ワインのフルボディの意味とおすすめ銘柄!ミディアム・ライトボディも解説

ワインのフルボディの意味を知っていますか?他にもミディアムボディやライトボディという表現もあります。主に赤ワインに含まれるポリフェノールは、ワインの色素が濃厚なほどその含有量も多くなっています。フルボディのワインの原料となるブドウの品種やおすすめの銘柄を紹介します。また、より美味しく味わうための料理の種類なども紹介します。フルボディワインを知って、あなたもワイン通の仲間入りをしませんか?

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目次

  1. 1ワイン選びで重要なボディの意味を知る
  2. 2フルボディワインの意味と特徴
  3. 3フルボディのワインの濃厚さを生む要素
  4. 4フルボディワインのおすすめ銘柄
  5. 5フルボディワインの味わい方
  6. 6フルボディ以外の種類のワイン
  7. 7フルボディワインの奥深い味わいを愉しもう!

ワイン選びで重要なボディの意味を知る

ワイン選びで重要なボディの意味を知っていますか?ワイン通ならよく耳にするボディですが、一般の方にはなかなか馴染みの薄い言葉です。しかし、ワイン選びには欠かせないこのボディの意味を知って、たくさんの種類の中から、あなたの好みに合ったワイン選びに活用してみてください。

人に置き換えた表現が多い

ボディは直訳すると身体の意味ですが、昔からワインの味を男性的・女性的といった言葉でたとえることが多くありました。つまり、ワインの味を人にたとえて表現することが多かったようです。そこで、今でもそのままボディという言葉を使って、ワインの味や香りをあらわすようになっています。
 

重み・渋味・力強さを表す

ボディという言葉は、赤ワインの味や香りの濃厚さをあらわす際によく使われるのですが、フルボディの赤ワインは基本的に渋みが多く、重みがあり、力強い味といわれます。つまり、ボディは、味の重み・渋み・力強さを表す指標とされています。たくさんの種類の中でその違いを見つけてみてください。

タンニンとアルコール度数が重要

赤ワインには渋みのもとであるタンニンが多く含まれています。また、味の重みや力強さを表すアルコール度数が重要な指標にもなります。このタンニンとアルコール度数は、ワイン選びで重要なボディの違いがでやすい指標になります。味の重み・渋み・力強さを表すときにも、このタンニンとアルコール度数が重要です。

フルボディワインの意味と特徴

フルボディという言葉はワインの世界で使われる言葉です。フルボディとは、渋みが強く、味や香りが濃厚で、色も濃い赤ワインのことを指します。フルボディワインの意味と特徴をタンニンやアルコール度数、ポリフェノールの量などについて紹介します。
 

タンニンが力強い

フルボディワインは、コクがあり濃厚な味わいがあります。タンニンは、ブドウの皮や種子を熟成するときに含有量が変わります。タンニンが多いので、収れん性があり熟成に耐える強さがあるといわれています。タンニンが力強いフルボディは、濃厚で重量感があります。また、味の渋みが強いのも、タンニンが力強いからです。

アルコール度数が高い傾向

ワインの種類のよって、アルコール度数は若干違いますが、フルボディの特徴として、アルコール度数が高い傾向があります。しかしながら、アルコール度数が高いからといって、全てフルボディとは言えないようです。フルボディワインとアルコール度数との関係をまとめました。

アルコール度数が高い傾向

ワインの濃厚さやコクなどの味わいを左右する1つの要素がアルコール度数です。一般的に、ワインのアルコール度数は11~14度ですが、濃厚で重量感があるフルボディの場合は13%を超えるものが多く、アルコール度数は高めです。つまり、フルボディはアルコール度数が高い傾向にあります。

その理由は、ブドウの品種や完熟具合、熟成方法や期間によって、アルコール度数が変わります。フルボディの場合は、品種や熟成方法も多くの場合アルコール度数が高めになっています。
 

度数が高いもの全てがフルボディではない

しかし実際には、アルコール度数は、収穫したブドウの完熟具合や醸造方法、熟成方法によっても変わります。アルコール度数が低くても、ブドウの品種や種類によってボディをしっかり感じられるものもあります。つまり、アルコール度数が高いもの全てがフルボディではないということです。

味の重みや力強さ、渋みに影響するタンニンの量やポリフェノールの量がフルボディワインに大きく関係しますので、アルコール度数が低くても、しっかりとしたフルボディの味を出すワインもあります。

ポリフェノールの量が多い

ポリフェノールの量が多い赤ワインは、健康に良いとブームになったこともあります。ポリフェノールは、ブドウの果皮や種に多く含まれている成分で、体細胞の酸化や悪玉コレステロールを抑える働きがあるといわれています。一方、白ワインは、ブドウの果皮や種を取り除いて製造するので、ポリフェノールがほとんど含まれていません。

