コーンスターチとは何?片栗粉との違いや離乳食の注意点など

コーンスターチと片栗粉の違いは何?改めて聞かれると分からないことが多いのではないでしょうか?お菓子作りに登場することの多いコーンスターチですが、なんとなく自宅に常備しているという方も多いはず。見た目も似ているコーンスターチと片栗粉はどちらもでん粉ですが、コーンスターチはとうもろこし、片栗粉はじゃがいもを原料としていて、風味やとろみの性質に明確な違いがあります。赤ちゃんの離乳食を作る際の注意点やコーンスターチの上手な使い方、カロリーなどを紹介します。

コーンスターチとは何?片栗粉との違いや離乳食の注意点などのイメージ

目次

  1. 1コーンスターチとは?
  2. 2片栗粉とは?
  3. 3コーンスターチと片栗粉の違い
  4. 4コーンスターチは赤ちゃんの離乳食には危険?
  5. 5コーンスターチの特徴を知って安全に使おう!

コーンスターチとは?

料理やお菓子つくりに使うコーンスターチですが、あまり一般的ではないのか、レシピに出てきてもこれが何なのか分からずに困った経験をした方も多いかと思います。料理よりもお菓子を作るときの方が多く使用されるコーンスターチについての解説と、よく似た片栗粉との比較を紹介します。
 

とうもろこし由来のでん粉

コーンスターチとはとうもろこしを原料とするでん粉です。でん粉の特徴は、水を加えて加熱することで溶解することにあります。でん粉粒子はある一定の温度以上になると吸収を始めて膨張し、その膨張が最大になると崩壊して分散します。この現象をでん粉の「糊化」(粘度が増す)と呼びます。白く無臭でさサラサラとした粉末状で使われます。

とうもろこしは種子の胚乳に含まれる角質でんの分布や特性によっていくつかの品種に分けられるが、コーンスターチの原料になるものは、食用として一般に広く認知されているスイートコーン(甘味種)やポップコーン(破裂種)などは用いません。主にコーンスターチにはデントコーンワキシーコーンといった品種が使われます。

主な使用目的

コーンスターチの用途は様々であるが、主要な食品では、プリンなどの凝固剤や、カスタードクリームのとろみ付けにコーンスターチがよく使われています。他にもフランス料理や中華料理でとろみを出すためによく使われます。中華料理のとろみには、普通コーンスターチに醤油と砂糖を混ぜたものが使われます。

 

コーンスターチは食品以外にも、化粧用や工業用にも使われており、ファンデーションおしろい、赤ちゃん用のベビーパウダーなどの基礎成分として利用されています。工業用では、紙製品の加工や製造の際の接着剤として使われることが知られている。また、医療用ゴム手袋にはゴムを滑りやすくして装着しやすくするパウダーとして使われています。
 

特徴とカロリー

コーンスターチは小麦粉と違い、水を混ぜてもグルテンを形成しないので、小麦粉の一部をコーンスターチに置き換えると、サクッと軽い食感に仕上げることができます。コーンスターチはでん粉のみでできているので、滑らかなクリームに仕上がります。
 

コーンスターチの100gあたりのカロリーは354kcalです。10gあたりのカロリーは35kcalくらいになります。コーンスターチは使う量が少量の材料なので気にするほどの数字ではありませんが、比較的高いカロリーとなっています。

片栗粉とは?

じゃがいものでん粉

かつては文字通りユリ科のカタクリの根茎から製造していたが、明治以降北海道の開拓が進み、じゃがいもが大量栽培されるようになると、原料はじゃがいものでん粉に切り替わりました。じゃがいもから作られるでん粉には「アミロース」が20~25%含まれていて、粒の大きさも一般で売られているでん粉の中では一番大きいものとなります。

主な使用目的

揚げ物の衣をつけるための調理用粉として竜田揚げ唐揚げ、さらにそれを煮て酢豚や治部煮などにします。他にも、八宝菜や麻婆豆腐など素材の色彩を妨げないことから、多くの中華料理でとろみをつけるのに多用されています。また、赤ちゃんの離乳食を作る際、赤ちゃんが食べやすいようにとろみを付けますが、片栗粉を使うことが多いです。

 

離乳食ではとろみの有無や付け方で、赤ちゃんがのど越し良く食べられるように食材に工夫ができます。離乳食初期のゴックン期では、お粥のとろみ付けや野菜や果物をペースト状にするときに「水溶き片栗粉」を活用します。とろみが多いと塊になってしまうので少量ずつ加えましょう。

他にも、じゃがいもでん粉は水あめ、ブドウ糖、インスタント麺、かまぼこ、ちくわ、などの水産練製品、オブラート、薬、焼酎、洗濯のり、切手のりなど幅広く使われています。

特徴とカロリー

揚げ物に使用するとカリっと揚がり、時間がたってもべたつく度合いが少ないです。とろみ付けに使用する場合、でん粉は加熱により透明なゲル状に変化するため、熱い料理に直接片栗粉を加えると、すぐにダマになってしまいます。いったん水に溶かしてから加える必要があります。
 

片栗粉の100gあたりのカロリーは330kcalです。100gあたりのカロリーも糖質量も比較的高いように感じますが、一度に100gを摂取することはほとんどないので、あまり心配しなくてよいでしょう。大さじ1あたりのカロリーは30kcalになります。
 

コーンスターチと片栗粉の違い

見た目もそっくりなコーンスターチと片栗粉ですが、明確な違いがあり使い分けが必要な場合があります。違いを知っておくと料理の失敗もなくなるので覚えておきましょう!
 

