2019年04月20日公開
2024年09月12日更新
京菜とは?水菜と違う?京菜の4つの種類と食べ方・レシピを解説
京菜という野菜を知っていますか?水菜とどこが違うのでしょうか?今回は京菜の種類や旬を調べました。漬け物にするとおいしい京菜の墓の食べ方はどんなものがあるでしょうか?京菜には、4つの種類があって、それぞれ水菜、広島菜、壬生菜、熊本京菜と言います。新鮮な京菜の選び方についても紹介します。さらに京菜を使った料理のレシピもいくつか書いています。京菜の楽しみ方について調査しましたのでぜひチェックしてみましょう!
京菜とは?水菜とは違う?
京菜と聞いて伝統的な賀茂茄子などを思い浮かべる人もいるでしょうが、それもその一つです。そもそも「京菜って何?」という事なのでしょうけれど、これはごく一般的に知られている「水菜」のことをいいます。
京菜という呼び方になった由来は、原種のとなる水菜が京都で作られていたからだそうです。
普通は京菜と水菜は同じものという認識ですが、京菜と水菜が区別される事があります。「茎広京菜(クキビロキョウナ)」という種類の水菜ですが、どちらも同じものです。
その水菜の特徴は、ほうれん草などのように一つの株になっているところです。
京菜の4つの種類
「漬け菜」という日本での栽培歴が古い野菜があります。小松菜や野沢菜など含まれる漬け菜とは、一般的に漬物などに使う青菜のことを言います。京菜は、京の伝統野菜の中の一つで、今では全国で栽培されている水菜や壬生菜のことを指すようになったということです。
さらに、水菜、壬生菜以外にも、他の地方でも独自の発展を遂げた漬け菜類で京菜と呼ばれるものがある。代表的なものは、広島の「広島菜」、熊本の「熊本京菜」があり、これらは各々の土地で京菜と呼ばれています。
水菜
水菜は、古くから京都で栽培されていた漬け菜です。東寺、九条あたりで、畝の間に水を入れて栽培したことからこの名が付けられたといわれています。緑の葉に深い切れ込みがあって、葉先は尖っていて、分岐性が非常に高く、1株の葉の数が600枚以上になることもあるそうです。
歯ざわりはシャキシャキしていて、アクが少なく淡白な味が特徴で、漬け物や鍋物に最適です。
広島菜
広島菜の別名は京菜または「平茎(ひらぐき)」とも呼ばれる。また、長野県の「野沢菜」、九州の「高菜」と共に日本3大漬け菜の1つとされている。江戸時代初期に、藩主の参勤交代に同行した安芸の住民が、京都の本願寺に参詣した際に「種子」を譲り受けた時、その種から芽が出たものだそうです。
特徴は、不結球の白菜で、幅広い葉と鮮やかな緑色です。主に漬け物に用いられています。
壬生菜
壬生菜は1800年頃に京都の壬生付近で発見された水菜の変種です。葉に切れ込みがなく、フチがへらのように丸いのが特徴です。そして、水菜にはない香りとほのかな辛味があり、漬け物や煮物や炒め物など用途は広く、カブの千枚漬けに塩漬けとなり添えられます。
現在でもほとんどが京阪神で栽培されていて、京都付近では秋に苗床に播種し、晩秋畑に定植して管理する。耐寒性が強く、旬は冬から春です。独特の香りと辛みが特徴で、霜に当たると品質が良くなるといわれています。
漬物用としてほとんどが利用され、京都府特産の千枚漬に青味としても利用されています。他にも、煮物や雑煮にも使われています。葉先の伸びたものが柔らかく、良品とされています。
熊本京菜
熊本京菜は古くは「肥後京菜」と呼ばれていて、葉が内側へ湾曲する小松菜の1種です。細川忠興公が熊本入城時に、京都からの種を熊本へ持ってきたといわれています。
耐寒性が強く、冬まきで2~3月に出荷されるので、冬野菜としても利用されてきました。
主に雑煮用に熊本市近郊で栽培され、正月には欠かせない青菜です。これは餅と餅がくっつかないように間に挟むためといわれています。さらに、野菜煮や油炒めなどにも利用されています。
京菜の産地と旬の時期
今や水耕栽培が主流となっていますが、本来の水菜の旬は冬です。寒さが厳しくなる頃、霜に当たると柔らかくなるそうです。京都では、水菜や壬生菜が店頭に並ぶ頃になると、冬本番といわれるほどです。広島菜、熊本京菜も同じく冬が旬です。
産地
