油の賞味期限切れの使い道と捨て方!未開封/開封後の賞味期限は?
油の賞味期限はどのくらいか知っていますか?今回は、サラダ油やゴマ油など食用として使用する油の賞味期限について詳しく調べました。賞味期限が過ぎた油は酸化して体にもよくないといわれています。開封後の油の賞味期限の見分け方や捨て方を、未開封・開封後の油の保存方法と一緒にみていきましょう。油には意外な使い道があります。使えなくなった油の再利用方法や便利な使い道も併せて紹介するのでぜひ、参考にしてください。
目次
油の賞味期限が切れた時はどうする?
サラダ油やゴマ油、オリーブオイルなど家庭で毎日のように使う油。料理をする家庭には必ず一本はあるものでしょう。
そもそも油に賞味期限があることを知っていますか?よく見ると油も他の食品と同じように賞味期限がきちんと記載されています。しかし、その賞味期限は未開封の場合の期限です。
開封後は空気に触れて油はどんどん酸化していきます。酸化した油は風味が落ちるだけでなく、体にもよくないといわれています。
今回は家庭で必ず使う、油の賞味期限について調べていきましょう。サラダ油やゴマ油の未開封の賞味期限って?開封後はどのくらいで使い切ればいいの?使えない油の見分け方は?上手な捨て方、再利用方法まで、油の疑問を徹底的に調べていきましょう!
油の賞味期限は種類ごとに違う
一口に「油」と言っても様々な種類があり、その特徴や性質は違います。調理に使うものから、そのまま加熱しないで使えるものなど、使い道も違えば賞味期限も変わってきます。
普段はサラダ油、中華料理ではゴマ油、パスタにはオリーブオイルと料理によって油の使い道は変わってきますし、近年の健康志向の高まりから、美容・健康にいいといわれるオイルもたくさんの種類があります。まずはそれぞれの油の特徴をみていきましょう。
サラダ油
サラダ油はどの家庭にも必ずある、もっともポピュラーな油です。もっとも一般的な油でありながら、サラダ油の原料が一体なんなのか?と聞かれると答えに困ってしまう、という人もいるでしょう。
サラダ油のサラダとは、もちろん生野菜のサラダではありません。原材料はゴマや菜種、トウモロコシなどです。
その歴史は1924年、90年以上も前のことです。油を使ったドレッシングでサラダを食べていた欧米の食習慣を参考に、生野菜に合う油、ということで日清オイリオが開発したのが「サラダ油」の始まりです。
しかし、今では生野菜に使うというよりは、調理するときにくっつかないようにフライパンに入れる、コクを出すために炒め物に使う、揚げ油として利用すると言った使い道が多いのではないでしょうか?
もちろんドレッシングにも使えますが、今は市販のドレッシングやオリーブオイルがあるので上記の使い道が多くなっています。
ゴマ油
ゴマ油はその名の通り、ゴマが原料の油です。ゴマを炒って絞った油で、コクがあり豊かな香りが楽しめる油です。特に中華料理に使われることが多いのですが、もちろん日本料理にもよく合います。
ゴマ油は一気に料理がワンランクアップする家庭になくてはならない油のひとつで、風味づけに使うといった使い道もできます。ゴマ油で天ぷらを揚げてくれる天ぷら専門店もあります。
ゴマ油が売り場に並んでいるのをみたことがあるでしょうか?その種類は意外に多く、一般的なゴマ油は茶色いのですが、無色透明のもの、濃い褐色のものもあります。
ゴマ油の色は圧縮する前に、どのくらいゴマを炒ったかによって色が変わってきます。全く炒らないゴマ油は「太白ゴマ油」といって無色透明で香ばしい香りもしません。
その他のゴマ油は炒れば炒るほど色が濃く、香りも香ばしくなっていきます。また、金ゴマ、黒ゴマを使ったゴマ油もあります。
注意したいのが純正ゴマ油と調合ゴマ油の違いです。「ごま香油」などの商品名で販売されているものは100%ゴマ油はではなく、なたね油とゴマ油を混ぜた調合油となっています。栄養成分なども変わってくるので注意が必要です。
オリーブオイル
今は家庭でもオリーブオイルを使うことが一般的になってきました。オリーブオイルは精製オリーブオイルと、バージンオリーブオイルの2種類あります。
精製オリーブオイルは味や香りが控えめで炒め物や焼き物に向いています。バージンオリーブオイルは、オリーブオイルの実を搾った、一番搾りオイルのことです。そのままサラダやマリネ、ピザ、スープにかけて食べるのがおすすめです。
オリーブオイルはヨーロッパや地中海地方のイメージがありますが、日本では香川県の小豆島が有名です。小豆島ではオリーブの栽培が盛んで、品質の良いオリーブオイルが作られています。
