ジャムのカロリーと栄養は?ジャムの意外な栄養素を解説
ジャムのカロリーや栄養素について考えたことはありますか?普段何気なく食べているジャムは、パンにつけたりヨーグルトに入れたりするだけで美味しく手軽に楽しむことができ、特にいちごジャムは不動の人気を誇っています。しかしその強い甘さから砂糖がたっぷりと使われ、生のフルーツより栄養が少ないと思われがちですが、本当に栄養が少ないのでしょうか?今回はそんなジャムについて、カロリーや糖度、生の果物と比較して栄養にどれくらい差があるのか、ダイエット中におすすめな食べ方などについて紹介していきます。
目次
ジャムのカロリーと意外な栄養素とは?
忙しい朝でも手軽にパンに付けて美味しく食べられるジャムは、いちごジャムやブルーベリージャム、マーマーレード、りんごジャムなどいろいろな種類があり、朝食に彩りを加えてくれます。
しかし、ねっとりとペースト状で甘みの強いジャムは、砂糖の塊のように思われがちです。でも本当に砂糖がたっぷりと入っているのでしょうか?それではジャムのカロリーや意外な栄養素について解説していきます。
ジャムのカロリーと栄養
ではまず、ジャムはどれくらいのカロリーや糖質があり、どんな栄養が含まれているのでしょうか?ジャムのカロリーと糖質、栄養素について紹介します。
カロリー
さまざまなメーカーで製造されているジャムですが、一般的にジャム100gあたりでは、いちごジャムのカロリーは256kcal、ブルーベリージャムのカロリーは180.9kcal、マーマレードのカロリーは255kcalほどとなっています。
1枚の食パンに塗るジャムの量は約20g、約50kcalとなります。また低濃度のジャムも販売されており、低濃度のいちごジャム100gあたりのカロリーは196.9kcal、マーマレードのカロリーは193.1kcalです。
低濃度のいちごジャム1食分20gでカロリーは約39kcalになります。有名なアヲハタのいちごジャムのカロリーハーフでは、1食あたりのカロリーは18kcalです。
6枚切りの食パン1枚のカロリーは174kcalで、いちごジャムをつけると約213kcalです。ご飯茶碗1杯のカロリーは235kcalなので、ジャムを付けた食パンのほうがカロリーが低いということになります。
糖質
一般的ないちごジャム1食20gあたりの糖質量は約13g、ブルーベリージャムなら9g、マーマレードなら13gになります。メーカーによって差があり、アヲハタ55ジャムの場合、ジャム1食分の糖質量はそれぞれ約8gです。
食物繊維
果物には、食物繊維が豊富に含まれています。ジャムに加工しても食物繊維はそのまま残るので、生の果物と同じ量の食物繊維がジャムにも含まれます。食物繊維は腸内環境を整えて体内の老廃物の排出を促すことで、便秘改善やデトックス効果があり、ダイエット効果も期待できます。
ポリフェノール
果物にはポリフェノールが豊富に含まれていますが、ジャムに加工してもポリフェノールの量に変化はありません。ポリフェノールは、いろいろな病気の元なる活性酸素を排除する働きがあり、健康を維持するために欠かせない成分です。
ジャムにすることで増える栄養
生の果物と変わらない栄養素を含んでいるジャムですが、実はジャムに加工することで増える栄養素があります。ジャムにするといったいどんな栄養素が増えるのでしょうか?
強力な抗酸化作用
果物をジャムにすることによって、メラノイジンという栄養素が加えられます。メラノイジンは、アミノ酸と糖質が結合したときに見られるメイラード反応によって作られる物質です。味噌やコーヒー、ビール、炒めた玉ねぎなどにも含まれる成分で、とても強力な抗酸化作用を持っています。
メラノイジンによって、細胞を若々しく保つことができ、コレステロールの低下や糖尿病の予防、ガンの予防などに期待できます。
活性酸素の除去
ポリフェノールは特に色の濃い果物の皮や種に多く含まれており、ジャムにすることで積極的にポリフェノールを摂取することができます。ポリフェノールとメラノイジンの二つの抗酸化作用により活性酸素が除去され、動脈硬化などの生活習慣病の予防や、視力回復、美肌効果、更年期障害の緩和などさまざまな効果を発揮します。
血糖値の安定化
メラノイジンには糖分の消化吸収の速度を緩やかにして、食後の血糖値の上昇を抑える作用があります。また糖を分解するインスリンの分泌を促進させる働きがあり、糖尿病の改善や予防に効果が期待できます。
ビタミン、ミネラルなどの吸収
メラノイジンは細胞膜を丈夫にしてストレスへの抵抗力を高める効果もあり、ビタミンやミネラルなどの栄養素の吸収をアップさせてくれます。
「メイラード化」に注意
健康にさまざまな良い効果を発揮するメラノイジンですが、過剰に摂取すると体内でメイラード化と呼ばれる糖化現象が起こります。糖化とは、糖とタンパク質が結合して糖化最終産物AGEsを生成されることです。
AGEsを分解しようとしてコラーゲンなどの分解酵素であるコラーゲナーゼなどの分泌量が増加し、コラーゲンやエラスチンまで分解してしまいます。肌荒れや老化の原因ともなるため、摂りすぎには注意が必要です。
ジャムにすることで減る栄養
ジャムにすると新たに加わって体に良い効果を発揮する栄養素もあれば、また一方でジャムにすると減ってしまう栄養素もあります。次はジャムにすると減ってしまう栄養について紹介します。
加熱に弱い「ビタミンC」や「葉酸」
果物にはビタミンCや葉酸などのビタミンが豊富に含まれており、ビタミンCは免疫力アップや美肌効果、葉酸は赤血球の生成の補助や胎児の発育を促す働きがあります。ジャムは高温で長時間煮詰めて作られるため、その過程で加熱によりビタミンCや葉酸が破壊されて、ジャムに含まれる量が減ってしまうのです。
いちごジャムと生のいちごの栄養を比較
いちごジャムと生いちごを100gあたりで比較すると、生のいちごのカロリーが33kcalに対して、いちごジャムのカロリーは255kcalになります。栄養素を比較すると、ビタミンC、カリウム、カルシウム、タンパク質、マグネシウムなどの栄養素は、生のいちごと比較してジャムにするとほぼ半分以下に減少しています。
しかしいちごをいちごジャムをすると、メラノイジンという抗酸化作用を持った体に良い新たな成分を作りだします。また砂糖を多く含むことで、より多くのエネルギーを作り出すことができるといえます。
ジャムは何からできている?
