スターアニス(八角)は中華料理に欠かせない!味・香りや使い方は?
スターアニスという香辛料がありますが、一般的には中華料理の香辛料である八角としての認識が高いスパイスです。そんなスターアニスは中華料理では欠かすことのできない香辛料であり、様々な使い方をされるスパイスでもあります。そんなスターアニスの味や香りは、一体どんなものなのでしょうか?またスターアニスにはどんな栄養素があり、どんな効果効能があるのでしょうか?スターアニスについてさまざまな角度から調べてまとめて紹介します。
目次
スターアニスが中華料理に欠かせない!
スターアニスという香辛料を知っていますか?八角としてスパイスコーナーや中華料理素材コーナーで売られていることが多い香辛料です。中華料理には欠かせない香辛料である八角ことスターアニスについて、その使い方や効果効能などを調べてまとめてみました。
スターアニスとはどんな香辛料?
スターアニスは日本では中華料理の香辛料である八角としておなじみのスパイスです。ですがそんなスターアニスそのものについては、意外と知られていないのが本当のところでしょう。まずはスターアニスについての基本的なことから見ていきましょう。
中華料理で欠かせない八角
スターアニスは中華料理では八角と呼ばれ、欠かせない香辛料のひとつです。人によっては好き嫌いの分かれるスパイスでもありますが、中華料理では香りに奥行きを持たせてくれる香辛料として、煮込み料理やデザートにも使われるほど、ポピュラーなスパイスなのです。
由来や歴史
スターアニスはトウシキミとも呼ばれ、中国原産の常緑高木です。成長すると高さ10mもの木になり、樹齢6年~7年で実をつけるようになります。中国広西チワン族自治区南部とベトナム北部の国境に自生していますが、中国やインドの南部、インドシナ半島でも広く栽培されているスパイスで、50年以上に渡って収穫することができます。
スターアニスはそのトウシキミの実を乾燥させたもののことですが、アニスという全く異なるスパイスと香りが似ていることと、その星型の形からスターアニスの名が付いたと言われています。そんなスターアニスは移住した中国人が持ち込む程度の広がり方で、世界中で人気を博すようなスパイスではありませんでした。
スターアニスの味や香り
スターアニスの味や香りは一体どんな感じなのでしょうか?世界中で人気にならなかったとはいえ、中華料理では欠くことのできない香辛料である以上、味なり香りなりに特徴があることが予想されます。スターアニスの味と香りについて調べてみました。
味
スターアニスはスパイスということでか、カレー味と思っている人もいるようです。確かにスターアニスはカレーにも使われることはありますが、カレー味ではありません。
ではスターアニスの味はどんな味なのかというと、複雑で繊細な味をしていて、甘味の中に苦味が感じられます。料理によっては甘味が他の味に混ざってしまい、苦味だけを感じることもあるスパイスです。
香り
スターアニスには名前の由来にもなったアニスと良く似た香りがします。少し甘味のある独特でスパイシーな香りと表現されたり、薬っぽいと表現されることもあります。シナモンを凝縮したような甘い香りと言われることもあります。
そんなスターアニスの香りの元になっているのが、スターアニスの果実に10%ほど含まれる精油の主成分である、「アネトール」という精油成分です。これはアニスの香り成分でもあり、アニスに含まれるアネトール量が80%~90%なのに対して、スターアニスには90%~95%とアニスよりも多く含まれているのです。
このアネトールという精油成分は香料としても使われていて、抽出する際には含有量の多いスターアニスが使われています。
スターアニスの使い方
スターアニスは先にも紹介したように、中華料理では欠かせない香辛料です。そのため中華料理では、八角の名前でレシピによく登場します。そんなスターアニスの使い方を見て見ましょう。
東坡肉(トンポーロー)
スターアニスは中華料理の定番料理の一つ、東坡肉(トンポーロー)でもよく使われます。東坡肉は正式には豚の皮付きのバラ肉を使うため、臭み消しとしてスターアニスは欠かせない香辛料なのです。隠し味としての使い方もでき、味がまろやかになって美味しくなる効果があります。
日本ではスターアニスは子供受けの悪いスパイスでもあります。使うときにはパウダーで買ってきて、軽く1振りするだけにするなど、少なめに使って慣らすようにすると良いでしょう。
杏仁豆腐
スターアニスはデザートの香り付けにも人気のスパイスです。シナモンに似ているといわれる甘い香りで、杏仁豆腐に直接入れても良し、スターアニスで香り付けしたシロップをかけるも良しで、使い方を好みで変えることもできます。
スターアニスの形を活かして、飾りとしての使い方もできます。スターアニス自体は刺激が強いので食べるのは避けたほうが良いですが、その星型の形は飾りとして料理に花を添えてくれます。
北京ダック
スターアニスは中華料理の代表的ミックススパイスである五香粉(ウーシャンフェン)の材料のひとつでもあります。北京ダックを作るときにも、スターアニスやこの五香粉は臭み取りや香り付けとしてよく使われるのです。また五香粉は殺菌作用もあるため、肉料理だけでなく魚料理にもよく使われています。
五香粉の材料の配合比率はメーカーによっても違うため、スターアニスの臭いが苦手な人は少な目のものを選ぶこともできます。それぞれ好みの五香粉を用意しておくと、唐揚げなどの臭み消しや隠し味としても使えるので、ぜひ利用してみてください。
