煮干しの栄養価がすごい!出汁にする使い方や保存方法も解説
煮干しの栄養価がすごい!ということで、たくさんの種類に及ぶ、煮干しの栄養成分とその健康効果を探ってみました。煮干しを使った出汁の取り方や、煮干し出汁のおすすめの使い方、あるいは煮干しの保存方法や保存期間などを、詳しく解説していきます。また、カタクチイワシ以外の煮干しについても、マイワシやウルメイワシ、アジ、トビウオなどの栄養成分や味などを調べて、併せて紹介していきます。
目次
煮干し(カタクチイワシ)の栄養価は高い!上手に使うには?
栄養価の高い煮干し(カタクチイワシ)を上手に使う!ことについて、この記事では詳しく解説していきます。煮干しの栄養成分は、種類も豊富なうえに、栄養価も高いものがそろっています。いま、注目を浴びているDHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸をはじめ、タンパク質やビタミン、ミネラルも豊富です。
そんな煮干しのうち、カタクチイワシを中心とした栄養成分や、それによる健康効果などを詳しく紹介します。また、煮干しを使った出汁の取り方や使い方、煮干しの保存方法や保存期間、あるいはカタクチイワシ以外の煮干しの栄養と味などについても、併せて紹介していきます。
煮干しの栄養と健康効果
青魚である、煮干し(カタクチイワシ)の栄養と健康効果について、話題のDHAやFPA、筋肉造りに不可欠なタンパク質、あるいはカルシウムやタウリン、マグネシウム、鉄分など、煮干し(カタクチイワシ)には、豊富な栄養成分が含まれています。それらの栄養成分が健康に果たす効能効果について、この章では詳しく解説していきます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
青魚である煮干しに豊富に含まれる栄養素DHA(ドコサヘキサエン酸)は、高度不飽和脂肪酸と呼ばれる、人の体内では生成できなくて、食べ物から摂取するしかない必須栄養素です。脳の活動や神経系の機能を高め、記憶力や学習能力の向上、あるいは認知症の予防に効果がある栄養成分と言われています。
また、生活習慣病の予防や改善にも役立つ栄養素となっています。乳幼児や子供ばかりでなく、成人や老人にとっても健康効果のある栄養成分です。
EPA(エイコサペンタエン酸)
青魚である煮干しに豊富に含まれている栄養素EPA(エイコサペンタエン酸)も、DHA同様に高度不飽和脂肪酸と呼ばれる、人の体内では合成できない必須栄養素です。血液をサラサラにする働きがあり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる働きもあって、生活習慣病の予防や改善という、健康効果に役立つ栄養成分となっています。
カルシウム
骨ごと食べることもできる煮干しに、豊富に含まれる栄養成分には、カルシウムがあります。周知のようにカルシウムは、人体に一番多く存在するミネラルで、丈夫な歯や骨を形成する栄養成分です。乳幼児や子供の成長には欠かせない栄養成分であり、骨粗しょう症の予防にも欠かせない栄養成分です。
人の体にある99%のカルシウムは、歯や骨に存在しますが、残りの1%は血液や筋肉、神経に存在します。この1%にも重要な働きがあって、筋肉や神経細胞の情報伝達、出血時の血液凝固などの健康効果がある栄養成分です。
タウリン
煮干し(カタクチイワシ)に豊富に含まれる栄養成分には、タウリンもあります。タウリンは水溶性で煮干しの出汁は、タウリンを逃がすことなく摂ることのできる絶好の方法でもあります。タウリンが不足してくると、肝機能が低下し、疲れやすくなったりします。
また、タウリンには血液中のコレステロールや中性脂肪を下げたり、血圧を正常に保ったり、肝臓の解毒能力の強化やアルコール障害に効果的であったり、視力の衰えを防ぎ新生児の脳や網膜の発育を補助するなどの、健康にたいする効能効果があります。
マグネシウム
煮干し(カタクチイワシ)に、豊富に含まれる栄養成分マグネシウムは、体内酵素の働きを活性化し、エネルギーの生成を補助する働きをする、必須ミネラルの栄養成分です。また、カルシウムとマグネシウムを一緒に摂取することで、カルシウムの吸収を高め、骨や歯を作る健康効果もある栄養素です。
カルシウムを摂る際の代表的な牛乳には、マグネシウムはほとんど含まれていません。マグネシウムを豊富に含む煮干しを同時に同時に摂ることがおすすめになります。
鉄分