それでは、果物と砂糖の塊でできているというイメージのあるジャムは、いったいどんな材料で作られているのでしょうか?ジャムの材料について詳しく紹介します。
ジャムの材料
ジャムはまずベースとなる果物、イチゴジャムならいちご、ブルーベリージャムならブルーベリー、マーマーレードならオレンジ、といった果物がメインの材料になります。それに糖分である砂糖と水、ジャムを固めるために使うジャム用のペクチンが含まれます。
さらにジャムの保存性を高めてph値を下げ、ペクチンのサポートとしても働くクエン酸を材料としています。この基本的な材料のほかに、レモン汁を使うこともあります。
ペクチン
ペクチンとは、柑橘類から抽出される天然の多糖類で、食物繊維のひとつです。ジャムを作る工程で加熱する際に水分を固め、トロッとしたジャムを作るのに欠かせない材料です。食品添加物として、ジャムやゼリー、アイスクリームなどに広く使用されます。またレモン汁で代用することも可能です。
ジャムの砂糖の量はどれくらい?
ジャム特有の強い甘さを出すためには、たっぷりの砂糖が使われているイメージがありますが、では実際にどれくらいの砂糖が使われているのでしょうか?ジャムの砂糖の量と糖度について紹介します。
砂糖の量
ジャムは、糖度が高いほうがより長く保存できます。本来ジャムは長期保存を目的としたものであり、健康や美容の理由で砂糖の量を控える場合、保存できる期間が変わってきてしまいます。また砂糖を少なくした場合、ペクチンを大量に入れても固まりにくくなります。
ジャムと呼べるのは糖度40%以上
JAS規格(法律に基づく品質保証の規格)によると、ジャムとして認められるのは糖度が40%以上のものになります。糖度が60~65%にならないとうまく固まらずジャムのようにならないため、以前は糖度65%の高糖度のジャムが一般的でした。
最近ではダイエットなどで砂糖の量を気にする人も多く、糖度40~55度くらいの低糖度のジャムも多く出回っています。
ジャムのダイエット中におすすめの食べ方
以上のようにたっぷりと砂糖を含んでいるジャムですが、ではダイエット中にはどんな食べ方をすれば太りにくいでしょうか?ダイエット中におすすめのジャムの食べ方を紹介します。
ヨーグルトと一緒に
ジャムの材料であるペクチンは水溶性食物繊維なので、腸内環境を整える働きをします。さらに乳酸菌や善玉菌を含んでいるヨーグルトと一緒に食べる食べ方をすれば、ペクチンとの相乗効果でより整腸効果が高まり、便秘解消やデトックス効果を促すことができます。
パンに塗るのはジャムだけ
パンにジャムと一緒にバターやマーガリンを塗る方も多いかと思いますが、油脂と砂糖を一緒に摂ると、別々に摂ったときよりも太りやすくなります。ダイエット中の方には、パンにはジャムだけを塗る食べ方がおすすめです。
精白されてない黒いパンを食べる
食パンのような白くてふかふかのパンにジャムを塗って食べると美味しいですが、ダイエット中の方はライ麦パンや全粒粉パンなどの黒いパンに塗って食べる食べ方のほうが良いでしょう。黒いパンには、糖質の代謝に必要なビタミンB群が含まれています。また白パンより黒いパンのほうが、ポリフェノールやミネラルが多く含まれています。
手作りして糖を変える
ジャム作りには、基本的に雑味がなくすっきりした甘さのグラニュー糖を使用します。他の糖類と比較すると、上白糖は甘みがやや強めです。黒砂糖やきび糖、ハチミツなどを使用してもジャムを作ることができ、ミネラルなど栄養素が豊富なのでおすすめです。きび糖や三温糖を使用した場合、出来上がりが若干茶色くなります。
ジャムのカロリーを抑えて栄養素を摂取しよう
いかがでしたか?普段何気なく食べているジャムについて、カロリーや栄養を生の果物と比較してどんな風に差があるのか、また材料と砂糖の量、ダイエット中のおすすめの食べ方を紹介してきました。
ジャムは高カロリーで、ジャムにすることで生の果物と比較してビタミンCや葉酸の栄養素が減りますが、新たにメラノイジンが生成されることにより、強い抗酸化作用により体に良い働きを発揮してくれます。
今回紹介したおすすめの食べ方を参考にして、ダイエット中でも上手にカロリーを抑えながら美味しく食べて、ジャムの栄養素を取り入れましょう!