赤ワインの色が濃いほど、ポリフェノールが豊富に含まれています。つまり、フルボディは色素が濃いものが多く、ポリフェノールの量が多いのが特徴です。他の食品にも含まれるポリフェノールですが、さまざまな食品の種類のなかでも、フルボディのポリフェノールの量は多くなっています。

赤ワインだけの表現

赤ワイン

フルボディの特徴は、タンニンが力強く、アルコール度数が高めで、ポリフェノールの量が多くなっています。つまり、フルボディは、赤ワインだけの表現です。特にタンニンを多く含むブドウの品種を使った赤ワインほど、フルボディになります。

一方、白ブドウの品種で作った白ワインの場合は、甘口や辛口という表現をしますが、ボディという言葉は使われません。ボディという表現は、赤ワイン特有の表現ですので、知っておくとワインの世界が少しずつ広がるかもしれません。

フルボディのワインの濃厚さを生む要素

ここで、赤ワインだけの表現でもあるフルボディのワインの濃厚さを生む要素について、ブドウの品種や産地および気候、樽での熟成方法などについてまとめました。ただ美味しいと飲むだけでなく、原料のブドウがどこで生産され、どのように作られているかを知ることで、よりワインを身近に感じ、深く味わえます。

ブドウの品種

ブドウ畑

フルボディの濃厚さを生む要素として、ブドウの品種があります。最も有名なカベルネ・ソーヴィニヨンは、ポリフェノールを多く含み、カシスやブルーベリーのような力強い香りと、渋みが強くタンニンがしっかり感じられる黒ブドウです。

次に、濃厚でスパイシーなワインを生むブドウの品種として有名なシラーは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方を中心に栽培されている品種です。しっかりしたタンニンとスパイシーな香りが特徴で、どっしりした果実味と色合いが濃く、飲みごたえのあるフルボディを生み出しています。

他にも、南アフリカが原産地で独自に交配した品種のピノ・タージュは、ピノ・ノワールとサンソーを交配し、タンニンが力強く、スパイシーで洗練された果実味と濃厚な味わいが特徴です。

また、フランス南西地方のマディランの主な品種であるタナは、タンニンがとても豊富に含まれているので、この名前が付けられています。色も濃く、重厚感があり、濃厚なフルボディを作り出す注目の品種です。


 

産地や気候

どんなブドウの品種も、産地や気候など育て方によって風味が変わってきます。そのため、どんな気候や産地で育てるかが大きなポイントになります。とくにフルボディの場合、しっかり完熟したブドウを使う必要があるため、産地選びは大変重要です。ブドウを完熟させるためには、十分な日照時間と温暖な気候がなくてはなりません。

たとえば、フルボディの産地として有名なフランス・ボルドーは、日照時間が長く、比較的温暖な地域です。また、最近話題のチリワインが人気なのは、チリという国が、日照時間が長く、比較的暖かい気候の地域だからといわれています。

樽で熟成しボディの調整がされる

ワインの樽

ワインは木樽やステンレスタンクで熟成させてつくります。実は、この熟成の仕方で、味わいは大きく変わります。同じ木樽や同じ品種のブドウを使ったワインでも、同じものは作れないほど複雑ですが、一般的に、フルボディは樽で長期間熟成しボディの調整がされたものがほとんどです。

つまり、樽で長期間熟成させると、樽に使われている木の成分がゆっくりと移りだし、独特のコクや香りが生まれ、時間とともにしっかりした味わいになるからです。木の素材は、アメリカンオークとフレンチオークの2種類があります。同じオーク材でも、木の焼き入れ方で香りが変わります。

フルボディワインのおすすめ銘柄

世界各国で作られ、その濃厚な味と香り、ずっしりとした重みと渋みなどの特徴で好まれ、飲まれているフルボディワインのおすすめの銘柄を紹介します。
 

コルディエラ・カリニャン・レゼルヴァ・エスペシャル

まずコルディエラ・カリニャン・レゼルヴァ・エスペシャルを紹介します。スペインワインを牽引する名生産者、トーレスがチリで手掛けたフルボディです。ブドウの品種ごとに最適な土地を厳選して造られるコルディエラシリーズの1つです。コルディエラはスペイン語で山脈を意味し、アンデス山脈の近くで作られたものです。

