桜でんぶって何?原料やおぼろとの違いは?活用レシピも紹介

桜でんぶはお好きですか?ピンク色の甘く魚のふりかけのようで、ご飯にかけたりちらし寿司や太巻きに使って彩りを加えますが、原料やどんな作り方をしているか知っている人は少ないと思います。この桜でんぶは、おぼろといわれる地域もあり、でんぶとおぼろの違いや名前の由来、原料は何かをまとめています。家庭で手作りすることもできるので、そのレシピや桜でんぶを使った簡単なメニューも紹介します。

桜でんぶって何?原料やおぼろとの違いは?活用レシピも紹介のイメージ

目次

  1. 1桜でんぶとおぼろって何が違うの?
  2. 2桜でんぶって何?
  3. 3桜でんぶの原料
  4. 4桜でんぶとおぼろの違い
  5. 5桜でんぶの作り方
  6. 6桜でんぶの使い方・レシピ
  7. 7桜でんぶをいろんな料理に使ってみよう!

桜でんぶとおぼろって何が違うの?

ご飯にかけるだけで、きれいな桜色になる桜でんぶですが、似たものにおぼろもあります。桜でんぶとおぼろの違いがどこにあるのか、それぞれの原料や作り方を調査しました。

桜でんぶって何?

桜色をした甘いふりかけのような桜でんぶは、子どもでも食べやすいものですが、本来はどんなもののことをいうのかを調べます。桜色の桜と、でんぶと言われる由来などがわかります。

そもそも「でんぶ」とは?

桜でんぶの「でんぶ」は、魚や肉を材料にした佃煮にした加工品のことです。食材の形を残さずに、原材料の繊維質をほぐしているように、細かくなっているのが特徴です。

桜でんぶは、きれいな桜色になるように、食用の着色料を加えています。しょう油ベースのつくだ煮ではなく、砂糖やみりんが強めの甘い加工品になっています。

名前の由来

「でんぶ」と呼ばれる由来は、漢字で書く「田麩」にあります。かつては「田夫(でんぶ)」と書き、田舎者、粗野という意味があり、魚をもとの形がわからないほどにほぐしてしまうことから、粗野なものということで田夫と呼ばれるようになったようです。

その後、そぼろの状態が、小麦粉を精製する工程で出てくるぽろぽろとした皮の「麩(ふすま)」に似ていることに由来して、「夫」の文字に変えて「麩」の字を使うようになり、「田麩」となったのが由来とされています。

中国では原料と使い方が違う

日本では桜でんぶは、原料が魚のものがほとんどですが、中国や台湾では原料から違い、でんぶといえば豚肉が多く、鶏肉、牛肉を原料にしています。日本のイメージでいうと、肉そぼろというものです。

日本の桜でんぶはちらし寿司やご飯にのせて彩りを添えますが、中国では日本のご飯の代わりにお粥を食べることも多く、そのお粥にでんぶをのせた食べ方が一般的です。また肉に味をつけて煮ふくめているので、中華まんの具材や玉子焼きに混ぜて使うこともあります

桜でんぶの原料

でんぶといっても、日本では魚が使われ、中国などでは肉を使うという違いがあることが分かりました。桜でんぶはどんな魚が原料となっているのかを調べてみました。

つくだ煮の一種

でんぶはつくだ煮の一種で、魚や肉を使いそぼろのように細かくしています。一般的なでんぶの作り方は、魚を茹でて、骨や皮を丁寧に取り除き、身だけを絞って水分を除き、細かくほぐしてから砂糖、みりん、しょう油などで味をつけていきます。冷めてからかたまりにならないように、ほぐして冷ましているつくだ煮になります。

魚肉が使われることが多い

桜でんぶは、食紅で着色して桜色にしていますが、原料は魚肉のものが多いです。魚の種類は地域や加工会社によって異なり、タラ、ヒラメ、カレイ、タイなどの白身が多いです。中には、ブリやサワラ、サケなどを使ったものもあります。またエビを使い、食紅を使わずにほんのりと赤い色をだしているそぼろもあります。

味付けはつくだ煮なので、酒、みりん、砂糖、塩などで味を加えています。ここに桜でんぶの特徴である、食紅で色をつけて、桜色に仕上げています。肉を使うと、食紅を加えても、きれいな桜色にはならないので、色が鮮やかに映える白身の魚を原料とし、桜でんぶの「桜」と言われる由来の色をだしています

桜でんぶとおぼろの違い

「桜でんぶ」も「おぼろ」も同じものと思っている人も、違うものと思っている人もいます。その違いはどこにあるのかを調べてみました。

材料や作り方の違い

桜でんぶのでんぶは、魚肉をほぐして、砂糖、みりん、しょう油で味をつけて、細かくしたものであるのに対し、おぼろは材料と作り方ともに、でんぶよりも高級なものとする説があります。おぼろは、魚肉をすり鉢ですって細かくしてから、砂糖、みりん、塩で味をつけたものということで、桜でんぶのでんぶとは区別されることがあります。

