2019年03月10日公開
2024年09月07日更新
コンフィチュールとジャムの違いとは?違いは語源?
コンフィチュールとジャム、よく耳にする言葉ですが、その違いは意外と知らないものではないでしょうか?ジャムと聞くと身近な感じがしますが、コンフィチュールと聞くと、レストランや高級な輸入ショップで取り扱っているもののような印象がありますが、実はちょっとしたところに違いがあります。また代表的なジャムのひとつ、マーマレードも知られていないことがあるのです。コンフィチュールの作り方や保存法やレシピ、美味しく食べられるアレンジレシピなどを紹介していきます。
目次
コンフィチュールとジャムは違う?
コンフィチュールとジャム、見た目はほとんど変わりません。むしろほとんど同じです。しかもパンに塗ったり、ヨーグルトにかけたりなど使い方も変わりません。そのため言葉の違いだけで同じものと思われていることが多いのですが、コンフィチュールとジャムには「ある違い」があるのです。
コンフィチュールとジャムの違い【コンフィチュール編】
コンフィチュールとジャムの違いについて、まずは「コンフィチュールとは何なのか?」ということから知っていくことが大切です。コンフィチュールの語源や作られた目的、作り方などコンフィチュールの基本的なことについて説明していきます。
語源や目的
コンフィチュールとはフランス語の「コンフィ」という調理法が名前の由来となっています。コンフィとは食品を砂糖や油に浸して保存性をあげる調理法のことです。つまりコンフィチュールは「砂糖を使い、保存性を高めた加工品」ということになります。
材料
コンフィチュールを作るための材料はとてもシンプルです。コンフィチュールにしたい果物など食品と砂糖が基本材料で、各種スパイスやリキュール、ワインなどを加えることもあります。そのためコンフィチュールはジャムと比べると甘さが控えめなものが多いのです。
作り方
保存を目的としているコンフィチュールの作り方はまず、果実を砂糖にをまぶし、1時間ほど置いて、果汁を浸透させることが大切です。そして、果汁だけを煮詰め、果肉を後から加えます。すべて一緒に煮ることをしないのがコンフィチュールの基本的な作り方です。
見た目など特徴や使い方
コンフィチュールは果汁を煮詰めるという作り方からわかるように、見た目の特徴として、ジャムのような粘り気がないということです。またジャムよりもフレッシュな果実感を感じることができます。
コンフィチュールは一般的にはトーストやクラッカーなどに乗せたりします。ヨーロッパではチーズに乗せて食べたり、紅茶に入れて飲んだりすることも多いです。夏の暑い時期などは炭酸水で割って飲んでも美味しくいただけます。
コンフィチュールとジャムの違い【ジャム編】
コンフィチュールの作り方などはわかりましたが、ジャムはどういったものなのでしょうか?ここではジャムの語源や作られた目的、作り方など「ジャムとは何なのか」ということについて説明していきます。
語源や目的
コンフィチュールがフランス語が語源なのに対し、ジャムは「チャム」という古い英語が語源といわれています。そこからジャムとなりました。ジャムとは、ぎっしり詰め込むという意味はあり、チャムはぐちゃぐちゃに噛むという意味があります。そして、ジャムとは英語圏では凝固した形状を現します。ジャムも食品の保存目的で作られました。
材料
ジャムの材料もコンフィチュールと大差ありません。ジャムにしたい果物などの食品と砂糖、色味を保つためのレモン汁です。砂糖ではなく、水あめなどを混ぜて作ることもあります。日本では糖度(可溶性固形分)が40度以上のものがジャムの規定となっているので、コンフィチュールよりも糖度が高いのです。
作り方
出典: https://latte.la
ジャムとコンフィチュールの一番の違いは作り方です。先に果汁を煮詰めるコンフィチュールに対し、ジャムは食品と砂糖を一緒に煮詰めていきます。また、食品と砂糖の割合が5:5程度であることが多いため、ジャムのほうがトロトロとした見た目に出来上がります。
見た目など特徴や使い方
果物と砂糖を一緒に煮詰めることから、ジャムはコンフィチュールと比べ、粘り気があってトロトロとしています。また、ジャムは糖度40度以上(食品と砂糖の比率がほぼ5:5)に対し、コンフィチュールは食品に対し2割程度の砂糖で作るため、ジャムのほうが甘さがあります。
使い方としては、トーストに塗ったりするのが一般的で、パンケーキなどに乗せても美味しくいただけます。ただし、とろみがあるので、コンフィチュールのように飲み物に混ぜても溶けづらいです。
コンフィチュールとマーマレードの違い
マーマレードといえば、イチゴジャムと並ぶジャムの代表だと思われていますが、実はマーマレードとはコンフィチュールやジャムとは違う分類とされています。日本での分類上、オレンジやなど柑橘系のフルーツを使ったものがマーマレードと呼ばれているのです。
マーマレードの語源
マーマレードはポルトガル語の「マルメロ」が語源となっています。マルメロとはセイヨウカリンのことで、ポルトガルで最初にジャムと作ったときの原料がマルメロだったことからといわれています。マルメロも柑橘系の果物なので、現在の柑橘系のものをマーマレードと称していることにつながっています
ヨーロッパでのマーマレードとは?
