2019年02月22日公開
2024年09月05日更新
菓子まきは名古屋の結婚式で人気の演出!ゲストにも喜ばれる!
「菓子まき」という伝統的な嫁入り行事を知っていますか?菓子まきとは、花嫁さんがお嫁に行く前に家のベランダや庭からご近所さんへお菓子を撒くというのが風習で、現在では結婚式場やレストランウエディングでも人気企画となっています。元々は全国にあった風習でしたが、現在では名古屋のイメージが根強いです。そんな菓子まきに注目し「菓子まきは名古屋の結婚式で人気の演出!ゲストにも喜ばれる!」について詳しく紹介していきます。そして尾張の文化も一緒に触れてみましょう。
菓子まきとは?
皆さんは菓子まきという伝統的な嫁入り行事を知っていますか?菓子まきは花嫁さんがお嫁に行く前に家のベランダや庭からご近所さんへお菓子を撒くスタイルのことを言います。これが昔実際に行っていた菓子まきですが、現代では趣向を凝らしたアイデアを取り入れながら行うことが多くなりました。今回はそんな菓子まきに着目し「菓子まきは名古屋の結婚式で人気の演出!ゲストにも喜ばれる!」といったテーマで詳しく紹介します。
伝統的な「菓子まき」
名古屋を始めとした尾張地方の嫁入りは、ガラス張りの寿トラックにびっしりと詰まった嫁入り道具や新婦または新郎の家で繰り広げられる菓子まきなど、昔はよく見られた光景です。「娘が3人いたら家が傾く」という恐ろしいジンクスまでありました。しかし、最近の結婚事情はすっかりと様変わりし「ジミ婚」ブームと呼ばれ、家から菓子まきをしなくなったのは景気の波に左右された時代背景にあったようです。
お菓子を撒く理由
菓子まきには2つの諸説があります。1つ目は家を新築する際の棟上げ時に行われる餅まきがルーツと言われています。2つ目は昔の婚礼の儀式では、花嫁さんが実家を出て花嫁行列が嫁ぎ先へ向かうと言うのが習わしでしたが、人口減少に繋がる花嫁行列を近隣住民が通せんぼをして行く手を邪魔したことから、花嫁さんが通してもらえるようにお菓子を配ったというルーツがあります。これがお菓子を撒く理由ではないかと言われています。
菓子まきとは具体的にどんなことをする?
昔ながらの菓子まきとは、新婦の家の2階から近所の方へ菓子まきをするのが一般的でしたが、時代が変わり、今では結婚式場や神社、ホテルやレストランなどの会場内で行うことが多くなりました。そして、菓子を撒くのは新郎新婦たち本人といったところが昔との大きな違いです。幸せのおすそ分けがしたいという気持ちと感謝の気持ちを込めて、時には新郎新婦の両親や親戚、友人が手伝うようなアットホームな演出もあり人気です。
菓子まきは名古屋の風習?
元々は全国にあった
菓子まきは尾張地方固有のものではなく、元々は全国各地で行われていましたが、慶事目的として菓子まきを行うことが多く、前述でも説明の通り新築の家を建てる時などにも餅まきを行い皆でお祝いをしました。現代のような核家族化が進むと、昔のように近隣住民との蜜なコミュニケーションが図れなくなったのも時代背景としてあるようです。尾張の菓子まきも見栄がおりなす演出でしたが、現代では派手なことはしない傾向です。
現在は名古屋のイメージが強い
1989~1998年頃、東海テレビ・泉放送制作が制作したドラマ「名古屋嫁入り物語」は、故植木等主演で全10作が放映され、名古屋の嫁入りを題材にした物語が広く知られ「名古屋の嫁入りは金がかかる」「名古屋の嫁さんと結婚したら大変だ」というジンクスもできました。ドラマなのでオーバーではありますがこれぞ名古屋といった派手な演出でお茶の間を驚かせ、菓子まきは3組に1組が行っていた時代でした。
尾張・美濃地域にあった「花嫁菓子」の文化
尾張地域や美濃地域では、昔「花嫁菓子」という文化がありました。新郎宅へ嫁入りする際に配られたと言います。その文化が菓子まきとなり、新婦宅あるいは新郎宅の屋根から親族の男性が近隣住民や子供たちへと賑やかに振る舞われて、新郎新婦の門出を祝福しました。菓子まきの文化を絶やすまいと、神前式でも伝統文化を再現し、消えゆく風習をもう一度再現することから次世代へ受け継いでもらいたい気持ちで溢れています。
福井県の方が盛んに行われている?
