2019年06月18日公開
2024年09月19日更新
かしみん焼きは大阪岸和田の名物料理!名前の由来やレシピを紹介
かしみん焼きは大阪岸和田の名物料理です。名前も聞いた事が無い方も多いと思いますが、だんじり祭りで有名な岸和田で愛され続けている地元グルメが、かしみん焼きです。大阪名物であるお好み焼きには沢山の種類があり、かしみん焼きもその一つです。かしみん焼きという名前の由来やどのような食べ物なのか、またレシピも定番からアレンジしたものまで紹介します。そして、大阪にあるお好み焼きの種類も個別に紹介していきます。
かしみん焼きは大阪岸和田発祥の名物グルメ
大阪の食文化といえば、たこ焼きやお好み焼きの粉ものを連想します。かしみん焼きは、だんじりで有名な大阪岸和田で生まれた地元料理です。見た目は、薄いお好み焼きのような形をしています。同じ大阪発祥の粉ものグルメでも作り方や由来もそれぞれ違います。これからかしみん焼きについて紹介します。
かしみん焼きの由来と特徴
聞きなれない大阪のかしみん焼きは、どのような形をしていて具材は何を使用しているのか等想像がつきにくいです。しかし、発祥の地である大阪岸和田で昔から愛され続けた地元グルメです。これから、かしみん焼きの名前の由来や栄養とカロリー等を解説します。
名前の由来
かしみん焼きの使われている具材は、キャベツの上に鶏肉と牛脂のミンチを使用しています。当初、鶏肉と牛脂のミンチは個々に作られていました。しかし、そのうち鶏肉と牛脂を一緒にしてほしいと要望が有り混ぜて作ってみたら美味しく、そこから地元グルメになるまで愛されてきました。
大阪では、鶏肉を「かしわ」と言い、牛脂の「ミンチ」と両方の文字を足してかしみん焼きと言うようになりました。かしわを使ったお好み焼きはありますが、牛脂と一緒に使用しているのは岸和田だけです。
特徴
かしみん焼きは、水で溶いた小麦粉をクレープのように薄く丸く焼きます。その上に千切りにしたキャベツを乗せ、鶏肉と牛脂を乗せて最後にまた水で溶いた小麦粉をかけてひっくり返して焼きます。牛脂は火を通すと溶けるので、一緒に焼いている鶏肉のパサツキを抑え、ジューシーにします。また牛脂の甘い脂がコクをだし美味しくします。
大阪名物のお好み焼きは、水で溶いた小麦粉に出汁や具材をいれて混ぜて焼きます。具材がたっぷりなので分厚いですが、かしみん焼きは薄いですし作り方も全く違います。
栄養価とカロリー
出典: https://susu.mu
かしみん焼き1枚(2人分)のカロリーは約530kcalで、お好み焼き1人前も約550kcalですので、同じ位のカロリーです。かしみん焼きは牛脂を使っているので、お好み焼きより薄いけれど同じ位のカロリーになります。しかし高カロリーかと思いますが、キャベツや肉等具材がメインなので高カロリーではありません。
鶏肉を使用しているので、豊富なたんぱく質とビタミンを摂取する事ができます。たんぱく質は、筋肉や爪、髪の毛まで体を作るのに必須栄養素です。また鶏肉には、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸のバランスが良く含まれていて悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。
たんぱく質を構成する必須アミノ酸の中には体内で作り出せない物もあります。その必須アミノ酸が鶏肉に含まれています。また豊富なビタミン類はアミノ酸を活動サポートする作用があります。その他もキャベツには食物繊維が含まれています。牛脂はほぼ脂質です。
鶏肉を「かしわ」と言う理由
かしわと呼ばれる由来は、675年国教が仏教になりました。その際に動物を食べることを禁止されましたが民衆は肉を食べる事は続けていました。ですので肉の取引がばれないように隠語を使ったそうです。
