2019年09月11日公開
2024年09月26日更新
ロシア人が好きなお酒一覧!ウォッカだけじゃない?飲酒頻度は高くない?
ロシアといえばウォッカというイメージですが、最近では様々な種類のお酒を楽しんでいます。お酒と関わる事の多いロシアならではのジョークやお酒の席でのマナー、そしてロシア人が好きなお酒を一覧にして紹介します。
目次
ロシア人の好きなお酒はウォッカだけじゃない?
ウォッカは深い歴史のあるお酒で、主にロシアやポーランド等で製造されています。ロシア人はアルコール度数が高いお酒を好むイメージがありますが、このようなイメージが定着したのは冬のロシアの平均気温がマイナス2℃から4℃と極寒になるからです。
極寒だと強いお酒を飲んでも酔いにくく体を温める効果があるので、寝る前にお酒を1杯飲む習慣があります。元々ワイン等飲んでいましたが、低価格のウォッカは大衆向けで広まったと言われています。アルコールはマイナス100℃以下にならないと凍ることがないので冬はウォッカが生命の水と呼ばれていました。
現代のロシアではウォッカ以外にも美味しいワインやブランデーなど様々な種類のお酒が豊富にありますし、ロシア人もビールやブランデー、カクテル等様々な種類のお酒を好んで飲んでいます。
ロシア人の好きなお酒の種類一覧
極寒のロシアでは健康の為にお酒を飲む人も多く、水よりもお酒の年間消費量が多い国です。お酒が身近にあるロシア人が好んで飲んでいるのは、どのような種類のお酒なのかをこれから紹介します。
ウォッカ
ロシア発祥のウォッカはアルコール度数が40度を超える強いお酒です。強い度数のウォッカが定番な為、ロシア人は大酒飲みだというイメージが付いたと言われています。ウォッカは醸造酒を蒸留して造られた無味無臭のスッキリした口当たりの良いお酒です。
ロシアではウォッカを小さなグラスに注いで、一気に飲み干すのが一般的な飲み方です。日本ではウォッカはカクテルベースになっている事が多いですが、ロシア人はストレートでライムやレモンで味付けして飲みます。
ロシア産のウォッカで有名な銘柄はスミノフで、ロシア皇帝が御用達しているお酒です。その他の定番なウォッカはクリスタルのストリーチナヤで、スッキリとして飽きのこない味が人気です。本場であるロシア人が好むウォッカをぜひ試してみてください。
ワイン
昔のロシアではワインは貴族だけが飲めるお酒となっていましたが、ロシア革命後は市民にもワインが広まりました。旧ソビエト連邦では色々なブドウが栽培されていますが、特にグルジアのワイン製造法はユネスコの無形文化遺産にも認定されています。
ロシアで人気のワインはグルジア地方のキンズマラウリという銘柄のワインで、フルーティな香りでベリーの味わいが深く美味しいと人気です。その他にも黒ワインと呼ばれているアブハジアワインもベリーの甘味が強く、女性に大人気のワインです。
ロシアでは辛口の酸味が好まれず、甘口が売り場の8割を占めています。寒い冬の時期はホットワインにして就寝前に飲む習慣があるほど定着しているお酒です。
ビール
ロシアでも沢山の種類のビールが製造されています。ロシア人はアルコール度数の高いお酒を好むイメージで、ビールは人気がないと思われそうですが、実はロシア人にとってもビールは非常にポピュラーなお酒です。ロシアでは以前、アルコール度数10%未満のお酒は食品に分類されていた為、気軽に購入出来た事も頻繁に飲まれている理由の一つです。
ロシアビールの定番の銘柄はバルチカで、バルト海という意味です。バルチカに0から9までの種類があり、0はノンアルコールで数字が上がるにつれてアルコール分が上がっていき、9は8%と日本のビールより強いです。他にクラフトビールのハモーブニキという銘柄のビールは織物師という意味の名前の通り、コク深いビールで人気です。
ロシアではビールがペットボトルに入って販売されていたり、缶ビールでも1リットルから2リットルと大きいサイズが売り場に並んでいます。ビールの価格もとても安く、酒屋のビール売り場へ行くとびっくりすると言われています。
