2019年02月22日公開
2024年11月12日更新
牛すじに含まれる栄養素を解説|下処理方法やおすすめレシピも紹介
低カロリーで注目される牛すじに含まれる栄養素について知っていますか。この記事では、牛すじの栄養素や美味しく食べるために欠かせない下処理方法や効果的な食べ方のポイントを紹介しています。健康やダイエットに関心がある人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
「牛すじは、どんな栄養素が多く含まれる食べ物?」
「他の肉と比べて、牛すじはどういったところが優れている?」
「牛すじを使った簡単なレシピが知りたい」
冬が近づくにつれ、牛すじが入ったあったかいおでんが美味しく感じる時期がやってきます。
この記事では、牛すじについて栄養素やカロリーなどの基本情報や、牛肉の他の部位や豚肉などとの比較などを詳しく解説しています。効果的に栄養素が吸収できる食べ方や、美味しく牛すじを食べるために欠かせない下処理方法とおすすめレシピについて紹介も行うので、この記事を読むことで、より美味しく牛すじを普段のレパートリーに加えられるでしょう。
今まで牛すじを調理したことのない人や、牛すじのレパートリーを増やしたい人は、ぜひこの記事を参考に、普段の食生活の中に牛すじを取り入れてみてください。
牛すじには種類がある
そもそも「牛すじ」は、どこの部位に該当するのでしょうか。
実は、一般的に牛すじと呼ばれているものは、主に足のアキレス腱・各部位の肉についている筋・ハラミの外側を覆う横隔膜を剥がした部分の3つの総称になります。料理用途でも分けられていますし、すじによって価格も違うので、安さを追求する人は知っておくと良いでしょう。
牛すじの栄養素
牛すじは、高たんぱくかつ低脂肪でコレステロールも少ない食材です。含まれる栄養素で注目したいのは、コラーゲン・ビタミンK・ビタミンB12の3つです。
それぞれの栄養素の特徴について、詳しく見ていきましょう。
コラーゲン
人体のたんぱく質全体の30%を占めるコラーゲンは、皮膚や血管、腱・軟骨などの重要な組織を構成する繊維状のたんぱく質です。ゼラチンの原料としても知られています。
コラーゲンの主な効能は、「肌に弾力を与える」「関節の痛みを和らげる」などがあげられます。
年齢を重ねるにつれ体内のコラーゲン量は減少すると言われるため、肌荒れや関節の衰えを感じた時や健康な身体作りを目指す際には、意識的に摂取するのが良いでしょう。
出典・参照: コラーゲン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ビタミンK
ビタミンKは血液を凝固させる働きを持った脂溶性ビタミンで、骨密度アップには欠かせない重要な栄養素です。コラーゲンの生成を促進し骨質を改善する効果も持ち合わせており、骨粗しょう症の治療薬にも使用されています。
ビタミンKの不足は、鼻血や胃腸からのの出血・月経過多・血尿・血液の凝固作用の遅延などの症状の原因となります。また、慢性的なビタミンK不足は、骨折や骨粗しょう症を引き起こす可能性があるので注意が必要でしょう。
ビタミンB12
ビタミンB12は、神経や血液細胞の健康維持や、全細胞のDNAの生成を助ける栄養素です。疲労や体力低下の原因となる貧血の予防にも効果があります。
ビタミンB12の不足は、疲労・体力低下・便秘・食欲不振・体重減少・貧血といった症状を引き起こします。手足にしびれやチクチクする痛みといった神経症状が起こる場合もあり、欠乏症になると早期の治療が望まれるほど重要な栄養素です。
出典・参照: ビタミンB12|厚生労働省
牛すじのカロリーを他のお肉と比較
牛すじは低カロリーの食材ですが、他の肉と具体的にどれだけ違っているのでしょうか。牛肉の他の部位・豚肉・鶏肉と比較してみましょう。
牛すじと牛肉の他の部位を比較
100gあたりのカロリー(kcal) | |
---|---|
牛すじ | 155 |
和牛ばら肉 | 517 |
和牛サーロイン | 498 |
和牛ヒレ | 223 |
牛タン | 269 |
上の表を見ると一目瞭然ですが、私たちが普段食べ慣れている牛肉の部位と比べても、牛すじのカロリーの低さが際立ちます。
特にばら肉の517kcalやサーロインの498kcalと比較すると、牛すじの155kcalは3分の1にも満たないのです。数多くの部位がある牛肉で、ヘルシーな部位であると言えるでしょう。
出典・参照:牛スジ - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
出典・参照:和牛牛肉 - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
出典・参照:和牛サーロイン - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
牛すじと豚肉を比較
100gあたりのカロリー(kcal) | |
---|---|
牛すじ | 155 |
豚バラ肉 | 386 |
ロース | 263 |
ひれ肉 | 115 |
豚肉と比較しても、ひれ肉以外の部位よりも牛すじの方が低カロリーという結果となりました。
