マーガリンの成分は体に危険?バターとの違いやトランス脂肪酸など!

マーガリンを食べたことありますか?マーガリンはバターによく似た食品となっており、バターの代わりに使用している家庭も多いのではないでしょうか?今回の記事では、そんなマーガリンについて詳しく紹介していきます。マーガリンの原料や成分、バターとの違いや加工過程で作られるトランス脂肪酸についても紹介していきます。また、マーガリンは体によくないといわれていることもありますが、マーガリンが体に及ぼす危険性やその理由についても紹介していきます。

マーガリンの成分は体に危険?バターとの違いやトランス脂肪酸など!のイメージ

目次

  1. 1マーガリンは危険?
  2. 2マーガリンとバターの違い
  3. 3マーガリンの不飽和脂肪酸が悪い?
  4. 4マーガリンのトランス脂肪酸が危険な理由
  5. 5マーガリンの悪影響は人によって異なるので自己管理をきちんとしよう!

マーガリンは危険?

マーガリンとは?

マーガリンとは、バターに似せて作られた加工食品です。元々バターが高価であることから、バターの代替としてマーガリンが作られました。マーガリンには2種類存在しており、油脂含有率によって区別されます。油脂含有率が80%以上のものはマーガリン、80%未満のものはファットスプレッドと呼ばれており、家庭用のマーガリンとして販売されているものの多くはファットスプレッドとなっています。

バターなどと同様に主にパンに塗って食べることが多いですが、バターに比べて安価であることからバターの代用品として、クッキーやケーキ、アイスクリームなどにも使用されるようになりました。

どんな原料や成分?

続いてはマーガリンの原料や成分について見てみましょう。マーガリンは精製した油脂に発酵乳、食塩、ビタミン類成分などを加えて乳化し練り合わせています。マーガリンの主原料は植物性、動物性の油脂となっています。マーガリンの製造過程において水素を分子に付加させて、常温でも個体を維持するようにさせています。

マーガリンの主原料には植物性の油脂が使われているため、植物油脂由来の必須脂肪酸でもあるリノール酸やαリノレン酸などの成分も含まれています。

水素添加という工程

上記でも紹介したようにマーガリンを製造する過程で、水素を分子に付加させる工程が含まれています。その工程は水素添加と呼ばれています。食用油脂の水素添加反応は、油脂の分別法となっており、エステル交換反応と並ぶ重要な油脂の改質法の1つです。

マーガリンとバターの違い

乳脂肪と植物油脂

次はマーガリンとバターの違いについて詳しく紹介していきます。バターとマーガリンの基本的な違いは、原料が乳脂肪であるか油脂であるかによります。乳脂肪分が80%以上含まれているものをバターと呼び、植物性、動物性の油脂が80%以上含まれているものをマーガリンと呼びます。バターは生乳や牛乳に含まれている脂肪分を抽出して固めているのに対して、マーガリンは油脂に水素添加を行い、固めたものとなっています。

味や風味の違い

それでは、バターとマーガリンの味や風味の違いはどんなものなのでしょうか?バターは牛乳などの乳脂肪が主原料となっているため、香りや風味がよく、深いコクを感じることができます。一方マーガリンは、油脂成分を使用して作られているため、匂いなどはあまりなく、さっぱりとしているのがマーガリンの特徴です。深いコクを出したい場合などにはバターを使うことをおすすめします。

使いやすさの違い

では、バターとマーガリンではどちらの方が料理などに使いやすいのでしょうか?上記でも紹介しているようにマーガリンは、バターに比べさっぱりとした口当たりで、サンドイッチで使う時や他の素材と合わせる時におすすめです。また、マーガリンはなめらかな柔らかさも特徴的で、冷蔵庫に入れておいても固くならず、出してもすぐにパンなどに塗ることができるのも魅力の1つといえるでしょう。

一方バターは冷蔵庫に常温保存にはあまり向いておらず、冷蔵庫に入れている家庭が多いのですが、冷蔵庫で保存した場合はバターが硬くなり、パンなどに塗る場合は常温で少し溶かす必要があります。そのため、パンやサンドイッチなどにそのまま使用したい場合は、バターよりもマーガリンの方が使いやすいといえるでしょう。

マーガリンの不飽和脂肪酸が悪い?

不飽和脂肪酸とは?