ヨーロッパでのマーマレードも日本と同じように柑橘系の果物を使ったものです。しかし、シチリア産などオレンジを名産とする地域の果物を使ったマーマレードは高級品です。また日本と同じようにオレンジだけでなく、グレープフルーツなども使っています。日本との違いはピール、いわゆる皮の部分がどれくらい含まれているのはを%で表示していることで、数種類の柑橘系果物をブレンドしたマーマレードなども販売されています。
コンフィチュールのおすすめ保存レシピ
コンフィチュールは、好きな果物など食品を使って作るものですから、家庭でも作ることが可能です。家庭で作れて、保存できるコンフィチュールのおすすめレシピを紹介していきます。
オレンジとパプリカ
- パプリカ 4個
- オレンジの果肉 150g
- レモン汁 1/2個分
- グラニュー糖 50g
- ブラックペッパー 小さじ半分
- 白ワイン 大さじ
- オレンジの果肉にグラニュー糖をまぶして1時間ほどおく
- 荒みじんにしたパプリカと白ワインと加える
- スティックミキサーで滑らかにしながら15分ほど火にかける
- ブラックペッパーとレモン汁を混ぜて出来上がり
パプリカは火を通すと甘みが出てくるので、コンフィチュールにも使える食品です。オレンジと合わせてブラックペッパーを加えることでピリっと感のある大人のレシピに変化、ソースとしても使える一品になります。コンフィチュールは糖度がジャムほど高くないので長期保存がききません。1週間ほどで食べるのが理想です
スパイスと苺
- Aいちご 300g
- Aグラニュー糖 70g
- Aはちみつ 70g
- Bシナモンスティック 1本
- Bグローブ 3粒
- C赤ワイン 50cc
- Cレモン汁 少々
- Aの材料を混ぜて3時間ほど置く
- Bを加え一晩置く
- Aの果汁とBを鍋にかけCを加えて煮詰め、いちごの果肉を加えて出来上がり
いちごジャムとは違い、スパイスの香りが引き立つ大人味のコンフィチュールです。赤ワインの渋み、クローブとシナモンの深い香りがヨーグルトなどに加えることで、すっきりした甘さとスパイスの奥深い味わいを感じることができます。
ニンジンとリンゴ
- ニンジン 1本
- リンゴ 1個
- グラニュー糖 50g
- レモン汁 少々
- ニンジンを摩り下ろす
- 荒みじんにしたリンゴにグラニュー糖を加え数時間置く
- 鍋にニンジンとリンゴ果汁を加え煮る
- リンゴの身とレモン汁と加えて煮立てて出来上がり
ニンジンのオレンジ色が鮮やかで、リンゴの甘みを存分に感じるコンフィチュールです。ニンジン嫌いの子どもでも食べやすくなっているやさしい味わいです。
じゃがいもとシナモン
- じゃがいも 中2個
- Aはちみつ 大さじ2
- Aバター 大さじ1
- Aシナモン 適量
- じゃがいもを適度な大きさに切ってゆでる
- じゃがいもをミキサーにかけなめらかにする
- 鍋にAとジャガイモを加え、煮たら出来上がり
意外な保存レシピですが、じゃがいもも美味しいコンフィチュールになるのです。淡白なじゃがいもの味にシナモンがアクセントとなるので、クラッカーなどにのせておつまみにもなります。
コンフィチュールのおすすめアレンジレシピ
コンフィチュールは使い方によっては、とってもおしゃれなカフェメニューのようになったり、おつまみにもなる万能食品です。簡単でサッと作れるコンフィチュールを使ったアレンジレシピを紹介していきます。
桃のコンフィチュールとマスカルポーネのデザートトースト
- 桃のコンフィチュール 適量
- マスカルポーネ 適量
- 食パン(厚さは好み)1枚
- 食パンをトースターで焼く
- マスカルポーネを塗って、上から桃のコンフィチュールを乗せて出来上がり
桃の香りが存分にいきている桃のコンフィチュールはカリカリに焼いたトーストの香ばしさとベストマッチ。またなめらかで爽やか、口当たりのよいマスカルポーネと合わせると、まるでカフェで出てくるようなデザートトーストができあがります。休日のお昼などにちょっとおしゃれなトーストを家庭で楽しみたいときにぴったりなアレンジレシピです。
柿のコンフィチュールのフレンチトースト
- 4枚切食パン 1枚
- A牛乳90cc
- A卵1個
- A砂糖 大さじ1
- 柿のコンフィチュール 適量
- バター 適量
- Aの材料を混ぜ合わせて卵液を作る
- 2つもしくは4ツ切にした食パンを卵液に浸す
- 卵液がいきわたったらバターを溶かしたフライパンで両面を焼く
- 柿のコンフィチュールをかけて出来上がり
これは柿のコンフィチュールを使ったアレンジレシピですが、もともと甘さのある柿をコンフィチュールにすると、さらに美味しさがアップします。甘さがあるのでフレンチトーストは甘さ控えめにするアレンジレシピで、柿のコンフィチュールの美味しさが引き立ちます。フレンチトーストは一晩冷蔵庫に置いて焼くと、ふわふわ感がアップします。
クリームチーズや生ハムと合わせておつまみに
- 好みのコンフィチュール
- 生ハム適量
- クリームチーズ適量
- クラッカー適量
- クラッカーにクリームチーズ、生ハムの順番で盛り付ける
- 上にコンフィチュールをかけて出来上がり
生ハムやクリームチーズの塩気とコンフィチュールの甘さがマッチした、おつまみにもなるアレンジレシピです。生ハムの塩気があるので、柑橘系よりも甘みのある柿やブルーベリーなどのほうがマッチします。また、乗せるだけ簡単アレンジレシピなのにおしゃれに見える一品です。
コンフィチュールとジャムの違いを知ろう!
素材の美味しさが存分にいかされたコンフィチュールはジャムとは違う作り方だということがわかりました。ジャムのようなとろみはありませんが、おしゃれなカフェメニューやおつまみまで使い勝手は抜群です。おいしいコンフィチュールを使ったおしゃれメニューを家庭で楽しむのも良いのではないでしょうか。