2019年03月05日公開
2024年11月18日更新
金時草の栄養とは?特徴や食べ方・おすすめレシピなどもあわせて紹介
金時草という石川県の伝統野菜をご存知でしょうか。この記事では、金時草がどんな野菜かを紹介した上で、金時草に含まれている栄養素について解説しています。また、金時草を使ったレシピなども紹介します。金時草に興味がある方はぜひ読んでみて下さい。
「金時草って聞いたことがないけど、どんな野菜なの?」
「金時草って美味しいの?」
「金時草を食べるのに美味しい時期ってあるの?」
このように、金時草という野菜についてその野菜自体を知らない方や、聞いたことがあっても詳しく知らないという方も多いでしょう。
この記事では、金時草がどういった野菜か、旬や歴史、名前の由来、含まれている栄養素まで、その特徴について詳しく解説しています。また、金時草の食べ方や保存方法、金時草を使ったおすすめのレシピもなど紹介します。
この記事を読むことで金時草について詳しく知ることができ、金時草をより美味しく味わえるようになるでしょう。
金時草について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみて下さい。
金時草とはどういう野菜?
金時草はキク科の植物で東南アジアを原産としており、石川県で栽培されている伝統野菜の一つです。また、栄養素が豊富に含まれていることでも知られています。
葉の表側は濃い緑色をしていますが裏側はきれいな紫色をしており、これが金時草の特徴です。
背丈は約30cmから約90cmまで成長し、茹でるとねばりが出てつるっとした食感があります。ここでは、金時草の旬や歴史などを紹介していきます。
金時草の旬
金時草の旬の時期は7月から9月頃です。もともと東南アジアが原産の植物であるため、暑さや乾燥状態に強く、寒さに弱いのが特徴です。
霜の降りる10月から11月頃まで収穫可能ですが、旬の時期はもう少し早めの9月頃までです。朝晩の寒暖差が大きいほどきれいな葉の色をします。
金時草は、苦みは少ないのですがアクが強い味がします。おひたしやサラダに適しており、旬の時期の金時草が一番美味しく食べられます。
金時草の歴史
金時草の原産地は東南アジアです。日本へは18世紀に中国から渡来し、まずは熊本で栽培されていました。その後、江戸時代に石川県地方に運ばれ、栽培されていた記録が残っています。
商品としての栽培が広まったのは昭和初期になってからで、市場に出荷されるようになったのは昭和30年代後半からと言われています。
伝統的に栽培されてきた野菜ではありますが、全国的に広まったのは比較的最近になってからのことです。
金時草の呼び名
金時草はキンジソウと読み、愛知県では式部草(シキブソウ)、沖縄県ではハンダマとも呼ばれることがあります。標準和名では水前寺菜(スイゼンジナ)と言います。この和名になったのは中国から渡来した後、熊本県水前寺地区で栽培されたことからとされています。
金時草は石川県で呼ばれるようになった呼び名で、葉の裏側のきれいな紫色が金時芋や金時豆の色によく似た色であったことからその名が付いています。
金時草の栄養
金時草は緑黄色野菜に分類され、豊富な栄養成分を持っています。βカロテンやアントシアニンなど健康に欠かせない栄養成分が魅力の野菜です。
βカロテンは緑黄色野菜に豊富に含まれる栄養成分です。βカロテンは抗発がん作用や視力の維持、肌や粘膜の健康維持の働きを持っています。また、活性酸素が要因となる心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効能が期待できます。
アンチエイジングで話題になっている栄養成分であるアントシアニンも、金時草には豊富です。抗酸化作用により老化防止や若返りの効果が期待できるでしょう。眼精疲労改善にも効果がある栄養成分です。特に、金時草の葉の紫色の部分に多く含まれています。
出典・参照: カロテノイド|e-ヘルスネット(厚生労働省)
出典・参照: 抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
金時草の食べ方
金時草は茎の部分と葉の部分に分かれます。葉も茎も両方食べることができます。食べ方は酢のものやおひたし、サラダなど茹でてそのまま食べる食べ方が一般的です。
金時草を生でサラダにするときには、葉の部分だけを使った食べ方がおすすめです。金時草の葉をきれいに洗って食べやすい大きさにカットして、そのままサラダにします。金時草の食感を活かしたいときには生がベストでしょう。
金時草を茹でると葉にヌメリが生じ、より美味しく食べられます。和え物やおひたしなどはこのヌメリが美味しさを引き立てるでしょう。茎の部分も茹でることで柔らかくなります。茹でる食べ方以外にも、天ぷらや汁物の具材として利用されることもあるでしょう。
金時草の茹で方は葉と茎で異なります。葉は食べやすい大きさにカットしたのち、塩を入れた熱湯に30~45秒程度ひたしたら氷水にあけます。茎は上の方の柔らかい部分だけ食べられます。茎の茹で方は葉と同じですが、茹で時間は60秒程度です。
茹で方のポイントは茹ですぎないことです。ヌメリや風味が損なわれる原因になります。茎と葉の茹で方は同じでも茹で時間が異なるため、別々に茹でるようにしましょう。
金時草の保存方法
金時草を保存する際には、水分が失われないように注意する必要があります。濡れた新聞紙やキッチンペーパーでくるんだ上に、袋に入れて冷蔵庫で保存します。チルドルームや野菜室で保存するのがおすすめです。