このコルディエラ・カリニャンに使用されるカリニャンは、チリ最古のワイン生産地の一つ、マウレ・ヴァレーで生産されています。現在でもチリ最大の生産地として有名です。この生産地は、アンデス山脈側と太平洋側で気候に大きな差があり、また土壌にも恵まれているので、様々な品種のブドウが栽培されています。

マウレ・ヴァレーの自社畑で収穫されたブドウは、発酵後、1年間フレンチオークの木樽で熟成されます。熟成に使われるフレンチオークの樽は、3割が新樽で7割が2年目の樽を使用します。フレンチオークの樽で贅沢に熟成された薫り高いワンランク上の味わいを愉しむことができます。

マルケス・デ・リスカル ティント・レセルバ

次にマルケス・デ・リスカル ティント・レセルバを紹介します。このフルボディは、有名な芸術家「サルバドール・ダリ」が愛飲していたものとして大変有名です。木樽で長期熟成したフルボディとして、独特のバニラの香りが漂います。

また、ほどよいタンニンの渋みと飲んだ後に口に広がる長い余韻が魅力的で、味わいはとてもエレガントです。この一番の特長は、ボトルの外側にかけられている金色のネットで、とてもエレガントで合理的な姿をしています。

このネットは、ボトルの上までかけられているので、出荷したあとに中身を安物のワインとすりかえられないようにするために考えられたそうです。それだけ、特別で自信のあるフルボディです。

シャトー・モン・ペラ

次にシャトー・モン・ペラを紹介します。高価格のフルボディが多い中で、このボルドーワインは、とてもコストパフォーマンスが良いと評判のワインです。また、ワイン漫画『神の雫』でも取り上げられて話題になったシャトー・モン・ペラは、メルロー 8割、カベルネ・ソーヴィニョン1割などを使って作られた黒みがかったワインです。

完熟したフルーツやスパイスの香りがします。特に黒系果実のジャム、バニラ、カカオ、メントールの香りなど複雑に合わさっていますが、バランスよく飲み口はとてもなめらかでクリーミーで、クセのない味わいが特徴です。

マルケス・デ・リスカル リスカル・テンプラニーリョ

マルケス・デ・リスカル リスカル・テンプラニーリョは、バランスの取れたタンニンの味が、飲んだ後までしっかり感じることができる赤ワインです。世界的なコンクールグランプリの常連で、堂々とした迫力と風格のある、重厚感ある味わいが特徴です。フルボディの中でも、世界中の愛飲家にもぜひおすすめしたい奇跡のワインです。

キュヴェリエ

フルボディとしては珍しく、フローラルで爽やかな果実の風味が特徴のキュヴェリエは、ボルドー格付け第二級を持っているレオヴィル・ポワフェレが造っているものとして有名です。フローラルで爽やかな果実の風味が特徴で、肉料理だけでなく、魚料理や和食にもよく合います。

ワイン初心者の人やこれから勉強したい人が、入門のためとして飲むにはとてもおすすめの1本です。
 

ル・サンテミリオン・ド・フルール・カルディナル

ル・サンテミリオン・ド・フルール・カルディナルは、ボルドー・サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセのワインです。コーヒーや焙煎の香り、スミレ、リコリスなど華やかで生き生きとして複雑な香りと、パワフルな香りが広がります。味もパワフルで、レッドカラントやベリー系の果実の風味へ広がります。

肉料理の種類の中でも、ラム肉やアヒルのローストによく合います。飲み頃の温度18度ですので、決して冷やさないで常温で飲むようにしてください。

ウインズ・クナワラ・エステート シラーズ

ウィンズ・クナワラ・エステートは、オーストラリアにおいて最も広く飲まれているフルボディワインです。クナワラの国際的な評価は、地元特有のテラ・ロッサの土壌が関係しています。実際ウィンズ・クナワラ・エステートには地域最高樹齢のブドウの品種の木がいくつかあり、このエステートがクナワラの名前を広めたと知られています。

発売後すぐに飲んで楽しんだり、ワインセラーで3~5年間寝かせるのもおすすめです。ポリフェノールもたくさん含まれているので、ペッパーステーキ、赤身の肉によく合います。飲み頃の温度15~18度ですので、冷やし過ぎず常温でゆっくり飲むと、味の変化が楽しめます。

バローロ・ヴェッキア・ストーリア

バローロ・ヴェッキア・ストーリアを紹介します。ヴェッキア・ストーリアはピエモンテに拠点を置くワインの共同生産者組合です。イタリアワイン誌にも多数掲載され、国際コンクールを受賞する実力を持っています。また、高品質のワインを醸造し、生産だけでなく広報宣伝もすることで、ワインを飲むことを広めています。

