2019年03月05日公開
2024年09月06日更新
ニッキとシナモンは香り/使い方が違う?それぞれの特徴と使い分け!
ニッキとシナモンは、香りや味が似ている品種です。しかし細かく言うとニッキとシナモンは、違うものです。八つ橋、香辛料、お菓子など、用途によってニッキとシナモンは使い分けをします。ニッキやシナモンは漢方に使われる場合は、桂皮と呼ばれることもあります。今回はニッキとシナモンの香りや使い方の違いについて、またそれぞれの特徴や使い分け方法について紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ニッキとシナモンに桂皮は同じもの?
ニッキとシナモン、桂皮はどのような違いがあるものなのでしょうか?ニッキとシナモン、桂皮は同じような香りや味がすることから、どのような違いや特徴があり使い分けをしているのかわからない人も多いでしょう。今回はそれぞれの違いや特徴、使い分け方法などを詳しく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
ニッキとシナモンと桂皮の香りと味の違い
ニッキとシナモンと桂皮はどれも同じようなもののため、違いや特徴はどのようなものなのかわからない方も多いでしょう。今回はそれぞれの香りと味の違いについて、詳しく見ていきます。ニッキとシナモン、桂皮は非常に似ています。どのような差があるのでしょうか?
ニッキの香り
ニッキは、飴などのお菓子や八つ橋に使われる香辛料です。ニッキは、クスノキ科の常緑樹であるシナニッケイの皮をはぎ取って、乾燥させて作られます。ニッキは、シナニッケイの根っこの部分を乾燥させて作る点がシナモンとの違いです。またニッキは、味が少し辛口のイメージがある方もいるでしょう。
ニッキとシナモンは同じようなつくり方ですが、香りと味の違いがあります。ニッキは甘い香りがありますが甘くはなく、少しツンとするような味がする香辛料です。ニッキを使ったお菓子として定番とも言えるニッキ飴や八つ橋は、ほどよい甘さと、癖になるような刺激が楽しめる味となっています。
この刺激というのは、ミントやハッカなどと同様の口に入れると広がるメンソールの風味のことです。そのためニッキ飴や八つ橋はすっきりとした味わいも楽しめることがわかります。
シナモンの香り
シナモンは甘い香りがする香辛料です。シナモンを使ったお菓子として、シナモンロールは代表的なものとして知っている方も多いのではないでしょうか?シナモンは甘い香りがしますが、ほとんど味はありません。
お菓子やコーヒーなどと非常に相性が良く、香りづけにも利用される香辛料です。シナモンに感じる甘い香りは、オイゲノールという成分によるものです。このオイゲノールは、セイロン産のシナモンにしか含まれていません。このあと詳しく紹介しますが、シナモンはセイロンシナモンとシナモン(カシア)に分けられます。
セイロンシナモンは甘い香りと、ほろ苦い味が特徴の香辛料です。シナモン(カシア)は、濃厚な甘い香りで、セイロンシナモンよりも強い香りを感じます。また少し刺激を感じるスパイシーな味が特徴の香辛料です。
桂皮の香り
桂皮はニッキやシナモンと同様に甘い香りがします。また生姜に感じるようなスパイシーさや、甘さが特徴で生薬として利用されています。桂皮は生薬として利用されており、代表的なものとして養命酒は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?養命酒は甘みのある漢方薬です。
イメージしやすく言うと、匂いや香りは八つ橋とほぼ同じと考えて良いでしょう。また併せて紹介すると、桂皮は八つ橋と似た香りに加えて、見た目もそっくりと言われています。ここでいう八つ橋は生タイプではなく焼き上げている八つ橋のことを言います。機会があればぜひ、桂皮と八つ橋を見比べてみてはいかがでしょうか?
