2019年03月26日公開
2024年09月09日更新
ポワレってどんな調理法?合う食材やムニエル/ソテーとの違いも解説
ポワレとはどのような調理法なのかを知っていますか?フレンチのポワレという言葉は知っていても、詳しい意味や歴史などについてはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、意外と知らないポワレの特徴や意味、むいている食材などについて紹介していきます。似ているソテーやムニエルとの違いや、レシピなども紹介していますので、フレンチはあまり詳しくないという方も是非チェックしてみて下さい。
目次
ポワレについてきちんと説明できる?
調理法にもいろいろなものがありますが、フレンチのポワレという調理法について詳しく知っていますか?フレンチのポワレという調理法は聞いたことがあるという方が多いかと思いますが、詳し調理法や、よく似たイメージのあるレシピやムニエルとの違いについて知っているという方は少ないかと思います。
今回の記事では、ポワレという調理法の意味や特徴、そして歴史などについて詳しく紹介していきます。同じく調理法の一つである、フレンチのムニエルやソテーなどについても紹介していますので、詳しく知りたいという方は是非こちらの記事をチェックしてみて下さい。
ポワレとはどんな調理法?
それでは、続いてフレンチのポワレとはどのような調理法なのかを見ていきましょう。ポワレという調理法の名前を聞いたことがあっても、詳しい特徴や意味について知らないという方は多いかと思います。こちらの項目で、ポワレとはどのような調理法なのかを是非チェックしてみて下さい。
フォンで蒸し焼きにする調理法
ポワレとは、簡単に言うと「フォンで蒸し焼きにするという調理法」の事です。フォンというのは何なのかというと、ソースのベースに使用されるという、出汁の一種の事です。このフォンを使用して素材を蒸し焼きにする方法だというと、現在のポワレを知っている方は少し不思議に思われる方もいるかと思います。
それもそのはずで、現在では、ポワレとは少し違った意味になっているそうです。現在では、ポワレというと素材に焼き色を付けながら焼き上げるという調理法になっています。外はカリッとした食感が、そして中身はふわっとした食感を楽しむことが出来るのが特徴となっています。
フランス語のポワレの意味
ポワレというのはフランス語なのですが、ポワレという言葉は一体どういう意味なのでしょうか?ポワレという言葉は、フランス語の「ポワル」という言葉が語源となっています。ポワルという言葉は、深めのフライパンを指す言葉なのだそうです。
この深めのフライパンを使って調理することから、ポワルという言葉が語源となったのだそうです。続いて、ポワレの歴史について紹介します。
フレンチにおけるポワレの歴史
では、フレンチ料理における、ポワレの歴史について見てみましょう。フランス料理はポワレと似たような調理法が多く、ポワレの歴史では、ほかの調理法とが混同されることもあったようです。
「ロティ」や「プレゼ」といった調理法もフランスにはあるのですが、このような調理法と混同されることが19世紀以前の歴史には多かったのだそうです。
また、歴史の中で以前はフォンで蒸し焼きにするという調理法がとられていたポワレなのですが、20世紀には「ヌーベル・キュイジーヌ」というムーブメントが起こり、そこから現在の様な素材に焼き色を付けながら、焼き上げていくという調理法に変わったという歴史があるそうです。歴史の中で、ポワレの形も変わっていったようです。
ポワレの特徴はアロゼ
また、ポワレの特徴的なポイントとして挙げられるのは、「アロゼ」です。ポワレの特徴であるアロゼというのは、ポワレの途中で行う工程の事です。素材の表面を焼き上げている時に、食材から出た脂や、ソースをかける工程をアロゼというのだそうです。
アロゼという言葉には「水を撒く」という意味があるのだそうで、スプーンなどで脂を食材にかけながら焼き上げる姿を見たことがある方は多いのではないでしょうか。ポワレの大きな特徴となっています。
ポワレはどんな食材や付け合せが合う?
ポワレの歴史などに続いて、ポワレにはどんな食材や付け合わせが合うのかについて見ていきましょう。ポワレにおすすめの食材や付け合わせについて紹介していきますので、自分でポワレを作る際の参考にしてみて下さい。
定番は舌平目や鯛などの白身魚
ポワレにする食材に決まりはないのですが、ポワレの食材の定番となっているのが、舌平目や、鯛などの白身魚です。ほかにも、マスや、鮭などの食材がポワレとして使用されます。
サケやマスは白身魚ではないのでは、と思われた方もいるかもしれませんが、サケやマスの色は甲殻類のプランクトンを食べることで、アスタキサンチンが蓄積しているからであり、サケやマスもれっきとした白身魚です。
肉もポワレにして大丈夫?
