2019年04月11日公開
2024年09月11日更新
ヘンプシードは健康/美容効果抜群のスーパーフード!どんな栄養がある?
ヘンプシードは最近日本でも注目され始めたスーパーフードのひとつです。ヘンプシードは欧米では古くからスーパーフードとして認知されていますが、ダイエット中の補助食品としても非常に効果的だというのです。ですが実際ヘンプシードにはどれだけの栄養が含まれていて、その効果効能にはどんなものがあるのでしょうか?またその効果効能に副作用は無いのでしょうか?ヘンプシードの持つ栄養とその効果効能を始め、副作用の有無やダイエット中のおすすめレシピまで紹介していきます。
目次
ヘンプシードは効能が凄いスーパーフード!
ヘンプシードは欧米では古くから知られたスーパーフードのひとつです。最近日本でも注目されるようになりましたが、実は日本でも古くから食べられてきたスーパーフードなのです。
ではヘンプシードがそこまで親しまれてきた理由とは何なのでしょうか?それはその効能の凄さにあるといいます。ヘンプシードの持つ栄養と、健康や美容、ダイエットへの効果効能を紹介していきます。
ヘンプシードについて
ヘンプシードと言われても、ピンと来ない人のほうが多いのではないでしょうか?シードというくらいだから何かの種?というくらいしかわからないことでしょう。このヘンプシードが何なのか、まずは基本的なことから紹介していきます。
何の実?
ヘンプシードは別名大麻草と呼ばれる麻の実です。大麻というと危険なものをイメージする人も多いでしょう。ですがこのヘンプシードは、人が栽培してきた最も古い穀物のひとつであり、1万年を超える付き合いがあるのです。日本でも米と並ぶ主要作物として、食用や油を絞るために古くから使われてきた歴史のある穀物なのです。
ヘンプシードは繊維種の種子のため、薬物性の指標となるテトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる、多幸感を引き起こす成分の含有量はわずか0.3%未満です。そのためヘンプシードを食べても薬物的副作用はありません。
味や香り
ヘンプシードはその小さな粒の中に、まるでくるみのような風味が詰まっていると表現されます。ナッツのように香ばしく、それでいてまろやかで、生のまま食べられるのも魅力のスーパーフードなのです。
そのためヘンプシードは、そのままさまざまな料理レシピに使うことができます。ふりかけのように使ったりお菓子に練りこんだりと、栄養を手軽に摂りやすいのもヘンプシードの人気の秘密といえるでしょう。
実は七味にも入っている
ヘンプシードが、昔から日本でも積極的に栽培されてきたことは、すでに紹介した通りです。穀物として代表的な「八穀」に数えられるヘンプシードは、身近な調味料である七味唐辛子にも入っているのです。七味唐辛子の中の比較的大きめな黒い粒こそがヘンプシードであり、今も私たちの身近にある穀物なのです。
ヘンプシードの栄養と効果効能【健康編】
ヘンプシードにはスーパーフードと呼ばれるにふさわしい、豊富な栄養と効果効能があります。そんなヘンプシードの持つ栄養とその効果効能を、まずは健康面から見ていってみましょう。
ビタミンB1で疲労回復
ヘンプシードにはビタミンB1が豊富に含まれています。このビタミンB1は水溶性ビタミンのひとつで、糖質をエネルギーに変える補酵素としての効果効能があるビタミンです。ビタミンB1には疲労物質である乳酸の発生を抑え、代謝する働きがあるのです。
糖質を代謝するということは、血液中の糖分を消費することを意味します。そのためビタミンB1は、糖尿病の予防にも効果が期待できるだけでなく、ダイエットにも欠かすことのできない栄養なのです。
さらにビタミンB1には、皮膚や粘膜の健康維持を助ける効果や、糖質をエネルギーとして働いている脳などの神経系の正常な働きを助ける効果もあります。
心臓や血管を健康に
ヘンプシードにはスーパーフードと呼ばれるにふさわしい、さまざまな栄養が含まれています。そんな栄養の中でも必須脂肪酸の含有量の多さとバランスの良さで、植物油としては群を抜いているのです。ヘンプシードに含まれる植物油の、なんと80%が必須脂肪酸というのです。
必須脂肪酸の中でもオメガ3とオメガ6は非常に重要な脂肪酸です。そのため世界保健機構(WHO)や厚生労働省では、必須脂肪酸をバランスよく摂ることを推奨しています。ヘンプシードにはこのオメガ3、オメガ6が1:3の割合で含まれていて、WHOが推奨する1:4の割合に植物油として最も近いという特徴があるのです。