ブランデー・コニャック
ロシア人はブランデーをコニャックと呼んでいますが、実際はフランスのコニャック地方で造られたブランデーのみをコニャックと呼ぶそうです。コニャックもウォッカと同じ位にアルコール度数が40度以上ありますが、コニャックの芳醇な香りと深い味わいに魅了され、ロシアでも大勢の人に愛飲されています。
アララト
コニャックの中で大人気なのがアララトです。アルメニア産の白ブドウで造られたワインとアララト山の湧き水を使用し、アルメニアの伝統的な製法で造られています。白ブドウの風味と甘い香りが口一杯に広がり、ロシア人から最も評価を得ているコニャックです。是非飲んでもらいたいお酒です。
シャンパン
結婚式や誕生日などのお祝いごとがあるとシャンパンが用意されます。1番有名なのはロシア皇帝が作らせた、通称ソビエトシャンパンと呼ばれているアブラウドゥルソというシャンパンです。ほのかに香る花のアロマと果物の爽やかな風味が心地よく、グラスに注ぐと黄金の色と気泡が優雅な気持ちになります。
ロシアにはシャンパンにまつわるおまじないがあります。新年が明けると鐘が鳴り、その音が12回鳴るまでに願い事を紙に書きます。その紙を燃やして出たカスをシャンパンに振りかけて飲み干すと願い事が叶うと言われています。
テキーラ
ロシアでは極寒の冬にアルコール度数の高い種類のお酒を飲む傾向があります。テキーラはすぐに体が温かくなるのでよく飲まれているお酒です。日本ではカクテルに使用される事が多いですが、ロシアでは口の中で作るカクテルと言われていて、グラスに入ったテキーラをグイっと一気に飲み、そのあとに塩とレモンを口に含み味を付けます。
ロシアのスーパーで売られているテキーラには塩が付いているものもあり、ストレートで飲むのが主流で、パーティでは盛り上げるお酒として必ずといっていいほど用意されています。
バリザム
バリザムというお酒は冷え症や風邪等の病気を予防医薬を応用した健康酒です。ウォッカにロシア独特の薬草やハーブ、生姜や果実等を混ぜて作られています。バリザムを飲むと滋養強壮に良く効き、身体の内側から温まる効果を得られます。日本でいうと薬用養命酒に近い薬用酒です。
バリザムはロシアで古くから飲まれている伝統的な健康酒で、味はラズベリー等の甘味があり、そのままでも飲みやすいですし、炭酸で割って飲むのもおすすめです。
ウィスキー
今現在、ロシアではウィスキーの人気が急上昇しています。その理由は税金でウォッカの値段が倍近く上がった為で、これにより比較的低価格でアルコール度数も同じ位のウィスキーを飲む人が増えました。ロシア産のウィスキーもありますが味が好ましくないのか、ほとんどが輸入ウィスキーを愛飲しているそうで、日本産のウィスキーも大人気です。
カクテル
ロシアではお酒はストレートで飲むイメージですが、カクテルもまた好んで飲まれています。色々な種類のカクテルがありますが、定番ではロシアで作られたカクテルのバラライカです。
バラライカはロシアの民族楽器から名づけられた、ウォッカとホワイトキュラソーにレモンジュースで作られるカクテルで、ジュースで割っていますがアルコール度数は35度とかなり強めです。
その他には、ブランデーとオレンジジュースのオレンジハイやワイントニックといったカクテルもロシアの定番のカクテルです。ロシアではウォッカやテキーラを使った沢山の種類のカクテルがありますし、ワインやブランデーベースのカクテルも人気です。
ロシア人は飲酒頻度が少ない?お酒にかかわる事実は?
ロシア人は大酒飲みで、毎日のように深酒をして酔っぱらっていたり、アルコール度数の低いものは好まないといったイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか?ロシアのお酒に関する事実をこれから解説します。
飲酒出来る年齢は?