続いてはマーガリンに含まれている成分の不飽和脂肪酸について紹介していきます。不飽和脂肪酸とは1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸です。不飽和脂肪酸には様々な種類が存在しており、栄養素としては飽和脂肪酸とは異なり、人体に必要となる必須脂肪酸も含まれています。また、不飽和脂肪酸には、炭素間の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類が存在しています。

水素添加でトランス脂肪酸になる

上記でも既述したように不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型がありますが、天然の不飽和脂肪酸のほとんどはシス型といわれています。これに対してトランス型の不飽和脂肪酸はまとめてトランス脂肪酸と呼ばれています。天然のものでもトランス脂肪酸が作られる場合がありますが、ほとんどは油脂の加工、精製の工程でトランス脂肪酸が作られていきます。

その理由は油脂を常温で個体を維持させるための加工技術でもある水素添加にあります。水素を添加することで不飽和脂肪酸の二重結合の数が減り、飽和脂肪酸の割合が増えますが、これが原因でトランス脂肪酸ができていきます。

リノール酸の摂取で影響が軽減?

トランス脂肪酸の摂取量が多いと体に危険が生じるといわれていますが、実はリノール酸の摂取で影響を軽減することも可能です。リノール酸も不飽和脂肪酸の1種で生命の維持には必要不可欠の必須脂肪酸でもあります。リノール酸は体内で生成することができないため、食事などで摂取する必要があります。リノール酸の摂取によってトランス脂肪酸の影響を軽減できるという意見も多く出ています。

危険な摂取量とは?

では、トランス脂肪酸の危険な摂取量とはどのくらいなのでしょうか?トランス脂肪酸の過剰な摂取には生活習慣病などの危険があるため、しっかりと1日の摂取量の上限を把握しておく必要があります。国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合は、食品から摂る総脂質、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸などの目標値を2003年に公表しています。

その中で、トランス脂肪酸の危険のない摂取量は、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするように勧告しています。日本人が1日に摂るエネルギー量の平均は約1900kcalのため、1日のトランス脂肪酸の摂取量は約2gです。

マーガリンのトランス脂肪酸が危険な理由

悪玉コレステロール値を上昇させる

最後にマーガリンに含まれているトランス脂肪酸が危険な理由について紹介していきます。トランス脂肪酸が危険な理由の1つ目は悪玉コレステロール値を上昇させることです。悪玉コレステロールが増えることで、血管壁に入り込んでコブのような動脈硬化ができてしまいます。この動脈硬化が進むと、心筋梗塞や狭心症、脳卒中、閉塞性動脈硬化症になることがあります。

また、マーガリンに含まれているトランス脂肪酸を摂りすぎると悪玉コレステロールが増えるだけではなく、善玉コレステロール値が低下してしまうともいわれています。善玉コレステロールには悪玉コレステロールの作用を抑える効果も期待できるため、マーガリンの食べ過ぎには注意するようにしましょう。

血中の中性脂肪が増える

マーガリンに含まれているトランス脂肪酸が危険といわれている理由の2つ目は、血中の中性脂肪が増えることです。中性脂肪が増えることで、糖尿病の危険があったり、動脈硬化の危険があります。中性脂肪の仕組みははたくさん食べてエネルギーを多く取っていると、体が消費した残りのエネルギーが肝臓で脂肪に替えて蓄えてしまうのが原因です。

そのため、中性脂肪を減らすためにもマーガリンの摂りすぎには十分注意する必要があります。また、中性脂肪は油脂類の中でも動物性のものに多く含まれているため、マーガリンを食べる際には動物性ではなく、植物性油脂のものを食べるようにしましょう。

免疫力を低下させる

マーガリンに含まれているトランス脂肪酸が危険な理由の3つ目は免疫力の低下です。マーガリンに含まれているトランス脂肪酸を摂りすぎた場合は免疫力が低下するいわれており、風邪を頻繁に引いてしまったり、アレルギー性の病気やガンになりやすくなってしまいます。また、日常的にもやる気が起きなくなってしまい、うつ病になる可能性もあるので、トランス脂肪酸の摂りすぎには注意しましょう。

マーガリンの悪影響は人によって異なるので自己管理をきちんとしよう!

マーガリンが体に及ぼす影響や危険といわれる理由、バターとの違いについて紹介してきましたが、どうだったでしょうか?マーガリンの原料には油脂成分が使われており、トランス脂肪酸が含まれています。トランス脂肪酸を摂りすぎてしまうと体に悪影響が出てしまうので、マーガリンを使う際には食べ過ぎに注意しながら使用するようにしましょう。

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