原料

コーンスターチと同じく、片栗粉もでん粉ですが、コーンスターチはとうもろこし片栗粉はじゃがいもを原料としています。そのため、風味に違いが出ますが、少量使用する場合には代用しても失敗することは少ないです。

とろみ

コーンスターと片栗粉の原料のでん粉は、およそ60度を境に糊化が始まるとされています。コーンスターチと片栗粉に65度のお湯を注ぎ、よくかき混ぜます。コーンスターチは水のようにサラサラで、白濁の液体のままですが、片栗粉は反対に透明になりスプーンに吸い付くような強い粘りが現れます。


 

このような違いから、片栗粉はとろみが早く付き、食材の色彩を損なわないので中華料理などに向きます。コーンスターチは適度な粘性を生かして、焼き菓子のつなぎとして利用されます。コーンスターチで片栗粉の代用をする場合は、仕上がりの違いに注意してください。
 

食感

コーンスターチと片栗粉を使い、カスタードクリームを作って食感の違いを検証します。コーンスターチは、形を保ちやすく粘度はあるけれど歯切れがよく、あっさり仕上がりました。片栗粉は、ぼてっとした見た目に、弾力がありもちもちしています。粘りがあって、クリームのように柔らかくありません

コーンスターチが合うお菓子と料理

コーンスターチはお菓子に使われることが多く、プリンやカスタードクリーム、ブラマンジェが代表的です。料理ではパンや天ぷらの衣などにも使用します。あんかけなどのとろみ付けにコーンスターチを使うと、とろみがつきにくく、片栗粉よりも多く使用する必要があるので、あまり適しません。

片栗粉が合うお菓子と料理

片栗粉を、衣やとろみ付けだけでなく、お菓子作りにも使います。わらび餅ミルク餅、カボチャやサツマイモなどの野菜を煮て潰したものに片栗粉を加えて、フライパンで焼けば、赤ちゃんの離乳食にも使えるおやつの完成です。じゃがいものでん粉なので安心して離乳食として使用でき、素材の味を壊すことなく優しい甘さのお菓子が作れます。

 

片栗粉を使った料理では、イカの煮物や麻婆豆腐のとろみ付けなど、素材を加熱しすぎることなくとろみを付けたい場合に最適です。また、揚げ衣に使用する唐揚げや竜田揚げにも合います。片栗粉は低温で粘度が低下するため固まりにくく、プリンやカスタードクリームのようなお菓子にはあまり適さないです。
 

コーンスターチは赤ちゃんの離乳食には危険?

遺伝子組み換えのとうもろこし

日本で作られているとうもろこしを使った加工食品などは大体アメリカからの輸入品を使っているため、日本のコーンスターチは遺伝子組み換えのとうもろこしが原料である可能性が高いです。そもそもアメリカのとうもろこしの9割以上が遺伝子組み換えとうもろこしで、そうでないとうもろこしは大概アメリカ国内で高値で消費されてしまいます。

日本のコーンスターチの原料とするとうもろこしは、そのアメリカで作られたとうもろこしが9割ほどで残りは中国からの輸入ですから、流通している物の全てが遺伝子組み換えのとうもろこしが原料とは限りませんが、かなりの確率でコーンスターチは遺伝子組み換えされたものが原料になっています。
 

日本の食品の表示ルールでは、「全体の重量に占める遺伝子組み換え原料の割合が上位3位以内で、かつ5%以上」でない加工食品は表示が省略できるとされているため、赤ちゃんのための離乳食や健康食品であろうとも、実は遺伝子組み換え食品が使われている可能性は高く、危険とされているのです。

アレルギー

コーンスターチは原料がとうもろこしですから、とうもろこしアレルギーの方にとっては当然アレルギーを起こす原因になります。とうもろこしを古くから食べる民族ではありませんし、相性が悪い人種ではないためアレルギーの人はほとんどいませんが、同じイネ科の穀物と交差抗原性が高く、米、小麦などにアレルギーが出る人は注意が必要です。

最も注意が必要なのが、ビールです。麦芽100%ではないビールや発泡酒では副原料に使われていることが意外に多く、近年ではほとんどコーンスターチのみで作る乙類焼酎も存在しており、お酒に表記されている原材料名の「スターチ」はかなりの確率でコーンスターチが使用されています。

赤ちゃんの肌に悪い?

これは食べ物のコーンスターチではなく、ファンデーションやベビーパウダーに使われているコーンスターチについて言われることです。コーンスターチは吸水性に優れており、粒子も細かいため過剰に水分を吸い上げ、肌を乾燥させるような気もしますが、ある程度給水すると水分を放出して肌の水分を保つため、乾燥しすぎることはありません。

また赤ちゃんに使用すると汗腺が詰まるという話もあるのですが、各メーカーのカスタマーセンターが「明確に肌によほど刷り込もうとしない限り毛穴が詰まることはない、根拠はない」と答えており、コーンスターチが特別赤ちゃんに悪いということはありません。

発がん性物質が含まれる?

コーンスターチの原料はとうもろこしであり、特別発がん性物質を含んでいるということはありません。遺伝子組み換えの過程で何らかの発がん性物質を含んだとうもろこしが原料になっていると言うならば、その限りではありませんが、それこそどんな食べ物についても同じように「遺伝子組み換え食品が危険」というリスクはなくなりません。

コーンスターチの特徴を知って安全に使おう!

いかがでしたでしょうか?片栗粉は過熱を続けたり冷めたりすると粘度が落ちますが、コーンスターチは粘度の変化がありません。そのため、コーンスターチを料理に使用する際、向き不向きがあることが分かりました。コーンスターチの特徴を理解し、用途に応じて使い分けましょう!
 

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