オリーブオイルが人気の理由は味だけではありません。オレイン酸やリノール酸など体に良い成分が多く含まれていることで日本でも人気になり定着していったのです。スーパーでも普通に売られていて、オリーブオイルを常備する家庭も珍しくありません。
その他
油には紹介したものの他にたくさんの種類があります。今は美容や健康意識の高まりから色々な油が使われています。
代表的な油が、亜麻仁油、えごま油です。そのまま生で取り入れることでコレステロール値改善効果が期待できるといわれています。
その他にも、アーモンドオイル、ピーナッツオイル、ココナッツオイル、米油、大豆油など数えきれない程の油の種類があります。
油の賞味期限切れを再利用する使い道
油を買いだめして未開封のまま賞味期限が切れてしまった、もらった油の賞味期限が切れていた、など意外に賞味期限が切れていることはあるものです。未開封のまま捨てるのは勿体無い、何か使い道はないか?と思っている方におすすめの再利用方法を紹介します。
油は意外な使い道があり、再利用することでエコにもなります。ぜひ捨てるのではなく再利用してみましょう。
石鹸
- 油600cc
- 水200cc
- 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)80g
- アロマオイル適量
- ペットボトル1.5l
- 計り
- 計量カップ
- ゴム手袋
- 牛乳パック
- じょうご
- ペットボトルに水を入れ、じょうごを使い少しずつ苛性ソーダを入れていきます。この時高温になるので気をつけながら少しずつ苛性ソーダを加えましょう。
- 苛性ソーダが溶け、完全に人肌になったら好きなアロマオイルを数滴入れます。
- ペットボトルの口を完全にしめ、スーパーの袋に入れ口を閉じます。
- 20分から30分、シャカシャカ振り続けます。
- 白っぽくなり、とろみがついたらOKです。
- 牛乳パックに入れて固まるまで数日待ちます。
- 固まったら切って1ヶ月、風通しのいいところで熟成させ完成です。
賞味期限が切れた時、未開封の綺麗な状態でそのまま捨てるのが勿体無い、料理には使えないけれど使い道がないか?と思ったら石鹸に再利用するのがおすすめです。
苛性ソーダは取り扱いが危険なので薬局で購入する際は印鑑、記名が必要です。苛性ソーダは皮膚や目に入ると危険なので、長袖、ゴーグル、手袋着用で扱いましょう。また、子供の手の届かないところで作成しましょう。
使い終わった後の後始末にも最新の注意を払ってください。熟成させる間も素手で触らないよう、小さなお子さんの手の届かないところで保管しましょう。また、苛性ソーダのガスを吸い込まないよう換気してください。
石鹸に再利用するには難しいと思ったら、今は市販で油を入れるだけで石鹸が作れるキットもあります。簡単に再利用したい場合はキットを使うのもいいでしょう。油が石鹸になるとは意外な使い道ですが、油汚れに強い石鹸が出来上がります。
アロマキャンドル
- 油
- 固化剤
- タコ糸
- 瓶やアルミカップ(熱に強いもの)
- 割り箸
- アロマオイル
- クレヨン
- 油を熱したら固化剤を入れて溶かします。
- 割り箸にタコ糸をはさみ、瓶やカップに垂らして長さを合わせて切ります。
- クレヨンをカッターなどで削り、瓶やカップに入れます。
- 油を適量、瓶などに入れます。
- クレヨンが溶けるよう、かき混ぜます。
- 温度が下がって固まりきる前にアロマオイルを数滴垂らします。
- 固まったら、割り箸を外して出来上がりです。
石鹸は劇薬である苛性ソーダを使うため、再利用には敷き居が高い、という人はアロマキャンドルを作ってみましょう。作り方も簡単で、熱い油の扱い方さえ気をつければ、子供と一緒に作れ、夏休みの工作にもおすすめの再利用方法です。
可愛い瓶を選び、アロマオイルやクレヨンの色にこだわれば素敵なキャンドルになります。石鹸もキャンドルも賞味期限切れの油を再利用してもいいですし、綺麗に濾した廃油でも作れます。油でキャンドルとは意外な使い道ですが、アロマオイルを入れることでいい香りのキャンドルができます。
油の賞味期限が切れた時の捨て方
賞味期限の切れた油を捨てる場合、どのように捨てていますか?賞味期限切れの油の捨て方には何通りかの方法があるので、自分にあった捨て方で処分しましょう。
流しに捨てるのはNG
賞味期限切れの油を処分する時、台所の流しにそのまま捨てることはしないようにしましょう。排水溝から流した油は排水管を通り下水道を通っていきます。
油を流すと排水管、下水管のつまりや悪臭の原因になるのです。家の下水管が痛む原因にもなるのでやめましょう。