必須脂肪酸にはさまざまな効果効能がありますが、このオメガ3は体内でDHAに変換されて血液をサラサラにする効果を持ち、オメガ6は血中のコレステロール値や中性脂肪値を低下させる効果があります。そのため心臓病や動脈硬化などのリスクを減らしてくれる効果があるのです。
必須脂肪酸で免疫の向上
ヘンプシードに含まれる必須脂肪酸には、腸内環境を整える効果があります。腸内環境は健康にさまざまな影響がありますが、その中のひとつに免疫力の向上があります。さらに必須脂肪酸の働きには、ホルモンの生成を促して免疫の働きを正常に保つ効果もあります。
免疫力の向上はアレルギーの抑制にもつながります。また風邪やインフルエンザといった通常の病気はもちろん、ガンの予防にも効能が期待できるのです。
必須アミノ酸で健康な脳に
ヘンプシードには植物性タンパク質が豊富で、必須アミノ酸の全てを摂取することができます。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事から摂るしかありません。そんな必須アミノ酸全てを豊富に含んでいるヘンプシードは、まさにスーパーフードといえるでしょう。
さらにこれらの必須アミノ酸には抗うつ効果や神経の機能を強化する効果もあります。必須脂肪酸のオメガ3の記憶力向上を始めとした脳機能向上効果も加わって、認知症の予防やアルツハイマー病の予防にも効果が期待できるのです。
血糖値やコレステロール値に血圧も下げる
ヘンプシードは、先にも紹介したようにビタミンB1で糖代謝を促進して血糖値を下げ、オメガ6の効果によってコレステロール値も下げます。さらにオメガ3が体内でDHAに変わってコレステロール値を低下させて血液をサラサラにして、結果血流が良くなり血圧も下がるのです。
また腸内環境が整うことでもコレステロールが吸収される前に排出されるので、この点でもコレステロール値の低下が期待できます。ヘンプシードには血管内もきれいにしてくれる効果があるのです。
ヘンプシードの栄養と効果効能【美容・ダイエット編】
ヘンプシードがスーパーフードらしさを発揮するのは、何も健康面だけではありません。美容やダイエットにもヘンプシードは素晴らしい効果効能を発揮するのです。ヘンプシードの美容やダイエットへの効能をまとめてみました。
食物繊維で便秘の解消
ヘンプシードには豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維には水溶性と非水溶性の2つの食物繊維がありますが、ヘンプシードには非水溶性食物繊維がさつまいもの約7倍も含まれているのです。
この食物繊維は、美容とダイエットの天敵である便秘の解消に大いに役立ちます。さらに食物繊維は腸内にたまった不純物を取り除き、コレステロールの吸収を抑えて排出してくれるため、ダイエットには欠かすことができません。
さらに腸内環境が整うことで身体に必要な栄養の吸収が促進され、全身に必要な栄養が届くようになり、基礎代謝が増えるだけでなく免疫力もアップし、美容に嬉しい美肌効果やデトックス効果も期待できます。ヘンプシードはダイエット中の美容も守ってくれるのです。
必須アミノ酸で筋力アップ
ヘンプシードには大豆の約3倍の植物性タンパク質が含まれているだけでなく、必須アミノ酸も全て摂ることができます。そのため筋力アップにもとても効果的な食品なのです。
ダイエットを成功させるのには、基礎代謝のアップが欠かせません。基礎代謝が低いままでは、ダイエットを止めた途端、リバウンドの危険も付きまといます。基礎代謝をあげる一番簡単な方法は、筋肉をつけることです。必須アミノ酸をバランスよく含んでいるヘンプシードは、筋力アップにも効果的なのです。
鉄分で血流改善
ヘンプシードには、鉄分が多いといわれる豚レバーとほぼ同じ量の鉄分が含まれています。そのため貧血の改善に非常に効果的な食品でもあります。さらに必須脂肪酸の効果で血流が良くなるだけでなく、鉄分で十分な赤血球を作り出すことができるため、全身の血行も良くなります。
全身の血行が良くなると体の隅々まで血液が行き届くようになり、全身の基礎代謝が上がり身体も温まるようになります。美容やダイエットの敵である冷え性の改善にもつながり、まさに一石二鳥の効果が期待できるのです。
ビタミンEでアンチエイジング