当時食べられていた日本の地鶏は羽が黄色く、柏が紅葉し色づいた黄色とよく似ていたのでかしわと言われていました。現在でも岸和田地区には根づいており、かしわと呼ばれています。他でいうと、猪の肉を使用した鍋をぼたん鍋というのは猪の肉の色が牡丹の綺麗な花の色と似ていたので猪の肉をぼたんと言われていました。
かしみん焼きのレシピ
かしみん焼きは、お酒のおつまみやお家でランチにぴったりの食べ物です。材料もお家にあるもので作れて簡単です。大阪岸和田のローカルフードを家で手軽に作れるようにレシピを紹介します。また、かしみん焼きをアレンジしたレシピも一緒に紹介します。
かしみん焼き
- 小麦粉50g
- 水100cc
- 鶏肉30g
- 牛脂少々
- キャベツ1/10
- 紅ショウガ(お好みの量)
- 粉かつお(お好みの量)
- 天かす(お好みの量)
- 半分の量の水で溶いた小麦粉をクレープのように薄く焼きます。
- その上にかつお粉末をかけ、キャベツと天かすと紅ショウガを入れます。
- 小さくかっとした鶏肉と牛脂を入れます。
- その上に残りの水で溶いた小麦粉をかけてひっくり返します。
- 火が通ったら、ソース、かつおぶし、青のり又は小葱をかけて出来上がりです。
かしみん焼きの基本レシピです。最初にクレープのような生地を作るところは、広島のお好み焼きと似ています。その上に具材を乗せてから水で溶いた小麦粉をかけてひっくり返します。ここでポイントなのが、端をしっかり押さえて具材に火が通るまで蒸し焼きにすることです。
それにより鶏肉と牛脂が絡み合い、コクのある出汁が全体に周り美味しさが倍増します。キャベツは火が通るとカサが減るので沢山入れましょう。鶏肉は大きいと火が通りにくいので小さく切ることをおすすめします。
トマトかしみん焼き
- 小麦粉またはお好み焼き粉100g
- 水300cc
- 卵1個
- 鶏肉こま切れ(240g)
- 牛脂(ミンチ状に刻む)
- ミニトマト12個
- ピザ用チーズ適量
- オリーブオイル
- 塩
- 粗引きコショウ
- トマトを半分にカットします。
- 小麦粉と卵と水を入れて生地を作ります。
- フライパンに油を敷き、クレープのように焼きます。
- 生地が焼けたら裏返したらトマト、鶏肉、牛脂、チーズを乗せます。
- 生地を最後に上からかけて返します。
- 火が通ったら、また返して少量のチーズとオリーブオイルと塩コショウで味付けして完成です。
このレシピは、イタリアン風かしみん焼きです。キャベツの代わりにトマトとチーズを入れています。チーズと牛脂が合わさって鶏肉をジューシーにしてくれます。トマトの酸味とオリーブオイルのコクが更に美味しくします。
このレシピのポイントはひっくり返したらヘラで全体を押さえて火を通すことです。ふっくらさせたいお好み焼きとは違い全体に旨味を付けながら火を通します。トマトとチーズでイタリアン風でワインとも相性が良いです。
かしみん風もやし焼き
- 小麦粉50g
- 水150cc
- 細もやし一袋
- 鶏挽肉60g
- 牛脂少量
- 青ネギ2本
- 天かす大匙2
- かつお節(お好みの量)
- ソース適量
- マヨネーズ適量
- 水で溶いた小麦粉をクレープのように薄く丸く焼きます。
- 縁が乾いてきたら、もやしと鶏挽肉と牛脂、天かすと青ネギを入れます。
- その上に生地をかけ、ひっくり返し、ヘラで押しながら焼きます。
- 火が通ったら、ソース・マヨネーズ・かつお節をかけて完成です。
このレシピはキャベツの代わりにもやしを使用したかしみん焼きです。キャベツは切るのが大変ですが、もやしなら手軽です。ポイントとなるのは、もやしは細もやしを使用する事です。太かったり豆が付いていると火が通りにくいので細いもやしを使用しましょう。
かしみん焼き以外の大阪のお好み焼きは?
