パンオルヴァンは歴史が古い伝統的なパン!家で作れる簡単レシピも

パンオルヴァンは酵母ができる前からあったとされる非常に歴史が古い伝統的なパンです。特徴的な見た目をしているわけではありませんが、食べてみると歴史の古いパンならではの独特な味わいや食感が楽しめます。伝統的なパンであるパンオルヴァンはパン屋で買うだけでなく、家でも簡単に作ることができます。今回はそんなパンオルヴァンについてどういったパンであるのかということから家でも簡単に作れるレシピ、さらにその独特な味にあったおすすめの食べ方を紹介します。

パンオルヴァンは歴史が古い伝統的なパン!家で作れる簡単レシピものイメージ

目次

  1. 1パンオルヴァンとは?
  2. 2パンオルヴァンの簡単レシピ
  3. 3パンオルヴァンの食べ方
  4. 4パンオルヴァンは旨味たっぷりのパン!

パンオルヴァンとは?

カレーパンやメロンパン、焼きそばパンといった日本のパンは特徴のあるパンばかりです。また、ベーグルやナンなどの海外発祥のパンでもわかりやすいものが多くあります。ですが、フランスパンは日本人からすれば、バゲットやバタール、ブールなど似たようなものばかりで、区別がつきにくいのではないでしょうか?

パンオルヴァンもフランスパンの種類の1つです。他のパンとの区別するという以前にパンオルヴァンというパン自体を知らないという方もいると思います。なので今回はパンオルヴァンとはどうのようなパンなのかを紹介していきます。

フランスの歴史あるパン

パンを作るのに普通はイーストや酵母を使用します。ですが、このパンオルヴァンは酵母が発見される前からあったという非常に歴史が古いパンです。フランスのパン作りの主流であり、小麦からおこしたルヴァン種というパン種を使用して作られます。

パン酵母が普及する前は穀物や果物に付着している微生物を種継によって増やし、パン生地の膨張源として使用していました。現在では微量のイーストの添加は許されているそうですが、パンオルヴァンは今でも酵母づくりから入る歴史の長いパン作りのレシピを受け継いでいる伝統的なフランスパンです。

名前の意味

パン・オ・ルヴァンのルヴァンはフランス語で「発酵させた小麦粉の生地」のことです。また、イーストは使わずに、果物や穀物についている酵母で起こしたパン種である自家製培養酵母のことを指します。このルヴァン種というパン種を使って作ったパンをパンオルヴァンと呼びます。

職人の間で受け継がれるルヴァン種

ルヴァン種は何度か種継することによってパン生地を発酵させます。そのため、ルヴァン種は教える人ごとに全く違った作り方や育て方をするそうです。ルヴァン種の育て方のノウハウは、イーストでのパン作りが主流となった今でもパン職人の間で受け継がれています

なので、ルヴァン種は何人ものパン職人が受け継いでまた次の世代へと受け継ぐ大切なものだといえます。何度も受け継いで作っていくため、非常に時間はかかりますが、長く継いでいくパン作りには向いているパン種です。そんなルヴァン種を扱うことで、より製パンへの理解度は高まるとされています。

長時間発酵による熟成された旨味

このパンは発酵種由来の微生物とその発酵物が多く用いられるため、生地の発酵力が弱くなっています。生地自体の発酵力が弱いため、パンの発酵にとても長い時間が必要です。そのため、通常のパンなどに比べると重たいパンが完成します。ですがその分、独特な硬め噛み応えや酸味が楽しめる味わい深いパンになります。

長時間発酵ならではの熟成された旨味やライ麦と長時間発酵ならではの独特な酸味、しっかりとした噛み応えの特徴が強く感じられるため、燻製のウインナーや香りの強いチーズにも負けない味で相性が大変よくなっています。

パンオルヴァンの簡単レシピ

歴史が長く、ルヴァン種という自然由来の微生物の力を使って作るため一見、作るのが難しいそうに感じるかもしれません。ですが、家で簡単に作ることができるレシピがあります。ルヴァン種は受け継がれているものだと紹介しましたが、オリジナルのパンオルヴァンをルヴァン種から作ることができます。

では、一体どのようにしてルヴァン種を作ればいいのでしょうか?さっそくルヴァン種のレシピからパンオルヴァンのレシピまで簡単なものを見ていきましょう。

ルヴァン種の作り方

  • A レーズン 100g
  • A 湯冷まし 300cc
  • A 蜂蜜または砂糖 小さじ1
  • 全粒粉 50g
  • 強力粉 50g
  • ぶどう発酵液 100cc
  • 蜂蜜または砂糖 5g
 
  1. 煮沸消毒した瓶に、材料Aのレーズン・湯冷まし・蜂蜜を入れて蓋をして、直射日光の当たらない25度前後の場所へ置いて発酵させます。
  2. 1日2回混ぜるようにしてください。だんだんレーズンが浮いて泡が立ち、お酒のようなにおいがしてきます。
  3. 約1週間でぶどう発酵液が完成します。レーズンを入れたまま冷蔵庫で約1か月保存が可能となります。
  4. 作った酵母液50gに全粒粉を加え、よく混ぜて種起こしをします。2倍ほどになったらさらに発酵力を高めるために水50gと強力粉を加えてよく混ぜ、再び種起こしをします。
  5. 2倍ほどになったら発酵種の完成です。