ニッキとシナモンと桂皮の原材料と原産国の違い
味や香りに多少の違いがあることがわかりましたが、原材料や原産国にはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは詳しく見ていきます。それではニッキ、シナモン、桂皮の違いを確認してみましょう。
ニッキ
ニッキはシナニッケイの皮を乾燥させて作りますが、シナモンとの違いはニッキの場合、根っこの部分を乾燥させて作られている点です。根っこの部分を使っているため、シナモンよりも強い香りがすることも特徴です。またシナニッケイは、国産のものがニッキに利用されます。
シナニッケイはもともと沖縄で自生していた植物ですが、現在では和歌山県や鹿児島県などの温暖な地域でも栽培されています。日本産のニッケイは収穫量が少ないため、シナモンよりもニッキの価格の方が少し高めに設定されていることもあるようです。
シナモン
日本やアメリカなどでシナモンと呼んでいるものは、ヨーロッパでいう「カシア」であることが多いです。ヨーロッパでいうシナモンは、スリランカ(セイロン島)原産の「セイロンシナモン」のことを言います。またシナモンは、セイロンニッケイの幹の部分の樹皮を原材料としています。このセイロンシナモンは、薄茶色や黄土色をしています。
シナモン(カシア)は、セイロンシナモンよりも赤みがある色をしています。そのため乾燥した樹皮を見比べれば、それがセイロンシナモンなのか、シナモン(カシア)なのかがわかるでしょう。
日本ではシナモンと一括りにして呼ぶことが多いですが、上記のようにシナモンには、いくつかの種類があり味や香りには違いがあるため、使い分けをするといいでしょう。一般的に市場に出回っているシナモンは、カシアであることも多いようです。
桂皮
桂皮は、トンキンニッケイなどのクスノキ科の木が原材料となっています。桂皮の原材料ともなるトンキンニッケイは、中国南部、ベトナムなどを産地としています。トンキンニッケイの樹皮や枝皮などを乾燥させて作られるのが、生薬として利用される桂皮です。
桂皮には解熱や発汗作用があるため、生薬として利用されるようになったようです。
シナモン、ニッキと同様に桂皮もクスノキ科ニッケイ属の木から作られていますが、細かく言うと種類が違うということがわかります。そのため味や香りなどに多少の差が出てくるようです。
ニッキとシナモンと桂皮の使い分け
原材料や原産国の違いについて見ていきましたが、次は使い分け方法を紹介していきます。ニッキ、シナモン、桂皮はとても似ているものですが、使い分けが必要です。使い分けの方法を覚えてあなたもニッキ、シナモン、桂皮を活用してみましょう。
八つ橋に使うのは?
ニッキです。八つ橋は京菓子として大変有名なお菓子ですが、ニッキを使用して作られています。ニッキは辛みと香りがあり、ニッキの味が苦手だと感じる人もいるかもしれませんが、八つ橋と言えば「ニッキ味」と結びついているイメージもあるのでは?八つ橋の甘みがニッキの辛みと相性が良く、古くから八つ橋のニッキ味は親しまれてきました。
八つ橋というとニッキが定番の味ですが、現在はチョコ味やイチゴ味など変わり種も増えてきており、ますます八つ橋の人気は増えてきています。しかしニッキ味は昔からの定番商品として、子供や大人まで幅広い層からの支持もあり、根強い人気を誇っている商品の1つとなってます。
アップルパイなどお菓子に使う香辛料は?
アップルパイと言えば、シナモン入りのものを想像する方も多いのではないでしょうか?アップルパイにシナモンが入っていると、味が引き締まり食欲をそそる一品になります。またシナモンはコーヒーや紅茶などに入れることもあります。
シナモンはコーヒーの味や香りに変化がつけられるため相性がよく、コーヒーショップなどでもシナモンパウダーが常備されていることもあります。またシナモンはお菓子だけでなく、カレーや肉料理に加えて使うのも良い香辛料です。シナモンには食欲増進効果や解熱作用、発汗作用などもあるようなので、お菓子や料理に使ってみても良いでしょう。
生薬として使うのは?
【桂皮は体を温めます】
— 新宿区の漢方薬局 太陽堂 (@taiyodo_kampo) September 29, 2018
シナモンやニッキなど食材としてご存知の方は多いと思いますが、生薬名は「桂皮」と呼びます
・体を温め、冷えをとる
・冷え性、手足の冷え、関節痛を改善する
・腹痛や月経痛の改善
などと言った女性にも嬉しい作用がたくさんあります\(^o^)/#桂皮 #シナモン #冷え pic.twitter.com/P5837uTsAX
生薬として使われる場合は「桂皮」と呼ばれます。桂皮にはたくさんの効果や効能があると言われています。しかしそれらの効果や効能を発揮するために、一度にたくさん摂取することは避けましょう。一日の摂取量の目安は0.6gから3g程度と言われているため、摂取量を守って摂取しましょう。
桂皮は冷え性対策や腹痛などにも効果があるため、上手に摂取することで体内環境を改善することに役立つかもしれません。養命酒や葛根湯などの漢方薬にも利用されており、身近なものとして私たちの生活を支えています。養命酒や葛根湯は古くより親しまれている漢方薬の1つです。
身体を温める効果もあるため風邪をひいたとき、また風邪の引き始めなどに重宝されています。シナモンと同様甘い味がするため、比較的飲みやすいのではないでしょうか?
ニッキとシナモンや桂皮の違いがわかれば使い方も簡単!
身の回りにあるシナモンは、ニッキ、桂皮とも呼ばれ、用途によって使い分けることができます。お菓子にはシナモンやニッキ、生薬には桂皮など、使い分け方法さえ覚えてしまえば簡単に使うことができます。ぜひあなたもそれぞれの違いや特徴をしっかりとおさえ、シナモン、ニッキ、桂皮を利用してみてはいかがでしょうか?