牛すじよりカロリーが低いのはひれ肉のみです。しかし、ひれ肉はとんかつといった料理に利用されることが多い部位になります。そのため、調理の過程で脂質が付加されがちなので、最終的に牛すじよりもカロリーが高くなる可能性が捨てきれません。
牛すじと鶏肉を比較
100gあたりのカロリー(kcal) | |
---|---|
牛すじ | 155 |
鶏もも肉 | 200 |
鶏胸肉 | 191 |
ささみ | 105 |
カロリーが気になる時によく選ばれる鶏肉と比較した場合、ささみ以外の部位であれば牛すじの方が低カロリーということが、この表でわかります。
部位ごとに鶏肉を見ていくと鶏もも肉が最も高カロリーですが、上記で見てきた牛肉や豚肉と比較するとやはり低めです。しかし、ほぼたんぱく質で構成されているささみ以外は、牛すじよりも高カロリーとなります。
牛すじの効果的な食べ方
せっかく牛すじを食べるなら、その栄養素を効果的に摂り入れたいものです。効果的に牛すじを食べるためのポイントを2つ紹介するので、しっかり押さえていきましょう。
1:調味料のカロリーや糖質に注意
低カロリーかつ高たんぱくな牛すじには、実は糖質もほとんど含まれていません。そのため、糖質制限中の食事に向いているように思う方も多いですが、定番の牛すじ煮込みといった砂糖を使う料理には注意が必要です。
いくら牛すじの糖質が少なくても、糖質の多いにんじんなどの食材と一緒に煮込んだり、調味料でしっかり味付けしたりすれば、カロリーや糖質は多くなります。糖質制限を目的に牛すじを使う際には、他の食材や調味料のカロリーや栄養成分にも気をつけることが大切です。
2:煮込み料理やスープでコラーゲンを効果的に摂取
牛すじに含まれるコラーゲンは、短時間の加熱では固くなってしまうため、スープやカレーといった煮込み料理がおすすめです。
また、牛すじのコラーゲン重要視するなら、身体への吸収率をあげるためにビタミンCと一緒に摂ると良いでしょう。ビタミンCを多く含む食材は、ブロッコリーやピーマンといった緑黄色野菜が挙げられます。
より効果的な食べ方を目指すなら、調理方法と一緒に摂る食材にも気を配りましょう。
牛すじを美味しく食べるための下処理方法
正しい下処理方法ができていれば、牛すじの固さや臭みといった問題点は回避できます。
必要なのは、牛すじ500gに対してショウガ約10gと長ネギの青い部分が1本分です。これらを使って、以下の手順で下処理を行いましょう。
1.皮付きのショウガを5mm幅の輪切りにする。
2.水の入ったボウルに牛すじを入れ、こするように汚れを落とす。
3.洗い終わった牛すじを鍋に入れ、完全に浸る量の水を加えて中火にかける。
4.徐々にアクが出てきてもそのままにし、沸騰後から1分待機する。
5.1分経過後、牛すじをザルにあげ、流水で表面の汚れを落とす。
6.脂とアクを洗い落とした鍋に牛すじ・ショウガ・長ネギを入れ、浸る量の水を注いで沸騰するまで再加熱する。
7.沸騰後は弱火に変え、そのまま1時間半〜2時間ほど茹でる。アクが出てきたら、その都度おたまなどですくい取る。
8.固そうな腱や筋の部分も柔らかくなっていれば、下処理完了。
牛すじを使ったおすすめレシピ
積極的に生活に取り入れたい人のために、牛すじのおすすめレシピを4つ紹介します。ぜひ参考にして、自分好みのレシピの開発などに役立ててください。
圧力鍋が無くてもOK!こっくり味噌の牛すじ煮込み
☆牛肉...骨や筋肉の強化、食欲不振、虚弱体質、無気力に ☆ごぼう...風邪の予防に、便秘に、動脈硬化の予防に、解毒作用、発汗作用、利尿作用 ☆人参...目の乾燥、視力低下、肝機能改善、食欲不振に、老化防止に ☆大根…胃もたれ、お腹のはりに、咳や痰、喉の不快感に、風邪、インフルエンザの予防に ☆味噌...腰やお腹の冷えに、二日酔いに、コレステロールの抑制と排泄、抗酸化作用、がん予防、脂肪肝予防、高血圧防止
健康面を意識した牛すじ煮込みです。
ごぼう・にんじん・大根といった根菜と味噌を一緒にしたことで、風邪やインフルエンザの予防や冷え性対策、胃もたれや二日酔いなどへの効果も期待できます。圧力鍋を使わないため材料を揃えるだけで作れることもあり、特に冬場におすすめのレシピです。
美肌効果抜群!牛すじのスープストックのコムタンスープ
美肌効果に特化した栄養満点のコムタンスープです。
牛テールではなく牛すじのスープストックを使っているのがポイントで、お好みでキムチやカクテキを入れたり、ご飯を入れてコムタンクッパにしたりと、いろいろな楽しみ方ができます。
圧力鍋でトロトロ!*スタミナ牛すじ肉じゃが*
牛すじ・じゃがいも・玉ねぎで作る肉じゃがです。
作り置きにもおすすめで、とろとろの牛すじを味わえる絶品レシピです。
レシピ教えて♡と言われる我が家の牛すじカレー
シンプルな作り方が魅力の牛すじカレーです。牛すじの良さを味わいながら健康的なカレーを作りたい人に、ぜひおすすめしたいレシピです。
牛すじの栄養成分を余すことなく取り入れよう
肉の中でも牛すじは、カロリー・脂質・糖質が低い食材です。また、丈夫な身体を作るために必要なコラーゲンなどの栄養も詰まっており、ダイエット向きの食材と言えます。
注意したいのは、脂質が少ないせいで少々腹持ちが悪い点です。食べ過ぎには十分注意した上で、この記事を参考に食生活に取り入れてみましょう。