京都が原産とされる水菜は、アブラナ科の野菜で寒さに強く、壬生菜と並ぶ京都の伝統野菜のひとつとされています。京都では平安時代から栽培されていました。近畿地方を中心とする地域で、古くから常用されてきた葉野菜であるが、近年では関西以外でも、関東地方以北など全国的に普及してきています。
平成22年の全国のミズナの生産量を農林水産省がまとめたものですが、最も沢山作っているのは茨城県で、次いで福岡県となっています。本家の京都は4番目になっています。
最近では、水菜をサラダとして食する人が増えて、この食べ方に適する関西系の品種が他の地域など、もともと馴染みのなかった地域にまで広く普及してきています。
旬の時期
地元では「水菜」と呼ばれるこの野菜は12月から3月にかけてが旬です。実際のところ、ハウス栽培などが進み、ほぼ通年市場にはあり一年中店頭に並んでいてます。
すっかり全国の食卓に定着して今では関西以外の地方でも沢山作られるようになりましたが、もともと京都では冬の到来を知らせる野菜として親しまれてきました。秋から寒さが厳しくなるにつれてやわらかくなり、さらに味わいが増して来て、どんどん美味しくなっていきます。
京菜の選び方と食べ方
それでは、京菜の選び方と食べ方を紹介します。京菜という名前では、近くのスーパーに売っていないかもしれませんが、水菜という名前なら見ることはよくあると思います。あるいは旬の冬には見かけたことがあるかもしれません。
水菜と京菜では、選び方のポイントはほとんど変わりません。スーパーで見かけたときにどこを見ればよいか調べました。
京菜の食べ方は後でレシピを紹介しますが、この項目では、京菜の選び方と、関西の名物であるハリハリ鍋の食べ方について書きたいと思います。
選び方
京菜は葉の先までピンとしていて、シャキッとハリがあるものを選ぶといいです。葉脈がくっきりしていることがフレッシュさの目印になります。葉の緑と茎の白さのコントラストがはっきりしているものを選ぶといいです。旬の12月から3月にはおいしそうな京菜が見つかります。
また、茎につやがあり、まっすぐ伸びていることも見るときのポイントになります。茎がしっかりしていて、全体に量感を感じる種類のものがおすすめです。
葉の色が淡い種類のものはサラダに、葉の色がやや濃い種類のものは鍋に向いているので、選び方は用途によって使い分けると良いでしょう。
美味しい食べ方
京菜は生でサラダでもおいしく食べられる種類の野菜です。みそ汁などの汁物の具にしても良いでしょう。似ても、炒めても美味しくいただけるので、用途が広い野菜と言えるでしょう。
中でも京菜を使ったレシピと言えば、ハリハリ鍋があげられます。ハリハリ鍋は関西名物の料理です。ハリハリとは京菜や水菜を食べるときの音に由来します。京菜の旬の冬の時期に食べるとおいしそうです。
もともとは、具材はクジラ肉と水菜だけのシンプルな料理でした。近年は、クジラ漁がなくなり、クジラ肉がとれなくなって台所から遠くなってしまいました。今では、豚肉やカモ肉で代用されているようです。
ハリハリ鍋の作り方は、まず昆布でダシをとった鍋に、たっぷり京菜を入れて肉を入れて煮立ったら出来上がりです。おいしくいただきましょう。油揚げ、ネギ、しいたけを加えてもおいしいです。ハリハリという食感を失わないように、火の通し過ぎに気をつけることが調理のポイントです。
京菜を使ったレシピ
上に書いた京菜の選び方で京菜を選んで買ってくると、次は調理の出番です。上ではハリハリ鍋の食べ方を紹介しましたが、京菜は他にもいろいろな料理に使用できます。
京菜のレシピの中でも、特におすすめなのが、漬け物です。漬け物は、種類と素材によって味が大きく変わります。京菜を始めてみたという人も多いと思いますが、そんな人にとって、京菜の漬け物は京菜の特徴がよく表れていて、よくわかる食べ方になると思います。
京菜の漬け物
- 京菜 1束
- 白だし 3/4カップ
- 酢 1/2カップ
- 鷹の爪 お好みで
- 京菜は束のままサッとゆでて、冷水で冷やして、水気を絞る。
- 調味料と鷹の爪合わせて、カットした水菜を漬ける。
とても簡単に、漬け物屋さんで買うような漬け物ができてしまいます。鷹の爪やごま油、しょうが、ゆず、山椒、七味唐辛子、ワサビ、シソなどで、いろいろ選び方をアレンジする漬け物を作っても楽しめます。
