2019年04月11日公開
2024年09月11日更新
刺身の「つま」の意味!刺身につまが付く理由と大根以外のつまについて
刺身には必ず付き物なのがつまです。刺身のつまの意味を知っていますか?刺身のつまには、刺身を豪華に見せるための飾り効果だけでなく、殺菌や消化促進などの効果もあります。刺身のつまの意味や役割について紹介します。また、つまは大根だけではありません。つまと呼んでいるのはつま、けん、辛みの三種類の総称で、当然食べることもできます。刺身のつまが余ったときにのリメイクレシピとして無駄なくアレンジする方法も紹介します。
目次
刺身の「つま」について知りたい!
刺身には付き物であると言っても過言ではないのが刺身のつまです。メインなのは大根を細切りにしたものですが、つまは大根だけを指すものではありません。刺身のプレートに乗っているわさびや菊の花、人参や大根などを総称してつまと呼んでいます。それぞれつま、けん、辛みと呼ばれています。
刺身のつまがあるとないのとでは刺身の印象が全く異なり、刺身のつまがあると刺身が豪華に見えます。店で提供される刺身だけでなく、スーパーで販売されている刺身のパック詰めにもつまがついています。
刺身のつまは単なる飾りではありません。刺身のつまには重要な意味があるのです。刺身につまがつく理由を紹介します。また、大根以外のつまの種類や、刺身のつまが余った時のレシピも紹介します。
刺身の「つま」の意味と付く理由/役割
刺身を食べる時には気にすることが少ない脇役が刺身のつまです。刺身のつまは刺身をボリュームアップさせ豪華に見立てる効果や、大根の殺菌作用を用いて生ものである刺身を殺菌したり、刺身の水分を効率的に吸収する働きを持っています。
つまの意味は?語源と由来
刺身のつまには二つの語源があります。刺身のつまは通常「つま」とひらがなで書かれますが、漢字にすると「妻」と「褄」の二つがあります。「妻」は、夫と妻の意味があり、主となるものに添えるものという解釈があります。
もう一つの「褄」は、端を意味する言葉です。刺身の端に置かれるものがつまであると褄が語源になっている説があります。刺身のつまは普段意識しない脇役ですが、主役である刺身を輝かせるためには必要不可欠な大事な存在です。
見栄えアップ?
刺身のつまには刺身を豪華に見栄え良くする効果があります。刺身は高価なものですので少ない量でも値段が高い料理です。しかしつまを刺身の下に置くことで刺身をボリュームがあるように見せることができます。スーパーの刺身のパック詰めにも刺身のつまが利用されているのはこのためです。
刺身の盛り合わせなどのお皿に刺身をそのまま載せると高さがない、寂しい料理に見えてしまいます。刺身のつまを敷き詰めることで皿の上に高さを作る事ができ、より豪華に見せることができます。刺身のつまには刺身を目立たせる効果があるのです。
殺菌作用
もう一つの大事な刺身のつまの役割として殺菌作用があります。冷蔵や冷凍技術が発達している現代ではあまり考えにくいですが、冷蔵庫がなかった昔の日本で、生ものである刺身を守るために殺菌作用の強い大根を用いられました。
刺身本体の殺菌作用だけでなく、口の中の殺菌作用にも利用されます。刺身のあとにつまを食べることで口の中の殺菌をすることができるのです。また、刺身は生ものですので水分が発生します。放置するとベトベトになってしまいますが、その水分を効率よく吸収する働きも刺身のつまにはあります。
刺身の「つま」の種類は大根だけではない
一般的につまと呼んでいるのはつま、けん、辛みの三種類の総称で刺身のプレートに盛り合わせられる大根以外の野菜などすべての事を総称しています。刺身につけて食べるわさびも辛味に含まれます。かつては、つま、けん、辛みと三種類別々に呼ばれていました。つまには飾りだけでなく様々な役割や意味があります。
つま
一種類目はつまです。刺身には大根以外にいろいろな野菜などが添えられています。そのうちつまと呼ばれているものを紹介します。ビタミンやミネラルが豊富なわかめ、フコイダンを含むイギス、カリウムなど栄養成分を豊富に含むミョウガ、漢方薬にも使われる浜防風があります。
他にも、解毒作用や抗酸化作用がある大葉、抗がん作用や感染予防効果の人参、殺菌作用がある菊の花、そして胃もたれや消化吸収に良いとされる大根があります。
けん
二種類目はけんです。けんは、大根とみょうがと人参のことを指します。けんは立てて添えられるものを指します。つまは刺身の下に敷いていますが、刺身の横に立てて大根や人参を添えるとけんと呼ばれます。
けんは「剣」と書き、立てるという意味があります。立てて刺身の横に添えられることから、横づまとも呼ばれます。小さな器で刺身が提供されるときに良く利用されるつまです。
辛み
三種類目は辛みです。辛みは刺身に辛みを与えるものでわさびやしょうがが該当します。辛みのわさびには殺菌や抗菌作用があり、しょうがには、体を温めたり、免疫力向上の効果があります。辛みは刺身の美味しさを一層引き立てる効果があるとともに、生ものから体を守る効果も含まれています。
刺身の「つま」は食べるもの?