地域や加工会社などで呼び方が違う

「でんぶ」も「おぼろ」も、材料や作り方も大差がなく、同じものと考えるのが一般的です。ただ、寿司店では江戸のころから「おぼろ」と呼ばれ、地域によって「でんぶ」「おぼろ」そして「そぼろ」というところもあります。

加工会社によっては商品名に「桜でんぶ」「桜そぼろ」と名づけているところもあれば、原材料を力を入れてすりつぶして煮ることから「力煮」という名前のものもあります。また「おぼろでんぶ」と2つを合わせているものや、原料を前面にだし「鮪そぼろ」「鯛そぼろ」といったものもあり、呼び方はさまざまなものがあります。
 

桜でんぶの作り方

自家製の桜でんぶであれば、甘さを調整できるので、好みの甘さにすることができます。しかも、その時期に手に入りやすい白身の魚を使うこともでき、添加物を使わないので、子どもにも安心して食べさせることもできます。

材料

  • タラ3切れ
  • 食紅1~2滴
  • 砂糖大さじ1~2
  • 酒大さじ1/2
  • 塩少々

甘いものが好きなら砂糖を多めに、糖分が気になる場合は、控え目にして作ってください。タラで紹介しますが、タイやサワラといったものでも代用できます。サケやマグロといった色のある魚を使う場合は、食紅を使わずにそのものの色を活かし、しょう油を加えることで大人向きなおぼろを作ることができます。

作り方

  1. 鍋にタラとかぶるくらいの水を入れ、中火にかけます。煮立ってきたら火を弱めて3分ほど茹でます。
  2. 中まで火が通ったら、タラを冷水をいれたボウルで洗うようにして、皮と骨を取り除きます。
  3. キッチンペーパーで2のタラを挟むようにしておさえ、水気をふき取ります。この時に、残っている骨があれば、取り除きます。
  4. すり鉢に3をいれて、よくすりつぶします。フードプロセッサーを使う場合は、2~3秒を3回ほどにします。長時間かくはんしていると、団子のようにかたまりになるので注意してください。
  5. 鍋フライパンににすりつぶした4と、砂糖、酒、塩、食紅を入れて弱火にかけながら、菜箸4~5本でかき混ぜながら炒り煮にするように味を含ませます
  6. 桜色になり、水分がなくなり細かくほぐれたら出来上がりです。

手作りした桜でんぶは、保存容器にいれて冷蔵庫で保存してください。たくさん作ることができたら、小分けしてラップに包んで冷凍保存も可能です。

桜でんぶの使い方・レシピ

桜でんぶを使うことで、きれいな桜色を料理に加えることができます。手作りした桜でんぶや、市販のでんぶを使い簡単なレシピで、桜色が活かせる食べ方を紹介します。

お子様のお弁当の彩りに

桜でんぶのきれいな色を活かして、お子様のお弁当に彩りを添えることができます。簡単なレシピは、白いご飯の上に散らすだけで、桜色のご飯になります。桜でんぶと、炒り卵、肉そぼろの3色ご飯にすることもできます。

ご飯に少し桜でんぶを混ぜて、一口サイズくらいの量をラップに包んで茶巾のようにすると、丸い小さなおにぎりのようになります。これを5つくらい並べると桜の花のようにもなります。桜でんぶの色を活かして、キャラクターを作るにもおすすめな食材です。

食パンにかけて焼く

桜でんぶはご飯と合わせるだけでなく、食パンとの相性も良いです。食パンにバターやマーガリンをぬり、その上に桜でんぶをかけてトースターで焼くだけという簡単レシピながら、甘さのあるおやつパンになります。

マーガリンやバターに変えたアレンジレシピとしては、マヨネーズを食パンに薄くぬって、その上に桜でんぶをちらしてトーストするレシピもあります。マヨネーズの程好い酸味と桜でんぶの甘さが混ざり、おかずにもおやつにもなるトーストが簡単に作れます。

ひと手間で二色の玉子焼きに

いつもの玉子焼きに、桜でんぶを混ぜて焼くだけで、黄色に桜色が混じる玉子焼きを作ることができます。いつもの玉子焼きのレシピにひと手間を加えるだけで、黄身の黄色と桜でんぶの桜色の二色の玉子焼きを作ることができます。

作り方は簡単で、玉子焼きの材料に桜でんぶを加え、卵は黄身と白身に分けて溶きほぐします。この時に白身の方に桜でんぶを加えて混ぜ合わせ、黄身の方はいつものレシピ通りに味付けをします。焼くときには、白身の方から焼き中心部を桜色にします。それを包むように黄身で焼くだけです。

輪切りすると、中心部が桜色でそれを囲むように黄色の生地が包んだ玉子焼きになります。薄切りにしたものを、さらに斜めにカットし片方を裏返してくっつけるとハート型になります。

桜でんぶをいろんな料理に使ってみよう!

桜でんぶは、粗野や田舎者という「田夫」という表現に由来していることが分かりました。文字では田舎風であっても、きれいな桜色は白いご飯や酢飯に加えるだけで、きれいな彩りになります。ご飯だけでなく、パンや玉子などいろいろな食材と合わせて、桜でんぶを活用してください。

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