ヘンプシードに含まれるビタミンEは抗酸化ビタミンとも呼ばれ、全身の活性酸素を除去してくれる効果があります。特にビタミンCとの相互作用で肌を活性酸素から守ってくれる、美容に欠かすことのできないビタミンでもあります。
ヘンプシードにはこのビタミンEも豊富に含まれているため、肌だけでなく全身の酸化による老化を抑え、美しい肌を作りつつきれいに痩せる、ダイエットにうってつけのスーパーフードなのです。
ヘンプシードの副作用や保存方法
ヘンプシードがスーパーフードなのは良くわかりましたが、これだけ栄養価の高いヘンプシードに副作用は無いのでしょうか?また保存はどのようにしたら良いのでしょうか?ヘンプシードの副作用と保存方法についてまとめてみました。
副作用
ヘンプシードの副作用については、現状報告はありません。ですが食べ過ぎによる副作用であれば、いくつか注意すべき点があります。
ヘンプシードを食べ過ぎたときの副作用として、その脂肪分の多さからお腹がゆるくなることがあります。また、まだ研究途中ながら必須脂肪酸のオメガ6の摂り過ぎで、アレルギーの悪化や大腸がんのリスクの増加といった副作用が報告されています。
ヘンプシードはこのオメガ6を豊富に含んでいるため、摂り過ぎによりこれらの副作用が起こる可能性は否定できません。また脂肪酸が多いということはカロリーも高いということです。1回の摂取量は大さじ1杯、1日の摂取量は大さじ2杯までを目安としましょう。
保存方法
ヘンプシードは高脂肪のため、開封前でも直射日光や高温多湿の場所に置くと、光や温度で酸化が進んで劣化しやすくなります。そのため直射日光が当たらず、高温多湿にならない冷暗所での保存がおすすめです。
開封後は湿度に弱いため密封袋に入れて冷蔵庫で保存し、約2ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。冷凍保存でも約3ヶ月しかもたないので、開封したら早めにさまざまなレシピで使いきるのがおすすめです。
ヘンプシードの食べ方・レシピ
ヘンプシードは生のままでも食べられるため、さまざまなレシピで楽しむことができます。特に必須脂肪酸は40度で変質してしまうため、ヘンプシードは加熱しない料理レシピに向いた食材です。ヘンプシードを使ったおすすめの食べ方やレシピを紹介します。
ヨーグルトのトッピング
ヘンプシードの簡単でお手軽な食べ方レシピは、ヨーグルトのトッピングにすることです。くるみのような味わいのヘンプシードはヨーグルトの酸味とも良く合うので、忙しい朝の栄養補給にグラノーラやドライフルーツと一緒にトッピングするだけのお手軽レシピがおすすめです。
ヘンプシードおにぎり
ヘンプシードのコクのある味わいは、ふりかけなどの代わりに使うのもおすすめの食べ方レシピです。おにぎりに香ばしさをプラスするのに、ヘンプシードを回りにまぶす簡単レシピを試してみませんか?ごま塩などの代わりにヘンプシードに塩や香味を混ぜて握っても、いつもと違った味わいが美味しいおにぎりになります。
キヌアとヘンプシードの野菜サラダ
- トマト(角切り)1個
- スイスチャード(5cm幅にカット)1束
- スティックブロッコリー4本
- キヌア大さじ1
- A・エシャロット(みじん切り)5本
- A・ヘンプシード適量
- A・粉チーズ適量
- A・バルサミコ酢小さじ1
- A・塩小さじ1
- A・ヘンプシードオイル大さじ1
- A・ごま油大さじ1
- A・ひねりごま小さじ1
- A・薄口しょうゆ大さじ1/2
- スティックブロッコリーを塩の入った沸騰したお湯で1分ほど茹でて、冷水で冷ましてから水分を拭き取っておきます。
- 切っておいたトマトとスイスチャードと、冷ました後に5cm幅に切ったブロッコリーをボウルに入れます。
- キヌアは沸騰したお湯で10分ほど茹でてから、ザルに上げて水気を切って、フライパンで乾煎りをして水分を飛ばします。
- Aを全て混ぜ合わせて、エシャロットドレッシングを作ります。
- 2に3と4を加えてボウルで混ぜ合わせたら、器に盛り付けて完成です。
ヘンプシードの効能を上手に取り入れよう!
ヘンプシードは栄養が豊富でありながら生でも食べられるため、いろいろなレシピで楽しむことのできるスーパーフードです。忙しい朝の栄養補給にも手軽に利用できるので、興味が湧いたらぜひ試してみてください。普段の健康維持からダイエット時の栄養補給まで、ヘンプシードが大いに役立ってくれることでしょう!