ポワレというと魚料理のイメージが強いのですが、果たしてポワレの食材として、お肉を使用しても大丈夫なのでしょうか?答えは、「大丈夫」です。
大丈夫というよりも、ポワレというのはもともと肉料理の調理法であったようですので、何も問題はないでしょう。お肉を焼くときに、いつもとは違った焼き方に挑戦してみたいという時には、ポワレにも挑戦してみてはいかがでしょうか?
ポワレに合う付け合せ
それでは、ポワレに合う付け合わせとは一体どのようなものなのでしょうか。ポワレは元々は肉料理の調理違法だったのですが、現在では白身魚を食材とする場合が多いため、見た目も華やかになるカラフルな野菜を付け合わせとして合わせることが多いようです。
パプリカや、トマトなどのカラフルな野菜は、たしかに白身魚と合わせると華やかさも増しますし、より魅力的な一皿に仕上げることが出来そうです。
ポワレに合うソースや調味料
続いて、ポワレに合うソースや、調味料はどのようなものなのかを見ていきましょう。ポワレに使用するソース、調味料には特に決まりはないそうなので、好みで好きなソースなどを組み合わせるのが良いかと思います。
あっさりとした食材に合わせるのなら、バターや生クリームを使用したもの、あっさりと楽しみたいのならレモンなどの柑橘系を使用したソース、とその時の気分でソースや調味料を決めるのもおすすめです。
ポワレの基本の調理方法
それでは、ここからはポワレの基本の調理方法について見ていきましょう。ポワレというのがどのような調理法なのかは先ほど紹介しましたが、こちらの項目ではポワレという調理法について、更に詳しく紹介しています。
基本の調理方法
ポワレは元々、フォンという出汁で蒸し焼きにするという調理法を指していました。しかし、現在では調理法がもともとの方法とは少し異なっており、素材に焼き目を付けつつ焼き上げるという調理法になっています。
外はカリッと、中はふっくらとした食感を楽しむことが出来るのが特徴となっており、途中で蓋をし、蒸し焼きにする場合もあるのだそうです。先ほども紹介した通り、アロゼという工程が特徴的な調理法となっています。
美味しく作るコツ
ポワレを美味しく作るコツは、焼くときに皮目から焼くようにする、という点です。皮目を焼いている時には、魚が縮んできてしまうので縮れてしまわないように、押さえながら焼くと良いそうです。
ポワレは小麦粉を付ける調理法ではないのですが、皮目に小麦粉を付けて焼くことで、普通の状態で焼くよりもカリッとした食感を楽しむことが出来ます。カリッとした食感に仕上げたい時は、皮目の方に少し、小麦粉を付けて焼くようにしてみて下さい。
火が強すぎると食材がパサついてしまう原因にもなってしまいますので、火力は弱火から中火にして、じっくりと焼き上げるようにしましょう。
ポワレとムニエルの違い
それでは、続いてはポワレとムニエルに違いについて見ていきましょう。ポワレ同様、ムニエルもよく聞く言葉ではあるのですが、詳しい意味や特徴を知らないという方も多いかと思います。ここでは、ムニエルの由来やどんな調理法なのか、ポワレとの違いについて紹介していきます。
ムニエルの名前の由来
まず最初は、ムニエルの名前の由来から見ていきましょう。ムニエルの由来となっているのは、フランス語の「ムニエ」という言葉です。このムニエとはいったいどういう意味なのかというと、小麦粉を作る職人の事を指すのだそうです。
このことからもわかる通り、ムニエルは小麦粉を使用した調理法になっています。ムニエルの由来について覚えておけば、どんな調理法なのかも思い出しやすくなるかと思います。
ムニエルはどんな料理法?
それでは、ムニエルとは一体どのような調理法なのでしょうか?由来のところでも紹介したように、ムニエルは小麦粉を使用した調理法となっています。
素材に小麦粉をまぶしたら、バターで全体を焼き目が付くまで焼いていく調理法をムニエルといいます。ソースは、焦がしバターにレモン汁を加えたものが使用されることが多いそうです。
ポワレとの違いは?