酵母液から作るため時間はかかりますが、しっかりと発酵する発酵種のレシピです。材料も入手が大変なものなどは特になく、スーパーで売っているものだけで作ることができます。1度発酵液を作っておけば、1か月ほどもつので色々なパン作りに利用可能です。

パン生地材料と作り方

  • A 強力粉 150g
  • A 砂糖 大さじ1
  • A 塩 小さじ1
  • 水 75cc
  • 発酵種(上記のレシピのもの)
  • (B くるみ 50g)
  • (B クランベリー25g)
  • (B オレンジピール 25g)
 
  1. ボウルに発酵種をちぎりながら加え、Aの粉類と混ぜていきます。
  2. そこに少しずつ水を加え、捏ねていきます。ひとつにまとまったら台に取り出して弾力が出るまで10分ほど捏ねます。
  3. サラダ油を塗ったボウルに、丸めたとじ目を下にしてラップをかけ、1次発酵させます。
  4. 2倍ほどの大きさになったら、ガス抜きをしてベンチタイムを20分取ります。
  5. ここでアレンジとしてBの材料を加える場合は、生地を平らに伸ばしBをのせて包むようにして混ぜます。よく混ざり弾力が出るまで捏ねましょう。
  6. 発酵カゴかザルに強力粉を振り、生地を平たくしてとじ目を上にしてのせます。
  7. 乾かないようにビニール袋などに包んで2次発酵させていきます。
  8. 2倍ほどの大きさになったら、オーブンシートを敷いた天板にカゴをひっくり返します。包丁でくーぷ(切れ目)を入れ、霧吹きで水をかけます。
  9. 250度に予熱したオーブンに5分入れ、230度に下げて10分焼き、さらに210度に下げてから10分焼いたら完成です。

じっくりと時間をかけて発酵させるのでかなり時間はかかるものの、その分しっかりとした歯ごたえのある味わい深いパンが作れるレシピです。本来のパンオルヴァンはライ麦粉を加えますが、強力粉のみでもしっかりと風味豊かになります。くるみやドライフルーツを加えた場合、焼き立てはオレンジピールのいい香りがします。

ルヴァン種は購入すると簡単

ルヴァン種の作り方を紹介しましたが、そこまで手間や時間をかけられないという方も多いと思います。そんな時におすすめなのが、市販されているルヴァン種を購入することです。ルヴァン種はイーストと同様に購入することが可能です。

ルヴァン種を購入すると簡単に製パンに取り組むことができます。なので、酵母作りにまではなかなか手が出せないときには粉末簡易ルヴァン種を購入してパン作りをしましょう。市販のルヴァン種を使用した場合でも基本のパンの作り方に変わりはありません。ちなみにルヴァン種は専門店でなく、ネットでも購入できます。

パンオルヴァンの食べ方

長時間発酵ならではのしっかりとした歯ごたえや独特の酸味、風味豊かなコク深い味わいのパンオルヴァンはそのまま食べても楽しめます。ですが、そのまま食べる以外には一体どんな食べ方ができるでしょうか?独特の魅力が多いパンなので、色々と美味しい食べ方を試したいものです。美味しく食べるのにぴったりなものをさっそく見ていきましょう。

プロシュートと一緒に

プロシュートとはイタリア産またはイタリア式の燻製しないお肉の風味と柔らかさが魅力の生ハムのことを指します。お酒との相性が良く、よくワインのおつまみとして見かけられます。その塩味や食感は風味の強いパンオルヴァンともぴったりです。

ただプロシュートだけをパンに乗せたりトマトやチーズ、バジルなどと一緒にサンドイッチのようにして食べるのがおすすめの食べ方です。

ハード系のチーズと一緒に

硬めな食感や酸味、しっかりとした風味はラクレットやチェダーなどの香りの強いくせのあるようなハード系のチーズとも相性がよく、おすすめの食べ方の1つです。パンとチーズを一緒に噛みしめることでよりいっそう美味しく感じることができます。また、パンを作る際にクルミやナッツを練りこんで焼き上げるのもおすすめです。

パン屋で売っているものには生地にハード系のチーズとクルミやナッツ、ドライフルーツが練りこまれているものも多くあります。また、ハード系のチーズだけでなく青カビタイプのチーズとも相性が良いので、パンに塗ったり、乗せて食べるのもおすすめの食べ方の1つです。

発酵バターをたっぷり染み込ませる

発酵バターは名前の通り発酵させているので通常のバターよりもコクが深まり、特有の風味が増すのが特徴です。その独特な風味がパンオルヴァンの酸味と風味にばっちり合い、さらにすだち(気泡のあと)が大きいためバターの風味をダイレクトに感じることができます。

発酵バター自体の味を楽しむのにはシンプルなすだちの大きいパンがおすすめです。ですが、酸味や風味の強いパンを合わせることで、パンとバターを合わせて生まれるときめくような美味しさを醸し出すことができます

パンオルヴァンは旨味たっぷりのパン!

酵母が発見される前からあったという非常に長い歴史を持つパンオルヴァンは、果物や穀物の微生物を使った酵母で長時間発酵をさせて作るパンです。パン種であるルヴァン種は長い間パン職人の間で受け継がれており、パン職人の手間や努力、パンへの愛情が詰まっています。

しっかりとした噛み応えや独特の酸味、コク深い風味があり、癖の強いハードタイプのチーズや香り高いプロシュートなどとよく合います。さらに、家でも簡単にルヴァン種から手作りできることも紹介しました。ぜひ、歴史の長い特有の魅力があるパンオルヴァンを作ってみてはいかがでしょうか?

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