また、環境汚染の点からも絶対にしないようにしましょう。油は水質が汚染する一番の原因になるものです。たった20mlの油を魚が住めるよう、綺麗にするためにはバスタブ(300ℓ)20杯もの水が必要といわれています。賞味期限がきれたからと安易に排水溝に捨てることは環境破壊に繋がってしまうのです。
布や新聞紙に含ませて燃えるゴミ
最初に紹介する油の簡単な捨て方は、布や新聞紙に含ませてそのまま燃えるゴミに捨てる方法です。読み終わった新聞やいらなくなった服などに油を吸収させる簡単な捨て方です。
着なくなった服は捨てずに「ウエス」として取っておけば、古着の再利用にもなります。ウエスとはボロ布のことで、いらない布を切って雑巾のように掃除に使うものです。洗わずにそのまま捨てるだけでいいので便利です。少量の油の時は直接、新聞紙やウエスを入れて吸収してしまいましょう。
ビニール袋に新聞紙やウエスを入れて、そこに油を流して染み込ませる捨て方もあります。この時油が漏れやすいので袋を二重にして、口はきちんと締めましょう。布や新聞紙には自然発火予防のため、水を染み込ませておくと安全です。
牛乳パックを使う方法
次に紹介する捨て方は、牛乳パックを使う捨て方です。牛乳パックは作りが丈夫で液漏れもしにくいため、油を捨てるのに便利です。飲み終わった牛乳パックに水を含ませた新聞紙や布を入れ油を注ぎます。一緒に少しの水を入れておけば自然発火を防げます。
熱々の油を入れるのは危険なので必ず冷ました油を入れるようにしましょう。急に入れると溢れるのでゆっくり染み込ませるように入れたら、口を閉じてガムテープなどで密封します。横にすると溢れるので立てたまま燃えるゴミとして捨てればOKです。
固化剤を使う
油の捨て方で一番確実なのは固化剤を捨て方です。熱した油に固化剤を入れよくかき混ぜたら、固まるのを待ちます。固まったら燃えるゴミとして捨てればOKで、簡単で昔からある捨て方です。
ですが、この固化剤と賞味期限切れの油があればキャンドル作りに使えますのでぜひ再利用して作ってみてください。
油の賞味期限〜未開封〜
油の賞味期限はどのくらいでしょうか?賞味期限は油の種類、保存方法、未開封・開封後で変わってきます。まずは未開封の油の賞味期限から見ていきましょう。
サラダ油
最も一般的でよく使うサラダ油。普段料理をする場合は賞味期限切れはあまりないと思います。しかし、買い置きを忘れていたり、多くもらった場合には賞味期限切れになる可能性もあります。
サラダ油は未開封の場合、保存方法が良ければ賞味期限はだいたい1年ほどです。サラダ油はプラスチック容器に入っている場合が多く、ガラスや缶に入っていればもっと長く2年ほどです。
ゴマ油
ゴマ油は「ゴマリグナン」という成分のおかげでサラダ油より酸化しにくいため、未開封の賞味期限は長めに設定されています。缶容器だと賞味期限は2.5年ほどと長めです。最も一般的な瓶入りは2年、プラスチック容器だと1.5年です。
ゴマ油は酸化しにくいとはいえ、劣化すると風味が悪くなります。サラダ油に比べ容量が少ないので使いきれない、ということも少ないのではないでしょうか?
オリーブオイル
オリーブオイルは光を通して酸化しないよう、緑に着色された瓶やプラスチック容器に入っています。オリーブオイルには光は大敵で品質が激しく劣化してしまうのです。そのため着色された瓶にいれて、酸化を防ぎます。
オリーブオイルも未開封の場合、サラダ油と同じくガラス瓶で2年、プラスチック容器だと1年ほどです。
油の賞味期限〜開封後〜
油は未開封で保存方法が正しければ1年から2年の賞味期限があることがわかりました。しかし、それは未開封の場合です。開封後から油は酸化が始まり、品質は劣化していきます。開封後の賞味期限がどのくらいか見ていきましょう。
サラダ油
油は開封後は酸化が始まります。賞味期限内であっても開封した場合、早めに使い切ることが望ましいです。開封後は空気に触れることでどんどん酸化するので賞味期限は1ヶ月から2ヶ月ほどです。後述する保存方法を守って、早めに使い切りましょう。
ゴマ油
ゴマ油は未開封の場合は酸化しにくいとはいえ、開封後はどんどん酸化していきます。賞味期限は未開封の場合はサラダ油より少し長めですが、開封後はサラダ油と同じ1ヶ月から2ヶ月ほどです。
今は開封後も酸化しにくい二重構造のゴマ油も発売されています。美味しさがキープされ、酸化しにくいボトルなので少量を使いたい場合にはおすすめです。賞味期限まで美味しく使うことができます。
オリーブオイル