ロシアの飲酒に関する法律ですが、飲酒出来る年齢は21歳からと日本より1年遅いです。以前は18歳から飲む事ができたのですが、社会事情を鑑みて法律が改正されています。更にお酒の販売に関する法律も日本よりも厳しく、販売時間帯が定められています。お酒の販売時間はAM8:00~PM11:00で、この時間内に購入しなければいけません。
飲酒運転はロシアでも当然違法行為で禁止です。日本と違うのは、車の所有者ではないドライバーが飲酒運転して捕まっても、車の持ち主も罰せられます。ロシアはお酒に関して法律は緩いかと思われますが、日本よりも飲める年齢も遅く手に入れる方法も厳しいです。
飲酒の頻度
ロシア全体での飲酒の頻度は日本より多いですが、ロシア人のほとんどが毎日飲んでいる訳ではありません。日本と同じように毎日飲む人もいれば、お酒をほとんど飲まない人や、イベントの時だけ飲む人など様々です。飲酒の頻度が多いロシア人ですが無茶な飲み方はせず、冬は健康の為にお酒を飲んでいます。
お酒の年間消費量
ロシアの一人当たりの年間消費量は13.8リットルですが、その量は年々減少しています。その理由はアルコール中毒やお酒が原因の病気や怪我が多く、国全体がお酒を減らす取り組みをした結果です。それでも日本の年間消費量は6.86リットルですので倍近く多い量を消費しています。
伝統的なお酒のマナー
伝統的なロシア独特のお酒のマナーとして覚えておきたいのが乾杯の仕方です。リュムカという小さいグラスにウォッカを50gから100g注いで、乾杯の音頭の後に一気に飲みます。乾杯の掛け声はザ スタローヴィエ(健康の為に)やウラー(万歳)が定番の掛け声で、ウォッカの時はブ―ジェム(生きていこう)と言う時もあります。
パーティーで強いお酒を飲む時は、乾杯の言葉の後に飲むと決まっています。日本は宴の始めの1回の乾杯で宴が開始されますが、ロシアではパーティーに出席している人全員が乾杯の挨拶をしますので、何回も乾杯をします。乾杯の音頭が多い分、相手と会話をしながら飲めるので楽しく過ごせます。
次の乾杯を待たずにお酒を飲むのはルール違反となるので注意が必要です。また病気等の飲めない事情が無い限り、お酒が弱い方も極わずかの量でいいので口にしましょう。乾杯はパーティの主催者や乾杯の音頭をとった人へ敬意を表す行為なので、乾杯後に飲まないでテーブルにグラスを戻すのは失礼とされています。
ロシアのお酒に関するジョーク
昔からよく飲むロシアには、お酒にまつわるジョークが沢山あります。思わず笑ってしまうユニークなものやことわざのようなジョークもありますのでいくつか紹介します。
酔っぱらうとは?
子供が親に「酔っぱらうとどういう風になるのか」と質問したら、親から「テーブルにある2つのグラスが4つに見えるのが酔っているということよ」と答えます。しかし、子供から「テーブルの上にあるグラスは1つだよ」と言われ、質問時には既に親は酔っぱらっていたというジョークです。
ロシアでお酒の消費量の一番少ない月は?
ロシアでお酒の消費量の少ない月は?と聞かれた人が2月と即答しました。なぜ2月と即答したかというと”2月は日数が少ないから”という単純な理由だからですが、これはロシア人が毎日飲んでいるという根底から生まれたロシアらしいジョークです。
ウォッカの語の意味
ロシア語でウォッカの語の意味は、ウォットは水、ッカは可愛いものに付ける助詞です。助詞というのは○○ちゃんのちゃんと同じですので、つまりウォッカは”可愛い水”ということになります。アルコール度数が40度を超える強いウォッカが可愛いとは驚きです。
飲めば飲むほど美しくなる
世の中にはブスはいない。いたとしたらウォッカを飲み足りていないだけ。というジョークがあります。ウォッカを飲んで酔っ払えば、誰でも美男美女に見えるということです。良い男、良い女がいないと思った時はウォッカが飲み足りてない証拠で、もっと酔っぱらえば楽しくなるというジョークです。
水よりお酒の方が体に良い
ロシアでは「ワインは知恵になる。ビールは力になる。そして水はバイキンになる。」というジョークがあります。これはお酒を飲む口実に言われたもので、水よりお酒の消費量が多いロシアらしいジョークです。
ウォッカ何本?
酔っぱらいの亭主に腹を立てた奥様が怒り、「私かウォッカかどっちを取るか決めて」と詰め寄ると、亭主は「その場合ウォッカは何本なの?」と聞き返したといいます。本数によってはウォッカを選んでいたのかというブラックジョークです。
ロシア人は様々な種類のお酒が好き!
ロシアは冬になるととても寒くなるので、寒さをしのぐ為に強いお酒を飲む機会が多い事がわかりました。今ではウォッカだけでなくビールやワインやブランデーなど様々な種類のお酒を飲んでいます。お酒との関わりが深いロシアならではのお酒に関するジョークがあったりと、お酒が生活に欠かせないものだったことが解ります。
ロシアでは伝統的なお酒のマナーがあり、乾杯の仕方も日本と違いますが、どれもお酒を楽しんで飲める作法です。マナーを覚えて、ロシアの人と楽しく飲みましょう。