アロマ
スターアニスはその甘味のある香りで、精油としても人気の高いスパイスです。スターアニスの製油は刺激が強いため、直接肌に使用することは非常に稀です。通常はアロマライトやアロマディフューザーなどを利用して、芳香浴で楽しむのがおすすめの使い方です。
スターアニスの精油を使って芳香浴をするときは、刺激の強さを考えて1滴から始めましょう。刺激が強いためいきなり大量に使うと気分が悪くなったりします。体調に異変を感じたときにはすぐに使用を止めて、部屋の換気を行うようにしましょう。
スターアニスの栄養と効能
スターアニスは大茴香(ダイウイキョウ)の生薬名で、漢方薬としても使われています。そんなスターアニスには一体どんな栄養と効能があるのでしょうか。スターアニスが含む栄養とその健康への効能についてまとめてみました。
消化器官の調子を整える
スターアニスには「リモネン」という栄養成分が含まれています。このリモネンには胃腸の運動を活発にして消化を助ける効能があると言われています。通常リモネンは柑橘類の皮に多く含まれている栄養成分です。食欲不振や吐き気などの症状にも回復効果が期待できます。
さらにこのリモネンには、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促して、腸にガスが溜まったり便秘になるのを防いでくれる効能もあります。胃腸の弱い人には嬉しい効能と言えます。
ストレスの緩和
スターアニスには「ピネン」という精油成分が含まれています。このピネンには神経の興奮を抑えて心をリラックスさせる効能があります。それだけでなくイライラを和らげストレスを緩和するだけでなく、落ち込んだ気分を上向かせてくれる効能も期待できるのです。
そのためストレスが溜まっているときや情緒不安定なときには、スターアニスをハーブティーに細かく砕いて入れて飲んでみると良いでしょう。
冷えやむくみの改善
スターアニスに含まれるリモネンの効能はこれだけではありません。交感神経を刺激して血行を良くしてくれるのです。血行が良くなることで体内の代謝が良くなり、冷えの改善効果が期待できます。さらに利尿作用もあることから体内の余分な水分を排出し、むくみを改善する効能も期待できるのです。
女性特有の症状への効果
スターアニスには「トランス・アネトール」と呼ばれる精油成分が含まれています。この精油成分は女性ホルモンのエストロゲンと良く似た構造を持ち、女性ホルモンを助ける働きがあると言われています。
スターアニスはその精油成分の効能により身体を温めるだけでなく、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)、更年期障害などを改善する効果が期待できるのです。女性特有の悩みがある人は、スターアニスの精油を使った芳香浴を試してみるのもおすすめです。
インフルエンザへの効果
スターアニスにはインフルエンザの治療薬である「タミフル」の、合成原料の1つであるシキミ酸という栄養成分が含まれています。このタミフルの他にも、スターアニスは漢方薬など薬の材料としても使われているなど、さまざまな薬効のある栄養成分が含まれているのです。
ただしあくまで他の合成原料との相乗効果による薬効のため、スターアニスだけで食べてもインフルエンザが治ることはありません。
スターアニスの注意点
スターアニスは薬にも使われるほど、健康に良い香辛料です。ですがそんなスターアニスにも使う上で注意したい点がいくつかあります。スターアニスを生活に取り入れる際の注意点をまとめてみました。
刺激の強い香辛料
スターアニスは刺激の強い香辛料です。芳香浴をしているときに香りに敏感な人は、先にも紹介したように気分が悪くなるなどの過敏症が出ることがあります。
さらに香りに乗って広がる成分の中には、肌への刺激が強いものもあります。触れるだけでも肌荒れなどの原因にもなることがあるので、原因不明の肌の不調を感じたときはすぐに使うのを止めましょう。
またスターアニスには女性ホルモンにも似た働きをします。そのため妊娠中や授乳中の人は、流産などの危険性も伴うため、使用は控えるのがおすすめです。
使用量に注意しよう
スターアニスは香りがとても強いため万人受けしないだけでなく、つい他の香辛料と同じ感覚で入れると香りが強すぎたり、苦味や渋みが出過ぎて食べられなくなってしまうこともあるほどです。
固形で入れる場合には、たった1個~2個入れるだけでもかなり香りが強くなってしまうことも多いので、少な目を心がけて使うのがおすすめです。
形も香りもそっくりなシキミ
スターアニスの仲間は日本にも自生しています。シキミと呼ばれる常緑小高木で、仏事に使われることもありお寺に植えられていることもあります。
見た目も香りもスターアニスそっくりなシキミですが、こちらは絶対に食べてはいけない植物です。根から葉はもちろん、実に至るまで全てに毒を持っていて、うっかり口にすると死ぬこともあるため、法律で劇物に指定されているほどなのです。
実際スターアニスとシキミの実を間違えて、中毒をおこしたり死亡した例もあります。スターアニスと有毒なシキミの実を間違えて使わないためにも、必ず購入したものを使うようにしましょう。
スターアニスの香りや効能を上手く取り入れよう!
スターアニスはさまざまな健康効果があるだけでなく、使い方も多い香辛料です。ちょっといつもと違った刺激が欲しくなったときやストレスを感じたときには、売っているところも多いのでぜひ中華料理コーナーに寄って使ってみてください。