煮干し(カタクチイワシ)に、豊富に含まれている栄養成分である鉄分は、血液中で酸素運搬の働きをします。脳や筋肉の働きを活発化させる働きとともに、細胞の老化原因でもある活性酸素を分解して、アンチエイジングの健康効果もある栄養成分です。
鉄分の不足は、倦怠感や爪の異常に現れます。運動機能や免疫力の低下や、集中力の低下によるイライラ感にもつながります。煮干しの鉄分は、これらの症状を防ぎ、健康効果を高めます。
まだまだある煮干しの栄養素
煮干し(カタクチイワシ)には、まだまだ栄養素があります。出汁の成分であるイノシン酸をはじめ、ビタミンではB2(肌の新陳代謝など)、D(カルシウムの吸収効果など)、B12(貧血予防など)などの豊富栄養成分があります。
ミネラルではカリウム(むくみ解消など)、セレン(老化防止や免疫力向上など)、ナイアシン(炎症防止やアンチエイジング効果など)、亜鉛(正常な味覚の維持や新陳代謝の促進など)、ペプチド(血圧の低下など)などの栄養成分が豊富です。
これらの、ビタミンやミネラルなどの栄養成分がもたらす、健康や美容などへの効能効果は数多く挙げられます。また、次章で詳しく述べるタンパク質も、それを豊富に含む煮干しによる、筋肉増強の健康効果が挙げられます。
煮干しが筋トレにおすすめな理由
煮干し(カタクチイワシ)には、重要な栄養成分タンパク質も豊富に含まれているのです。煮干し100g当たりで、67gになります。これは豚肉のタンパク質含有量20g前後(部位により異なります)と比較しても、ひじょうに豊富だと言えます。この煮干しの豊富な栄養成分タンパク質が、筋トレにおすすめな理由となります。
まず、筋肉のメカニズムについて解説しておきます。筋肉の「超回復」という言葉があります。筋肉は【筋肉を使う】→【筋肉が壊れる】→【筋肉を修復】というサイクルを繰り返すことで、太く大きくなります。このサイクルを指して、超回復と呼んでいるわけです。
このサイクルが完結するために、必要不可欠な栄養成分がタンパク質なのです。筋トレを終えて、筋肉を休ませている時に、タンパク質の補給をしてやることが重要です。タンパク質の補給なくして、筋肉の修復は成し遂げられません。
煮干しの栄養《種類別》
ここまでカタクチイワシを中心に、栄養成分や健康効果について、詳しく解説してきました。この章では、カタクチイワシ以外の煮干しについて、その栄養などを紹介していきます。「マイワシ」「ウルメイワシ」「アジ」「トビウオ」など、4種類別にして紹介します。
マイワシ(平子)
マイワシの煮干しは、平子干しとも呼ばれて、カタクチイワシと比較するとやや淡白な味わいになり、隠し味をつけるのに向いています。栄養成分は、カタクチイワシで示した栄養や栄養価と、ほとんど変わりません。
ウルメイワシ
出典: https://dashi.be
ウルメイワシの煮干しは、カタクチイワシやマイワシとイワシの三羽烏と言えますが、他のイワシと比べると、脂肪分が少なく、かすかな甘みがあって、汁物の出汁に向いています。栄養成分はカタクチイワシで示した栄養素や栄養価とほとんど同じです。
アジ
アジの煮干しは、イワシのような魚臭さや苦みもなく、品の良いかすかな甘みが特徴です。アジの栄養成分については、イワシ同様に、ビタミンやミネラルなど広い種類の栄養素を含んでいますが、全般的に栄養価はイワシと比べべると低めになります。
トビウオ(アゴ)
出典: https://dashi.be
トビウオの煮干しは、脂肪分が少なく、すっきりとした淡白な味わいと、上品な独特の甘みと旨みが特徴にです。煮干しとしては高級品の扱いになります。栄養成分としては、イワシ類と比較すると脂質は少なく、タンパク質が突出して多いのが目につきます。ビタミンやミネラルなどの栄養素も低めです。
煮干しを使った出汁のとり方と使い方
煮干しを使った出汁の取り方と使い方を紹介していきます。煮干しの出汁の取り方は二通りあります。水出し法と煮出し法です。水出しとは、水に煮干しを半日~一晩浸けて取る出汁になります。ここでは、煮出して取る出汁を紹介します。また、煮干し出汁で作る、おすすめの使い方も併せて紹介します。
煮干しの出汁のとり方
煮干しの出汁のとり方は、前述したように二通りあります。水出し法の方が雑味の少ない上品な出汁に仕上がります。けれども、ここでは時間をそれほどかけなくても済む、煮出し法で取る煮干し出汁を紹介していきます。
いずれの方法でも、基本的にはその日に使用する分量を作ることが望ましいです。保存期間としては3日が限度ですが、時間経過とともに風味は落ちてきます。