名古屋が「派手婚」だというのは、前述でも紹介した「名古屋嫁入り物語」のドラマで、さらに根付いてしまった背景がありますが、実は上には上がいます。名古屋には負けない派手婚が「福井」にも存在していました。名古屋と福井に派手婚になる共通点と言ってもイメージはつきませんが、名古屋は世界のトヨタがあり物づくり大国で、福井はメガネのフレームのシェアをおさえているなど、両者共に豊かな県という共通がありました。
つまり、名古屋も福井もそれなりに裕福であるものの、良い意味での田舎らしさがあるので、それが派手婚につながっているようにも感じます。実際派手婚は「見栄を張る」と言われても過言ではないので、特に輿入れする嫁側の家格の見せ場という思いがさらにエスカレートした背景にありました。そんな両者の共通点が結びついた菓子まきですが、不景気が長く続いた日本ではジミ婚ブームが定着し、かつての派手さがなくなりました。
現代風の菓子まきとは?
結婚式の演出として人気
現代では、昔の菓子まきの風習はすっかり消えてしまいましたが、由来の中で花嫁さんが嫁ぎ先へ行く時にご近所さんが道を遮るのを防ぐための菓子まきだったのが、現在では花嫁さんに出ていってもらいたくないという、ご近所さんからの愛情として捉え、それがいつしか「ゲストへ幸せのおすそ分け」といった意味を込めて、結婚式場にて菓子まきをする演出へと変化し、現代風菓子まきとして認知されるようになり、人気が出ました。
結婚式場での菓子まきとは、披露宴やセレモニーの演出として菓子まきをプログラムに取り入れるところが増えてきて人気があります。この場合、新郎新婦自らが「幸せのおすそ分け」という意味合いも込めて撒くのだそうです。ケーキ入刀だけでなく、菓子まきも夫婦になって初の共同作業ということになります。また、最初だけ新郎新婦で行い、その後に両家の親御さんや親戚、友人も手伝う楽しい余興になることもあります。
景品が当たるといったゲームの要素も
また、最近の菓子まきではお菓子に「当たり」が仕込まれていて、豪華な景品がもらえるという、ゲーム要素を取り入れた企画も多いそうで、ウエディングの新たな余興として盛り上がりを見せています。式では厳かで緊張していた参列者の方々も、この余興で一気に緊張が溶け、まるでデパートのバーゲン会場を思わせるような、争奪戦が繰り広げられるのも忘れられない良い思い出になるでしょう。
このような菓子まきに使われるお菓子は安価な駄菓子が一般的になっています。名古屋市西区明道町にある「明道町 菓子問屋街」と呼ばれるエリアで入手することができます。今も昔と変わらず「嫁入り菓子注文受け付けます」の看板が掲げられていて、風習は少しずつ変わってきても菓子まきは変わらず続いていってほしいです。また、お菓子まきは地域のイベントとして使われることも多くなり、別での需要も見込める現状です。
新築祝いやイベントで行うことも
名古屋を始めとする尾張地域で行われる菓子まきの風習ですが、家の新築祝いでも行われ、めでたい場面には菓子を撒いて盛り上げる文化が全国的にみても古くからありました。そのようなことから、菓子まき用のお菓子は大手ネット通販でも販売されています。そして、もっと驚くことに現代版菓子まきでは「小型のドローンを使って空中から菓子をまく」というサービスが岐阜県の会社よって2016年8月から始まりました。
実は隣県である岐阜県の旧家では名古屋同様に菓子まきの文化が残っている地域があるそうです。その岐阜県にある同社が2017年11月でのイベント会場で10mもの高さから墜落し、6名の負傷者が出るという事故が起こりました。これを受けて、ドローンを用いての催事を中止する自治体が増え、国土交通省は2018年1月31日付けで交通法を改正し、イベント会場での立ち入り禁止区域やプロペラガードの義務化を強化しました。
イベント会場や祭りなどの催事会場に出向いてお菓子をまいてくれるという、現代の技術と古くからの良き風習が融合したのはまだ始まったばかりですが、今後も多くの方々が安全で楽しめる演出と運用を目指して欲しいと願います。
結婚式で人気の菓子まきをやってみよう!
今回は「菓子まきは名古屋の結婚式で人気の演出!ゲストにも喜ばれる!」というテーマで紹介してきました。名古屋・尾張地方の伝統文化を知らなかった方も、興味深く知ることができたのではないでしょうか?菓子まきは新郎新婦本人はもちろん、参列者も多いに楽しんでいただける余興ということが分かりました。結婚を控えている方にぜひ菓子まきという楽しい演出があるというのを広め、伝統文化を次世代へと繋いでいきましょう。