ムニエルとポワレとの違いはやはり、小麦粉を使用するかしないか、という点です。ポワレもムニエルも素材をこんがりと焼き上げるという点では同じですが、ポワレにはアロゼという工程もあるというところもムニエルとの違いといえるかと思います。
ポワレとソテーの違い
続いて、ポワレとソテーとの違いについても見ていきましょう。ソテーもよく聞く言葉ではありますが、意味などを詳しく説明しようと思うと難しいかと思います。気になる方はチェックしてみて下さい。
ソテーの名前の由来
ソテーという言葉もフランス語となっており、「ソテ」という言葉が語源となっているのだそうです。ソテというのはとびはねる、といった意味があるそうで、素材をフライパンで焼くときに、素材を調理する際に素材が飛び跳ねる様から名づけられたといわれています。
ソテーはどんなは調理法?
それでは、ソテーとはどのような調理法なのかを見ていきましょう。ソテーは、少しの油と、素材とを炒めながら焼き上げる調理法なのだそうです。フライパンをゆすりながら調理して、高温の火力で調理するという特徴があります。
ポワレとの違いは?
ポワレとソテーとの違いは、まずフライパンの使い方が挙げられます。ポワレの場合ではフライパンはあまりゆすらない方が良いのですが、ソテーではフライパンをゆすりながら調理します。
また、ポワレでは素材が硬くなってしまわないように、弱火、もしくは中火で調理するのが良いとされていましたが、ソテーの場合には比較的強火で調理するという違いもあります。
ポワレの調理法を使ったおすすめレシピ
ここからは、ポワレの調理法を使った、おすすめレシピを紹介していきます。自宅でも簡単に作れるレシピもありますので、是非作ってみて下さい。
白身魚のポワレ
- たら2切れ
- 塩コショウ適量
- アスパラ3本
- しめじ1/2袋
- キャベツ1/4個
- オリーブオイル大さじ1
- ニンニク1片
- 酒大さじ3
- バター10g
- コンソメ小さじ1
- じゃがいも1個
- たらは、塩コショウをしておきます。アスパラは3等分、しめじは割いておきましょう。じゃがいもは1cm角に切ります。
- フライパンにオリーブオイルを敷いたら、薄切りにしたにんにくで香りを出します。
- タラとしめじ以外の食材を入れてしばらく炒めます。
- しめじ、タラを乗せたら、酒、コンソメを入れて蒸し焼きにします。
- バターを入れて、蓋をして3分したらレシピの完成です。
ごま油を使用した真鯛のポワレ
- 鯛1尾
- ガーリックソルト適量
- ごま油大さじ2
- オリーブオイル大さじ2
- 柚子1個
- バター小さじ1
- 鯛は、三枚おろしにしたら食べやすい大きさにカットしておきます。ガーリックソルトを振ったら、水分が出てきますので拭き取っておきましょう。
- フライパンにごま油、オリーブオイルを入れたら皮目から焼きます。
- 脂を回しかけて、皮がパリッとなったらひっくり返して、油をかけて焼きます。
- 鯛をさらにだしたら、フライパンにバター、ゆずの汁を入れてソースを作ります。
- 鯛にソースをかけたら、レシピの完成となります。
トマトのポワレ
- トマト3個
- オリーブオイル大さじ1
- ニンニクスライス4枚
- 塩二つまみ
- 卵2個
- フライパンにオリーブオイルをしいたら、横半分に切ったトマトを並べて、蓋をします。
- 中火で15分ほど焼いたら、薄切りニンニクを散らしましょう。蓋はせずに、15分ほど煮詰めたら塩コショウを振ります。
- 卵を真ん中に落としたら、鍋ごと食卓に出してレシピの完成となります。
鮭の生ハム巻きポワレ
- サーモンブロック
- 生ハム4枚
- 塩コショウ適量
- バター30g
- 野菜ピューレ大さじ4
- 付け合わせの野菜適量
- ブロックの生サーモンに、塩コショウを振りましょう。ブロックは、だいたい4cm×5cmほどにカットします。
- 生ハム2枚で、サーモンをまいていきましょう。
- フライパンにバターを溶かしたら、ひっくり返しながら焼いていきます。
- お皿に野菜ピューレを敷いたら、付け合わせの野菜を飾り、鮭のポワレを乗せたらレシピの完成となります。
美味しいポワレを作ってみてはいかが?
いかがでしたでしょうか?今回の記事では、意外と知っていそうで知らない、フレンチのポワレの意味や歴史、調理法などについて紹介してきました。ムニエルやソテーともよく似ているのですが、違いもあるという事がわかっていただけたかと思います。
フレンチはあまり家ではするイメージが無いという方もいるかと思いますが、レシピも紹介していますので、レシピを参考にして是非美味しいフレンチのポワレを作ってみて下さい。