材料
- 煮干し10g
- 水500ml
用意するもの
- 鍋
- ボウル
- ザル
- ふきん
- アク取り
手順
- 煮干しの頭とはらわたは、雑味や苦みが出るので取り除きます。大きな煮干しの場合には、中骨に沿って煮干しを二枚に割って使用することをおすすめします。
- 鍋に水を煮干しを入れて、最低でも30分置いておきます。
- 火をつけて、沸騰してきたら弱火に変えて、アクを取りながら5分ほど煮ます。
- ザルにふきんを敷いて、ボウルの上に重ねます。鍋の出汁を静かにそそいで、濾した出汁を使用します。
煮干し出汁のおすすめの使い方
煮出し法で取った、煮干し出汁は水出し法よりも、煮干しの風味が強い出汁になります。そんな煮干し出汁のおすすめの使い方になる、栄養と旨味を摂れるレシピを紹介していきます。「煮干し出汁で油揚げとネギの味噌汁」と「カボチャの煮干し煮」の、二つになります。
煮干し出汁で油揚げとネギの味噌汁
- 煮干し出汁400cc
- 油揚げ1/2枚
- ネギ1本
- 乾燥ワカメ5g
- 味噌大さじ1
- ワカメは水で戻して、水気を切っておきます。油揚げは湯通しをして、短冊に切っておきます。ネギは1cm厚さの斜め切りにします。
- 鍋に煮干し出汁を入れて、油揚げを加えて煮立てます。煮立ったら火を弱め、ネギとワカメも加えて、ひと煮立させます。
- 火を止めて、味噌を溶き入れたら完成です。
煮干し出汁のおすすめな使い方のレシピ「煮干し出汁で油揚げとネギの味噌汁」です。煮干しの出汁の風味を、十分に味わうことができるレシピになります。栄養価の高い煮干しは、汁物やスープ物のように、丸ごと栄養成分を摂る料理をおすすめします。
カボチャの煮干し煮
- カボチャ(種とワタを除いて280g)1/4個
- 煮干し10g
- 水200cc
- 調味料(砂糖大さじ1・淡口醤油大さじ1/2・濃口醤油大さじ1/2)
- カボチャは所々皮を剥いて、大きめのざく切りにします。
- 鍋に水とカボチャ、煮干しを入れて、沸騰させます。沸騰したらフタをして弱火に変えて5分煮込みます。
- 調味料を加えて火を強め、ふたたび沸騰したら弱火に変えて、さらに3分煮込んで完成です。
煮干しのおすすめな使い方のレシピ「カボチャの煮干し煮」です。煮干しを一緒に煮込むことで、煮干しの出汁を取ることと、その栄養価の高い煮干しも食べることができる、一石二鳥のレシピになります。
煮干しの保存方法と保存期間
煮干しの保存方法と保存期間について、この章では詳しく解説していきます。煮干しは基本的に冷蔵保存や冷凍保存がおすすめです。冬場で、すぐに食べきるような場合には、常温保存も可能ですが、夏場など気温の高い時期には、虫が湧いたり、酸化したりする恐れがあります。
すぐに食べるなら常温保存OK
煮干しは下茹でした上に、天日に干して乾燥させてあるために、すぐさま腐敗するようなことはありません。したがって、すぐに食べるなら常温での保存も可能です。
ただし、これは夏場などのように気温や湿度が高い時期には、問題も出てきます。「すぐ」という言葉の解釈になりますが、2~3日と考えた方が無難になります。おすすめは、やはり冷蔵や冷凍による保存です。
冷蔵保存
乾燥させた煮干しという状態にある、カタクチイワシですがあくまでも魚であることに違いはありません。長期保存をする際には、傷みやすい煮干しの頭とはらわたを除いておくことをおすすめします。そうした上で、密閉容器に乾燥剤とともに入れて、冷蔵庫で保存することがベターになります。冷蔵保存した煮干しの保存期間は3ケ月です。
冷凍保存
長期間使わないとあらかじめ分かっているようなら、煮干しは冷蔵保存の場合と同じく頭をはらわたを除いて、フリーザバッグなどに入れて、冷凍保存にかけることをおすすめします。特に、夏場や梅雨時を迎えている時にはおすすめです。冷凍保存した煮干しの保存期間は、6か月が目安になります。
煮干しはそのまま食べても出汁にしても栄養満点
栄養価の高い煮干しについて、中でもカタクチイワシの煮干しについてを中心に、ここまで詳しく解説してきました。煮干しの栄養成分とその健康効果や、煮干しを使った出汁の取り方とその使い方、煮干しの保存方法とその保存期間、あるいはカタクチイワシ以外の煮干しの栄養素と味などにわたって、さまざまな煮干しを紹介してきました。
これらの記事を参考にして、煮干しはそのまま食べても出汁にしても栄養満点!で、言うことなしの食材です。