金時草は他の野菜とは異なり、立てて保存することが推奨されています。寝かせると傷みが早まるので、上半分をカットしたペットボトルを活用して冷蔵庫の中で立てて保存するといいでしょう。
金時草は水分を補充しながら立てて保存すれば冷蔵庫保存で4日程度持たせることができます。ただし、正しい保存方法を行わなければ保存期間は短くなってしまうため注意が必要です。
金時草のおすすめレシピ5選
前述したように、金時草は生でも火を通しても美味しく食べられる野菜です。ここでは、金時草を美味しく食べるレシピ5選を紹介します。
どのレシピもそれほど手間がかからず、自宅にある調味料を使って手軽にできるものばかりです。気になるレシピがあるか目を通してみて下さい。
1:金時草のおひたし
時短で簡単に作れるレシピです。おひたしは金時草の代表レシピとも言っても過言でなく、初めて金時草を調理する方におすすめです。
金時草独特のねばりが調味料とよく絡んで、癖になるような味わいです。箸休めにもなりますし、さっぱりとしているので食欲がないときにもいいでしょう。また、酒の肴としてもよく合います。
このレシピでは最後にお好みで白胡麻やかつお節をふりますが、おろししょうがを添えても美味しいです。
2:金時草と茗荷の酢味噌
金時草と茗荷を酢味噌で和えた副菜レシピです。調理時間が10分程なので、食卓にもう一品欲しいときなどにいかがでしょうか。
金時草を茹でて食べやすく切り、同じく切った茗荷と一緒に酢味噌で和えるだけです。酢味噌も調味料を混ぜるだけなので簡単に作れてしまいます。金時草の独特のねばりが酢味噌とよく合い、前述したおひたしと同じく癖になるような味わいです。
3:金時草のナムル
昨日呟いていた金時草のナムルのレシピを載せていただきました☺️ 葉と茎は別々に調理すると食感の違いがより楽しめます。 #農園たやhttps://t.co/4vivx50A0Y
— 紗耶 (@tumugi_kon) June 7, 2020
金時草を使った和風ではない韓国風の副菜レシピです。葉と茎を別々に加熱しているので少し手間はかかりますが、その分より美味しく食べられます。
手間と言ってもこのレシピは金時草の他の材料を含め、電子レンジと熱湯を使うことによって加熱しているため、茹でるよりお手軽とも言えるでしょう。
ナムルが余った後は中華粥にアレンジして食べるアイディアも、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
4:ハンダマのライスサラダ
【食ZENラボ】週間(8/7~13)ランキング上位レシピを紹介🍳
— 食ZENラボ (@shokuzenlab) August 14, 2022
今回は『ハンダマ(水前寺菜,金時草)のライスサラダ』🍽
ハンダマをお米と炊くと可愛い薄紫色のご飯になり、特有のクセも気にならずに食べられます💛
🍎 #レシピ https://t.co/KkW6J81NcM
#料理 #料理好きな人と繋がりたい #おうちごはん pic.twitter.com/kTKttMWal7
金時草(ハンダマ)を使ったライスサラダのレシピです。工程や材料が多いため作るのが大変そうに感じるかも知れませんが、米に金時草を入れて炊き、サラダの材料を切ってその他の材料と一緒にドレッシングで混ぜ合わせば出来上がりです。
サラダに加える野菜はレシピにあるものだけでなく、お好みのものやご家庭にあるものを使っても大丈夫です。
米に金時草を入れて炊くので、薄紫色になります。またサラダの材料もカラフルなため、おしゃれでよく映える一品です。
5:金時草のパスタ
金時草が茂り過ぎたので、間引きがてら収穫し、久々に金時草パスタを作ってみました。
— 滝口琳々 (@Lingling_Taki) May 19, 2020
葉は茹でると黒っぽくなってしまいますが、刻んでツナを合わせると、ツナがピンクに染まって、ちょっとだけ可愛くなりますよ😊
ちなみにレシピはコチラを参考にしました→https://t.co/0RNNZtFad7 pic.twitter.com/0nrhCoWLB3
パスタソースを作るのは手間だと思う方もいるかも知れませんが、ソースはパスタを茹でている間に作れてしまうくらい簡単です。材料は、金時草の他にはツナ缶と鶏がらスープの素などの調味料があれば大丈夫です。
パスタをソースに絡めると金時草の色がパスタに移り、紫色というより桜色のようになって可愛らしい印象の一皿になります。
金時草について知ってレシピを作ってみよう
金時草
— フュー (@few_venezia) December 5, 2021
金時草は葉の表が緑、裏が紫の石川特産の野菜。
金目鯛の皮目焼きにうずらのポーチドエッグをのせ筋子を添える。そこに金時草と金目鯛出汁のスープを注ぐ。
金目鯛でもうずらでも筋子でもなく、この紫の金時草スープの味わいを楽しむ料理。 pic.twitter.com/4YxWhnCtwQ
金時草は健康面でも美容面でも欠かせない栄養成分が満点です。金時草のレシピも簡単で手軽に作れるのが魅力でしょう。伝統的な野菜であるため、スーパーなどで入手しにくいですが、旬の時期には比較的手に入れやすいのが特徴です。
そして、旬の時期は金時草が一番美味しく食べられます。金時草について今まであまり知らなかった方も食べたことがない方も、紹介したレシピを参考にぜひ調理してみて下さい。