関西グルメとして代表なグルメは、お好み焼きです。お好み焼きというのは1種類だけではないのを知っていますか?かしみん焼きもお好み焼きの1種です。大阪のお好み焼きという食文化がここまで発展しているのには理由があります。これから大阪のお好み焼きについて解説します。
お好み焼きは東京が発症?
お好み焼きと言ったら大阪や広島の代表する名物フードですが、お好み焼き発祥の地は東京です。お好み焼きはもんじゃ焼きを持ち運べるようにした、どんどん焼きとして東京に伝わります。そこから昭和6年頃には客が自分好みの具材で焼くようになり、お好み焼きと呼ばれるようになりました。
昭和12年頃に関西地区大阪に伝わると、庶民のおやつ代わりに食べられるようになります。庶民からとても愛され沢山のお店が出来ました。そして各店でお好み焼きに合うソースを開発して、現代のソースメーカーが誕生することになります。発祥の地は東京ですが、お好み焼きの食文化を発展させたのは大阪で本場の味となっています。
大阪のお好み焼きの種類
大阪にあるお好み焼きの種類は、かしみん焼きを除いて5種類あります。それぞれに名前がついています。その由来や、どのようなお好み焼きなのか紹介します。
とんぺい焼き
とんぺい焼きというのは、大阪の鉄板焼きのお店のメニューによくあります。発祥は、本とん平の店主がロシアの捕虜になった時に食べた料理からヒントを得て作られたと言われています。とんぺい焼きの名称は、豚肉を平たく焼いていることから名づけられました。
とんぺい焼きは、生地を小判のような形に広げ、そこに豚肉とソースと溶き卵をかけて焼いたものです。見た目はオムレツにソースがかかっているようです。
洋食焼き
洋食焼きは、大阪の最初のお好み焼きといえます。東京発祥のもんじゃ焼きを持ち運び出来るようにしたのがどんどん焼きで、それが関西に伝わります。当時ウスターソースを塗った食べ物を洋食と呼ばれていました。このどんどん焼きにウスターソースを塗ったものを洋食焼きと呼ばれました。
この洋食焼きは1枚1銭で販売されていたので1銭洋食と呼ばれていました。洋食焼きは水で溶いた小麦粉にキャベツや卵のほか、ねぎや天かすを混ぜて焼いたものがあり、店や時代によって様々な形や具材の洋食焼きがあります。
あんこ焼き
あんこ焼きは、お好み焼きのお菓子です。水で溶いた小麦粉をクレープのように薄く伸ばして焼きます。そこに餡を入れてくるっと巻いたものがあんこ焼きです。最近では、生地に白玉粉を入れてもちもちっとした食感にしたり、食前にシロップをかけて食べたりと、鉄板焼き屋のデザートとして親しまれています。
ねぎ焼き
ねぎ焼きもお好み焼きのルーツとなったものの1つです。ねぎよりも安価なキャベツに切り替えられたと言われています。ねぎ焼きは、キャベツの代わりに大量にねぎを入れて作ったものを言います。
ねぎ焼きの作り方は2種類あり、かしみん焼きのように水で溶いた小麦粉をクレープ状に焼いた上にねぎと他の具材を乗せ、また生地をかぶせてひっくり返して焼く方法と生地に混ぜて焼く混ぜ焼きの両方の作り方があります。
ちょぼ焼き
このちょぼ焼きはたこ焼きのルーツとなったお好み焼きです。ちょぼ焼きとは、タコ焼き機のように小さなくぼみに生地とこんにゃくやねぎや天かす等の具材を入れて焼いたものです。昭和初期のおやつの代表でした。このちょぼというのは、小さなくぼみをちょぼと言われたことから名付けられました。
大阪岸和田で本場のかしみん焼きを食べてみよう
お好み焼きには様々な種類があり、かしみん焼きもその一つです。かしみん焼きは大阪岸和田で昔からずっと愛され続けている地元グルメです。沢山の種類があるお好み焼きで、牛脂を使うのは岸和田だけですので是非本場で食べてみてください。