を痛める心配がありません。栄養素は加熱で流れ出てしまう分がありますが、味噌を溶いた煮汁に含まれています。この煮汁を煮た鯖の身と一緒に食べれば、栄養もしっかりと口にできます。鯖の味噌煮は身だけでなく、煮汁もご飯にかけたりして、残さず食べるようにしましょう。
フライパン調理の照り焼き
鯖をグリルで焼くと、脂分がグリルの受け皿へと落ちてしまいます。脂分を逃さず食べるためには、フライパンを使って照り焼きにするのがおすすめです。流れ出た脂分は、照り焼きのタレの調味料と合わせてしまい、とろみをつけて鯖の身と一緒に味わうことができます。
寄生虫に注意
生の鯖にはアニサキスなどの寄生虫がいることがあります。料理店では、切り身にして寄生虫がいれば取り除く処理をしていますが、家庭では難しい作業です。アニサキスは70度以上で加熱をするか、-20度で24時間以上冷凍すると死滅します。家庭で鯖を調理する時には、しっかりと火を通すか冷凍されたものを使うようにしましょう。
ヒスチジンによるアレルギー症状
鯖のアレルギーを持っていない人でも、鯖を食べて顔が赤くなりじんましんが出る場合があります。これは、鯖など食品に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンによるアレルギー症状です。ヒスチジンを多く含む食品を常温に放置しておくと、食品に付くヒスタミン産生菌の酵素が作用してヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンは寄生虫とは違い、加熱しても分解されることがなく調理で取り除くことができません。食べてしまうと、1時間以内に顔面や口の周り、舌、唇などにピリピリとした刺激があり、発熱などを起こします。半日ほどで症状は回復しますが、食べ始めて舌先にピリピリした刺激を感じたら、食べずに廃棄しましょう。
ヒスチジンによる食中毒の症状を起こさないために、鯖は冷蔵庫で保存します。長期間冷蔵保存するのであれば、冷凍するようにしましょう。冷凍された鯖を解凍する際は、ヒスタミンを増やさないために常温ではなく冷蔵庫で解凍するようにしてください。
鯖は栄養豊富で健康にいい!
鯖の栄養素には、血液をサラサラにする、脳を活性化する、貧血を予防するなどの効果効能があることが分かりました。子どもから大人まで食べて欲しい栄養成分なので、安心して美味しく食べたいものです。保存や調理方法を工夫して、DHAやEPAが含まれている鯖の脂分を逃がさないように、タレと絡めるなどして栄養を逃さず食べてください。