刺身のつまは食べるのがマナーでしょうか?刺身を引き立てる役割であるつまは必ず食べなければならないものではありません。しかし刺身のつまには飾りだけでなく様々な効能もあるため、食べるのがおすすめです。もちろん大量にある刺身のつまを全部食べなくても問題ありません。
消化促進のため
刺身のつまの中で一番を占めているのが大根です。大根には消化吸収をサポートする働きがあります。加えて胃もたれなどを防ぐジアスターゼという酵素も含まれています。刺身を食べる時には、他の料理も一緒に食べることが多いのですが、これらの食事の消化を促進させるため、積極的に食べるのがおすすめです。
口直しのため
刺身はいろいろな種類の魚が盛り合わせになっています。それぞれの魚には味に特徴があり、その味に舌鼓を打つのが刺身の楽しみ方の一つです。次の魚を食べる前につまを一口食べることで殺菌作用を口の中に及ぼします。口直しをすることで口の中がさっぱりし、次の魚を美味しく味わえます。
食べなくてもマナー違反ではない
刺身のつまは殺菌作用や消化促進の効果があるため、食べることをおすすめしますが、大量にある刺身のつまを全部食べるのは大変です。食べなくてもマナー違反ではありません。刺身のつまは刺身を豪華に見せる効果もあるため、必要量以上に盛られていることも少なくありません。もちろんシャキシャキな大根をたくさん食べるのもOKです。
刺身の「つま」のアレンジレシピ
つまは刺身の添え物としての役割を終えたあと、余った刺身のつまを上手にアレンジレシピに利用できます。大根の細切りを活かした美味しい刺身のつまのリメイクレシピを紹介します。
納豆と刺身のつまのご飯
- 刺身のつま1盛
- 納豆1パック
- 納豆のタレ1袋
- ご飯1杯
- 麺つゆ小さじ1杯
- ごま少々
- 刻み海苔少々
- つまを細かくカットし、納豆と納豆のタレと混ぜ合わせます。
- 熱いご飯を混ぜて、麺つゆをかけます。
- 5分程度放置します。
- 刻み海苔とごまを薬味としてかけて完成です。
ご飯は炊きたての熱いご飯を使うのがコツです。ご飯の熱でつまがしんなりして美味しくなります。納豆の味が引き立つ混ぜご飯です。刺身のつまとしての役割を終えた後のつまには刺身の美味しさがしみ込んでいるため、一層美味しい混ぜご飯になります。
ヘルシー大根餅
- つま(大根)1盛
- 小麦粉大さじ2杯
- 片栗粉大さじ1/2杯
- 塩少々
- 小葱少々
- 油少々
- めんつゆ大さじ1杯
- 豆板醤少々
- みりん少々
- つまをよく水洗いしボウルに入れます。
- つまに小麦粉、片栗粉、塩、小葱を入れて混ぜ合わせます。
- 水を大さじ1杯加え少し水っぽくしておきます。
- 食べやすい大きさに丸めておきます。
- フライパンに油を敷いて両面こんがり色がつくまで焼きます。
- 麺つゆ、豆板醤、みりんで甘辛ダレを作ります。
- 焼きあがった餅に甘辛ダレをつければ完成です。
刺身のつまが餅に大変身するリメイクレシピです。子供でも食べられる栄養満点、そしてヘルシーな大根つまの餅です。甘辛ダレの辛さは豆板醤の量で調整できます。焼きたての熱いうちに食べるのが一番美味しい食べ方です。
つまの一人鍋
- 残った刺身数切れ
- ツマ(大根)1盛
- 好みの野菜お好み
- 豆腐1/3丁
- ねぎ少々
- 醤油大さじ1/2杯
- しょうがチューブ小さじ1杯
- 水200cc
- ダシの素小さじ1杯
- 鍋に水を入れてダシの素を入れます。
- つま、残った刺身、周囲にカットした豆腐を入れ醤油をかけ、さらに上にねぎ、しょうがをのせます。
- 火にかけて強火で沸騰させます。沸騰したら中火に変えて3分から5分蓋をして煮込みます。
- お好みで薬味をかけて完成です。
刺身のつまと余った刺身を利用した簡単な鍋料理です。ご飯のおかずにもぴったりです。役割を終えたつまには魚のダシがしみ込んでいるため、調味料が少なくても美味しいのが特徴です。
刺身に「つま」がついている理由を知っておこう!
刺身には必ず付き物なのがつまです。つまと一言で呼んでいますが、つま、けん、辛みの総称です。つまは刺身をボリュームいっぱいに見せ、刺身を豪華に引き立てる役割だけでなく、殺菌や、消化促進などの効果も持っています。
普段、何気なく食べている刺身のつまにも奥深い理由や意味があるのです。刺身のつまの役割や意味を知ることでより美味しく刺身が食べられます。余ったつまは、リメイクレシピでさらに美味しい料理へ大変身させます。美味しい刺身と一緒につまも味わってみませんか?