そこで生産されているイタリアワインの王、バローロは、オークの大樽で3年熟成していますが、価格はリーズナブルで、正統派で古典的な風格ある味わいが特徴です。

 

フルボディワインの味わい方

ここで、フルボディワインの味わい方について紹介します。肉との相性を愉しむ方法や開封後の味の変化を愉しむ方法、最後に、冷やし過ぎないことも大切ですので、フルボディワインの味わい方を知って、ポリフェノールがたくさん含まれている赤ワインを美味しく飲んでみてください。

肉との相性を愉しむ

ビーフ

赤ワインは肉料理と一緒に飲むと相性がいいという話をよく耳にすると思います。実は肉料理の相性は抜群です。とくにフルボディは、ステーキやハンバーグのような肉料理を食べるときに飲むと最高に合います。

では、なぜフルボディの赤ワインと肉料理との相性が良いのでしょうか。これは、渋みの成分であるタンニンと関係があります。肉の脂が口に広がっているときに、タンニンがこの油っぽさを洗い流してくれます。赤ワインを飲むことで、濃い肉料理をさっぱりと味うあことができます。

また、タンニンは肉の旨味と甘みを引き出すことができます。タンニンの渋みが、肉の脂と旨味や甘みを中和することで、味のハーモニーを愉しむことができます。フルボディは渋くて苦手と感じている方は、ぜひ濃厚な肉料理と一緒に飲んでみてください。多くの肉の種類で試してみるのも楽しいです。
 

開封後の味の変化も愉しむ

フルボディはひと手間かけるだけで、その味や香りの変化を楽しむことができます。つまり、開封後の味の変化も愉しむことができます。ワインを空気に触れさせるために、デキャンタという専用の容器に注ぎます。

一般的に空気に触れさせると酸化するので、料理の味は落ちると考えられますが、ワインというお酒がおもしろいのは、空気に触れさせることで、短時間に熟成させ、その味や香りが大きく変わり、美味しくなるのです。あまりにも味や香りがまろやかになるのでデキャンタージュという楽しみ方が生まれました。

通の間では、ワインを開かせるという言葉で、開封後の味の変化も愉しむそうです。ポリフェノールがたくさん含まれているフルボディを、美味しい肉料理と一緒に、ゆっくりじっくりと味の変化を愉しむ贅沢な時間を作ってみてください。フルボディの多くの種類でチャレンジしてみてください。

冷やし過ぎない

白ワインは冷たく冷やして料理の前の食前酒として飲む方も多いようです。一方、肉料理に合わせる赤ワインは、あまり冷やし過ぎないように注意してください。冷やし過ぎると、せっかくの濃厚な味と香りが感じられず、フルボディの特徴をかき消してしまいます。長期保管もワインチラーで冷やし過ぎない温度設定にしてください。

フルボディ以外の種類のワイン

赤ワインを表すボディですが、フルボディ以外の2つの種類のワインについても紹介します。1つはミディアムボディと、もう1つはライトボディです。ボディの区別には色々な要素が関係するので、明確な区別があるわけではありません。自分の感じ方でワインを味わい、ボディの違いも個人差があってもおかしくありません。

ミディアムボディ

ミディアムボディは、フルボディとライトボディのちょうど中間にあたるワインです。いいかえると、ちょうど良い万人向け、中間的な味わいです。渋みや酸味、香りがほどよいバランスの赤ワインが多く、色々な種類の料理にも合わせやすく、タンニンも強すぎないので、初心者にも飲みやすいものです。

料理の種類も選びませんの、お試しで初めて飲む場合、ミディアムボディはおすすめです。

ライトボディ

ライトボディは、フルボディと全く反対で軽いワイ」と表現されます。その年の最初に採れる黒ブドウの種類を使ったフレッシュでフルーティーな味がライトボディです。タンニンやポリフェノールが少ないので、色が薄く、飲んだ時に渋みが少ないのが特徴です。

ライトボディは口当たりが軽く、飲みやすいので、ワイン初心者の入門としてぴったりのおすすめです。

フルボディワインの奥深い味わいを愉しもう!

世界中にある素晴らしいフルボディの味や香りをもとめて、世界の愛好家がブドウの品種や産地、熟成方法など、自分の好みを見つけこだわって愉しんでいます。フルボディと肉料理を一緒に食べることで、タンニンやポリフェノールの効果が深まり、ワインも肉もより旨味が広がります。

フルボディの奥深い味わいを知って、飲む方の好みや料理に合わせて見つけてみてください。きっと今まで以上にフルボディの奥深い味わいを愉しむことができます。健康にも良いとわれるポリフェノールをたくさん含んでいる多くの種類のフルボディワインを愉しんでみてください。

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