京菜の塩昆布和え
- 京菜 一束
- ごま油 大さじ1
- 塩昆布 ひとつまみ
- しょうゆ 少々
- 京菜を2cm幅ぐらいにカットする。
- さっと水洗いする。
- ざるに上げ、しっかり水切りする。
- ごま油、塩昆布、しょうゆをかけて、全体を混ぜ合わせる。10分ほど置く。
- お皿に盛りつけて完成。
京菜の塩昆布和えは、シンプルな味付けでおいしい一品です。京菜は自然食品のお店に用売っているので、探す時は自然食品のお店を探す選び方もいいでしょう。
シャキシャキみずみずしい京菜をさっと和えるだけで出来上がるので、初めて京菜を買ってみた際の、最初の料理としておすすめです。
きのこと京菜のサラダ
- しめじ 1/2パック
- えのきだけ 1/4袋
- しいたけ 4枚
- 京菜 1/4束
- 味の素 少々
- Aしょうゆ 大さじ1
- Aサラダ油 大さじ1
- A酢 大さじ1/2
- Aゆずのしぼり汁 小さじ1
- Aゆずの皮・千切り 少々
- しめじは小房に分ける。えのきだけは長さを半分に切る。しいたけは石づきをとり千切りにする。京菜は3~4cmの長さに切る。
- 1.のしめじ、えのきだけ、しいたけをサッとゆでて、キッチンペーパーで水気をしっかりとふき取る。
- ボウルに味の素、Aを混ぜ合わせ、ドレッシングを作る。
- 2.のしめじ、えのきだけ、しいたけを1.の京菜と合わせて、3.のドレッシングの一部と和える。
- 器に盛り、食べる直前に、残りの3.のドレッシングをかける。
きのこと京菜のサラダは、1人分のカロリーが76kcalとなっていて、ヘルシーな料理になっています。味を味の素が引き締めていて、うま味が出ています。京菜の旬の時期の12月から3月ごろに、新鮮な京菜を使ってつくるとおいしいです。
豚肉と水菜のポン酢炒め
- 豚肉しゃぶしゃぶ用 180g
- にんじん 1/2本
- 水菜 3束
- 味の素 適量
- ポン酢 適量
- 豚肉を焼き色がつくまで焼きます。豚肉の色が変わったらにんじんを加える。
- 水菜を山盛り入れます。味の素を適量振り入れます。
- 豚肉にポン酢をからめるように炒めます。水菜もしんなりして全体にからまったら出来上がり。
豚肉と水菜のポン酢炒めは、味付けは味の素と、ポン酢だけの簡単なおかずです。仕上げのポン酢を豚肉にからめるように炒めると冷めてもおいしく召し上がれます。夕食に鍋をした後に、豚肉があまった時に鍋の残りの水菜と一緒にポン酢で炒めたらよいと思いつくった、レシピだそうです。
鶏肉とキノコの雑炊水菜のせ
- 鶏肉 250g
- ごはん 200g
- 水菜 2束
- にんじん 1/2本
- きのこ(エリンギ) 1本
- 寄せ鍋のもと 1個
- 水 1カップ
- きのこを切り分ける。水菜を水洗いし、約4cmに切り分ける。にんじんを斜め切りにする。鶏肉を一口大に切る。
- 鍋に出汁を合わせ、沸かす。鶏肉、きのこ、にんじんを入れる。ふたをして15分ぐらい煮る。
- ごはんをいれる。ふたをして5分前後煮る。
- 水菜を加えてさっと蒸す。水菜が程よくしんなりしたら出来上がり。
鶏肉とキノコの雑炊水菜をのせは、鶏肉ときのこの具材を中心として、ほぼ茹であがった時に、最後に水菜を入れるのがポイントです。雑炊の種類の選び方のバリエーションとして、卵を落としたり、長ネギをたくさん入れたりすることもできます。
忙しい時や、軽く食べたい時などに、雑炊はぴったりです。寒い日に身体がポカポカ温まって幸せな気持ちになります。パパッと手軽に作れるので、是非作ってみてください。
伝統野菜の京菜を楽しもう!
ここまで、京菜の種類や食べ方や選び方について紹介してきました。始めは京菜って何?と思っていた人にもある程度のイメージがつかめたのではないでしょうか?
京菜と紛らわしくややこしい関係にある水菜も、元々は京野菜で京都近郊で食べられていたものが、全国に広がったものでした。同じように、京菜という名前もいつかブレイクして、ポピュラーになる日が来るかもしれません。旬の京菜の漬け物がブームになったりすると面白いです。
この記事が、みなさんがスーパーなどに京菜を見かけたときにああこれかと思うきっかけとなって、京菜を家庭の料理のレパートリーに加えてみましょう!