オリーブオイルは開封後の賞味期限は3ヶ月ほどになります。サラダ油やごま油より少し賞味期限は長めですが、同じく酸化していきますので開封後は早めに使い切りましょう。
オリーブオイルも二重構造の酸化しにくいボトルのものが販売されています。サラダやパンにかけて食べる場合や少量を使う場合には便利です。
油の賞味期限切れは食べられない?見分け方4選
賞味期限がきれていなくても保存方法によっては早く劣化してしまう場合があるため、見分け方を知っておきましょう。開封後は賞味期限にかかわらず空気や熱、光によって早く酸化し、劣化するのです。
そのため、食べて大丈夫な油かどうかの見分け方を見ていきましょう。見分け方を知っておけば、いざという時にも安心です。開封後の見分け方、賞味期限がわからない場合の見分け方をみていきましょう。
匂い
まず匂いによる見分け方です。劣化した油は酸化した独特の匂いがします。石油のような匂いがしたら賞味期限にかかわらず、口にするのはやめましょう。体にも悪く、最悪、食中毒を起こす可能性があります。
粘り気がある
次の見分け方は油の状態です。綺麗で劣化していない油はさらっとした粘りのない状態です。粘りがある油は品質が劣化した油なので賞味期限にかかわらず、使わないようにしましょう。
揚げ物などで大量に油を使うと勿体無いからと使い回す場合があります。その時も劣化した油はドロッとしています。そのような油を使うと、胸焼けしたり、気分が悪くなる原因になります。
綺麗に濾したら数日で使い切るようにしましょう。また、何回も使い回さず2、3回程度にしておきましょう。唐揚げや魚のフライなどを揚げた油は1度で汚れてしまうので、使い回さないようにしましょう。
色の変化
次の見分け方は色です。油は劣化とともに色が濃くなってきます。何度も使った油は色が濃くなり最終的には真っ黒になります。たまにフライヤーの中の油が真っ黒なお店を見かけませんか?たくさんのものを揚げ、劣化すると油は黒くなるのです。ずっと使っていると、体にも悪く食中毒や吐き気、胸焼けの原因になります。
その他
その他の見分け方は、温めると煙が出る、泡が出るなどです。どちらもかなり劣化した油なので賞味期限にかかわらず使用しない方がいいでしょう。
酸化した油は過酸化物、遊離脂肪酸という体に悪い物質が増加します。紹介した見分け方で油が劣化しているのがわかったら賞味期限内であっても使用はやめて、勿体無い場合は石鹸やキャンドル作りに再利用することをお勧めします。
油の開封後の保存方法
開封後の油の劣化は早いものです。毎日料理する場合は賞味期限前に使いきれますが、たまにしか料理しない場合は正しい保存方法で保管しましょう。それでは油の正しい保存方法のポイントを見ていきましょう。
空気に触れると酸化する
油は開封後からどんどん酸化して痛んでいきます。油は鍋に入れて放置しないで必ず油こし器や専用の容器に移してなるべく空気に触れないようにしましょう。鍋に入れて放置すると光や空気に触れ酸化が進みます。特に鉄製の鍋に入れたままにしておくのは禁物です。
開封後の油はキャップをきちんと閉めて、空気に触れないようにしましょう。賞味期限にかかわらず早めに使い切るのがいいでしょう。
直射日光を避ける
開封後の保存方法は直射日光を避けておきましょう。油は光でも酸化します。直射日光においておくと、どんどん酸化が進み賞味期限も短くなります。正しい保存法は冷暗所におくことです。
温度変化の少ない場所が好ましい
油は温度変化の少ない場所で保存するのが正しい保存方法です。火のそばに置くと、調理の際の熱で温度変化が起こります。冷蔵庫に入れるのも一見いいような気がしますが正しい保存方法とは言えません。
特にオリーブオイルは白く濁り、冷蔵庫に入れる、出すを繰り返すうちに品質が劣化します。サラダ油は品質の劣化が防げるとは言え、成分の一部が結晶化する場合があります。
おすすめの保存方法はやはり、キャップをきちんと閉めた状態で冷暗所においておくのがいいでしょう。
油は賞味期限が切れても使い道が豊富!
油は普通に使って行けば賞味期限が切れることはあまりないと思います。しかし、買いだめや買い置きでうっかり賞味期限切れになることもあるでしょう。その時は正しい捨て方で処分してください。
開封後は正しい保存方法で、賞味期限にかかわらず使い切りましょう。保存方法を守らないと劣化の原因になり体に良くありません。賞味期限が切れて勿体無い場合は、石鹸やキャンドル作りを楽しむのもいいでしょう。
再利用することでエコにもなりますし、親子で楽しめる使い道です。紹介した見分け方を参考に、正しい保存方法でなるべく賞味期限内に使い切りましょう。